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2014.05.20
執行文付与請求事件
LEX/DB25446377/最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 判決 (上告審)/平成25年(受)第419号
被上告人につき破産手続終結の決定がされ免責許可の決定が確定後、被上告人に対し確定した破産債権を有する上告人が、上記破産債権は破産法253条1項2号に掲げる請求権に該当すると主張して、被上告人に対し、上記破産債権が記載された破産債権者表について提起した執行文付与の訴えをした事案の上告審において、免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が、当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として、当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されないと解するのが相当であるとして、上告を棄却した事例。
2014.05.20
執行判決請求事件
LEX/DB25446379/最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 判決 (上告審)/平成23年(受)第1781号
上告人が、営業秘密(米国カリフォルニア州の法律におけるもの)の不正な開示及び使用を理由に損害賠償及び差止めを命じた米国の裁判所の判決のうち懲罰的損害賠償を命じた部分を除く部分について、民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えをした事案で、原審の高裁は、被上告人らの行為地は日本国内にあるため、これによる上告人の損害が米国内で発生したことを証明できなければならないところ、その証明がないから、本件米国判決のうち損害賠償を命じた部分及び差止めを命じた部分のいずれについても間接管轄を認める余地はないとして、上告人の請求を棄却したが、上告審において、本件規定は、違法行為により権利利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求についても定めたものと解され、本件米国判決が日本国内だけでなく米国内においても被上告人らの不正行為の差止めを命じていることも併せ考えると、本件の場合、被上告人らが上告人の権利利益を侵害する行為を米国内で行うおそれがあるか、上告人の権利利益が米国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明された場合には、本件米国判決のうち差止めを命じた部分については、民事訴訟法3条の3第8号に準拠しつつ、条理に照らして間接管轄を認める余地もあり、また、そうであれば、本件米国判決のうち損害賠償を命じた部分についても、民事訴訟法3条の6に準拠しつつ、条理に照らして間接管轄を認める余地も出てくることになるとして、被上告人らが上告人の権利利益を侵害する行為を米国内で行うおそれの有無等について何ら判断しないまま間接管轄を否定した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、高裁に差し戻しを命じた事例。
2014.05.20
詐欺被告事件
LEX/DB25446389/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第911号
被告人が、Cと共謀の上、宮崎市内のゴルフ倶楽部で、そのゴルフ場利用細則等により暴力団員の利用を禁止しているにもかかわらず、被告人及びCが暴力団員であるのにそれを秘し、同倶楽部の従業員に対し、被告人において「A」と署名した「ビジター受付表」を、Cにおいて「C」と署名した「ビジター受付表」を、それぞれ提出して被告人及びCによる施設利用を申込み、従業員をして、被告人及びCが暴力団員ではないと誤信させ、被告人及びCと同倶楽部との間でゴルフ場利用契約を成立させた上、被告人及びCにおいて、同倶楽部の施設を利用し、それぞれ人を欺いて財産上不法の利益を得たという事案の上告審において、第一審判決は、暴力団員であることを秘してした施設利用申込み行為自体が、申込者が暴力団関係者でないとの事実を表しており、ゴルフ場の利便提供の許否判断の基礎となる重要な事項を偽るものであって、詐欺罪にいう人を欺く行為に当たるとし、被告人を懲役1年6月、執行猶予3年に処し、被告人からの控訴に対し、原判決も、第一審判決の認定を是認し、控訴を棄却したが、上告審では、暴力団関係者であるビジター利用客が、暴力団関係者であることを申告せずに、一般のビジター利用客と同様に、氏名を含む所定事項を偽りなく記入した「ビジター受付表」をフロント係の従業員に提出して施設利用を申し込む行為自体は、申込者が当該ゴルフ場の施設を通常の方法で利用し、利用後に所定の料金を支払う旨の意思を表すものではあるが、それ以上に申込者が当然に暴力団関係者でないことまで表しているとは認められず、本件における被告人及びCによる本件ゴルフ場の各施設利用申込み行為は、詐欺罪にいう人を欺く行為には当たらないというべきであるとして、詐欺罪の成立を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決を破棄し、既に第一審及び原審において検察官による立証は尽くされているので、上告審において自判するのが相当であるところ、本件公訴事実については犯罪の証明が十分でないとして、被告人に対し無罪を言渡した事例。
