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2014.09.09
窃盗、強盗殺人、器物損壊被告事件
LEX/DB25504433/京都地方裁判所 平成26年7月14日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1569号等
強盗殺人罪の成否について、被告人(少年)には、遅くとも被害者殺害に着手する前、被害者宅に財布及び持出携帯等があることを認識した時点では、これらを持ち出す意思、すなわち財物奪取の意思があったと認められるとした上で、被告人は、被害者に対する強い殺害意思を抱いて被害者宅に赴いたと考えられるが、その段階で財布等を持ち出す意思を有していたとまでは認められないし、借用携帯の返還を免れるためだけに長年世話になった被害者を殺害することを決意したというのも疑問といわざるを得ないから、主な殺害動機として何らかの怨恨等が別にあった可能性が高いが、怨恨による殺意と財物奪取等の意思とは併存し得るものであり、仮に殺害の主たる動機が怨恨であったとしても、殺害時までに財物奪取等の意思が生じたのであれば、強盗殺人罪の成立は妨げられないとして、被告人を無期懲役に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
行政処分取消等請求事件(電動車いす、購入費支給認められず)
LEX/DB25504436/和歌山地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第9号
原告は、補装具費として、リクライニング機能付き簡易型電動車いすの購入費の支給を、被告(橋本市)に対して申請し、処分行政庁である橋本市長が、同購入費の支給決定をしたが、同支給決定を取り消し、原告の上記申請を却下する決定をしたことから、被告に対し、当該取消決定と当該却下決定の取消しを求めた事案において、本件支給決定のように授益的な行政処分がされ、後にこれが違法であったとして取り消す場合には、取消しにより処分の相手方に不測の不利益を与える可能性があるから、処分の相手方が受ける不利益と処分に基づいて生じた効果を維持することの公益上の不利益とを比較考量し、公益上の不利益が上回るときには、処分行政庁が当該処分を職権で取り消すことが許されると解するのが相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.09.09
覚せい剤取締法違反(変更後の訴因 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反、覚せい剤取締法違反)被告事件
LEX/DB25504485/佐賀地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第253号等
被告人が、営利目的で約3.558グラムを所持していた上、覚せい剤等約0.8グラムを合計5人に譲渡し、1万5000円の利益を得て、自らにおいても覚せい剤を使用していた事案において、量刑判断の中核となる刑の重い麻薬特例法違反の罪において、被告人は、経済的な利益を得るため、危険な覚せい剤を社会に拡散し、また、拡散の危険性を生じさせたとし、被告人の責任を軽視することはできないが、被告人が積極的に販路を拡大したものではないこと等を踏まえ、また、被告人が覚せい剤の自己使用の罪に及んだことを併せて考慮し、懲役5年6月を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
証拠隠滅被告事件
LEX/DB25504486/大阪地方裁判所 平成26年7月9日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第6033号
堺警察署の留置管理課留置管理第二係長として勤務していた被告人が、同課勤務の警察官が、留置中の者を保護室に収容しようとして同人から殴られるなどの公務執行妨害、傷害事件が発生した際、同事件の捜査を担当した警察官が別の警察官を取り調べるにあたり、被告人は取調官らと共謀の上、取調官が供述調書を作成していたパソコンを被告人自ら操作して作成中の供述調書の内容を改ざんして内容虚偽の供述調書2通を作成し、事件の証拠として検察庁に送致させて証拠隠滅した事案において、供述調書の内容を改ざんすることは、その虚偽内容如何にかかわらず、供述の信用性判断を誤らせ、刑事司法作用を阻害するおそれが高く、強く非難されるべき犯行で、被告人の責任は軽いものではないが、既に退職して一定の社会的制裁を受けていることなども考慮し、懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した事例。
2014.09.09
損害賠償請求事件
LEX/DB25504412/鹿児島地方裁判所 平成26年7月9日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第1298号
