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2014.04.15
損害賠償請求事件
LEX/DB25512188/東京地方裁判所 平成25年3月14日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第599号
原告が諏訪神社に対し借地権を返還して賃貸借契約を合意解約する際に、宅地建物取引業者である被告会社の代表取締役でかつ宅地建物取引主任者である被告Bには、借地上の建物の解体を促進して、借地借家法13条1項の建物買取請求権を毀損したことから建物の時価を賠償する義務があるなどとして、原告が、被告らに対し、不法行為による損害賠償請求として連帯して損害額合計のうち一部等の支払を求めた事案において、請求をいずれも棄却した事例。
2014.04.08
認知無効確認請求事件
LEX/DB25446328/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 判決 (上告審)/平成25年(受)第442号
血縁上の父子関係がないことを知りながら上告人の母であるAと婚姻し、上告人を認知した被上告人が、上告人に対し、認知の無効確認を求めたところ、原審は、血縁上の父子関係がない場合において、認知者による認知の無効の主張を認めても、民法785条の趣旨に反するものとはいえず、また、認知者も民法786条の利害関係人に当たるとして、被上告人による本件認知の無効の主張を認め、被上告人の請求を認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならないとし、被上告人は本件認知の無効を主張することができるとして、被上告人の請求を認容すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができるとし、本件上告を棄却した事例。
2014.04.08
詐欺被告事件
LEX/DB25446329/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第3号
暴力団員である被告人が、所属する暴力団組織の幹部構成員と共謀の上、宮崎市内にあるゴルフ施設の従業員に対し、暴力団員という両名の属性を偽り、両名において同施設の利用という財産上の利益の提供を受け、被告人両名が共謀の上、同市内にある別のゴルフ施設の従業員に対し、暴力団員という被告人の属性を偽り、同被告人において同施設の利用という財産上の利益の提供を受けた、いわゆる2項詐欺の各事件で、第一審判決は、暴力団員であることを秘してした施設利用申込み行為自体が、挙動による欺罔行為として、申込者が暴力団関係者でないとの積極的な意思表示を伴うものと評価でき、各ゴルフ場の利便提供の許否判断の基礎となる重要な事項を偽るものであって、詐欺罪にいう人を欺く行為に当たるとし、各公訴事実と同旨の犯罪事実を認定して、被告人を懲役1年6月、執行猶予3年に処し、被告人からの控訴に対し、原判決も、第一審判決の認定を是認し、控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、被告人及びDによる本件各ゴルフ場の各施設利用申込み行為が挙動による欺罔行為に当たるとして詐欺罪の成立を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決には、判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があり、これを破棄しなければ著しく正義に反すると認められるとし、既に第一審及び原審において検察官による立証は尽くされているので、当審において自判するのが相当であるところ、本件各公訴事実については犯罪の証明が十分でないとして、被告人に対し無罪の言渡しをした事例(反対意見あり)。
2014.04.08
解雇無効確認等請求事件
LEX/DB25446296/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月24日 判決 (上告審)/平成23年(受)第1259号
被上告人(一審被告)の従業員であった上告人(一審原告)が、鬱病に罹患して休職し休職期間満了後に被上告人から解雇されたが、本件鬱病は過重な業務に起因するものであって上記解雇は違法、無効であるとして、被上告人に対し、安全配慮義務違反等による債務不履行又は不法行為に基づく休業損害や慰謝料等の損害賠償、被上告人の規程に基づく見舞金の支払、未払賃金の支払等を求めた事案の上告審において、被上告人の安全配慮義務違反等を理由とする上告人に対する損害賠償の額を定めるに当たり過失相殺に関する民法418条又は民法722条2項の規定の適用ないし類推適用によりその額を減額した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるものというべきであり、これに加え、原審は、安全配慮義務違反等に基づく損害賠償請求のうち休業損害に係る請求について、その損害賠償の額から本件傷病手当金等の上告人保有分を控除しているが、その損害賠償金は、被上告人における過重な業務によって発症し増悪した本件鬱病に起因する休業損害につき業務上の疾病による損害の賠償として支払われるべきものであるところ、本件傷病手当金等は、業務外の事由による疾病等に関する保険給付として支給されるものであるから、上記の上告人保有分は、不当利得として本件健康保険組合に返還されるべきものであって、これを上記損害賠償の額から控除することはできないとし、また、原審は、上記請求について、上記損害賠償の額からいまだ支給決定を受けていない休業補償給付の額を控除しているが、いまだ現実の支給がされていない以上、これを控除することはできないとし、上記損害賠償の額を定めるに当たり、上記の各金員の額を控除した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原判決中、損害賠償請求及び見舞金支払請求に関する上告人敗訴部分を破棄し、同部分につき、東京高等裁判所に差し戻した事例。
