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2013.11.26
各犯人隠避被告事件
LEX/DB25502072 / 大阪高等裁判所 平成25年9月25日 判決 (控訴審) / 平成24年(う)第784号
大阪地検特捜部長と特捜部副部長の検事であった被告人両名は、当時地裁で係属中の各虚偽有印公文書作成等被告事件の証拠である本件フロッピーディスクに記録された文書データを変造したことを部下から告白を受け、犯人である部下による本件改ざんした事実を、共謀の上、証拠隠滅罪の犯人を隠避させたとして、原判決が犯人隠避罪の成立を認め有罪判決を言い渡し、これに対し、被告人両名が、無罪を主張して控訴をした事案において、原判決に事実誤認はなく、法令適用の誤りもないとして、各控訴をいずれも棄却した事例。
2013.11.26
詐欺被告事件
LEX/DB25502071 / 大阪地方裁判所 平成25年8月29日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第6767号等
被告人の指示の下、共犯者らが難病女児への支援を装って通行人から金銭を詐取したという募金詐欺の事案において、期間は1年以上に及んでおり常習的な犯行である上、手の込んだ細工をしている点で卑劣かつ悪質であること、被告人は、首謀者として主導的な役割を果たしていたこと、被告人に反省の態度は全く認められないことなどを考慮し、被告人に対し、懲役5年6月を言い渡した事例。
2013.11.26
公務執行妨害、傷害被告事件
LEX/DB25502070 / 大阪地方裁判所 平成25年8月26日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第5372号
被告人は、警戒警備活動に従事していた警察官らに対し暴行を行い傷害を負わせたとして公務執行妨害及び傷害の罪で起訴された事案において、被告人が、各警察官に対して故意に暴行を加えたと認定することには、なお合理的な疑問の余地があるといわざるを得ないため、いずれの公訴事実についても犯罪の証明がないとして、被告人に無罪を言い渡した事例。
2013.11.26
損害賠償請求事件
LEX/DB25502035 / 福岡地方裁判所小倉支部 平成25年3月21日 判決 (第一審) / 平成20年(ワ)第741号等
カネミ油症患者と認定された者ないしその相続人である原告らが、原因事業者である被告カネミ倉庫株式会社及び同事件発生当時の同社代表者の相続人であるその余の被告2名に対し、不法行為に基づいて、損害賠償を求めた事案において、カネミ油症は、当該不法行為により発生する損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には該当しないというべきであるから、本件における除斥期間の起算点は、加害行為の時、すなわち原告患者らがカネミライスオイルを摂取した時であり、遅くとも昭和44年12月31日ということになるとして、除斥期間の経過により、原告らの損害賠償請求権はいずれも消滅しているとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.26
道路交通法違反、自動車運転過失致死傷被告事件
LEX/DB25502068 / 京都地方裁判所 平成25年2月19日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第747号
未成年者である被告人が、無免許で7回にわたり普通乗用自動車を運転するとともに、京都府亀岡市の国道を走行中、いわゆる居眠り運転により集団登校中の小学生の列に突っ込み、保護者1名を含む3名を死亡させるとともに、7名に傷害を負わせたという道路交通法違反及び自動車運転過失致死傷の事案において、何の落ち度もない被害者を死傷させた結果は重大であり、過失の内容・程度は悪く、遺族や被害者は峻烈な処罰感情を有しており、被告人の責任は重いが、他方で、被告人は、反省・後悔し、捜査に協力していることなどを考慮し、被告人を懲役5年以上8年以下に処した事例。
2013.11.19
受信料等請求控訴事件
LEX/DB25502100 / 東京高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第4466号
控訴人(原告、日本放送協会)が、被控訴人(被告)に対して、主位的に控訴人と被控訴人との間に成立している放送受信契約に基づき、予備的に被控訴人による同契約締結承諾の意思表示を求めると共に、同意思表示によって成立する受信契約に基づき(予備的請求1)、さらに予備的に不当利得に基づき(予備的請求2)、受信料又は受信料相当額の支払いを求め、原審が控訴人の主位的請求を棄却し、予備的請求1を認容したところ、控訴人が主位的請求の認容を求めて控訴した事案において、放送法64条に規定する受信者の受信契約締結義務の効果として、控訴人が受信契約締結の申込みを行った場合は、通常必要と考えられる相当期間を経過した時点で受信契約が成立するとして、原判決を取り消し、控訴人の主位的請求を全部認容した事例。
2013.11.19
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25445972 / 東京地方裁判所 平成25年10月22日 判決 (第一審) / 平成25年(ワ)第15365号
原告が、氏名不詳者により被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイトに掲載された動画が原告の著作権を侵害していると主張して、被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、被告が保有する発信者情報の開示を求めた事案において、本件動画を作成して本件サイトに投稿する行為は、原告動画のうち少なくとも原告動画の部分1及び4についての複製権及び公衆送信権を侵害するものということができるとして、原告の請求を認容した事例。
2013.11.19
