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2020.01.14
懲戒処分無効確認等請求控訴事件 
LEX/DB25564423/東京高等裁判所 令和 1年 6月27日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第630号
被控訴人(被告。放送法に基づく基幹放送事業及び一般放送事業等を目的とする株式会社)の従業員である控訴人(原告)が、被控訴人に対し、控訴人の受けたけん責処分が懲戒権の濫用に当たり無効であって、違法な懲戒処分により精神的苦痛を被ったと主張して、けん責処分の無効確認とともに、不法行為に基づく損害賠償金の支払等を求め、原審は、控訴人の請求について、けん責処分の無効確認請求に係る訴えを却下し、その余の請求を棄却し、控訴人が控訴した事案で、当審における当事者の補充主張についても、控訴人の主張は採用することができないとし、本件控訴を棄却した事例。
2020.01.07
遺留分減殺請求事件
LEX/DB25570618/最高裁判所第三小法廷 令和 1年12月24日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1551号
亡Aの長女である被上告人が、Aがその所有する一切の財産を長男である上告人に相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して、上告人に対し、遺留分減殺請求権の行使に基づき、第1審判決別紙遺産目録記載の各不動産について遺留分減殺を原因とする持分移転登記手続を求めるとともに、上告人が上記遺言によって取得した上記財産のうち解約済みの預貯金及び現金並びに上記各不動産の一部について上告人がAの死後に受領した賃料に係る不当利得の返還等を求め、被上告人の遺留分の侵害額の算定に関し、合資会社の無限責任社員であったAが、退社により本件会社に対して金員支払債務を負うか否かが争われた事案の上告審において、無限責任社員であるAが本件会社を退社した当時、本件会社は債務超過の状態にあり、退社時における計算がされた結果、Aが負担すべき損失の額がAの出資の価額を超える場合には、定款に定めがあるなどの特段の事情のない限り、Aは、本件会社に対してその超過額の支払債務を負うことになるとした事例。
2020.01.07
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25570614/最高裁判所第二小法廷 令和 1年12月20日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第437号
被告人は、Aとの間で、覚せい剤100gを代金80万円で譲り渡すこと、覚せい剤は80gと20gに分けて引き渡すことを約束し、代金全額を被告人名義の預金口座に入金させた。被告人は、その約束に係る覚せい剤の一部として、覚せい剤78.76gを、宅配便により発送し、Aに覚せい剤を譲り渡そうとしたが、未遂に終わった事件で、原判決は、被告人が薬物犯罪である本件譲渡未遂により得た財産は、本件覚せい剤の代金相当額に限られるとし、被告人は、約束した覚せい剤100gのうち、その8割に相当する分として本件覚せい剤を発送したと認め、麻薬特例法2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」は64万円であり、既に費消されて没収することができないので、同額を追徴すべきものとしたが、当最高裁では、被告人は、覚せい剤100gを代金80万円で譲渡するという約束に基づき、代金の支払を受けるとともに、本件覚せい剤の譲渡の実行に着手したもので、代金全額が、その約束に係る覚せい剤の対価として本件譲渡未遂と結び付いており、本件譲渡未遂を原因として得た財産といえるから、麻薬特例法2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」として薬物犯罪収益に該当するとした事例(補足意見がある)。
2020.01.07
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25564448/大阪地方裁判所 令和 1年12月 3日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第7518号
被告の提供するインターネット接続サービスを介してインターネット上のウェブサイトに投稿された投稿記事は、原告(NHK)の社会的評価を低下させるものであり、原告の権利を侵害することは明らかであると主張して、被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき,本件投稿に関する発信者情報の開示を求めた事案で、被告は、本件投稿に関してプロバイダー責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に該当し、本件発信者情報を保有していることが認められ、本件投稿により原告の名誉ないし信用が侵害されたことが明らかであるから、原告が本件投稿の発信者に対する損害賠償請求等を行うために、被告に対して本件発信者情報の開示を求めることには正当な理由が認められるとして、原告の請求を認容した事例。
2020.01.07
管理組合資料等閲覧謄写請求事件
LEX/DB25564404/名古屋地方裁判所 令和 1年10月25日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第2323号
マンション管理組合である被告が保管する各銀行預金通帳、訴訟代理人弁護士への委任にかかる費用についての請求書及び銀行振り込み領収書(本件各文書)について、当該マンションの区分所有者である原告が、民法645条に基づき、閲覧及び謄写(コピー各1部)を請求した事案において、原告の請求のうち、被告の管理事務所で閲覧及び閲覧の際の写真撮影について、一部認容した事例。
2019.12.24
器物損壊,道路交通法違反,窃盗被告事件 
