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2013.12.10
死体遺棄、詐欺被告事件
LEX/DB25502156/横浜地方裁判所 平成25年9月19日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第748号等
被告人が、死亡した実母の葬祭義務を果たさなかった上、遺体を遺棄し、生前に実母が受けていた恩給扶助料をだまし取り続けたという事案において、被告人を懲役2年4月の実刑に処した事例。
2013.12.10
有印私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載、同行使、業務上横領被告事件
LEX/DB25502129/名古屋地方裁判所 平成25年9月6日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第119号
被告人は、かねて被害者の成年後見人を務めていたことなどから、被害者の財産が多額に上ること、認知症等により被害者の意思を確認できないことを知っており、養子になれば被害者の財産を相続によりもらうことができるなどと考えて第1の犯行(養子縁組届の偽造)に及び、自ら居住するための不動産を購入する費用や海外等で自己啓発セミナーを受講する費用のほか種々の支払に当てようと考えて第2、第3の各犯行(業務上横領)に及んだものであって、第1の犯行は身分関係を公証する戸籍制度に対する公共の信用を損なわせるものである上、余罪等に関する被告人の供述にも照らすと第2、第3の各犯行は常習的かつ成年後見人の職務にもとる犯行といえるとして、被告人を懲役1年8月に処した事例。
2013.12.10
大分県補助金違法支出損害賠償等請求事件
LEX/DB25502158/大分地方裁判所 平成25年8月29日 判決 (第一審)/平成20年(行ウ)第2号
原告が、県が本件公社に対して、本件事業所用地の取得・造成費とその売却価格との差額を填補するために本件補助金の交付したのは違法であるとして、被告に対し、本件補助金交付時の県知事であるAに対しては損害賠償請求をすることを、当時各権限を有していた職員らに対しては損害賠償を命ずるよう求めた事案において、本件補助金の交付は、本件事業の目的、補助金交付の対象、県議会の本件補助金交付に係る手続、県の財政状況、本件補助金交付による各種効果に照らし、裁量権の行使の基礎とされた重要な事実の基礎を欠くとはいえず、また、事実に対する評価が明らかに合理性を欠くとはいえないなど、本件補助金の交付について、地方自治法232条の2に反する違法はないとして、請求を棄却した事例。
2013.12.10
売却許可決定取消申立却下決定に対する執行抗告事件
LEX/DB25502090/東京高等裁判所 平成25年7月12日 決定 (抗告審(執行抗告審))/平成25年(ラ)第1206号
基本事件において、本件土地につき売却許可決定を受けて買受人となった申立人(抗告人)が、民事執行法75条1項に基づき、売却許可決定の取消しを求めたところ、申立てが却下されたため、申立人が抗告を申し立てた事案において、本件土地の買受人となる者は、本件土地の引渡しを受けるためには、本件隣接地建物の居住者である暴力団幹部等との折衝を含む容易ならざる対応を迫られる蓋然性が高いというべきであり、合理的な経済人であれば、本件土地の取得を欲しないのが通常であると考えられ、本件土地をめぐるこれらの事情は、本件土地の交換価値を著しく損なうものであり、民事執行法75条1項にいう「損傷」に該当するとし、原決定を取り消し、本件売却許可決定を取り消した事例。
2013.12.10
強盗殺人、死体遺棄被告事件
LEX/DB25502138/東京高等裁判所 平成25年5月28日 判決 (控訴審)/平成24年(う)第946号
被告人には、強盗殺人罪の故意を肯定できるのみならず、その関与の程度は、単なる幇助犯にとどまらず、自己の犯罪として主体的に関与する共謀共同正犯の域に達していると評価すべきであるとした原判決に対する、被告人の控訴につき、本件各強盗殺人について共謀共同正犯の成立を認めた原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があり、被告人には、被害者3名に対する各強盗殺人についてそれぞれ幇助罪が成立するとして、懲役28年とした原判決を破棄し、被告人を懲役18年に処した事例。
2013.12.10
損害賠償等請求事件
LEX/DB25502143/福岡地方裁判所 平成25年2月7日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第2821号
市長である原告が、被告出版社の発行する雑誌に掲載された本件記事は、虚偽の事実を摘示したものであって、原告の名誉を著しく毀損するものであり、これにより精神的苦痛を被ったとして、本件記事を雑誌に掲載決定した被告Y1と本件記事を執筆者した被告Y2に対し、民法719条1項、民法709条に基づく損害賠償を求めるとともに、被告出版社に対し、民法723条に基づく原告の名誉回復するための処分として謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件摘示事実3については、真実であるか、被告らが真実であると信ずるにつき相当な理由があると認められるが、本件摘示事実1、2、4及び5については、いずれも真実であるとも、被告らが真実であると信ずるについて相当な理由があるとも認められないとして、請求の一部を認容した事例。
2013.12.03
求償債権等請求事件
LEX/DB25446030 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 判決 (上告審)/ 平成24年(受)第105号