2014.05.20
保釈許可の裁判に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446391/最高裁判所第三小法廷 平成26年3月25日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第136号
被告人が、平成25年7月及び同年8月の2回にわたり、リゾートマンションの被告人の部屋において、当時21歳及び当時25歳の女性に対し、睡眠導入作用を有する薬物を混入した料理を食べさせ、同薬理作用により抗拒不能の状態に陥らせて姦淫した事案の上告審において、一件記録によれば、被告人には刑事訴訟法89条1号、3号及び4号に該当する事由があると認められるが、被告人は、原々決定までに、本件と併合して審理されている同態様の準強姦又はその未遂被告事件5件を含め、公訴事実を全て認め、検察官請求証拠についても全て同意をして、その取調べが終わっていること、被告人に対する更なる追起訴は今後予定されていないこと、被告人の妻が被告人の身柄を引き受け、公判期日への出頭確保及び日常生活の監督を誓約していること、これまでに前科前歴がないこと等の事情があるような本件事案の性質や証拠関係、併合事件を含む審理経過、被告人の身上等に照らすと、保証金額を合計1500万円とし、本件及び併合事件の被害者らとの接触禁止などの条件を付した上で被告人の保釈を許可した原々決定は、その裁量の範囲を逸脱したものとはいえず、不当ともいえないから、これを取消して保釈請求を却下した原決定には、刑事訴訟法90条の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定を取り消し、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2014.05.20
殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反,放火予備,現住建造物等放火未遂,盗品等有償譲受け,旅券法違反,有印私文書偽造,同行使被告事件(前橋スナック銃乱射殺人等事件)
LEX/DB25446392/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月14日 判決 (上告審)/平成21年(あ)第2058号
暴力団の組長である被告人が、配下の組員らと共謀の上、(1)対立する暴力団の組員による被告人が所属する暴力団組織の幹部の射殺事件への報復として、〈1〉対立する暴力団の元幹部宅に火炎びん等を用いて放火することを企て、実行犯の組員らが火炎びん等を準備し、1度目は放火の着手に至らず、2度目は着手したものの、放火は未遂に終わり、現場から逃げる際にけん銃を発射するなどした、〈2〉同暴力団の別の元幹部を殺害することを企て,実行犯の組員らが,同元幹部を公道上で待ち伏せ,同人の運転する車両に向けてけん銃を発射したが,同人に重傷を負わせたにとどまり,殺害の目的を遂げなかった、〈3〉再び同元幹部らを殺害することを企て、実行犯の組員2名が、けん銃等を所持して同元幹部らがいた営業中のスナックに赴き、スナック店外で同元幹部のボディーガード1名を至近距離から射殺した上、スナック店内で同元幹部らに向けて弾丸十数発を発射し、たまたま居合わせた暴力団とは何ら関係のない一般客3名を射殺し、同元幹部ほか1名にも重傷を負わせたが殺害の目的を遂げなかった、〈4〉これらの事件の準備のために組員らにけん銃や盗難自動車を譲り受けさせ、けん銃を試射させるなどした、〈5〉これらの事件の犯跡隠ぺいのために、実行犯を海外逃亡させるべく他人名義の旅券の交付を受けさせ、出国の際に行使させ、組織として保管していたけん銃を山林内に隠匿させるなどした、(2)(1)〈1〉の事件の一部に関与した組員1名が命令に従わなくなったことから、制裁及び口封じのために同組員を殺害することを企て、病院の集中治療室に入院中であった同組員のベッドの位置を探り出した上、実行犯2名が、けん銃等を所持し、他の患者や病院関係者も在室する集中治療室内のベッドで寝ていた同組員に近づき、至近距離から弾丸5発を発射して同組員を射殺した事案において、被告人には懲役前科5犯を含む前科が11犯あることなどを踏まえると、被告人の所属する暴力団組織の幹部が(1)〈3〉の事件の被害者遺族らと和解をして一定額が遺族らに支払われたことなど被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、被告人を死刑に処した第一審判決を維持し、上告を棄却した事例。
 
 
2014.05.20
売買代金返還等請求控訴事件
LEX/DB25503236/東京高等裁判所 平成26年3月12日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第5735号
