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2013.10.08
殺人被告事件
LEX/DB25501465 / 大阪高等裁判所 平成25年 2月26日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第1159号
 実姉を包丁で突き刺して死亡させたというの事案について、第一審で懲役20年を言い渡された事案の控訴審で、原判決は本件犯行にいたった動機や経緯にアスペルガー傷害の影響があった点を過小評価し、また社会においてアスペルガー障害の受け皿がなく、このことと被告人の反省が十分でないことと相まって再犯のおそれが強いなどとして、これらを被告人の刑を重くする方向の一事項として考慮したが、それは誤っているとして原判決を破棄し、懲役14年を言い渡した事例。
2013.10.01
損害賠償請求事件
LEX/DB25445882 / 仙台地方裁判所 平成25年 9月17日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1274号
 宮城県石巻市内の被告B1学院が設置する本件C幼稚園に子供を入園させていた原告らが,平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって発生した本件津波に流されて、子供らが乗車した本件幼稚園Cの送迎バスが横転し,その後に発生した火災にも巻き込まれるなどし、上記子供らが死亡するに至ったのは,本件地震発生当時の本件幼稚園Cの園長であった被告B2園長らが津波に関する情報収集を懈怠し、送迎バスの出発や避難に係る指示・判断を誤ったことなどによるものである旨主張して、被告B1学院に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は民法715条1項の不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告B2園長に対しては民法709条の不法行為による損害賠償請求権に基づき、それぞれ損害金及びその遅延損害金の連帯支払を求めたという事案において、被告B1学院の履行補助者(被用者)である被告B2園長が本件地震発生後に津波に関する情報収集義務の履行を怠った結果、本件小さいバスを眼下に海が間近に見える高台にある本件幼稚園Cから海側の低地帯に出発させて本件被災園児ら4名の津波被災を招いたといえるから、原告ら主張のその余の責任原因について判断するまでもなく、被告B1学院には安全配慮義務違反の債務不履行責任及び民法715条1項(使用者責任規定)の不法行為による損害賠償責任があり、被告B2園長には民法709条の不法行為による損害賠償責任があるとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.10.01
現住建造物等放火、殺人、殺人未遂被告事件
LEX/DB25501589 / 大阪高等裁判所 平成25年 7月31日 判決 (控訴審) / 平成23年(う)第1649号
 犯行時、被告人に妄想はあったものの、被告人の精神症状により、物事の是非善悪を判断し、その判断に従って行動する能力が著しく減退していなかったと認定した原判決の判断は正当であるとし、また、現在我が国で執行されている絞首刑という執行方法が、それ自体、受刑者に不必要な精神的、肉体的苦痛を与えることを内容とするものとして、人道上も残虐と認められる刑罰であるということはできないとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2013.10.01
農地法20条1項による許可取消請求事件(第1事件)、土地明渡請求事件(第2事件)、建物収去土地明渡請求事件(第3事件)
LEX/DB25501610 / 千葉地方裁判所 平成25年 7月29日 判決 (第一審) / 平成19年(行ウ)第29号等
 原告が、各土地を賃借して農地として耕作しているとして、処分行政庁が空港会社による賃貸借の解約申入れを許可した処分は違法であると主張して、被告千葉県に対し、許可処分の取消しを求めた事案(第1事件)、また、原告航空会社が、被告(第1事件原告)に対し、許可処分に基づき賃貸借契約を解約する旨申し入れたことにより、同契約は終了したとして、賃貸借契約終了による土地明渡請求権又は建物収去土地明渡請求権に基づき、各土地上の建物及び工作物を収去し、同土地を明け渡すことを求めた事案(第2及び第3事件)において、第1事件につき、取消請求を却下し、その余の請求を棄却し、第2及び第3事件を一部認容した事例。
2013.10.01
殺人被告事件
LEX/DB25501585 / 京都地方裁判所 平成25年 7月18日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第50号
 被告人と被害者との夫婦関係修復の意見の違いに起因する殺人事件において、本件の犯情は悪く、被告人の刑事責任は相当重いのであって、子らのために父親が必要である旨の弁護人の主張を踏まえても、本件は酌量減軽をすべき事案とは到底いえないとして、被告人を懲役13年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.01
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反)、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25501612 / さいたま地方裁判所 平成25年 7月18日 判決 (第一審) / 平成22年(わ)第343号等
 山口組の直参組員であるとともに、二次団体の首領である被告人が、その傘下組織の構成員が殺害されたことから、報復して二次団体の威信を保つため、配下の暴力団構成員らと共謀の上、二次団体の活動として組織により、対立する暴力団組織に構成員に対しけん銃2丁を発射して殺害し、その際、同けん銃2丁とこれに適合する実包と共に所持したという組織的犯罪処罰法の加重殺人、銃刀法の組織的なけん銃発射及びけん銃の加重所持の事案において、被告人を無期懲役及び罰金3000万円に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.01
殺人、死体遺棄被告事件
LEX/DB25501588 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月17日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第6151号等
