2014.07.29
覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件
LEX/DB25504185/千葉地方裁判所 平成26年6月11日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1359号
タンザニア連合共和国国籍の被告人が、覚せい剤が隠されたスーツケースを持って日本に来たものの、その目的が中古自動車の買い付けであったとして何ら不自然ではないし、密輸組織側の観点からしても、被告人に気付かれることなく覚せい剤を携帯させ、日本において確実にこれを回収することが可能であったといえる上、被告人の税関検査時の言動や捜査段階での供述は、いずれも、被告人の違法薬物に関する認識を推測させるようなものとはいい難いから、すべての証拠を検討してみても、被告人において、スーツケース内に覚せい剤が隠されていることを知らなかったという合理的疑いがあるとして、被告人に対し無罪の言渡しをした事例(裁判員裁判)。