原告(控訴人)が、Aら所有の本件各土地を買い受ける旨の契約をしたB社から右各土地を買い受け、被告C(被控訴人)が原告及びAを代理して所有権移転登記手続をしたが、売主として名乗った者がAらとは別人であり、Aら本人は本件土地をB社に売却しておらず、無断で登記手続の申請がされたとして、上記申請が却下されたことにつき、控訴人が、被告C及び原審被告Dに対し、損害賠償を求めたところ、被告Dに対する請求が認められ、被告Cに対する請求が棄却されたため、原告が控訴した事案において、被告Cにおいて、不動産登記法令所定の本人確認の方法を行うことに加えて、自宅訪問による占有状況等の確認等をすべき注意義務があると解すべき事情があることを認めるに足りる証拠はなく、被告Cにおいて、自称Aらの本人確認をするに当たり、法の求める注意義務を怠った過失があるとは認められないとし、控訴を棄却した事例。
2014.05.20
逮捕監禁、爆発物取締罰則違反、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503234/東京地方裁判所 平成26年3月7日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第29号等
本件教団の信者であった被告人が、被害者Aを拉致することを企て、共犯者と共謀の上、Aを自動車の後部座席に押し込んで同車を発車させ、本件施設内において、同人に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態を継続させるなどして同人を脱出不可能な状態におき、治安を妨げ、かつ、人の身体財産を害する目的をもって、教団信者らが現在するビル店舗内に火炎びんを投てきし、人の身体及び財産に危険を生じさせた事案において、被告人は、BとCから、教団代表者の指示により、Aを拉致すること、レーザーでボディーガードの目くらましをすることを了承して犯行現場に赴き、他の共犯者の役割等も知った上で、被告人自身はCが乗るギャランの運転手として本件に関与していたと認められ、被告人には、逮捕監禁事件の事前共謀が認められるとし、懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.05.20
現住建造物等放火,殺人,殺人未遂被告事件(大阪個室ビデオ店放火殺人事件)
LEX/DB25446393/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月6日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1517号
いわゆる個室ビデオ店において、客として入店した被告人が、深夜、自殺を図ろうとして、他の客が死亡するであろうことを認識しながら、個室内に持ち込んだキャリーバッグ内の衣類等に火を付け、その火を個室の側壁等に燃え移らせて同店舗を全焼させ、同店の客16名を急性一酸化炭素中毒等により死亡させるとともに、他の客7名は死亡させるに至らなかった(うち4名は、全治約1週間ないし1か月間を要する気道熱傷等の傷害を負った。)という現住建造物等放火、殺人、殺人未遂の事案の上告審において、多数の死者が出ることを確定的に認識していたわけではないこと、前科がないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、上告を棄却した事例。
2014.05.20
境界確定等(第1事件本訴)、所有権確認等(第1事件反訴)、損害賠償(第2事件)請求控訴事件
LEX/DB25503232/広島高等裁判所岡山支部 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第28号
一審原告国が、本件「境界確定協議書」により成立した本件各協議は、いずれも各民有地とこれに隣接する国有海浜地との所有権界を確定したものではなく、海陸の境界を確認したにすぎないものであり、本件各協議を前提としてされた本件各登記は無効であるなどと主張して、一審反訴原告らに対し、本件土地と本件国有海浜地との筆界の確定等を求め、一審反訴原告らが、一審原告国に対し、一審反訴原告らが本件係争地のうちの各部分の所有権を有することの確認等を求めたところ、一審反訴原告らの請求が一部認容され、双方が、控訴した事案において、本件筆界については、一審反訴原告ら主張線とすべきであり、一審反訴原告らの一審原告国に対する所有権確認請求は理由があるが、一審原告国の一審反訴原告らに対する所有権確認請求は理由がない等とし、本件各控訴を棄却した事例。
2014.05.20
損害賠償等請求事件
LEX/DB25503233/東京地方裁判所 平成26年2月26日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1837号
原告が、被告会社が発行する週刊誌の記事により原告の名誉が侵害されたと主張して、損害賠償及び謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件記事は、一般読者に対し、あたかも県知事であった原告が議員と結託して、自己の親族企業を諫早湾干拓地に入植させようと企図し、その政治力を背景に選考基準及び手続を歪曲し、農業振興公社をして親族企業を入植者として選定させたかのような印象を与え、原告の社会的評価を低下させるとし、請求を一部認容した事例。