2014.04.08
保護責任者遺棄致死被告事件
LEX/DB25446293/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月20日 判決 (上告審)/平成24年(あ)第797号
被告人両名が、統合失調症の診断を受けていた被告人の妹に対し、日常的に虐待を加え、医師の診察等の医療措置を受けさせず、わずかな飲食物を提供するのみでその生存に必要な保護を加えず、外傷による出血及び低栄養に基づく虚血状態に起因するショック並びに敗血症性ショックにより死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪で起訴された事件で、原判決は、被告人両名において、被害者の生命身体に危険があり、その生存に必要な保護として、医師の診察等の医療措置を受けさせるとの認識を有していたか否かについて、更に審理を尽くす必要があるとして、保護責任者遺棄致死罪の成立を肯定した原判決を破棄し、本件を地方裁判所に差し戻しを命じたため、検察側が上告した事案において、原判決が、被告人Aと共に来院した被害者の様子を述べた医師のE証言及び被告人両名と共に中華料理店を訪れた被害者の様子を述べた店員のF証言を信用できないとし、被告人両名は被害者が生存に必要な保護として医療措置を受けさせるなどの保護を必要とする状態であることを分かっていたとする第一審判決の認定、判断を是認できないとした判断は、第一審判決について、論理則、経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価することができないとし、第一審判決に事実誤認があるとした原判断には刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があり、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められるとして、更に審理を尽くさせるため、本件を高等裁判所に差し戻すこととした事例。
2014.04.08
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25503097/札幌高等裁判所 平成25年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第273号
控訴人(原告)らの子が、被控訴人(被告)遠軽町の公務員である教諭による違法な指導により多大な精神的苦痛を被り、自殺行為に至って死亡し、さらに真実解明調査・報告義務違反があったとして、被控訴人遠軽町に対し、国家賠償法1条1項又は民法415条に基づく安全配慮義務違反に基づき、被控訴人(被告)北海道に対し、国家賠償法3条1項により、死亡による逸失利益、死亡慰謝料、控訴人ら固有の慰謝料及び弁護士費用を損害として、その賠償を求めた事案の控訴審において、当裁判所も、控訴人らの請求は、いずれも原判決主文の限度で理由があり、その余は理由がないものと判断するとして、各控訴を棄却した事例。
2014.04.08
損害賠償、民訴260条2項に基づく仮執行の原状回復及び損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25503098/大阪高等裁判所 平成26年2月27日 判決 (差戻控訴審)/平成25年(ネ)第2334号
亡Aの相続人である第一審原告(控訴人・被控訴人)らにおいて、Aが鉄道高架下に設置された貸建物内で稼働中、建物内部に吹き付けられたアスベストの粉じんに曝露したため、悪性胸膜中皮腫に罹患し、自殺を余儀なくされたと主張して、第一審被告(被控訴人・控訴人)に対して、債務不履行、不法行為又は土地の工作物の設置、保存上の瑕疵に係る責任に基づく損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案の差戻控訴審において、第一審被告の責任期間内のAの石綿粉じん曝露とAの悪性胸膜中皮腫発症との間の相当因果関係、Aの悪性胸膜中皮腫と自殺による死亡との間の相当因果関係はいずれも認められるから、本件建物の設置又は保存上の瑕疵とAの死亡との間には、相当因果関係が認められるとして、第一審原告らの控訴に基づき、原判決中、第一審被告に関する部分を変更し、第一審被告の控訴をいずれも棄却した事例。
2014.04.08
脅迫、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503137/名古屋高等裁判所 平成26年2月26日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第372号
