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2014.02.04
不正競争防止法違反被告事件
LEX/DB25502498/長野地方裁判所伊那支部 平成25年11月14日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第34号
被告人Aと被告人Bの両名が、食肉の処理及び加工販売などを業とする被告会社の取締役あるいは輸入馬肉担当の従業員として、共謀の上、大腸菌群の陽性結果が出たため生食用として使用できない輸入馬肉を、生食用として販売しようと企て、商品の内容を誤認させるような表示をし、生食用馬肉に偽装して取引先に販売譲渡したという不正競争防止法違反の事案において、国民に食肉の安全性に対する危惧を抱かせ、食肉の流通業界全体の信用を失墜させた意味においても厳しい非難を免れず、被告人両名の刑事責任は重いものがあるとして、被告人Aを懲役2年(執行猶予4年)に、被告人Bを懲役1年6月(執行猶予3年)に、被告会社を罰金100万円に処した事例。
2014.02.04
生活保護申請却下処分取消等請求事件
LEX/DB25502476/大阪地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第194号
妻とともに大阪府岸和田市に居住している原告が、生活保護法による保護の実施機関である岸和田市長から保護の決定及び実施に関する事務を委任された岸和田市福祉事務所長に対して、計5回の生活保護の開始申請をしたところ、いずれの申請についても却下する旨の決定を受けたことから、岸和田市福祉事務所長が所属する地方公共団体である被告に対し、第2却下決定の取消しを求めるとともに、上記各決定がなされたこと及び原告が被告の福祉事務所を訪れ、生活保護に関する相談をしたのに対し、被告の職員が原告に生活保護の開始申請を行わせなかったことが原告の人格権を侵害する違法な行為であり、これらにより財産的損害及び精神的損害を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料及び生活保護費相当額の損害賠償金の支払を求めた事案において、原告世帯は稼働能力を活用していないとして、本件第2申請を却下した本件第2却下決定は、生活保護法4条1項の稼働能力活用の要件の解釈を誤った違法なものであるとし、また、本件各決定は生活保護法4条1項に違反し、かつ、本件各決定に関与した被告職員ら及び岸和田市福祉事務所長の職務行為には、それぞれ国家賠償法1条1項の違法性が認められ、このことについて過失も認められる以上、原告が主張する、本件各決定によって原告世帯が最低限度を下回る生活を余儀なくされたことによる精神的損害及び財産的損害については、本件各決定と相当因果関係のある範囲において被告に賠償責任が認められるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.02.04
行政処分取消請求事件
LEX/DB25502625/東京地方裁判所 平成25年10月29日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第609号等
原告(民間の医薬品監視機関)が、厚生労働大臣に対し、情報公開法に基づき、イレッサ訴訟問題検証チームが作成した調査報告書に関連する行政文書の開示を請求したところ、厚生労働大臣が、一部を不開示とする旨の決定(本件処分1)をしたので、原告が、被告(国)に対し、その取消しを求めた事案(第1事件)と、原告が、厚生労働大臣に対し、開示請求において請求対象文書として扱われなかったものなどについて開示を請求したところ、一部を不開示とする決定(本件処分2)をしたので、原告が、被告に対し、その取消しを求めた事案(第2事件)において、本件処分1及び本件処分2において本件不開示部分を不開示としたことは、適法であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.02.04
偽証教唆被告事件
LEX/DB25502479/岐阜地方裁判所 平成25年10月25日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第137号等
弁護士である被告人が、私選弁護人を受任していたAに対する別件被告事件について、Aと共謀の上、同事件で共犯者とされたBらに対し、接見交通権を濫用する方法等で受領したA作成に係る文書等を渡すなどして、複数回にわたって、Aは関与していない旨偽証するよう働きかけ、別件被告事件の証人尋問において、Bらにそれぞれ虚偽の証言をさせたという偽証教唆の事案において、本件各犯行は、被疑者・被告人の人権を擁護し、適正な防禦権を行使するために保障された弁護人の接見交通権等の弁護権を濫用したものである上、遮蔽板の丸穴を通じて偽証指示文書を授受するなど、常軌を逸した大胆な手口を用い、かつ複数回にわたり多くの関係者を巻き込みつつ、数か月間にわたり行われており、その犯行態様は、前例を見ない極めて悪質なものというべきであるとして、被告人を懲役3年(執行猶予4年)に処した事例。