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25445956 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月16日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10052号
被控訴人らが、控訴人が被控訴人らを被写体とする写真を掲載した書籍を出版、販売し、これにより、被控訴人らの肖像等が有する顧客吸引力を排他的に利用する権利(パブリシティ権)及びみだりに自己の容貌等を撮影されず、また、自己の容貌を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益が侵害されたと主張して、不法行為による損害賠償を求めるとともに、上記侵害のいずれかに基づく上記各書籍の出版及び販売の差止め並びにその廃棄を求めた事案の控訴審において、控訴人が上記各写真を上記各書籍に掲載する行為は被控訴人らのパブリシティ権を侵害するものであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.11.19
審決取消請求事件
(発明等名称:ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー)
LEX/DB25445957 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月16日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10064号
原告が、発明の名称を「ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有する耐老化性コポリマー」とする特許出願をしたところ、拒絶査定を受けたので、これを不服として審判請求をしたが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、原告が、本件補正案の記載された本件回答書を提出したからといって、審判合議体において、本件回答書の内容を審理の対象として手続を進めなければならないものではなく、また、審決の理由中で、本件回答書の内容の当否を個別具体的に判断しなければならないものではないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.11.19
受信契約締結承諾等請求事件
LEX/DB25501824 / 東京地方裁判所 平成25年10月10日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第3922号
原告が、原告のテレビジョン放送を受信することのできる受信機を設置したが、放送受信契約を締結しない被告に対し、主位的には、放送法64条1項等によって原告と被告との間で放送受信契約が成立していると主張して、放送受信契約に基づき、上記受信機を設置した月から現在までの受信料の支払を求め、予備的には、上記放送受信契約が成立していないことを前提として、被告は放送受信契約締結義務を負うと主張して、原告からの上記放送受信契約の申込みに対する承諾の意思表示と、上記申込み及び承諾の意思表示によって成立する放送受信契約に基づき、上記受信料の支払を求めた事案において、被告による承諾の意思表示がない以上、原告と被告との間で放送受信契約が締結されたものとは認められないから、原告の主位的請求は理由がないとする一方、放送法64条1項が定める受信機設置者に対する放送受信契約を締結すべき私法上の義務につき、民法414条2項ただし書に基づき、放送受信契約の締結の承諾の意思表示を命じることができ、承諾の意思表示に代わるべき裁判をもって放送受信契約を成立させることができるとした事例。
2013.11.19
割増賃金等請求事件
LEX/DB25502051 / 京都地方裁判所 平成25年10月9日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3988号
被告(飲食店の経営を主たる業とする株式会社)に勤務していた原告が、被告に対し、時間外手当、付加金等の請求をした事案において、勤務時間は原告主張のとおりであるとして時間外手当を認定した上、うち一部は時効消滅したものとして算定し、付加金についても一部を認めるなどして、請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.19
傷害致死被告事件
LEX/DB25445977 / 札幌地方裁判所 平成25年10月7日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第966号
被告人が、被告人方において、うつ伏せに倒れていたAの後頸部を手で押さえる暴行を加えて、同人の胸腹部及び顔面を床面に圧迫させ、同人を窒息により死亡させたとして、起訴された事案において、被告人が、Aが抵抗しなくなった後、相当の時間Aを押さえつけていたとは認められないから、急迫不正の侵害が止んでからも、被告人がAの後頸部を押さえ続けたという事実は認められず、被告人には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.11.19
収賄、詐欺被告事件
LEX/DB25501811 / 岐阜地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第178号等
市の水道技手である被告人と水道業を営む相被告人が、かねてより癒着した関係にあったところ、被告人が相被告人から賄賂を収受するに至り、その費用等の捻出のため、市に対する詐欺に及んだという事案において、法律上重い詐欺についてみると、公金を扱う公務員でありながら、自らの利益などのために主導的に詐欺を行っており悪質であり、その被害金額も、前後6回にわたって合計75万円余りに上り高額であるとし、収賄についても、本件各犯行は、被告人が主体的に行った常習的なものであって、収受した金額も低額ではないとして、被告人を懲役2年6月(執行猶予3年)に処した事例。
