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2013.10.29
愛知県青少年保護育成条例違反被告事件
LEX/DB25501721 / 名古屋地方裁判所 平成25年 2月18日 判決 (第一審) / 平成23年(わ)第2603号
 被告人は、A(当時15歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、愛知県において、単に自己の性的欲望を満たすだけの目的で、Aの乳房をもんだり、乳首をなめたり、陰部に手の指を挿入するなどし、もって青少年に対して、わいせつな行為をしたとして、被告人を懲役6か月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.10.22
著作権侵害差止等請求事件
LEX/DB25445900 / 東京地方裁判所 平成25年 9月30日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第33525号
 小説家・漫画家・漫画原作者である原告らが、法人被告らは、権利者の許諾を受けることなくスキャナーで書籍を読み取って電子ファイルを作成し、依頼者に納品しているから、注文を受けた書籍には、原告作品が多数含まれている蓋然性が高いなどとして、第三者から委託を受けて原告作品が印刷された書籍を電子的方法により複製することの禁止等を求めた事案において、本件における複製は、書籍を電子ファイル化するという点に特色があり、電子ファイル化の作業が複製における枢要な行為というべきであるところ、その枢要な行為をしているのは、法人被告らであって利用者でなく、法人被告らを複製の主体と認めるのが相当であるとし、請求を一部認容した事例。
2013.10.22
住民票記載義務付け等請求事件
LEX/DB25445893 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 9月26日 判決 (上告審) / 平成24年(行ツ)第399号
 原告(控訴人、上告人)父が、原告母との間の子である原告子に係る出生の届出をしたが、戸籍法49条2項1号所定の届書の記載事項を記載しなかったため受理されなかったところ、原告らが、同号の規定のうち届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分(本件規定)は憲法14条1項に違反するなどと主張して、被告ら(控訴人、被上告人)に対し慰謝料を求めたところ、原判決が、訴えを却下した第一審判決を維持し、控訴を棄却したため、原告らが上告した事案において、本件規定は、法律婚主義の制度の下における身分関係及び戸籍処理上の差異を踏まえ、戸籍事務を管掌する市長村長の事務処理の便宜に資するものとして、出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきことを定めているにとどまり、本件規定それ自体によって、嫡出でない子について嫡出子との間で子又はその父母の法的地位に差異がもたらされるものとはいえず、憲法14条1項に違反するものではないとし、上告を棄却した事例(補足意見あり)。
2013.10.22
審決取消請求事件(発明等名称:グラム)
LEX/DB25445919 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月25日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10031号
 本件商標の商標権者である原告が、商標法50条1項に基づき商標登録を取り消した審決の取消しを求めた事案において、本件商標の通常使用権者は、本件審判請求登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標である本件使用商標を表示した本件下げ札を付した本件商品を日本国内所在の製造委託者に譲渡し、さらに製造委託者が本件商品を小売業者に販売したもので、本件商標の指定商品中「被服」に本件商標を使用したものと認められるとして、上記審決を取り消した事例。
2013.10.22
 
LEX/DB25501693 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 7月22日 決定 (上告審) / 平成25年(あ)第495号
 被告人が、アスペルガー障害を有し、長期間引きこもりの生活をしていたところ、その精神障害の影響で姉である被害者の言動が自分に対する嫌がらせであるなどと受け止め、いわれない憎しみを募らせた末に殺害を決意し、あらかじめ包丁を準備して、被害者が自宅を訪れるのを待ち受けた上で、何ら落ち度のない被害者に対し、執ように包丁で切りつけて殺害したとされた事案の上告審において、弁護人の上告趣意は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、本件上告を棄却した事例。
2013.10.22
殺人被告事件
