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2013.11.19
割増賃金等請求事件
LEX/DB25502051 / 京都地方裁判所 平成25年10月9日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3988号
被告(飲食店の経営を主たる業とする株式会社)に勤務していた原告が、被告に対し、時間外手当、付加金等の請求をした事案において、勤務時間は原告主張のとおりであるとして時間外手当を認定した上、うち一部は時効消滅したものとして算定し、付加金についても一部を認めるなどして、請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.19
傷害致死被告事件
LEX/DB25445977 / 札幌地方裁判所 平成25年10月7日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第966号
被告人が、被告人方において、うつ伏せに倒れていたAの後頸部を手で押さえる暴行を加えて、同人の胸腹部及び顔面を床面に圧迫させ、同人を窒息により死亡させたとして、起訴された事案において、被告人が、Aが抵抗しなくなった後、相当の時間Aを押さえつけていたとは認められないから、急迫不正の侵害が止んでからも、被告人がAの後頸部を押さえ続けたという事実は認められず、被告人には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.11.19
収賄、詐欺被告事件
LEX/DB25501811 / 岐阜地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第178号等
市の水道技手である被告人と水道業を営む相被告人が、かねてより癒着した関係にあったところ、被告人が相被告人から賄賂を収受するに至り、その費用等の捻出のため、市に対する詐欺に及んだという事案において、法律上重い詐欺についてみると、公金を扱う公務員でありながら、自らの利益などのために主導的に詐欺を行っており悪質であり、その被害金額も、前後6回にわたって合計75万円余りに上り高額であるとし、収賄についても、本件各犯行は、被告人が主体的に行った常習的なものであって、収受した金額も低額ではないとして、被告人を懲役2年6月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.11.19
国家公務員法違反被告事件
LEX/DB25501823 / 静岡地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審)
検察事務官である被告人Aが、交際相手である被告人Bを介して、暴力団幹部の被告人Cから、暴力団組員による詐欺事件の捜査の端緒及び求刑予定という重要な秘密の漏洩をそそのかされ、これを被告人Cに漏らしたという事案において、暴力団関係者の情報を暴力団幹部に漏らすなど、暴力団根絶に努力している捜査機関や一般市民に対する背信的な行為であって、到底容認できない悪質な事案というほかないとして、被告人Aを懲役1年(執行猶予4年)に、被告人Bを懲役1年(執行猶予3年)に、被告人Cを懲役7月に処した事例。
2013.11.19
傷害致死被告事件
LEX/DB25501820 / 福岡高等裁判所 平成25年10月2日 判決 (控訴審) / 平成25年(う)第156号
被告人が、異常な言動を示すようになっていた被害者の中にある不調の原因を取り去って被害者を元の状態に戻す目的で、共犯者と共謀の上、被害者の身体を木製土台付きのプラスチック製椅子に固定した上、共犯者が、上記土台上に上がり、被害者の背後からその頭部を両手で挟み込むなどして固定し、約5分間にわたり、被害者の上部前方から流れ落ちる水をその顔面等に打ち当てて、被害者を窒息死又は心臓性突然死させたという事案の控訴審において、被害者の死因について、溺水による窒息死又は本件滝行によるストレスから発症した急性心疾患による心臓性突然死と認定し、被告人の行為との因果関係も認め、被告人の行為が正当業務行為に当たらないことなどを判断した上、被告人に傷害致死罪の成立を認めた原判決は、論理則、経験則等に照らして不合理な点はなく、正当というべきであり、事実誤認をいう論旨は、理由がないとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2013.11.19
損害賠償請求事件
LEX/DB25501818 / 名古屋地方裁判所 平成25年9月27日 判決 (第一審) / 平成21年(ワ)第6418号
原告が、被告らを構成員とする建設工事共同企業体を請負人として発注した海底地盤改良工事において、砂ではなく、高炉水砕スラグが使用されたため、工事の目的物に瑕疵が生じたなどと主張して、被告らに対し、請負契約上の瑕疵担保責任又は共同不法行為に基づき、連帯して、損害の一部及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件工事の目的物に、スラグその他の砂以外の材料が混入していることにより、その安全性を損ね、本件工事の目的達成に影響を及ぼすような本件請負契約上の瑕疵に当たるとまではいえないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.19
不正競争行為差止等請求控訴事件
LEX/DB25445979 / 大阪高等裁判所 平成25年9月26日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第2928号
医薬品を販売する控訴人が、同業者である被控訴人に対し、不正競争防止法3条に基づき、被控訴人各表示の使用差止め並びに被控訴人表示1の表示を付した包装及び被控訴人表示2の包装の廃棄を求めるとともに、不正競争防止4条本文に基づき、損害賠償を求めた事案の控訴審において、被控訴人が被控訴人表示1を使用しているとは認められないし、被控訴人表示2が控訴人各表示と同一又は類似の商品表示であるとは認めることはできないとして、控訴人の本件控訴並びに当審における請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.19
債務不存在確認請求本訴,損害賠償請求反訴事件
(発明等名称:接触操作型入力装置およびその電子部品)