被告人が、Aと共謀の上、警察官である被害者の自宅に電話をして脅迫し、この脅迫により検挙されるのを免れるために逃亡生活を送るなかで、Aの部下から他人名義のシムカード及び携帯電話機を譲り受けた事実につき、懲役10月及び罰金40万円が言い渡されたため、被告人が控訴した事案において、本件脅迫が個人法益に対する罪であることからすると、被告人が罪を認め、謝罪文を作成するなどしたのは、犯行から約3年もの期間が経過した後であり、その間、被害者らは恐怖と不安の中で生活せざるを得なかったものであり、未だ刑の執行を猶予すべき事情が生じたとはいえないが、原判決の刑期については、現時点では、いささか重過ぎるにいたったものと認められるとし、原判決を一部破棄し、懲役8月を言い渡した事例。
2014.04.08
懲戒免職処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25503095/大阪高等裁判所 平成26年2月20日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第105号
控訴人(被告・大阪市)が設置する市立斎場において火葬業務に従事していた地方公務員である被控訴人(原告)らが、葬儀業者から「心付け」、「寸志」などと称される金銭を受領したことを理由に、大阪市長から、いずれも懲戒免職処分及び一般の退職手当等の全部を支給しない旨の退職手当支給制限処分を受けたが、当該各処分は、裁量権を逸脱又は濫用した違法な処分であるとして、控訴人に対し、当該各処分の取消しを求めた事案の控訴審において、本件各懲戒免職処分及び本件各退職手当支給制限処分はいずれも違法であるということはできないとして、原判決を取り消し、被控訴人らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.04.08
行政処分取消等請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25503093/東京高等裁判所 平成26年2月12日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第242号
控訴人(被告・東京都)がその水道局職員である被控訴人(原告)に対し、正当な理由なく、72回につき出勤時限に遅れた上、そのうち71回につき部下に指示して出勤記録なしを「出勤」の表示を意味する「○」に修正させたことを理由として、停職3月の懲戒処分をしたため、被控訴人が、控訴人に対し、上記停職処分の取消しを求めるとともに、上記停職処分に伴う減収分、将来の逸失利益、慰謝料及び弁護士費用の支払を求めた事案の控訴審において、当裁判所は、本件停職処分に被控訴人主張の違法はなく、また、これによる違法な権利侵害もないから、被控訴人の損害賠償請求(附帯控訴及び訴え変更による当審請求も含む。)も理由がないものと判断するとして、これと異なる原判決を取り消した上、被控訴人の請求をいずれも棄却することとし、被控訴人の附帯控訴及び当審において拡張された請求は理由がないからこれを棄却するとした事例。
2014.04.08
損害賠償請求事件(第604号)、求償金請求事件(第385号)
LEX/DB25503050/大阪地方裁判所堺支部 平成26年2月6日 判決 (控訴審)/平成24年(ワ)第604号等
亡甲(事件当時高校1年生)が被告乙(事件当時高校3年生)に殺害された事件について、亡甲の両親及び兄である原告らが、加害者である被告乙に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求し、被告乙の親権者である被告両親に対し、被告乙を監督すべき義務があったのに、これを怠ったために事件が発生したと主張して、不法行為に基づく損害賠償を請求(甲事件)し、また、原告会社(損害保険会社)が、保険契約に従って甲の相続人である原告両親に対して保険金を支払い、旧商法622条に基づき原告両親の被告乙に対する不法行為の損害賠償請求権を代位取得したとして、損害賠償を請求(乙事件)した事案において、被告乙は、民法709条に基づき、本件事件により亡甲に生じた損害を賠償する責任を負うとして、原告らの請求を一部認容し、原告会社の請求を全部認容した事例。
2014.04.08
殺人、強要未遂、窃盗、電磁的公正証書原本不実記録、同供用、犯人隠避教唆被告事件
LEX/DB25503046/福岡高等裁判所 平成26年2月5日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第374号
被告人が、偽装結婚の届出(電磁的公正証書原本不実記録及び同供用)、車両の窃盗、死亡保険金を得る目的での保険金殺人、犯人隠避教唆、強要未遂により起訴され、第一審が無期懲役を言い渡し、被告人が控訴をした事案において、被告人が当時も組員であったと認定し、被告人に強要の故意及び共犯者との共謀を認め、強要未遂罪の成立を認めた原判決は、不合理な点はなく正当というべきであり事実誤認はないとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2014.04.08
損害賠償請求事件
LEX/DB25503049/福岡地方裁判所小倉支部 平成26年1月30日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第872号等