LEX/DB25570599/最高裁判所第一小法廷 令和 1年12月10日 決定 (上告審)/平成30年(あ)第1409号
被告人の記名のみがあり署名押印がいずれもない控訴申立書による控訴申立ては、同申立書を封入した郵便の封筒に被告人の署名があったとしても、無効と解すべきであり、これと同旨の原判断は正当として是認できるとし、本件上告を棄却した事例。
2019.12.24
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25564418/東京高等裁判所 令和 1年 7月17日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第4718号
心臓病でA医療センターに入院中の本件患者が、ペースメーカー植込手術が必要になったが、体重の重さが原因で手術に伴う所要の検査の安全な実施が確保できないために、被告病院に転院することになり、本件患者は、転院当日、救急車で被告病院の救急外来の処置室に到着し、所要の診察・検査を終えた後、徒歩で病室に移動中に突然倒れ込んで一時心肺停止状態になり、その50日余り後に死亡した。そこで、本件患者の両親である第1審原告らは、被告病院の医師には、〔1〕病室への移動に当たっては、致死性不整脈の発症を予見し、移動用ベッド等を利用すべきであった(徒歩移動がやむを得なかったとしても、酸素投与、移動用モニターの装着等の措置をとるべきであった。)、〔2〕徒歩移動中に本件患者が苦しいと申告した時点で、直ちに酸素投与、移動用モニターの装着等の措置をとった上で移動用ベッド等を利用すべきであったところ、これらを怠った注意義務違反ないし過失があるなどと主張して、第1審被告に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償金の支払を求め、原判決は、第1審原告らの請求を全部棄却したため、これに不服とする第1審原告らが控訴した事案で、被告病院の医師が、前院であるA医療センターにて本件患者に許可されていた歩行の範囲を超えて本件患者を歩行させたとの事実を認めることはできず、被告病院の医師に注意義務違反ないし過失があったとする第1審原告らの主張は採用できないなどとして、本件控訴を棄却した事例。
2019.12.24
保険金請求事件
LEX/DB25564387/大阪地方裁判所 平成31年 3月27日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4633号
1階で飲食店を営み2階の一部で居住していた原告が、損害保険会社である被告に対し、本件建物は本件火災により半焼したものであるなどと主張して、火災保険契約に基づき、火災保険金の支払等を求めたところ、被告は、本件火災は原告又はその意を受けた者によって起こされたものであって、免責条項の適用があるから、火災保険金の支払義務を負わないなどと主張して争っていた事案において、原告の請求が認容された事例。
2019.12.17
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570514/神戸地方裁判所 令和 1年10月 8日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第1051号
兵庫県三木市内に住所を有する住民である原告らが、三木市長等倫理条例4条1項に基づき当時の被告市長Eに審査請求をしたところ、Eが、同条例4条2項に反して、直ちに審査請求書及び添付書類の写しを三木倫理審査会に提出してその審査を求めず、これらの書類を審査請求者代表者の原告Aに返却したことが、国家賠償法上違法であり、これにより原告らが精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた事案において、Eは、原告らに対し、直ちに本件各書類について市長等倫理条例に施行規則3条に基づく形式的審査を行い、形式的要件を満たしている場合には、直ちに本件各書類を倫理審査会に提出して、審査を請求すべき職務上の法的義務を負っていたがこれに違反したと示し、Eが本件各書類を受け付けず、本件返却を行った過程には看過しがたい過誤があったなどとして、原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。
2019.12.17
自己株式処分不存在確認等請求事件(第1事件)、株主総会決議不存在確認等請求事件(第2事件)
LEX/DB25564355/大阪地方裁判所 平成31年 1月16日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4267号 等
被告の本件株主総会の議事録に、被告の自己株式1000株をP6に対して譲渡する件について出席株主が満場一致でこれを賛成した旨の記載があり、また、その後、株主名簿においてP6が1000株を取得したことを前提とする記載があるところ、原告らが、主位的に、本件自己株式処分が不存在であることの確認を求め、予備的に、本件自己株式処分を無効とするとの判決を求めた事案(第1事件)、また、本件株主総会議事録に記載された、本件選任決議と本件自己株式処分決議について、主位的に、これらの決議が不存在であることの確認を求め、予備的に、これらの決議を取消しを求めた事案(第2事件)において、本件自己株式処分の不存在確認等の請求(第1事件)については、その不存在の確認を求める主位的請求については棄却し、これを無効とするとの判決を求める予備的請求については認容し、また、本件各決議の不存在確認等の請求(第2事件)のうち、不存在の確認を求める主位的請求については棄却し、決議取消しの判決を求める予備的請求については、本件選任決議のうちP5の取締役選任に係る部分及び本件自己株式処分決議の取消しを求める部分については認容し、その余の請求については棄却した事例。
2019.12.10
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(心斎橋通り魔殺人事件上告審判決)
LEX/DB25570577/最高裁判所第一小法廷 令和 1年12月 2日 判決 (上告審)/平成29年(あ)第621号