再生会社に対して債権を有する上告人(原告・控訴人)が、当該債権は共益債権に当たると主張して、承継前被上告人(被告・被控訴人)に対し、再生手続によらないで、その支払を求めた訴訟の上告審において、民事再生法上の共益債権に当たる債権を有する者は、当該債権につき再生債権として届出がされただけで、本来共益債権であるものを予備的に再生債権であるとして届出をする旨の付記もされず、この届出を前提として作成された再生計画案を決議に付する旨の決定がされた場合には、当該債権が共益債権であることを主張して再生手続によらずにこれを行使することは許されないとして、上告を棄却した事例。
2013.12.03
訴訟費用負担決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446019 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年11月13日 決定 (許可抗告審)/ 平成25年(許)第4号
抗告人が、更生会社の管財人である相手方に対し、抗告人が更生手続開始前に更生会社を被告として提起した過払金返還請求訴訟(本案訴訟)に係る訴訟費用につき、本案訴訟終了後に、その負担を命ずる決定の申立てをした事案の許可抗告審において、更生債権に関する訴訟が更生手続開始前に係属した場合において、当該訴訟が会社更生法156条又は会社更生法158条の規定により受継されることなく終了したときは、当該訴訟に係る訴訟費用請求権は、更生債権に当たるとして、抗告を棄却した事例。
2013.12.03
審決取消請求事件(発明等名称:高透明性非金属カソード)
LEX/DB25445997 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/ 平成24年(行ケ)第10314号
発明の名称を「高透明性非金属カソード」とする本件特許の特許権者である原告が、本件特許を無効とした本件審決の取消しを求めた事案において、本件審決には、引用発明と本件発明1との相違点を看過し、当該相違点についての判断を遺脱した違法があるとして、本件審決を取り消した事例。
2013.12.03
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25445989 / 東京地方裁判所 平成25年10月25日 判決 (第一審)/ 平成25年(ワ)第15969号
原告が、氏名不詳者により被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイトに掲載された動画が原告の著作権を侵害していると主張して、被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、被告が保有する発信者情報の開示を求めた事案において、本件各投稿動画をインターネット上のウェブサイトである本件サイトに掲載する行為は、原告が有する本件各ビデオ映像の送信可能化権を侵害するとして、原告の請求を認容した事例。
2013.12.03
審決取消請求事件(発明等名称:無臭ガス燃料のための臭気化混合物)
LEX/DB25445987 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月24日 判決 (第一審)/ 平成25年(行ケ)第10003号
原告が、発明の名称を「無臭ガス燃料のための臭気化混合物」とする特許出願をしたところ、拒絶査定を受けたので、これを不服として審判請求をしたが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2発明並びに技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたもので、進歩性を欠くとした審決の判断に誤りはないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.12.03
傷害致死被告事件
LEX/DB25502103 / 東京地方裁判所 平成25年10月3日 判決 (第一審)/ 平成24年(合わ)第238号
被告人は、5歳の息子の手足をビニールひもで縛り、目や口等に粘着テープを貼り付けた上、ごみ収集袋に閉じ込め、眠り込んでしまったことから、同児を呼吸不全状態に陥らせ、低酸素脳症により死亡させたとして傷害致死により起訴された事案において、結果は極めて重大であり、犯行態様は非常に悪質であるが、睡眠導入剤と飲酒の併用による意識障害があったことや、背景には被告人に同情しうる事情もあったこと、被告人が反省の態度を示していることなどから、被告人に懲役3年、保護観察付執行猶予5年間を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2013.12.03
銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25502104 / 東京地方裁判所 平成25年9月19日 判決 (第一審)/ 平成25年(合わ)第99号
被告人が、自宅の倉庫内に、けん銃87丁、けん銃実包62発、けん銃部品3点を所持していたとして銃砲刀剣類所持等取締法違反により起訴された事案において、被告人が所持していたけん銃等の数の多さは強い非難に値するが、使用することを想定していない点で動機の悪質性は高くなく、反省の態度を示していることなどを考慮し、被告人に対し懲役3年、執行猶予5年間を言い渡した事例。
2013.12.03
損害賠償等請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
LEX/DB25501709 / 仙台地方裁判所 平成25年8月29日 判決 (第一審)/ 平成22年(ワ)第1314号等
研究者であり国立大学の総長である原告(反訴被告)が、被告(反訴原告)が代表する会のホームページ上において、原告が過去に発表した論文にねつ造ないしは改ざんがあるとして大学に対し原告を告発する旨の被告ら作成の文書が掲載された結果、原告の名誉が毀損されたと主張し、被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求め、また、名誉回復処分として、記事の削除及び謝罪文の掲載を求め(本訴)、これに対し、被告らが、原告による本訴提起が不当提訴に当たるなどと主張して、不法行為に基づく損害賠償等を請求した(反訴)事案において、原告の損害賠償請求を一部認容し、その余の請求及び反訴請求を棄却した事例。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446026 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第226号
