2021.09.21
窃盗被告事件
LEX/DB25571712/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 9月 7日 判決 (上告審)/令和3年(あ)第1号
被告人が、スーパーマーケットで食料品10点を窃取し窃盗の罪で起訴された事件で、第1審判決は、被告人が、本件犯行時、心神耗弱の状態にあったとして、被告人を懲役4月に処したことに対し、検察官が控訴し、原判決は、完全責任能力を認め、被告人を懲役10月に処したため、被告人が上告した事案において、被告人は行動制御能力が著しく減退していた合理的疑いが残るから心神耗弱の状態にあったとした第1審判決について、その認定は論理則、経験則等に照らして不合理であるとして、事実誤認を理由に破棄し、原審において何ら事実の取調べをすることなく、訴訟記録及び第1審裁判所において取り調べた証拠のみによって、直ちに完全責任能力を認めて自判をした原判決は、刑事訴訟法400条ただし書に違反するとして、原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻した事例。