福岡県内外の住民である原告らが、東日本大震災により生じた宮城県石巻市の災害廃棄物を被告(北九州市)が違法に受け入れ、焼却したことにより、生命・身体・健康に対する不安を生じ、精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ慰謝料等の支払いを求めた事案において、廃棄物の受入れ及び焼却が、原告らの生命・身体・健康を侵害する具体的な危険性を有するものであったと認めるのは困難であるとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.04.08
被爆者健康手帳申請却下処分取消等請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25503047/福岡高等裁判所 平成26年1月23日 判決 (第一審)/平成24年(行コ)第41号等
長崎市に投下された原子爆弾に被爆したと主張して、被爆者援護法に基づき、処分行政庁(長崎市長)に対して被爆者健康手帳の交付申請をし、また、健康管理手当支給認定申請をしたものの、処分行政庁によりこれらの申請を却下された一審原告が、控訴人(被告。長崎市)に対し、各申請を却下した処分がいずれも違法であるとして、それらの取消し、被爆者健康手帳の交付の義務付け及び被爆者援助法所定の健康管理手当の支払いを求め、併せて、精神的苦痛を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料の支払いを求め、原審は各処分の取消請求及び被爆者健康手帳の交付義務請求を認容した事案において、控訴人の控訴に基づき、控訴人の敗訴部分を取り消し、一審原告の死亡により、各訴訟はいずれも終了した旨宣言した事例。
2014.04.08
商標権侵害差止等(本訴)請求、商標権侵害差止等(本訴)請求、損害賠償(反訴)請求控訴事件
LEX/DB25503048/福岡高等裁判所 平成26年1月23日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第366号
控訴人(原告)甲が、被控訴人(被告)は、甲の有する商標権に係る商標と酷似する標章「元祖ラーメン長浜家」を使用することにより甲の商標権を侵害していると主張して、被控訴人に対し、商標法36条1項に基づき、同標章及び照合の使用の差止め等を求め(第1事件)、また、甲らが設立した株式会社である控訴人(原告)会社乙が、被控訴人による不正競争行為を理由として、不正競争防止法3条1項に基づき、同標章及び商号の使用の差止めを求め(第2事件)、これに対し、被控訴人が、甲らは違法な脅迫、強要行為を行っているなどとして不法行為に基づく損害賠償金等の支払いを求め(第3事件)、原審は各請求をいずれも棄却した事案において、控訴をいずれも棄却した事例。
2014.04.08
立替金返還請求反訴事件
LEX/DB25503145/青森地方裁判所弘前支部 平成26年1月17日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第210号等
反訴原告(りんごの販売に関する事業等を目的とする会社)が、(1)反訴被告ら(りんご生産及び販売を業とするりんご農家ないし農業生産法人)に対しては、本精算金額がマイナスになっており、同人らは本件委託契約に基づき、マイナス分を反訴原告に返還する債務を負っているとして、その支払いを求め、(2)「GAP審査料」及び「残留農薬検査料」に金額がある反訴被告らに対し、同金額は当該反訴被告らとの合意に基づいて反訴原告が立替払いしたものであるとしてその返還を求め、(3)反訴被告Sに対して50万円を貸し付けたとしてその返還を求めた事案で、これに対して、反訴被告らは、上記(1)につき、(A)本件で反訴被告らが入庫したりんごは反訴原告主張の金額よりも高値で売却されたはずであるから、マイナス精算にならない、(B)本件委託契約においては、反訴原告が、在庫を適切に保管・選別した上、これらの製品在庫を全て販売する義務を負い、これら業務が適切に行われた場合には、りんごの販売代金から、各種費用を控除できる旨の合意がされているところ、本件では反訴原告は上記の管理及び販売を適切に行わなかったものであるから、各種費用の控除は認められず、結果として本件委託契約上返還義務は生じない、(C)仮に上記合意がないとしても、反訴原告は、自らずさんな在庫管理及び販売をして販売価格を下落させているにもかかわらず、その損失を全て反訴被告らに押しつけており、権利濫用に当たる、(D)また、反訴被告らは、上記のずさんな管理によって本来受けるべき売却代金を得られなかったものであり、反訴原告に対して債務不履行(善管注意義務違反)に基づく損害賠償請求権を有するから、同債権と対当額で相殺する旨主張し、上記(2)については、いずれの費用についても反訴原告主張の合意はないから、当該反訴被告らはこれら費用を負担する必要はないと主張し、上記(3)については、返還時期の定めがないと主張して、反訴原告の各請求を争った事案において、反訴原告の請求は、(1)精算金(立替金)の支払請求については全部理由があり、同(2)GAP関連費用の支払請求については理由がなく、同(3)貸金返還請求については一部理由があるから、それぞれの範囲で認容し、その余については棄却した事例。
2014.04.08