2014.02.04
損害賠償請求事件
LEX/DB25502477/横浜地方裁判所 平成25年10月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第5961号
原告(国)が、亡Aの相続人である物納申請者らから、相続税の物納として取得した土地に、物納許可後に地下埋設物及び土壌汚染が確認されたため、原告において地下埋設物撤去及び土壌汚染除去費用を支出したことについて、上記物納申請者若しくはその相続人である被告らに対し、上記埋設物撤去及び土壌汚染除去費用相当額合計1億5844万5000円及びこれに対する遅延損害金につき、各被告の法定相続分の割合に応じた連帯支払を求めた事案において、本件土壌汚染等は本件盛土によって惹起されたとしか考えられず、本件土地の汚染原因者は相当程度の蓋然性をもって横浜市長であると推認することができるのであって、本件においては「汚染原因者が特定できないとき」要件が充足されているということはできないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.01.28
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25446152/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月16日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1343号
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項、32条1号所定の罰則を伴う届出制度は、正当な立法目的を達成するもの手段として必要かつ合理的なものというべきであり、憲法21条1項に違反するものではないとして、本件上告を棄却した事例。
2014.01.28
審決取消請求事件(発明等名称:経路広告枠設定装置,経路広告枠設定方法及び経路広告枠設定プログラム)
LEX/DB25446130/知的財産高等裁判所 平成25年12月25日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第10109号
名称を「経路広告枠設定装置、経路広告枠設定方法及び経路広告枠設定プログラム」とする発明につき特許出願をした原告が、拒絶査定に対する不服審判請求をするとともに特許請求の範囲を変更する旨の本件補正をしたところ、審判請求不成立の本件審決があったため、その取消を求めた事案において、引用例1発明に引用例2の記載事項を組み合わせても本願発明における構成には至らず、そうである以上、経路を線描写によって設定することが周知事項であったとしても、引用例1発明に引用例2の記載事項及び周知事項を組み合わせることにより本願発明の上記構成に至ることはないなど、本件審決の引用例2の記載事項の認定及び容易想到性の判断には誤りがあるとして、請求を認容した事例。
2014.01.28
審決取消請求事件(発明等名称:車両用指針装置)
LEX/DB25446133/知的財産高等裁判所 平成25年12月24日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第10154号
原告が、被告を特許権者とする「車両用指針装置」の発明につき、特許無効審判請求をしたところ、審判請求不成立の本件審決がされたため、その取消を求めた事案において、フェードアウトによる何らかの良好な心理的効果を得ようとすることは、照明技術における一般的な課題であり、また、フェードアウトが種々の照明に適用されていることを踏まえると、観者に対する違和感の払拭という心理的効果を目指した引用発明において、目盛り板照明装置の制御手段として良好な心理的効果を目指した周知技術1を適用して、照射光の輝度を徐々に低下させるように制御することは、当業者にとって容易に着想し得ることであるなど、引用発明に、本件発明1と技術的意義を同じくする周知技術1を適用して、相違点1に係る構成をとることは、当業者が容易に発明できたことであるとして、請求を認容した事例。
2014.01.28
文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の一部変更決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446108/最高裁判所第一小法廷 平成25年12月19日 決定 (許可抗告審)/平成25年(許)第6号
抗告人の設置するY大学の人文学部教授である相手方らが、それぞれ同学部長等からハラスメントを受けたとして抗告人に苦情を申し立てたところ、同大学に置かれたハラスメントの防止、対策又は調査に係る委員会の運営及び調査の方法が不当であったために不利益を被ったなどと主張して、抗告人に対し、再調査の実施、損害賠償の支払等を求める本案事件において、抗告人が所持する本件各文書について文書提出命令を申し立てた事案の許可抗告審で、国立大学法人が所持し、その役員又は職員が組織的に用いる文書についての文書提出命令の申立てには、民事訴訟法220条4号ニ括弧書部分が類推適用されるとした事例。