覚せい剤中毒後遺症の状態にあって「刺せ刺せ」などという幻聴が連続的に聞こえていた被告人が、頼ろうとしていた実兄に見捨てられ、知人に紹介された仕事も期待外れであったという思いから、将来に強い不安を抱く中、自殺することもできず自暴自棄となり、もう幻聴に従ってしまおうと考え、白昼の繁華街で、一人目の被害者(当時42歳)に背後から突進して包丁を突き刺した上、倒れた同人に馬乗りになって包丁を何回も突き刺し、その後、自転車を押しながら逃げようとしていた二人目の被害者(当時66歳)の背後から突進して包丁を突き刺した上、倒れた同人に包丁を何回も突き刺し、さらに、一人目の被害者が動いたことからその場に向かい同人に包丁を突き刺し、両名を殺害したという無差別殺人で、原判決が、被告人を死刑に処した第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処したため、検察官側、被告人側の双方が上告した事案で、原判決の刑の量定が甚だしく不当であり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めることはできないとして、原判決の量刑を維持し、本件上告を棄却した事例。
2019.12.10
法人税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25564253/東京地方裁判所 令和 1年 6月27日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第508号
原告が、その完全子会社を被合併法人とする適格合併を行い、当該子会社が有していた未処理欠損金額を法人税法57条2項の適用により原告の欠損金額とみなして損金の額に算入して法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、上記未処理欠損金額を原告の損金の額に算入することは原告の法人税の負担を不当に減少させる結果となるとして、法人税法132条の2の適用により更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、上記の損金算入を認めなかったことは違法であると主張して、これらの一部の取消しを求めた事案で、本件未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなして損金の額に算入する計算は、法人税法132条の2の規定に基づき否認することができ、原告の本件各事業年度における法人税の額及び原告に課される過少申告加算税の額は、本件各更正処分等における法人税の額及び過少申告加算税の額と同額であると認められ、本件各更正処分等は適法であるとして、原告の請求を棄却した事例。
2019.12.03
地位確認等請求事件
LEX/DB25564170/横浜地方裁判所 令和 1年10月10日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第3828号
被告が経営するスーパーマーケットで勤務していた原告が、商品を会計せずに持ち帰ったことを理由になされた懲戒解雇について、これが無効であると主張して、〔1〕労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、〔2〕懲戒解雇後の未払賃金、未払賞与の支払等を求め、被告が経営する店舗で、原告の氏名を明記し懲戒解雇の事実を公表したことが名誉棄損の不法行為に該当すると主張し、〔3〕慰謝料及び弁護士費用相当損害金の支払、〔4〕就労期間中の未払残業代、〔5〕付加金の支払等を求めた事案で、本件懲戒解雇の有効性については、本件懲戒解雇及び予備的に行った本件予備的解雇意思表示は、いずれも、客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められず無効であるとし、未払賃金等については、被告が、原告に対し、未払賃金及び未払賞与の支払義務を負うとし、被告行為の名誉毀損該当性については、本件掲示は、原告の社会的評価を低下させる事実を摘示するものであり、違法性が阻却されるとは認められないため、不法行為に該当するなどとして、原告の請求を一部認容した事例。
2019.12.03
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」家族法分野 12月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570471/宇都宮地方裁判所真岡支部 令和 1年 9月18日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第30号
原告が、原告と同性婚の関係にあった被告A及び後に被告Aと婚姻した被告Bに対し、被告らが不貞行為を行った結果、原告と被告Aの同性の事実婚(内縁関係)が破綻したと主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案において、同性のカップルであっても、その実態を見て内縁関係と同視できる生活関係にあると認められるものについては、それぞれに内縁関係に準じた法的保護に値する利益が認められ、不法行為法上の保護を受け得ると解するのが相当であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2019.12.03
廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570444/広島高等裁判所 令和 1年 7月25日 判決 (控訴審)/平成31年(う)第75号
