2021.08.17
損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25590268/福岡高等裁判所 令和 3年 7月12日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第16号 等
(1)一審被告鳥栖市の設置した中学校の生徒であった一審原告P1が、〔1〕同じ学校の一審被告生徒らが、一連一体となって一審原告P1に対するいじめを行い、これにより一審原告P1は精神的苦痛を受け、後遺障害が生じ、かつ、金銭を喝取されたことなどによって経済的損害を被った、〔2〕当時一審被告生徒らの親権者であった一審被告保護者らは、一審被告生徒らが上記いじめ行為に及んだことに関して監督義務違反があり、また、仮に一審被告生徒らの中に、上記いじめ行為に及んだ時点で責任無能力者であった者がいる場合、その生徒の親権者は民法714条1項本文に基づく責任を負う、〔3〕一審被告生徒らによる上記いじめ行為が発生したこと及び発生後の対応に関し、上記中学校の教諭及び校長並びに鳥栖市教育委員会に安全配慮義務違反等の義務違反があり、これらの義務違反と一審原告P1が上記いじめ行為により被った損害との間には相当因果関係があるから、一審被告鳥栖市は国家賠償法1条1項に基づき損害賠償責任を負うと主張し、一審被告生徒らに対しては民法719条1項、709条に基づき、一審被告保護者らに対しては同法709条又は714条1項本文に基づき、一審被告鳥栖市に対しては国家賠償法1条1項に基づき、連帯して、損害の一部である1億1123万6078円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、(2)一審原告P1の父である一審原告家族が、それぞれ、一審原告P1がいじめを受けたことにより、独自の損害を被ったと主張し、被告生徒らに対しては民法719条1項、709条に基づき、一審被告保護者らに対しては同法709条又は714条1項本文に基づき、一審被告鳥栖市に対しては国家賠償法1条1項に基づき、連帯して、各賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を、それぞれ求め、(3)一審原告らが、一審被告生徒ら及び一審被告保護者らに対し、一審原告P1の人格権に基づき一審原告らへの接触等の行為の禁止を求め、原判決は、一審原告P1の請求のうち、一審被告生徒らに対し、原判決別紙認容額一覧表の総額欄記載の金額及びうち原判決別紙遅延損害金起算日一覧表記載の金員に対する同一覧表の遅延損害金起算日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で請求を認容し、一審原告P1のその余の請求並びに一審原告家族の請求をいずれも棄却した。一審原告P1及び一審被告P8がそれぞれ原判決中敗訴部分を不服として控訴し、一審原告家族が原判決を不服として控訴し、一審被告P9が原判決中敗訴部分を不服として附帯控訴した事案で、一審原告P1の一審被告生徒らに対する請求については、別紙2認容額一覧表の各一審被告の「総額」欄記載の金額及びこれに対する不法行為の後である平成24年10月23日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余の請求は理由がないから棄却すべきであるところ、これと異なる原判決は一部不当であり、一審原告P1の一審被告P2、一審被告P3、一審被告P4、一審被告P5、一審被告P6及び一審被告P7に対する控訴並びに一審被告P8の控訴及び一審被告P9の附帯控訴は一部理由があり、一審原告P1の一審被告P8及び一審被告P9に対する控訴は理由がなく、一審原告P1の一審被告鳥栖市及び一審被告保護者らに対する請求並びに一審原告家族の請求はいずれも理由がないから棄却すべきであるところ、これと同旨の原判決は相当であるとした事例。




