2014.01.28
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇事件
LEX/DB25446101/最高裁判所第二小法廷 平成25年12月18日 決定 (上告審)/平成25年(医へ)第34号
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律42条1項3号の同法による医療を行わない旨の決定に対しては、対象行為の認定を争うものであっても同法64条2項の抗告をすることは許されないとした原決定は正当であるとして、本件抗告と棄却した事例。
2014.01.28
選挙無効請求事件
LEX/DB25446103/名古屋高等裁判所金沢支部 平成25年12月26日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第2号等
福井県、石川県、富山県の各選挙区の選挙人である原告らが、平成25年7月21日に施行された参議院議員通常選挙について、本件参議院(選挙区選出)議員定数配分規定は憲法14条1項等に違反し無効であるとして、本件各選挙区における選挙の無効を求めた事案において、本件選挙当時の最大較差(1対4.77)が示す選挙区間における投票価値の不均衡は、投票価値の平等の重要性に照らしてももはや看過し得ない程度に達しており、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至ったというべきであるが、本件選挙までに憲法上要求される較差是正のための合理的期間が経過したものとは認められないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.01.28
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25502419/名古屋高等裁判所 平成25年11月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第737号
死刑確定者である控訴人が、名古屋拘置所の職員により、控訴人と同所被収容者との信書の発受など同職員が職務上知った情報を他の同所被収容者に漏えいされ、精神的被害を被ったとして、被控訴人国に対し、国家賠償を求めた事案の控訴審において、2件の情報漏えいに対する慰謝料の額はそれぞれ2万5000円と認めるのが相当であることは原判決の説示するとおりであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2014.01.28
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25446109/最高裁判所第三小法廷 平成25年11月19日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第508号
控訴審が被告人の控訴に基づいて第1審判決を破棄する場合には、控訴申立後の未決勾留日数は、刑事訴訟法495条2項2号により、判決が確定して執行される際当然に全部本刑に通算されるべきものであって、控訴裁判所には、上記日数を本刑に通算するか否かの裁量権が委ねられておらず、刑法21条により判決においてその全部又は一部を本刑に算入する旨の言渡しをすべきでないとした事例。
2014.01.28
選挙無効事件
LEX/DB25502357/東京高等裁判所 平成25年11月13日 判決 (第一審)/平成25年(行ケ)第86号
平成25年7月21日に行われた参議院議員通常選挙中、比例代表選挙について、選挙人である原告らが、比例代表選挙は憲法に違反し無効であると主張して、公職選挙法204条に基づいて提起した選挙無効を求めた事案において、原告らの請求を棄却した事例。
2014.01.28
諫早湾干拓地潮受堤防北部及び南部各排水門開放差止仮処分事件
LEX/DB25502355/長崎地方裁判所 平成25年11月12日 決定 (第一審)/平成23年(ヨ)第36号等
国営諫早湾土地改良事業としての土地干拓事業においては、諫早湾干拓地潮受堤防が諫早湾の奥部を締め切る形で築造され、締め切られた内部は調整池とされたところ、債権者らが、干拓地を所有する者は所有権に基づく妨害排除請求として、賃借する者は賃借権に基づく妨害予防請求として、上記湾内において漁業を営むという者は、漁業行使権に基づく妨害予防請求として、上記湾内に居住する者は人格権又は環境権・自然享有権に基づく妨害排除請求として、債務者に対し、調整池から諫早湾海域への排水を行う場合を除き、一定の方法による開門をしないことを求めた事案において、請求を一部認容し、その余の請求を却下した事例。
2014.01.28
器物損壊,傷害,窃盗事件
LEX/DB25446129/横浜地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第350号