 被告人は、被害者両名を殺害し、又は暴行を加えて傷害を負わせ、若しくはその他の方法で傷害を負わせて死亡させたものと認められるとした上で、被告人は長男に対し、長男を死亡させる危険性の高い行為をそれと分かって行ったと認められるから、被告人には長男に対する殺意を認めることができるとする一方、長男に対して殺意が認められるからといって妻に対しても殺意が認められるとはいえないとして、被告人を懲役28年に処した事例。
2013.10.01
各傷害致死被告事件
LEX/DB25501584 / 名古屋地方裁判所 平成25年 7月12日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第2078号
 刑法207条を傷害致死罪に適用することは文理上問題がなく、必要性も合理性も認められるとした上で、被告人両名が被害者に対し、それぞれ暴行を加えて死亡させたが、どちらの暴行により死因となった外傷性くも膜下出血が発症したのかを特定することができず、同時傷害の特例の適用により被告人両名に傷害致死罪が成立するとして、被告人両名をそれぞれ懲役5年6か月に処した事例。
2013.10.01
損害賠償等請求事件
LEX/DB25501545 / 津地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成20年(ワ)第17号の2
 原告が、三重県北牟婁郡紀伊長島町内において産業廃棄物中間処理施設を設置しようとしていたところ、紀伊長島町長から、紀伊長島町水道水源保護条例に基づき、上記施設を含む事業場を同条例2条5号所定の規制対象事業場と認定する処分を受けたため、同条例12条により上記施設を設置することができなくなったが、当該処分を取り消す旨の判決が確定したとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、当該処分の結果被った損害の賠償を求めた事案において、本件処分には取消事由となる瑕疵があるところ、町長が通常尽くすべき職務上の注意義務を尽くしていたとは到底いえず、本件処分を行った町長の行為は国家賠償上も違法であるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.10.01
各業務上過失致死被告事件
LEX/DB25501547 / 岐阜地方裁判所 平成25年 7月10日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第63号
 被告人両名の重大な過失により、解体作業中の工場の壁が市道に倒れ、自転車で通行中の女子高生を同壁の下敷きにし、死亡させたという各業務上過失致死の事案において、本件解体工事の際、本件壁を一枚壁の状態にせず側壁を残したまま解体作業をするか、あるいは、本件壁を一枚壁の状態にして解体する場合でも、本件壁にワイヤーロープを張って支えたり、壁を重機でつかむなどすれば本件壁の倒壊を容易に防止できたことは、被告人両名の会社における地位及び解体工事に関する知識経験からして容易に認識できたもので、被告人両名が適切な倒壊防止措置を講じてさえいれば本件事故を回避することができたとして、被告人両名をそれぞれ禁錮1年2か月に処した事例。
2013.10.01
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25501551 / 金沢地方裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第104号
 被告人は、法定の除外事由がないのに、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン又はその塩類若干量を自己の身体に摂取し、もって覚せい剤を使用したものであるとして、被告人を懲役1年6か月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.10.01
被告人両名に対する保護責任者遺棄(変更後の訴因保護責任者遺棄致死)被告事件
LEX/DB25501611 / 名古屋地方裁判所岡崎支部 平成25年 6月17日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第740号
 被告人両名は、被害女児の親権者として、同児を保護する責任を負っていたものであるが、平成24年4月ころには同児が低栄養状態に陥っていること及び歩行困難等になっていることを認識しながら、共謀の上、同年9月20日までの間、同児に十分な食事を取らせず、適切な医療措置を受けさせずに放置し、同児を衰弱死させたとの保護責任者遺棄致死の事案において、不保護の態様は悪質であること、4歳の女児を死亡させたという結果は重大であること等を考慮し、被告人両名をそれぞれ懲役6年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.01
詐欺、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、詐欺各被告事件
LEX/DB25501546 / さいたま地方裁判所 平成25年 6月10日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第71号等
 被告人両名が、共謀の上、土木建築工事の設計・施工及び請負・管理等を目的とする株式会社アーバンエステートが経営破綻状態であり、契約を履行できる見込みがほとんどないにもかかわらず、顧客との間で建設工事請負契約を締結して契約金等を受領したという詐欺、被告人Aが同社の架空増資を行ったという電磁的公正証書原本不実記録、同供用の各事案において、被害者らは、念願のマイホームを手に入れるため、何とか金策をして契約にこぎ着けたにもかかわらず、それから一月も経たないうちに業者が倒産するという憂き目にあったもので、その驚愕、悲嘆の気持ちは察するに余りあるとして、被告人Aを懲役4年に、被告人Bを懲役2年8か月に処した事例。
2013.10.01
傷害致死被告事件
LEX/DB25501550 / 和歌山地方裁判所 平成25年 5月31日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第431号
 被告人が、被害者が窓枠をつかんでいる認識を有しながら自動車を加速させたのは、被害者に対する暴行に当たるというべきところ、かかる行為が被害者を負傷させる危険の高い行為であることは明らかであって、犯行現場の道幅が狭いことや、石垣があることも被告人において認識していたことからすると、被告人には、傷害の未必的故意が優に認められるから、被告人には、傷害致死罪が成立するとして、被告人を懲役3年(執行猶予5年)に処した事例。