LEX/DB25445961 / 東京地方裁判所 平成25年9月26日 判決 (第一審) / 平成19年(ワ)第2525号等
本訴として原告が、入力装置等に関する特許権を有する被告に対し、原告の小型携帯装置の輸入販売が被告の特許権を侵害しないと主張して、被告が上記特許権の侵害を理由とする損害賠償請求権を有しないことの確認を求め、反訴として被告が、原告に対し、原告の上記輸入販売が被告の特許権を侵害すると主張して、不法行為による損害賠償を求めた事案において、本件特許は、特許無効審判により無効にされるべきものと認めることはできないとして、原告(本訴)の訴えを却下し、被告(反訴)の請求を一部認容した事例。
2013.11.19
 
LEX/DB25502094 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年9月24日 決定 (上告審 / 平成23年(オ)第1510号等)
原告ら(被控訴人、被上告人兼相手方)の子であるGが、被告会社(控訴人、上告人兼申立人)に入社し、被告会社が運営する店舗で勤務していたところ、急性左心機能不全により死亡したことにつき、Gの死亡の原因は長時間労働にあると主張して、原告らが、被告会社及び被告会社の取締役である被告らに対し、損害賠償を求めたところ、原判決が、請求を一部認容した第一審判決を維持したため、被告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2013.11.19
窃盗被告事件
LEX/DB25501810 / 大津地方裁判所 平成25年9月13日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第592号
コンビニエンスストアにおける万引窃盗の事案において、被告人は、窃盗罪(タバコを窃取した車上狙い)で執行猶予の付いた懲役刑に処せられて、その猶予期間中であったにもかかわらず、焼酎が飲みたいと考えて安易に本件の万引を行ったものであるが、被告人には刑法上の完全責任能力が認められるものの、その知的能力の程度が犯行に影響を及ぼしたことがうかがえるとし、本件で実刑とすることは酷であり、情状に特に酌量すべきものがあると認めて再度刑の執行を猶予するとして、被告人を懲役1年(保護観察付執行猶予4年)に処した事例。
2013.11.19
損害賠償請求事件
LEX/DB25501817 / 京都地方裁判所 平成25年9月13日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第4519号
被告において投資信託の取引をして損失を被った原告が、被告に対し、被告従業員による違法な勧誘によって取引をしたものであると主張して、不法行為(使用者責任)に基づき損害賠償を請求した事案において、本件ブルベア投信の性格、原告の年齢(当時76歳)、投資経験、資産状況等を考慮すると、被告従業員による本件ブルベア投信の勧誘は、違法なものということができるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.19
親子関係存在確認請求事件
LEX/DB25501809 / 大阪家庭裁判所 平成25年9月13日 判決 (第一審) / 平成25年(家ホ)第171号
原告(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき女性から男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者)が、その妻が原告との婚姻中に原告との合意のもと第三者から精子提供を受ける人工授精により懐胎した被告との間に、原告を父、被告を子とする父子関係が存在することの確認を求めた事案において、母が夫である原告との同意のもと非配偶者間人工授精により被告を懐胎し、原告が父として被告を養育しているとの事情の存在をもってしても、原告と被告との間に父子関係を認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.11.19
自動車運転過失致死傷被告事件
LEX/DB25445986 / 名古屋地方裁判所 平成25年9月5日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第484号
被告人が、コンテナを積載したトレーラを牽引して大型貨物自動車を運転中、ロックピンによりトレーラに緊締されていない状態のコンテナを横転、落下させ、並走していた自動車を押し潰し、2名を死亡させ、1名に傷害を負わせた事案において、本件事故は、被告人が、本件車両の運転に当たりトレーラとコンテナとをロックピンを確実に緊締し、又は、本件現場道路の最後の右カーブを漫然と時速約48kmで走行するのではなく、ロックピンが緊締されていなくてもコンテナが横転しないような速度に調整して走行していれば回避できたものであることは明らかであるとして、自動車運転過失致死傷罪を適用し、被告人を禁固3年6月に処した事例。
2013.11.19
損害賠償等請求事件
LEX/DB25445955 / 広島地方裁判所 平成25年5月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1500号
当時、参議院議員であった原告が、原告が裏口入学詐欺を行った旨の本件記事を本件週刊誌に掲載したことについて、本件週刊誌を発行する被告会社及び本件記事の情報提供者である被告亡A(本訴係属中に死亡、相続人らが訴訟承継)に対し、不法行為に基づく損害賠償等を求めた事案において、原告が亡Aに対して裏口入学詐欺を働いたとの事実が真実であると信じることについて相当な理由があるということはできないとして、原告の損害賠償請求を一部認容した事例。
2013.11.12
徳島県収用委員会裁決取消請求事件
LEX/DB25445974 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年10月25日 判決 (上告審) / 平成24年(行ヒ)第187号