2014.05.20
強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗未遂被告事件
LEX/DB25503235/東京地方裁判所立川支部 平成26年2月7日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第430号
少年である被告人が、Aと共謀の上、殺意をもって、ペティナイフ(刃体の長さ約12.8センチメートル)でBの左背面を突き刺すなどし、よって、同人を失血により死亡させた上、その際、同人所有又は管理の現金等の入ったバッグを強奪し、現金自動預払機にB名義のキャッシュカードを挿入し、現金を引き出して窃取しようとしてが、暗証番号が合致しなかったことから、その目的を遂げなかった事案において、被告人は、共犯少年が被害者の背中をナイフで刺した直後に、ナイフで被害者の脇腹付近を狙って刺すという自身の行為が、被害者の生命を奪う危険性が高い行為であることを認識しながら、あえて本件犯行に及んだものであり、被告人には殺意があったと認められるとし、無期懲役を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.05.13
金融商品取引法違反、詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という)違反)被告事件、公正証書原本不実記載、同行使被告事件
LEX/DB25503199/大阪地方裁判所 平成26年3月5日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第458号等
被告人両名が、共犯者とともに被告人Aが実質的に保有するA社の株式を無届け、無登録で売り出し、同じ詐欺集団所属の他の12名とともに、A社の株式を販売することを名目に、詐取行為を繰り返し、被害者17名から金員をだまし取るなどした事案において、被告人Aは、自らが保有するA社の株式を、その取得価格をはるかに上回る高値で売り捌いて利益を上げるために、共犯者らと主導して本件犯行に及んだもので、共同正犯の罪責を負うのは当然であり、被告人Bも、被告Aに雇われて、被告人Aの意図を分かった上で、犯行を実現する上で欠かせない役割を果たしたことが明らかであり、共同正犯の罪責を免れないとし、被告人Aに懲役13年及び罰金500万円、被告人Bに懲役4年及び罰金200万円を言い渡した事例。
2014.05.13
詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503196/福岡地方裁判所 平成26年3月3日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1699号等
A社の会長である被告人が、共犯者と共謀の上、利益を出すのが極めて困難なオプションを顧客に購入させて損失を被らせることになること等を認識しながら、その情を秘して、確実に利益を得られるかのように装ってオプションを購入させるなどして、預託金名目で金員を詐取したという組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪の事案において、強い関心をもってA社の収支状況を把握し、同社の経営にとって重要な事項を決定するなどしていた被告人が、A社のほぼ唯一の収入源である手数料収入を得るための営業活動の実体を把握していなかったということはおよそ考え難く、これらの事実は、本件認識を有していたことを強く推認させるものであり、被告人が本件認識を有し、これらを認容していたことは明らかであるから、被告人に詐欺の故意が認められ、また、共犯者との間の共謀が認められることも明らかであるとし、懲役6年を言い渡した事例。
2014.05.13
暴行、傷害、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25503201/福岡地方裁判所 平成26年3月3日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第198号
被告人が、駅構内及びその周辺において、無差別に次々と6名の通行人を包丁で突き刺すなどし、うち5名に傷害を負わせた事案において、被告人は、本件犯行当時、自己の置かれた状況や自らの行為が社会的に許されない行為であることを認識し、自己の思いに従って合理的な行動をする能力を有し、運動機能にも特段の問題なく、本件犯行の動機がおよそ理解不能であるとはいえず、被告人が大量に向精神薬を服用して精神作用物質による障害の状態であった点を考慮しても、被告人の行為の是非を弁別する能力及びこれに従って自己の行動を制御する能力への影響は大きなものではなく、著しく減退していなかったと認められ、被告人には完全責任能力が認められるとし、懲役6年6月を言い渡した事例。
2014.05.13
謝罪広告等請求控訴事件
LEX/DB25503230/広島高等裁判所 平成26年2月28日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第267号