LEX/DB25501736 / 横浜地方裁判所 平成25年 7月10日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第298号
 被告人が、77歳の妻の認知症の症状を悲観して、無理心中を企て、睡眠薬で入眠させた妻を両手で絞殺したという事案において、とりわけ本件犯行の経緯に関する酌むべき事情を考慮しても、罪質や結果の重大性、犯行態様の悪質性等を踏まえると、本件について刑の執行を猶予することは相当でないとして、被告人を懲役2年6か月に処した事例。
2013.10.22
公務外認定取消請求事件
LEX/DB25501699 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第71号
 原告が、豊岡市職員であった亡夫の自殺は、公務に伴う心理的負荷によって罹患したうつ病の自殺念慮の発作から引き起こされたものであるとして、地方公務員災害補償法に基づく公務上災害認定請求をしたところ、処分行政庁は、同人の自殺を公務外の災害と認定する処分をしたため、被告(地方公務員災害補償基金)に対して同処分の取消しを求めた事案において、同人は、うつ病によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定され、公務起因性を認めることができるとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.10.22
損害賠償請求事件
LEX/DB25501616 / 広島地方裁判所 平成25年 5月 8日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1371号等
 株式会社Tとの間で金銭消費貸借取引を継続して行ってきた者やその相続人が原告となって、同取引においてT社の取締役らであった被告らが利息制限法違反となるような利息請求を継続し、同取引に基づいて発生する過払金の額を増大させたことは、会社法429条所定の悪意・重過失による任務懈怠に当たるとして、被告らに対し、その損害の賠償を求めた事案において、過払金返還請求を行っていない顧客との取引についてまで、あらかじめ被告らに引き直し計算をすべき義務があると解することは、不可能ないし著しい困難を強いる結果となるものであるし、前提条件の定め方如何によっては、引き直し計算を行うこと自体がT社の利益を損なう行為として任務懈怠責任を問われかねないものであるから、被告らに引き直し計算を行うべき法的義務があったとは認めることはできないなどとして、原告等の請求をいずれも棄却した事例。
2013.10.22
業務上過失致死被告事件
LEX/DB25501614 / 東京地方裁判所 平成25年 3月 4日 判決 (第一審) / 平成23年(刑わ)第2213号
 歯科医師である被告人が、インプラント手術の際、業務上の注意義務に違反して、ドリルで被害者の口腔底内の血管を損傷し、被害者を死亡させたという事案において、被告人には、手術に当たり、オトガイ下動脈等の血管を損傷する危険性を認識した上で、これらの血管を損傷することのないよう、ドリルを挿入する角度及び深度を適切に調整して埋入窩を形成すべき業務上の注意義務があるのに、これを怠り、ドリルを挿入する角度及び深度を適切に調整せず、右下顎骨の舌側近心方向にドリルを挿入し、右下顎第1小臼歯根尖下方の舌側皮質骨を穿孔してドリルを口腔底の軟組織に突出させた過失があるというべきであるとして、業務上過失致死罪の成立を認めて、被告人を禁錮1年6月に処し、執行猶予3年を言い渡した事例。
2013.10.15
各損害賠償等請求事件(発明等名称:洗濯機)
LEX/DB25445891 / 東京地方裁判所 平成25年 9月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第8085号等
 洗濯機等に関する6の特許権を共有する原告らが、被告らによる洗濯機の製造、譲渡又は譲渡等の申出がその特許権を侵害するとして、不法行為による損害賠償請求権又は不当利得による利得金返還請求権に基づき、(1)被告三菱電機株式会社、同株式会社三菱電機ライフネットワーク及び同日本建鐵株式会社に対し、損害金及び利得金並びに遅延損害金の連帯支払、を求めた事案において、被告三菱電機は、被告製品4及び5に係る被告日本建鐵、同ライフネットワーク及び同住環境システムズのそれぞれの譲渡を幇助したものということができ、被告三菱電機は、被告日本建鐵と共に、被告製品4及び5を開発したのであるから、先行技術を調査するなどして上記各譲渡を幇助すべきでなかったのに、漫然と幇助した過失も認められるとし、被告らは、民法719条の共同不法行為として、連帯して損害賠償責任を負うものとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.10.15
出版差止等請求控訴事件
LEX/DB25445889 / 知的財産高等裁判所 平成25年 9月10日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10039号