被上告人が実施した里道の拡幅工事に伴い、当該工事により新設された道路に接する土地の所有者である上告人が、当該道路を管理する阿南市による損失の補償について道路法70条4項に基づく土地収用法94条の規定による裁決の申請をしたところ、徳島県収用委員会からその申請を却下する旨の裁決を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、裁決手続の違法等を主張して、上記裁決の取消しを求めた事案の上告審において、本件裁決についてその名宛人である上告人が提起した取消訴訟である本件訴えは、本件裁決が土地収用法94条7項又は8項のいずれの規定によるものであるかにかかわらず、適法である(なお、本件裁決は,道路法70条1項所定の要件を満たさない旨の判断に基づいて申請を却下したものであり、同条4項に基づく土地収用法94条7項の規定による裁決であると解される。)が、異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、第一審に差し戻しを命じた事例。
2013.11.12
損害賠償請求事件(集中豪雨罹災損害賠償請求事件(兵庫県佐用町))
LEX/DB25501747 / 神戸地方裁判所姫路支部 平成25年4月24日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第1042号
本件集中豪雨によって増水していた本件用水路に避難中に転落して死亡した訴外Cら5名の遺族である原告らが、被告町の町長が、災害対策基本法に基づき策定された本件防災計画が規定する権限を適切に行使せず、適時に適切な内容の避難勧告をしなかったことなどにより、本件罹災の結果を発生させたと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づいて、損害賠償を求めた事案において、被告町長には、本件集中豪雨当時、本件被災者が居住していたa1集落に対する避難勧告に関し、その与えられた裁量権を逸脱する権限不行使又は行使があったということはできないから、本件罹災につき、被告に国家賠償法1条1項所定の損害賠償責任があると認めることはできないなどとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.12
譲受債権請求事件
LEX/DB25512380 / 東京地方裁判所 平成25年4月23日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第22118号
サービサーである原告が、株式会社N銀行から、被告らに対する貸金債権を譲り受けたとして、被告Bに対して消費貸借契約に基づき、被告Cに対して連帯保証契約に基づき、貸金元金等の支払を、被告有限会社Cに対して消費貸借契約に基づき、被告B及び被告Eに対して連帯保証契約に基づき、貸金元金の一部等の支払を、各求めた事案において、被告らの主張する事情によって、被告B及び被告会社がN銀行から借り入れた本件貸金債権1、2の責任財産が限定されるということはできないと示し、被告Cの主張する事情を前提としても、原告の被告Cに対する権利の行使が権利の濫用であるとか、信義則違反であるということはできず、また、被告Cの連帯保証人の責任を担保不動産の範囲に限定することもできない等と示して、原告の請求を認容した事例。
2013.11.12
損害賠償請求事件
LEX/DB25512393 / 東京地方裁判所 平成25年4月19日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第17514号
原告らが、スイス連邦法を準拠法として設立された法人(銀行)である被告にそれぞれ口座を開設し、金銭を預託していたところ、被告から同社株式に対する投資の勧誘を受け、それぞれ本件株式を取得したが、被告の上記勧誘行為は、適合性原則及び金融商品取引法等に基づく説明義務に違反する違法なものであり、その後、本件株式の価値が下落したことにより財産的損害や精神的苦痛を受けたと主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案において、本件各訴えは、本件各口座開設契約に関連して行われた本件各取引に係る紛争であり、本件各口座開設契約に伴って発生した紛争であることは明らかであるから、本件管轄合意により、スイス連邦のチューリッヒが専属的管轄地となり、我が国の裁判所は本件各訴えに関し、国際裁判管轄権を有さないなどとして、原告らの訴えをいずれも却下した事例。
2013.11.12
地位確認等請求控訴事件(日本ヒューレット・パッカード(解雇)事件)
LEX/DB25501743 / 東京高等裁判所 平成25年3月21日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第5253号
被控訴人に雇用されていた控訴人が、被控訴人が控訴人に対してした本件解雇の効力を争い、被控訴人に対し、労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、未払賃金の支払等を求めた事案の控訴審において、控訴人の言動が、被控訴人と取引先との間の信頼関係を毀損したばかりでなく、被控訴人の会社内部の円滑な業務遂行に支障を生じさせたことは明らかであり、控訴人については、被控訴人就業規則37条8号の「勤務態度が著しく不良で、改善の見込みがないと認められるとき」に該当するというべきであると示し、控訴人が労務軽減等の配慮を必要とするほどの精神的不調を抱えていたと認めることはできないし、被控訴人が控訴人を排除する意図で不当な対応を繰り返していたと認めることもできず、結論として、本件解雇は有効なものというべきであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.11.12
遺言有効確認請求控訴事件
LEX/DB25501717 / 東京高等裁判所 平成25年3月6日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第6567号
被控訴人が、控訴人らに対し、亡Aによる本件遺言が有効であることの確認を求めたのに対し、控訴人らが、本件遺言当時、亡Aが重度のうつ病、認知症であり、本件遺言時以前に高熱を出して不穏行動を繰り返し、重篤な肺炎に罹患し危機的状況にあったから、Aには遺言能力はなく、妻Bの生存中に妹である被控訴人に全財産を相続させるとの遺言をするはずがないなどと主張して、その有効性を争った事案の控訴審において、Aは、本件遺言時に遺言事項を具体的に決定し、その法律効果を弁識するのに必要な判断能力たる意思能力を備えておらず、遺言能力があったとはいえないから、本件遺言は有効とは認められないとして、原判決を取り消し、被控訴人の請求を棄却した事例。