2014.01.14
LEX/DB25502560/最高裁判所第一小法廷 平成25年12月5日 判決 (上告審)/平成23年(オ)第2135号等
主な症状として小下顎、舌根沈下、上気道閉塞(狭窄)の3つが見られ、一般に気管内挿管が容易ではないピエールロバン症候群を発症していた男児である一審原告(被控訴人、上告人兼申立人)Aと両親が、一審被告(愛媛県。控訴人、被上告人兼相手方)が開設する病院に入院中、呼吸状態を悪化させて低酸素脳症の重篤な後遺障害を残したことについて、病院の医師が適切な処置をしなかった過失があるなどとして、一審原告が一審被告に対し、不法行為又は診療契約上の債務不履行による損害賠償請求権に基づき損害額の支払を求めた等の事案において、原々審が医師の過失を認め、請求を一部認容したところ、愛媛県が控訴し、男児と両親が附帯控訴した原審では、最終手段と位置づけられている気管切開以外の方法で気道確保ができない状況にあったとまではいえないから、早期に気管切開を行うべき義務があったとはいえず、また気管内挿管にこだわらずにラリンゲアルマスクや輪状甲状靱帯穿刺を行うべき義務があったとは認められないなどと判断し、一審被告側の過失を否定して、一審原告らの請求を全部棄却したため、一審原告らが上告及び上告受理を申立てたが、本件上告を棄却し、上告審として受理しないとした事例。