被告人が、親密な関係にあったCの男性関係に怒り、Cがアルバイトをするコンビニ店の駐車場でCとトラブルとなり、Cを迎えに来ていたBが間に入るなどしたことにも腹を立て、Bの自動車に傷をつけ、同人を殴ってけがを負わせたほか、Cの金品在中の本件バックを窃取したという公訴事実につき、本件認定事実によれば、被告人が本件バッグを持ち去ることについてCの承諾があったとして、窃盗の公訴事実については被告人を無罪とした上で、器物損壊及び傷害の点については被告人を有罪とし、被告人を罰金50万円に処した事例。
2014.01.28
収賄、地方公務員法違反、犯人隠避被告事件並びに贈賄被告事件
LEX/DB25502351/福岡地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1069号等
警察官である被告人Aは、Bに係る覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査主任官に指名された者であるが、被告人Aが指定暴力団の会長に電話し、事務所に対する捜索の実施が予定されている旨を告げ、もってその職務上知り得た秘密を漏らし、前記事件に関し、Cを取り調べた際、CがBとの共犯関係を認める供述をしたのに、Cの処罰を免れさせるため、Cを覚せい剤取締法違反事件の被疑者として取り調べるなど必要な捜査を行わず、「Bは知らない」旨を記載したCを供述人とする供述調書1通を作成し、同供述調書を上司に提出するなどし、覚せい剤取締法違反の罪の犯人であるCを隠避させ、被告人Dは、恐喝等被疑事件への関与が疑われていたもの、被告人Eは、被告人Dの兄貴分に当たるものであるが、被告人Aは、被告人D及び被告人Eから、捜査方針や捜査状況に関する情報を漏洩するなど有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、現金約10万円の供与を受け、自己の職務に関し賄賂を収受し、被告人D及び被告人Eは、共謀の上、被告人Aに対し、現金約10万円を供与し、被告人Aの前記職務に関し賄賂を供与した事案において、被告人Aの地方公務員法違反、犯人隠避については懲役1年、執行猶予3年を言い渡し、被告人Aの収賄、被告人D及び同Eの贈賄については無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
損害賠償請求事件
LEX/DB25502353/松山地方裁判所 平成25年11月7日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第1399号
宅地建物取引業者である被告の仲介より本件土地を取得した原告らが、被告に対し、前記土地が事故物件であることを知らされていなかったとして、不法行為による損害賠償の支払を求めた事案において、本件土地上で過去に自殺があったとの事実は、本件売買契約を締結する否かの判断に影響を及ぼす事実であるとともに、本件売買契約締結後の売買契約につき、その効力を解除等によって争うか否かの判断に重要な影響を及ぼす事実であるとし、被告は、原告らに対し、前期事実の説明義務違反(不法行為)と相当因果関係のある損害を賠償すべき責任を負うとして、請求を一部認容した事例。
2014.01.28
傷害被告事件
LEX/DB25446095/横浜地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1049号
飲食店の店長である被告人が、客であるAの顔面を殴打するなどして傷害を負わせたとして、起訴された事案において、被告による殴打の事実を認定した上で、被告人は、客同士のトラブルを避けるため、Aらを退店させようとしたところ、店内でCから暴行を受け、さらに路上でもCから殴られそうになったため、Cの顔面を殴り、その後にBに押し倒されて起き上がったところ、Aから暴行を受けそうになったため、本件暴行に及んだものであり、被告人の暴行には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
傷害致死、監禁、傷害、逮捕監禁、死体遺棄被告事件
LEX/DB25502421/神戸地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第125号等
大手私鉄に勤務していた被告人Aが、電車のドアにベビーカーが挟まれたと執拗に苦情を申し立てたGに対応したことに端を発し、Aの元妻である被告人C及びCの姉である被告人BらとともにGの指示に盲従して共同生活を営むようになり、被告人3名が、Gらと共謀の上、被告人B及び被告人Cの実母である被害者を居室に監禁し、虐待を継続的に加えて死亡させ、同人の死体をドラム缶に詰めて遺棄するなどした事案において、被告人3名いずれについても、本件各犯行当時、責任能力を有していたと認められ、また、警察に保護を求めるなどの行動に出て本件各犯行に及ばないことが物理的に十分に可能であったことなどに照らすと、期待可能性もあったと認められるとして、被告人Aを懲役3年6月、被告人Bを懲役3年(執行猶予4年)、被告人Cを懲役2年(執行猶予3年)を言い渡した事例(裁判員裁判)。