2014.06.17
損害賠償等請求及び独立当事者参加事件
LEX/DB25446460/最高裁判所第一小法廷 平成26年6月5日 判決 (上告審)/平成24年(受)第908号
本件訴訟のうち上告人の第2次的請求は、再生債務者である上告人が、支払の停止の前に、A銀行から購入し、A銀行にその管理を委託していた投資信託受益権につき、支払の停止の後、再生手続開始の申立て前に本件受益権に係る信託契約の一部解約がされたとして、原判決言渡し後にA銀行を吸収合併し、その権利義務を承継した被上告人Yに対し、上記の管理委託契約に基づき、その解約金の支払を求めたもので、再生債権者であった被上告銀行は、上告人に対する上記解約金の支払債務の負担が民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるので相殺が許されるとして、上記解約金の支払請求権を受働債権とする相殺を主張しているところ、原審は、本件債務の負担は,民事再生法93条1項3号本文にいう「支払の停止があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合」に当たるものの、同条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるから、本件相殺は許されるとし、上告人の第2次的請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、原審の上記判断のうち本件債務の負担が民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるとはいえず、本件相殺は許されないと解するのが相当であるとし、原判決中、上告人の第2次的請求に関する部分を破棄し、これを認容した第1審判決は正当であるから、上記部分につき被上告人Yの控訴を棄却した事例。