2013.11.19
国家公務員法違反被告事件
LEX/DB25501823 / 静岡地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審)
検察事務官である被告人Aが、交際相手である被告人Bを介して、暴力団幹部の被告人Cから、暴力団組員による詐欺事件の捜査の端緒及び求刑予定という重要な秘密の漏洩をそそのかされ、これを被告人Cに漏らしたという事案において、暴力団関係者の情報を暴力団幹部に漏らすなど、暴力団根絶に努力している捜査機関や一般市民に対する背信的な行為であって、到底容認できない悪質な事案というほかないとして、被告人Aを懲役1年(執行猶予4年)に、被告人Bを懲役1年(執行猶予3年)に、被告人Cを懲役7月に処した事例。
2013.11.19
傷害致死被告事件
LEX/DB25501820 / 福岡高等裁判所 平成25年10月2日 判決 (控訴審) / 平成25年(う)第156号
被告人が、異常な言動を示すようになっていた被害者の中にある不調の原因を取り去って被害者を元の状態に戻す目的で、共犯者と共謀の上、被害者の身体を木製土台付きのプラスチック製椅子に固定した上、共犯者が、上記土台上に上がり、被害者の背後からその頭部を両手で挟み込むなどして固定し、約5分間にわたり、被害者の上部前方から流れ落ちる水をその顔面等に打ち当てて、被害者を窒息死又は心臓性突然死させたという事案の控訴審において、被害者の死因について、溺水による窒息死又は本件滝行によるストレスから発症した急性心疾患による心臓性突然死と認定し、被告人の行為との因果関係も認め、被告人の行為が正当業務行為に当たらないことなどを判断した上、被告人に傷害致死罪の成立を認めた原判決は、論理則、経験則等に照らして不合理な点はなく、正当というべきであり、事実誤認をいう論旨は、理由がないとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2013.11.19
損害賠償請求事件
LEX/DB25501818 / 名古屋地方裁判所 平成25年9月27日 判決 (第一審) / 平成21年(ワ)第6418号
原告が、被告らを構成員とする建設工事共同企業体を請負人として発注した海底地盤改良工事において、砂ではなく、高炉水砕スラグが使用されたため、工事の目的物に瑕疵が生じたなどと主張して、被告らに対し、請負契約上の瑕疵担保責任又は共同不法行為に基づき、連帯して、損害の一部及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件工事の目的物に、スラグその他の砂以外の材料が混入していることにより、その安全性を損ね、本件工事の目的達成に影響を及ぼすような本件請負契約上の瑕疵に当たるとまではいえないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.19
不正競争行為差止等請求控訴事件
LEX/DB25445979 / 大阪高等裁判所 平成25年9月26日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第2928号
医薬品を販売する控訴人が、同業者である被控訴人に対し、不正競争防止法3条に基づき、被控訴人各表示の使用差止め並びに被控訴人表示1の表示を付した包装及び被控訴人表示2の包装の廃棄を求めるとともに、不正競争防止4条本文に基づき、損害賠償を求めた事案の控訴審において、被控訴人が被控訴人表示1を使用しているとは認められないし、被控訴人表示2が控訴人各表示と同一又は類似の商品表示であるとは認めることはできないとして、控訴人の本件控訴並びに当審における請求をいずれも棄却した事例。
2013.11.19
債務不存在確認請求本訴,損害賠償請求反訴事件
(発明等名称:接触操作型入力装置およびその電子部品)
LEX/DB25445961 / 東京地方裁判所 平成25年9月26日 判決 (第一審) / 平成19年(ワ)第2525号等
本訴として原告が、入力装置等に関する特許権を有する被告に対し、原告の小型携帯装置の輸入販売が被告の特許権を侵害しないと主張して、被告が上記特許権の侵害を理由とする損害賠償請求権を有しないことの確認を求め、反訴として被告が、原告に対し、原告の上記輸入販売が被告の特許権を侵害すると主張して、不法行為による損害賠償を求めた事案において、本件特許は、特許無効審判により無効にされるべきものと認めることはできないとして、原告(本訴)の訴えを却下し、被告(反訴)の請求を一部認容した事例。
2013.11.19
 
LEX/DB25502094 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年9月24日 決定 (上告審 / 平成23年(オ)第1510号等)
原告ら(被控訴人、被上告人兼相手方)の子であるGが、被告会社(控訴人、上告人兼申立人)に入社し、被告会社が運営する店舗で勤務していたところ、急性左心機能不全により死亡したことにつき、Gの死亡の原因は長時間労働にあると主張して、原告らが、被告会社及び被告会社の取締役である被告らに対し、損害賠償を求めたところ、原判決が、請求を一部認容した第一審判決を維持したため、被告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2013.11.19
窃盗被告事件
LEX/DB25501810 / 大津地方裁判所 平成25年9月13日 判決 (第一審) / 平成24年(わ)第592号
コンビニエンスストアにおける万引窃盗の事案において、被告人は、窃盗罪(タバコを窃取した車上狙い)で執行猶予の付いた懲役刑に処せられて、その猶予期間中であったにもかかわらず、焼酎が飲みたいと考えて安易に本件の万引を行ったものであるが、被告人には刑法上の完全責任能力が認められるものの、その知的能力の程度が犯行に影響を及ぼしたことがうかがえるとし、本件で実刑とすることは酷であり、情状に特に酌量すべきものがあると認めて再度刑の執行を猶予するとして、被告人を懲役1年(保護観察付執行猶予4年)に処した事例。