2022.10.04
(三ッ星新株予約権無償割当差止仮処分命令申立事件)
LEX/DB25593190/最高裁判所第二小法廷 令和 4年 7月28日 決定 (許可抗告審)/令和4年(許)第12号
抗告人の株主である相手方が、抗告人において取締役会の決議に基づき現に手続中の株主に対する新株予約権の無償割当てについて、〔1〕株主平等の原則に違反する法令違反がある、〔2〕著しく不公正な方法によるものである旨主張して、会社法247条1号及び2号の類推適用に基づき、本件新株予約権の無償割当てを仮に差し止めることを求めた基本事件において、大阪地方裁判所が相手方の本件申立てに理由があると認め、相手方に代わり第三者に3億円の担保を立てさせて、これを認容する仮処分決定をしたところ、これに対し、抗告人が保全異議の申立てをして、原々決定の取消しを求めたが、原審裁判所が原々決定を認可する旨の決定をしたため、抗告人が本件保全抗告をし、抗告審が、現経営陣による本件新株予約権の無償割当てによって相手方が著しい損害を被るおそれがあることが認められ、本件において、保全の必要性についての疎明があるといえるとして、本件保全抗告を棄却したことから、抗告人が許可抗告した事案で、本件の事実関係の下において、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができるから、抗告人の論旨は採用することができないとして、本件抗告を棄却した事例。