懲役受刑者として宮崎刑務所に収容されていた原告が、宮崎刑務所職員により、保護室への収容が要件を満たさないにもかかわらず保護室に収容された上、夏季であるにもかかわらず、同保護室に設置されていたフロアヒータ(床暖房)を作動させられたことにより火傷を負わされ、かつ、宮崎刑務所の幹部職員ら及び法務省福岡矯正管区が上記床暖房の作動による原告の火傷を隠蔽したことなどにより、肉体的・精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料の支払を求めた事案において、宮崎刑務所の幹部職員らが原告を本件保護室に収容するに当たっては、その手続上の瑕疵が存在し、本件保護室収容が、違法な公権力の行使に当たること、本件陵虐行為は、原告に制裁を与えるという違法な目的の下に行われたものであって、矯正施設において法を守るように教育するはずの宮崎刑務所の職員しかも幹部職員らが、共同して、原告を高温の本件保護室内に25時間にわたり閉じ込めて行ったものであって、いわば集団的組織的な私的制裁行為であって、違法な公権力に当たること、原告は、本件陵虐行為により、〈1〉度熱傷と分類される火傷及び熱中症を発症し、その違法の程度が重大であること、本件陵虐行為が床面と接触する部位の熱さ、発汗による湿度上昇からくる不快感、息苦しさなどに照らして本件床暖房による原告の肉体的精神的苦痛が、想像を絶するものであって、原告が火傷ないし熱中症により死に至るおそれも存在したというべきであること、その上、宮崎刑務所の幹部職員らが、本件各改ざん行為を行い、改ざんされた資料を福岡矯正管区に提出し、本件陵虐行為に対する適切かつ迅速な調査を遅らせたことは、違法な公権力の行使に当たることに照らして、原告の請求を一部認容、一部棄却するとした事例。
2014.09.02
執行停止申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446575/最高裁判所第二小法廷 平成26年8月19日 決定 (特別抗告審)/平成26年(行ト)第55号
逃亡犯罪人引渡法35条1項の規定が、逃亡犯罪人引渡法14条1項に基づく逃亡犯罪人の引渡命令につき、逃亡犯罪人引渡法に基づく他の処分と同様に行政手続法第3章の規定の適用を除外して、前記引渡命令の発令手続において当該逃亡犯罪人に弁明の機会を与えていないことが、憲法31条に違反するなどとして、抗告人が即時抗告した事案において、当該処分により制限を受ける逃亡犯罪人の権利利益の内容、性質、制限の程度、当該処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量すれば、手続全体からみて逃亡犯罪人の手続保障に欠けるものとはいえず、憲法31条の法意に反するものということはできないとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.09.02
ロイヤルリムジン(株)タクシー増車訴訟上告審
LEX/DB25504411/最高裁判所第一小法廷 平成26年7月3日 決定 (上告審)/平成26年(行ヒ)第162号
タクシー事業を営む申立人(一審原告)が、特定地域に指定されている地域を営業区域として、営業所ごとに配置するタクシーを30台増車するため、処分行政庁に対し、道路運送法15条1項に基づき、事業計画変更認可申請をしたところ、処分行政庁から、申請を却下する旨の処分を受けたため、処分行政庁の所属する相手方(一審被告)国に対し、同処分は違法であるとして、行政事件訴訟法3条2項並びに同条6項2号及び行政事件訴訟法37条の3に基づき、本件処分の取消し及び本件申請に対し認可処分をすることの義務付け等を求め、第一審が取消請求を認容し、双方が控訴をしたところ、第二審が一審被告の控訴に基づき原判決を変更したので、申立人が上告受理を申し立てた事案において、上告審として受理しないとの決定をした事例。
2014.09.02
損害賠償等請求事件
LEX/DB25504388/宮崎地方裁判所 平成26年7月2日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第957号
原告X1は、被告Y1の経営する病院において、全身麻酔下の腰椎椎弓切除術を受けたが、主治医兼麻酔医である被告Y2及び執刀医である被告Y3らには術後管理を誤った過失があり、これにより原告X1は低酸素性脳症を発症して植物人間状態に陥ったと主張して、被告Y1に対しては民法415条又は民法715条1項に基づき、被告Y2及び被告Y3(被告医師ら)に対しては、民法719条1項、民法709条、民法710条に基づき、連帯して損害賠償の支払を求め、原告X2及び原告X3は、いずれも原告X1の子であるところ、被告医師らの過失により、原告X1が植物人間状態に陥り、精神的苦痛を被るとともに、弁護士費用の損害を被ったと主張して、上記の根拠と民法711条に基づき、被告らに対し、連帯して損害賠償の支払をそれぞれ求めた事案において、被告医師らに適切な術後管理を怠った過失があること、これらの間に客観的な関連共同性があること、被告医師らの上記過失と原告X1の後遺障害との間に相当因果関係があることが認められるとして、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.09.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25504389/宮崎地方裁判所 平成26年7月2日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第41号