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、岡山県第2区の選挙人である被上告人が、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の本件選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例。(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
選挙無効請求事件
LEX/DB25446027 / 最高裁判所大法廷 平成25年11月20日 判決 (上告審) / 平成25年(行ツ)第209号等
平成24年12月16日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第2区、同第5区、同第6区、同第8区、同第9区及び同第18区並びに神奈川県第15区の選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割り及び選挙運動に関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審で、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないが、投票価値の平等は憲法上の要請であり、1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえず、国会においては、今後も、新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるとした事例(意見及び反対意見あり)。
2013.11.26
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25445999 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10046号
原告(控訴人)が、被告ら(被控訴人)が韓国のテレビドラマの展覧会を開催して小道具等を展示し、関連グッズを販売して、原告の上記小道具等の著作権(展示権及び複製権)を侵害したと主張して、被告らに対し、損害賠償を請求したところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、被告らが、原告に本件小道具等の著作権があることを知りながら、Aと共謀してこれを否定したと評価すべき事情は見出し難いし、被告らが原告の著作権の移転登録を妨げたといった事情も何ら窺えないのであって、被告らについて、原告の著作権の移転登録の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情があるということはできず、よって、被告らが背信的悪意者に当たるとの原告の主張は採用することができないとし、控訴を棄却した事例。
2013.11.26
審決取消請求事件(発明等名称:デマンドカレンダー)
LEX/DB25446001 / 知的財産高等裁判所 平成25年10月30日 判決 (第一審) / 平成25年(行ケ)第10036号
原告が、名称を「デマンドカレンダー」とする発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受けたので、これに対する不服の審判請求をしたところ、本件審判の請求は成り立たないとの審決がされたため、その取消しを求めた事案において、審決には、取消事由1に係る引用発明認定の誤りがあり、本願発明と引用発明とは、少なくとも、本願発明が、「デマンド値を用い、デマンド値軸を備えるデマンドカレンダーである」のに対して、引用発明は、「エネルギ消費量の実績値を用い、エネルギ消費量の実績値の軸を備える省エネ支援カレンダである」点において相違するものであって、審決はこの相違点についての判断を逸脱しているとし、請求を認容した事例。
2013.11.26
現住建造物等放火、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件
LEX/DB25502074 / 福岡地方裁判所 平成25年10月4日 判決 (第一審) / 平成25年(わ)第655号
被告人は、介護を要する多数の入居者や施設職員のいる老人ホームの建物に火炎びんを投げ入れるなどして放火したとして、現住建造物等放火、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反により起訴された事案において、犯行態様は大変危険で悪質なものであること、入居者や施設職員が厳しい処罰感情を抱いていること、動機について被告人への非難を弱める事情は見出せないことなどから、刑の執行を猶予すべき事案ではないとして、被告人を懲役5年の実刑に処した事例(裁判員裁判)。
2013.11.26
道路交通法違反、自動車運転過失致死傷被告事件
LEX/DB25502069 / 大阪高等裁判所 平成25年9月30日 判決 (控訴審) / 平成25年(う)第486号
未成年者である被告人が、無免許で7回にわたり普通乗用自動車を運転するとともに、京都府亀岡市の国道を走行中、いわゆる居眠り運転により集団登校中の小学生の列に突っ込み、保護者1名を含む3名を死亡させるとともに、7名に傷害を負わせたという道路交通法違反及び自動車運転過失致死傷により起訴され、原判決が被告人を懲役5年以上8年以下に処したことに対し、検察官及び被告人が各控訴した事案において、原判決は、被告人のために酌むべき事情をやや過大に評価する一方、犯情の悪さをやや過小に評価したものとして、軽きに失するというべきであるとして、原判決を破棄し、被告人を懲役5年以上9年以下に処した事例。