2014.07.01
損害賠償等請求住民訴訟控訴事件
LEX/DB25446469/名古屋高等裁判所 平成26年5月15日 判決 (差戻控訴審)/平成25年(行コ)第38号
三重県志摩市の住民である一審原告が、同市等で構成する本件広域連合が訴外Aから賃借し、し尿中継層を設置している本件土地の賃料が高額に過ぎ、本件賃料のうち適正賃料を超える部分の支出が違法であるとして、地方自治法242条の2第1項1号、4号に基づき、本件広域連合の連合長である一審被告に対し、連合長として本件賃料を支出したBらに対して一審原告主張の適正賃料との差額について損害賠償請求するよう命じること等を求めた事案の差戻控訴審において、本件土地を賃借する目的やその必要性、前記認定の本件賃貸借契約の締結に至る経過、契約の内容に影響を及ぼす社会的、経済的要因としての当該施設の性質に伴う用地確保の緊急性や困難性等の事情を考慮すると、本件賃料の額が本件土地の適正賃料の額よりも2倍余り高額であったことを踏まえても、本件賃貸借契約を締結した本件広域連合の長の判断がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであったということはできず、本件各契約を無効としなければ地方自治法2条14項、地方財政法4条1項の趣旨を没却する結果となる特段の事情は認められず、本件各契約が私法上無効であるとはいえないとして、原判決中、一審被告の敗訴部分を取り消し、差戻しに係る一審原告の請求をいずれも棄却した事例。