 「A Man of Light」(「光の人」)は、控訴人の修士課程卒業制作作品(映画)であり、「いのちを語る」と題する原判決書籍目録記載の被告書籍は、被控訴人がその著者の一人で、控訴人は、本件映画中の20分から21:05(21分5秒)までの原判決記載の本件インタビュー部分に関する被告書籍の原判決の被告記述部分が、控訴人の著作権(翻案権)又は著作者人格権(同一性保持権)を侵害すると主張して、被控訴人に対し、〔1〕著作権法112条1項に基づく被告書籍の印刷などの差止めを求めるとともに、〔2〕著作権侵害、著作者人格権侵害に基づき、損害賠償110万円及び遅延損害金の支払を求め、合わせて〔3〕著作権法115条に基づく名誉回復等の措置としての謝罪広告を求め、原判決は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人は、侵害された著作権として、翻案権に加え複製権を主張し、さらに、著作者人格権に関し、著作権法113条6項によるみなし侵害の主張を追加するとともに、予備的に、創作活動の内容を第三者によって無断で改変されないことに関する人格的利益侵害の不法行為に基づく損害賠償請求を追加した事案において、本件控訴及び当審における予備的請求のいずれにも理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2013.10.15
工作物設置続行禁止仮処分申立事件
LEX/DB25445892 / 大阪地方裁判所 平成25年 9月 6日 決定 (第一審) / 平成25年(ヨ)第200003号
 債権者が、大阪市北区に所在する複合施設である「新梅田シティ」内の庭園を設計した著作者であると主張して、著作者人格権(同一性保持権)に基づき、同庭園内に「希望の壁」と称する工作物を設置しようとする債務者に対し、その設置工事の続行の禁止を求める仮の地位を定める仮処分を申し立てた事案において、被保全権利について、債務者の抗弁の疎明があったことになるとし、その余の争点について判断するまでもなく、債権者の本件申立てを却下した事例。
2013.10.15
遺産分割審判に対する抗告審の変更決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25501698 / 最高裁判所大法廷 平成25年 9月 4日 判決 (特別抗告審) / 平成24年(ク)第1261号
 A(平成2年死亡)の遺産につき、C及び相手方X1らが、相手方Y3及び抗告人らに対して遺産の分割の審判を申し立てた事件と、B(平成13年11月死亡)の遺産につき、抗告人Y1が、C、相手方X1ら及び抗告人Y2に対して遺産の分割の審判を申し立てた事件とが併合された事件であるが、原審係属中にCが死亡したため、その地位を相手方X1らが承継したが、原審は、民法900条4号ただし書の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の2分の1とする部分(本件規定)は、憲法14条1項に違反しないと判断し、本件規定を適用して算出した相手方X1ら及び抗告人らの各法定相続分を前提に、A及びBの各遺産を分割すべきものとしたため、抗告人らが特別抗告した事案において、遅くともBの相続が開始した平成13年11月当時においては,立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきであるとし、本件規定は、遅くとも平成13年11月当時において、憲法14条1項に違反していたとし、原決定に差し戻した。なお、本決定の違憲判断は、Bの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるとした事例(補足意見あり)。
2013.10.15
損害賠償等を求める請求控訴事件
LEX/DB25501663 / 東京高等裁判所 平成25年 8月29日 判決 (控訴審) / 平成25年(行コ)第189号
 千葉県白井市の住民である被控訴人(原告)らが、元同市市長において、その在任中、地方自治法179条1項の要件がないにもかかわらず、違法な専決処分により、北総鉄道に補助金を支出する旨の債務負担行為を行った旨主張して、同市市長である控訴人(被告)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、元市長に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づく金員の支払請求を、また、北総鉄道に対し、不当利得返還請求権に基づく金員の支払請求を行い、原判決が元市長に対する請求を概ね認容した事案において、控訴人の控訴を棄却した事例。
2013.10.15
各凶器準備集合被告事件
LEX/DB25501667 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第147号