2013.09.24
損害賠償本訴,著作権確認等反訴請求事件
LEX/DB25445834 / 東京地方裁判所 平成25年 8月29日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第32409号等
 原告が、被告がその販売するDVD商品等に原告に無断で原告の撮影した風景の映像動画を複製して頒布したとして、著作権法112条に基づき、DVD商品等からの映像の削除を求めるとともに、不法行為による損害賠償を求め、反訴として、被告が、原告の撮影した山野草の映像動画について被告が著作権を有することの確認、これらを収録した映像素材(原版)の引渡し及び原告に対する既払金の返還を求めた事案において、原告が本件作品に本件風景映像動画を複製して頒布することを許諾したと認めることはできず、また、本件契約に基づき製作された前記映像動画の著作権は被告に独占的に帰属するとして、本訴請求及び反訴請求をいずれも一部認容した事例。
2013.09.24
特許権侵害差止等請求権不存在確認等請求控訴事件
LEX/DB25445825 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月28日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10018号
 被控訴人らが、被控訴人らによる本件口紅の輸入、製造、販売又は使用につき、控訴人Xが本件特許権に基づく差止請求権、損害賠償請求権及び不当利得返還請求権をいずれも有しないことの確認を求めるとともに、控訴人らが、本件口紅の製造、輸入、販売は本件特許権を侵害するものであるとの虚偽の事実を、本件口紅の需要者、被控訴人らの取引関係者及びその他の第三者に告知、流布したことが、不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為(信用毀損行為)に当たるとして、同行為の差止め、謝罪文の掲載及び不正競争行為に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審において、控訴人らの行為は信用毀損行為に該当するとした上で、賠償額につき原判決を変更した事例。
2013.09.24
商標登録取消決定取消請求事件
LEX/DB25445829 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月28日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10352号
 「ほっとレモン」との文字を輪郭線で囲んだ本件商標の商標権者である原告が、本件商標の商標登録を取り消す旨の特許庁の審決の取消しを求めた事案において、本件輪郭部分と本件文字部分からなる本件商標は、これを全体としてみたとしても、商品の出所識別機能を有するに至ったとすることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.09.24
退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25445836 / 名古屋高等裁判所 平成25年 6月27日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第19号
 韓国国籍を有する原告(控訴人)が、在留期限を超えて我が国に残留したことから、出入国管理及び難民認定法所定の退去強制事由に該当する等の認定を受けたため、異議の申出をしたが、上記異議の申出には理由がない旨の裁決を受けたことから、その取消しを求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、原告は、生命に関わる胸腺がんの再発と闘病せざるを得ず、症状等の情報が集積され、担当医らとの信頼関係を再度構築する必要のない本件病院にて継続的に治療等を行うことを認めるのが最も適切であり、病院を替わることに伴う重い負担は、不法残留という途を選択した原告の自己責任で対応すべきであるなどと判断するのは相当とは考えられず、本件裁決は、その裁量権行使に当たり、逸脱ないし濫用があるとし、原判決を取り消し、請求を認容した事例。
2013.09.24
危険運転致死傷,道路交通法違反事件
LEX/DB25445842 / 札幌地方裁判所 平成25年 6月21日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第995号
 被告人が、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自車を走行させたことにより、電柱に自車を衝突させて横転させ、同乗者A(当時1歳)を車外に放出させて脳挫傷の傷害を負わせ、同人を前記傷害によって死亡させるとともに、同乗者B(当時4歳)に右側胸部裂傷等の傷害を負わせた事案において、運転席に乗り込んで運転を開始した際の被告人は、酒の影響でひどく人が変っていたといえ、正常に判断する能力は著しく低く、このことは、当時の被告人の血中アルコール濃度が高濃度であったことからも裏付けられており、被告人が負うべき責任は相当限定されているが、当時の被告人が完全に別人格であったとはいえないとし、懲役3年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.09.24
損害賠償請求事件
LEX/DB25445837 / 大阪地方裁判所 平成25年 3月21日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第2795号
 普通地方公共団体である原告が、被告との間で本件工事に係る請負契約を締結したところ、本件工事に係る指名競争入札の際、入札業者が被告を受注予定者とする談合を行い、原告に損害を与えたと主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案において、本件においては、原告に損害が生じたことは認められるものの、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときに該当するといえるから、民事訴訟法248条を適用して、相当な損害額を認定するのが相当であるところ、想定落札価格に基づく契約金額と本件談合により現実に締結された本件契約の契約金額との差額として原告が被った損害は、本件代金の10パーセント相当額と認定するのが相当であるとし、請求を認容した事例。