2022.12.06
殺人被告事件
LEX/DB25572427/最高裁判所第一小法廷 令和 4年11月21日 判決 (上告審)/令和3年(あ)第319号
被告人が、被告人方において、妻であるA(当時38歳)に対し、殺意をもって、その頸部を圧迫し、Aを頸部圧迫による窒息により死亡させたとした事件で、第1審判決は、被告人の実行行為性を認めた上、犯行態様は危険で悪質なものであることなどを考慮し、被告人を懲役11年を言い渡し、原判決も、殺人の事実を認定した第1審判決の判断は相当であるとして、控訴を棄却したため、被告人が上告した事案で、Aの顔前面の血痕がないとして、本件自殺の主張は客観的証拠と矛盾するとした原判決の判断は是認できず、その判断に基づき被告人を有罪とした点には事実誤認の疑いがあり、また、その原因は、原審で十分な審理が尽くされなかったとして、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻した事例。