2021.07.06
過誤納付金還付等請求事件
LEX/DB25571587/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 6月22日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第337号
市長は、上告人(原告・控訴人)の市民税及び道民税のうち平成21年度分から同23年度分までのもの(本件市道民税)並びにその延滞金等につき、順次、納付を受け又は滞納処分により徴収したが、その後、本件市道民税の税額を減少させる各賦課決定をするとともに、これにより過納金が生じたとして、上告人に対し、過納金の還付及び還付加算金の支払をした。本件は、上告人が、市長による上記過納金の額の計算に誤りがあるとして、被上告人(市。被告・被控訴人)に対し、不足分の過納金の還付及び還付加算金の支払を求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、原審は、上告人の請求をいずれも棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案で、市長は、複数年度分の市道民税を差押えに係る地方税とする本件各滞納処分において、当該差押えに係る地方税に配当された金銭であって、本件各減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の市道民税に充当されていたものにつき、当該差押えに係る地方税のうちその配当時に存在していた他の年度分の市道民税に充当されたものとせず、それぞれ直ちにその金額に相当する過納金が生じたものとして、本件各減額賦課決定により生じた過納金の額を計算したものであるから、市長の当該計算には誤りがあると判示し、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、被上告人が上告人に還付すべき過納金の額等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例。




