原告は、被告が開設・経営する病院で入院加療を受けた亡Aの父親であるところ、被告の勤務医は、亡Aが水分を過剰摂取しないよう強制的な水分制限措置をすべき義務を怠った過失により、亡Aを水中毒に起因する急性低ナトリウム血症に陥らせて死亡させたとして、被告に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償の支払を求めた事案において、B医師には、上記義務を怠った過失があると認めるのが相当であり、B医師につき不法行為の成立が認められるから、原告は、B医師の使用者である被告に対し、民法715条1項に基づき、損害賠償の支払を請求することができるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.09.02
奈良県談合工事損害賠償等請求事件
LEX/DB25504409/奈良地方裁判所 平成26年6月24日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第15号
奈良県の住民である原告らが、奈良県宇陀土木事務所管内における奈良県発注の土木工事の入札に際し、落札者を含む入札参加業者らが共同して受注機会の調整及び高値落札等の利益を図る目的で談合を行ったことによって、奈良県が損害ないし損失を被ったと主張して、被告(奈良県知事)に対し、地方自治法242条の2第1項3号及び4号に基づき、主位的には、落札者に対する損害賠償の請求を怠ることの違法確認及び落札者に対する損害賠償の請求を、予備的には、落札者に対する不当利得返還の請求を怠ることの違法確認及び落札者に対する不当利得返還の請求を求めた住民訴訟の事案において、落札者一社に対する主位的請求を認容した事例。
2014.09.02
殺人被告事件(無理心中装い息子殺害)
LEX/DB25504383/福岡地方裁判所 平成26年6月20日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1534号
犯行に至る経緯中の一時、被告人が自殺を考えた可能性は残るが、遅くとも実行に着手する段階では、被告人に自殺するつもりはなかったのであるから、本件は、被告人が被害者(元妻との間の長男・当時2歳)と無理心中をしようとして同人を殺害したというものではなく、被害者の死によって元妻や異父姉を苦しませ、元妻らを後悔させて恨み等を晴らそうと考え、被害者を殺害した(恨みを晴らすために恨んでいる人物とは別の人物、それも自分の子の命を心中を装って奪ったという他に類例をみない類型に属する)事案と認められるとして、被告人を懲役15年に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.02
死体遺棄、保護責任者遺棄致死被告事件(鹿児島市女児遺棄致死事件)
LEX/DB25504390/鹿児島地方裁判所 平成26年6月20日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第61号等
被告人は、被告人の父親方2階トイレ内で女児を出産したものであるが、直ちに同児を抱きかかえて同トイレ隣の自室に戻った後、同児の母親としてこれを保護すべき責任があるにもかかわらず、同児を出産した事実が家族に知られることを恐れたため、その出産の事実をあえて同居の家族に秘匿し、これを同居の家族に告げてその助力を求めたり、自ら又は同居の家族を通じて119番通報の上、同児に適切な医療を受けさせたりするなどの必要な措置を講じることをしないまま、同児を前記自室内に放置し、もって同児の生存に必要な保護をせず、よって、同児を栄養不良による衰弱により死亡させ、同児の死体をバスタオルや新聞紙で包み、バッグに入れた上、同室のクローゼット内に隠し、もって死体を遺棄したとして、被告人を懲役3年(執行猶予4年)に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.02
キャッシュバック金請求事件
LEX/DB25504256/東京地方裁判所 平成26年6月19日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第23093号
被告に口座を開設し、外国為替証拠金取引(FX取引)を行っていた原告が、被告が原告に対して取引金額に応じてキャッシュバック金を支払う旨の合意が成立し、かつ、被告の設定した取引金額等の要件が充足されたにもかかわらず、被告が原告の口座が強制解約されたことを理由に支払を拒否していることが、権利濫用又は信義則違反に該当すると主張して、本件合意に基づき、キャッシュバック金の支払いを求めた事案において、原告の行った取引は強制解約の要件を充足しないから、被告が、原告が本件口座の強制解約によって被告に口座を有していないことを理由として、キャッシュバック金の支払いを拒絶することは、信義則に反し、許されないとして、原告の請求を認容した事例。