 被告人ら2名は、準暴力団関係者らと共同し、被害者を対立する人物と誤信して危害を加える目的で凶器準備集合を行ったとの事案において、目的は準暴力団内の身勝手な論理に基づく極めて悪質かつ危険なもので、態様は社会の平穏を大きく害し、組織性や計画性も高く、被害者が死亡しており、犯行による危険が現実化していること、被害者の父親が厳しい処罰感情を有していること等は軽視できないが、他方で、被告人両名の関与の程度は低い程度で留まっていた事情も考慮し、被告人両名に対し、それぞれ懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した事例。
2013.10.15
各凶器準備集合被告事件
LEX/DB25501668 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第1111号
 被告人ら4名は、準暴力団関係者らと共同し、被害者を対立する人物と誤信して危害を加える目的で凶器準備集合を行ったとの事案において、目的は準暴力団内の身勝手な論理に基づく極めて悪質かつ危険なもので、態様は社会の平穏を大きく害し、組織性や計画性も高く、被害者が死亡しており、犯行による危険が現実化していること、被害者の父親が厳しい処罰感情を有していること等は軽視できないが、他方で、被告人ら4名の関与の程度は低い程度で留まっていた事情も考慮し、被告人らに対し、それぞれ懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した事例。
2013.10.15
強要、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25501664 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 8日 判決 (第一審) / 平成25年(刑わ)第1111号
 被告人は、被害児童(当時13歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、被害児童の顔と下着姿の画像データを入手し、これをインターネット上の掲示板に掲載すると言って脅迫した上、児童ポルノ画像を製造しようと考え、被害児童に対し、電子メールを送信して脅迫し、被害児童の陰部等を撮影させた上、その画像データを送信させ、児童ポルノを製造したとの強要、児童売春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の事案において、被告人に根強い常習性が認められるとして、被告人を懲役1年6月に処した事例。
2013.10.15
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25501622 / 東京高等裁判所 平成25年 8月 7日 判決 (控訴審) / 平成23年(ネ)第5747号
 被控訴人(被告)学校法人が設置する大学に在学し、同大学水泳部に所属していた者が、中国昆明における高地トレーニングの合宿練習中に異変を起こして死亡したのは、被控訴人学校法人及び被控訴人(被告)水泳部コーチらの安全配慮義務違反によるものであるなどとして、同人の両親である控訴人(原告)らが、被控訴人学校法人に対し、在学契約に基づく安全配慮義務違反(民法415条)又は不法行為(民法715条)に基づき、被控訴人コーチに対し、不法行為(民法709条)に基づき、損害賠償等を請求し、原審が控訴人らの各請求をいずれも棄却した事案において、控訴を棄却した事例。
2013.10.15
住居侵入、強姦致傷、強姦被告事件
LEX/DB25501666 / 東京地方裁判所 平成25年 8月 7日 判決 (第一審) / 平成24年(合わ)第139号等
 被告人は、5年以上にわたって、深夜徘徊して無施錠の女性の一人暮らしと思われる部屋を探し当てては、住居侵入、強姦致傷、強姦の各犯行に及ぶといったことを7回にわたり繰り返したとの住居侵入、強姦致傷、強姦の事実で起訴された事案において、犯行の数の多さ、各被害者に与えた深い心の傷を重視すると、極めて悪質であること、個々の犯行態様も計画的かつ巧妙であること、被害者らがいずれも被告人の弁償申出を拒絶していること、過去にも同様の犯行を行い、8年間服役しており、常習性は顕著であり、再犯可能性も高いこと等から、被告人の刑事責任は重いとして、被告人を懲役28年に処した事例(裁判員裁判)。
2013.10.15
保護責任者遺棄致死(予備的訴因:業務上過失致死)被告事件
LEX/DB25501661 / 大阪地方裁判所 平成25年 7月31日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第1487号
 被告人は、ガールズバー経営者として飲食業を営み、雇い入れた未成年の女性らに飲酒を伴う接客等を行わせるなどの業務を行っていたところ、泥酔状態に陥った従業員の被害者女性(当時18歳)が床の上で横になっているのを認めるとともに、別の従業員から同女が接客業務の一環として短時間にブランデーを5、6杯飲んだことを告げられたから、同女の生命身体の安全に配慮すべき業務上の注意義務があったが、これを怠り、同女を漫然と放置した過失により、急性アルコール中毒で死亡させたとの保護責任者遺棄致死の事案において、被告人を禁錮1年6か月、執行猶予3年を言い渡した事例。