被告人が、自己の所有する伐採木を所有地内で焼却したことについて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に問われた事案の控訴審において、被告人が焼却した本件伐採木は燃料として保管されていたもので、廃棄物処理法2条1項の廃棄物に該当しないのに、これが廃棄物に該当された点、本件焼却行為は罰則適用の除外事由を定めた廃棄物処理法施行令14条4項に該当するのに、これに該当しないとした点において、判決に影響を及ぼすことが明らか法令適用の誤りがあり、また、被告人を懲役6月(執行猶予2年)及び罰金30万円に処した原判決の量刑が重過ぎて不当であるとの控訴趣意について、法令適用の誤りに関する主張は斥けたものの、罰則適用に関しては、廃棄物処理法25条1項15号、16条の2の本罰則の適用対象のうち、本件焼却行為は、比較的軽い部類に属するとして、原判決を破棄して、被告人を罰金30万円に処した事例。
2019.11.26
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件
LEX/DB25570559/最高裁判所第一小法廷 令和 1年11月12日 決定 (上告審)/平成31年(あ)第506号
ひそかに児童ポルノ法2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が、当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は、同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たると解するのが相当であり、これと同旨の原判断は正当として是認できるとした事例。
2019.11.26
過誤納付金還付等請求事件
LEX/DB25564167/札幌地方裁判所 令和 1年10月24日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第42号
F市長は、原告の平成21年度分から平成23年度分の市民税及び道民税の全額を徴収した後、平成20年分から平成22年分の各所得税に係る総所得金額が減額されたことに伴い、本件市道民税額を減額したため、過誤納に係る地方団体の徴収金(過誤納金)が発生したとして,これを原告に還付した。本件は、原告が、還付された過誤納金については、徴収された時点に存在していた他の滞納税に充てるべきであるのに、これがされていないため、本件市道民税額に係る延滞金額の計算に誤りがあると主張し、被告に対し、〔1〕地方税法17条に基づき過誤納金及び還付加算金の支払を求めるとともに、〔2〕被告が本件延滞金の計算を誤ったため、本件訴訟を提起せざるを得なくなったとして、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償金の支払等を求めた事案において、地方団体の長は、過誤納金が発生した場合、過誤納金が現実に発生した時点で、還付を受けるべき者について地方団体の徴収金があるときは、地方税法17条の2に基づき過誤納金を徴収金に充当し、地方団体の徴収金がないときは、地方税法17条に基づき過誤納金を還付すればよいというべきであり、これに沿って行われたF市長による本件過誤納金の還付手続は、地方税法の規定に沿う適法なものであったと解するのが相当であり、本件延滞金の額の計算に法令違反などの誤りはないとし、原告の請求を棄却した事例。
2019.11.19
逃亡犯罪人引渡審査請求事件についてした逃亡犯罪人を引き渡すことができる場合に該当する旨の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25570552/最高裁判所第二小法廷 令和 1年11月12日 決定 (特別抗告審)/令和1年(し)第699号
東京高等裁判所がした逃亡犯罪人引渡法10条1項3号の決定に対して、刑訴法433条1項の適用又は準用により刑訴法の特別抗告が許されると解すべきであり、そう解さないときは憲法81条、31条に違反すると主張したが、上記決定は、逃亡犯罪人引渡法に基づき東京高等裁判所が行った特別の決定であって、刑訴法上の決定でないばかりか、逃亡犯罪人引渡法には、これに対し不服申立てを認める規定が置かれていないので、上記決定に対しては不服申立てをすることは許されないとして、本件申立ては不適法であるとして、抗告棄却した事例。
2019.11.19
地位確認等請求事件 
LEX/DB25570540/最高裁判所第一小法廷 令和 1年11月 7日 判決 (上告審)/平成30年(受)第755号
上告人(控訴人・被告)との間で有期労働契約を締結して就労していた被上告人(被控訴人・原告)が、上告人による解雇は無効であると主張して、上告人に対し、労働契約上の地位の確認及び解雇の日以降の賃金の支払を求めたところ、第1審判決は、被上告人の請求を全部認容したため、上告人が控訴し、控訴審も第1審判決を維持し控訴棄却したため、上告人が上告した事案で、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中、労働契約上の地位の確認請求及び平成27年4月1日以降の賃金の支払請求を認容した部分を破棄し、被上告人が契約期間の満了後も本件労働契約が継続する旨主張していたことを踏まえ、これが更新されたか否か等について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。
2019.11.19
謝罪広告等請求控訴事件 
LEX/DB25564064/東京高等裁判所 令和 1年 9月18日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第715号
近現代日本経済史の研究を行う歴史学者・経済学者(原告・被控訴人)が、同分野の歴史学者・経済学者(被告・控訴人)が大学での最終講義及び著書において、過去に被控訴人が控訴人の論文を剽窃・盗用したなどと述べたことが、真実に反するものであり、被控訴人の社会的評価を低下させたとして、名誉毀損を理由とする不法行為に基づき慰謝料、及び、民法723条に基づく名誉回復のための適当な処分として、謝罪広告の掲載を求め、同処分又は人格権に基づく差止請求権として、控訴人が発行した書籍の回収並びに回収不能の場合には同書籍の保有者に対する書面及び付箋の送付を求めたところ、原審が、被控訴人の請求につき、一部認容したため、控訴人がその敗訴部分を不服として控訴した事案で、原審の判断を維持し、控訴を棄却した事例。