原告ら(控訴人)が、被告(被控訴人)A社が制作・放送するテレビ番組の中における被告Bを含む出演者の発言が、原告らに対する名誉毀損や懲戒請求扇動という独立の不法行為に該当するなどと主張して、被告らに対し、損害賠償等を求めたところ、請求が棄却されたため、原告らが控訴した事案において、本件番組における発言者の発言は、表現行為の一環であり、意見ないし論評の表明として名誉毀損についての違法が認められず、原告らの刑事事件の弁護人としての社会的立場等も考慮すれば、本件番組における発言によって原告らが名誉感情を侵害されたとしても、原告らが名誉感情の侵害により被った精神的苦痛は社会通念上受忍すべき限度を超えるものではなく、不法行為上の違法なものと認めるのは相当ではないとし、控訴を棄却した事例。
2014.05.13
生活保護返還金決定処分取消請求事件
LEX/DB25503197/福岡地方裁判所 平成26年2月28日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第37号
生活保護受給者であり生命共済契約を締結していた原告が、同契約に基づき、入院給付金の給付を受けたところ、上記入院給付金が収入に該当するとして、生活保護法63条に基づき費用返還決定の処分を受けたため、これらの処分の取消しを求めた事案において、本件各決定時、エアコンの購入費用が自立更生費として認められる余地が十分にあったのであるから、本件各決定に際し、判断要素の選択に合理性を欠いていなければ、本件各決定の返還額が異なった可能性は十分にあり、本件各決定は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものであったと認められ、裁量権の逸脱又は濫用があったものとして違法であるとし、請求を認容した事例。
2014.05.13
有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反被告事件
LEX/DB25503202/福岡高等裁判所 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第315号
被告人が、共謀の上、有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反により起訴され、第一審が有罪判決を言い渡し、被告人が、有価証券偽造、同行使、詐欺について無罪であるとして、控訴をした事案において、被告人が有価証券偽造、同行使、詐欺の故意を有していたことを認め、また、原判決の量刑不当との主張を退け、控訴を棄却した事例。
2014.05.13
被爆者健康手帳申請却下処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25503206/福岡高等裁判所 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第41号
長崎市に投下された原子爆弾に被爆したと主張する控訴人(原告。韓国人)が、被爆者援護法に基づき被爆者手帳の交付申請をしたところ、処分行政庁が申請を却下したことにつき、被控訴人(被告。長崎市)に対し、同却下処分の取消しを求め、処分行政庁が控訴人に対して被爆者健康手帳を交付すべき旨を命ずることを求めるとともに、違法な却下処分により被爆者援護法の定める援護を受けることができず、精神的苦痛を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償の支払いを求めたところ、原審は義務付け訴訟を却下し、その余の請求を棄却した事案において、控訴人の請求も理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2014.05.13
 
LEX/DB25503227/最高裁判所第一小法廷 平成26年2月18日 決定 (上告審)/平成25年(あ)第631号
被告人が、里親として養育していたAに対し、複数回にわたり、その頭部等に打撃を加え、髪の毛を引っ張るなどの暴行を加え、同人に急性脳腫脹等の傷害を負わせ、同人を死亡させた傷害致死被告事件の上告審において、弁護人の上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって、いずれも刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.05.13
傷害致死被告事件
LEX/DB25503204/福岡高等裁判所 平成26年2月18日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第129号
被告人(犯行当時19歳)は、同居女性の長男(当時2歳)に対し、その右側脇腹に作用面の小さな鈍体による打撲的圧迫作用を加えるなどの暴行を加えて、同人に十二指腸破裂等の傷害を負わせ、同人を死亡させたという傷害致死により起訴され、原判決が、被害者の死亡原因となる傷害を負わせることができたのは被告人のみであると認めることができないとして、被告人に無罪を言い渡したのに対し、検察官が控訴をした事案において、平成24年3月6日午後11時46分頃から翌7日午前2時40分頃までの時間帯に被害者に十二指腸破裂が生じたことについて合理的な疑いが残るとした原判決に事実誤認があるとして、原判決を破棄し、地方裁判所に差し戻した事例。