農地転用許可取消請求事件
LEX/DB25446273/名古屋地方裁判所 平成25年7月18日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第146号
県知事が本件農地についてした農地法5条1項に基づく転用許可処分に関して、本件農地の近隣に居住する原告が、本件処分の取消しを求めた事案において、原告が、本件農地の転用によって土砂の流出又は崩壊その他の災害の発生や、農業用用排水施設の機能上の障害等の被害が直接的に及ぶことが想定される周辺地域において農地を所有、耕作しているということはできないから、農地法5条2項4号を根拠として本件処分の取消訴訟における原告適格を肯認することはできないとして、本件訴えを却下した事例。
2014.04.08
損害賠償請求事件
LEX/DB25511508/東京地方裁判所 平成25年3月21日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第22360号
原告との間で、原告に対して借入金等に係る債務を負担し、これを支払う旨記載された公正証書を作成した者から、当該債務の一部に関し錯誤があるとして請求異議訴訟を提起された原告が、同訴訟の訴訟代理人である被告らに対し、弁護士として同訴訟を提起したことは不当であるとして、不法行為に基づく損害賠償の一部請求をした事案において、専門家たる弁護士が、依頼者から委任されて訴訟を提起するという場合であっても、依頼者の主張する権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであり、弁護士がそのことを知りながら又は弁護士であれば通常容易にそのことを知り得たのにあえて訴訟を提起したなど、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く場合には、応訴する相手方に不当な負担を強いることになるから、依頼者とは別に訴訟代理人として行った訴訟の提起が違法と評価されると解されるところ、本件において、被告らによる提訴行為が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くとは認められないとして、請求を棄却した事例。
2014.04.01
死体遺棄,傷害致死,傷害,殺人被告事件
LEX/DB25446292/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月17日 決定 (上告審)/平成23年(あ)第1224号
同一被害者に対する2件の傷害被告事件につき、検察官主張に係る一連の暴行によって各被害者に傷害を負わせた事実は、いずれの事件も、約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に、被告人が、限定された場所で、共通の動機から繰り返し犯意を生じ、主として同態様の暴行を反復累行し、その結果、個別の機会の暴行と傷害の発生、拡大ないし悪化との対応関係を個々に特定することはできないものの、結局は一人の被害者の身体に一定の傷害を負わせたというものであり、それぞれ、その全体を一体のものと評価し、包括して一罪と解することができるとし、そして、いずれの事件も、その共犯者、被害者、期間、場所、暴行の態様及び傷害結果の記載により、他の犯罪事実との区別が可能であり、また、それが傷害罪の構成要件に該当するかどうかを判定するに足りる程度に具体的に明らかにされているから、訴因の特定に欠けるところはないとした事例。
2014.04.01
遺留分減殺請求事件
LEX/DB25446288/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月14日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1420号
亡Bの妻である上告人が、Bがその遺産の全てを長男である被上告人に相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して、被上告人に対し、遺留分減殺を原因として、不動産の所有権及び共有持分の各一部移転登記手続等を求めたところ、原審は、上告人が相続の開始等を知った時を平成20年10月22日とする上告人の遺留分減殺請求権の消滅時効について、時効の期間の満了前に後見開始の審判を受けていない者に民法158条1項は類推適用されないとして時効の停止の主張を排斥し、同請求権の時効消滅を認め、上告人の請求を棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、上告人についての後見開始の審判の申立ては、1年の遺留分減殺請求権の時効の期間の満了前にされているのであるから、上告人が上記時効の期間の満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあったことが認められるのであれば、民法158条1項を類推適用して、A弁護士が成年後見人に就職した平成22年4月24日から6箇月を経過するまでの間は、上告人に対して、遺留分減殺請求権の消滅時効は、完成しないことになり、上告人の遺留分減殺請求権の時効消滅を認めた原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決は破棄し、原審に差し戻した事例。