2014.09.02
虚偽有印公文書作成、同行使、証拠隠滅、有印公文書偽造、同行使被告事件(調書改ざん事件)
LEX/DB25504385/大阪地方裁判所 平成26年6月17日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第5747号
警察官であった被告人が、その在職中に、担当していたひき逃げ事件について、犯人性に関する証拠を補強するため、被害者の供述調書の内容を一部を改ざん(変造)して上司に提出し、退職後、警察署に呼び出されて同事件の捜査書類の不備を指摘され、つじつま合わせのため、実況見分の実施日や同調書の作成日を改ざん(偽造)して捜査担当者に提出したという事案において、高度の正確性や真実性が要求される捜査書類について、上記のとおりの改ざんが行われたことは、捜査書類の信用性を損ない、ひいては捜査機関の職務や刑事司法作用に対する国民の信頼を傷つけるものであるとして、被告人を懲役1年6月(執行猶予4年)に処した事例。
2014.09.02
政務調査費違法支出不当利得返還命令請求控訴事件
LEX/DB25504387/大阪高等裁判所 平成26年3月18日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第149号
奈良県橿原市の住民である一審原告らが、市議会議員(相手方)らが市から交付を受けた平成22年度の政務調査費について、その支出の一部に市が政務調査費について定める条例及び施行規則に定める使途基準に適合しない支出があり、相手方らはその適合しない支出に相当する金員を収支報告書の提出期限日までに市に返還すべき義務があるにもかかわらず、上記金員を不当に利得し、これについて悪意であるとして、市の執行機関である一審被告に対し、地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき、相手方らに対して各不当利得金をそれぞれ支払うよう請求することを求めた住民訴訟の事案の控訴審において、一審原告らの控訴は一部理由があるから、原判決を上記判断と抵触する限度で変更し、一審被告の控訴はいずれも理由がないから、これをいずれも棄却するとした事例。
2014.08.26
教授任命無効確認請求控訴事件
LEX/DB25504343/名古屋高等裁判所金沢支部 平成26年7月16日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第59号
被控訴人(被告)の設置する本件大学の医学部の教授の地位を有する控訴人(原告)らが、被控訴人の理事長において、Aを本件大学の消化器内視鏡学講座の教授に任命した行為が無効であることの確認を求めた事案の控訴審において、Aは、被控訴人と雇用契約を締結して雇用されている者にすぎず、また、控訴人らも、被控訴人と雇用契約を締結して雇用されている者にすぎないから、Aが本件大学医学部の教授たる地位にないことの確認の訴えにおいて、上記のような控訴人らが法律上の利害関係を有するものと認めることはできず、したがって、控訴人らに原告適格があるとして、同人らの請求を棄却した原判決を取り消し、訴えを却下した事例。
2014.08.26
建造物等以外放火、殺人、窃盗被告事件
LEX/DB25504395/広島地方裁判所 平成26年7月16日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第226号等
被告人は、介護福祉士として勤務していた施設において、ベッドに寝ていた被害者(当時85歳)に対し、殺意をもって、同人の身体に掛けられていた布団にライターで火を放ち、同人を火傷死させたとして建造物等以外放火、殺人、及び、同僚の財布から現金を窃取したとして窃盗により起訴された事案において、建造物等以外放火と殺人については、自白の信用性の立証がなされたとは言えないとして無罪を言い渡し、窃盗について、被告人に対し、懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.08.26
国家賠償請求事件
LEX/DB25504380/静岡地方裁判所 平成26年7月4日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第800号
背任罪の被疑事実で逮捕・勾留された原告が、背任罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由及び逮捕・勾留・勾留期間延長の必要性がなかったにもかかわらず、静岡県警察の警察官が原告に対する逮捕状を請求し、静岡地方検察庁の検察官が原告に対する勾留請求、勾留期間延長請求をしたことは違法な職務執行であるなどと主張して、静岡県及び国である被告らに対し、国家賠償法1条1項に基づき、連帯して損害賠償の支払を求めた事案において、本件逮捕状請求について国家賠償法上の違法があるとはいえず、また、本件勾留請求及び本件勾留期間延長請求について、国家賠償法上の違法性があるとはいえないとして、請求をいずれも棄却した事例。
2014.08.26
殺人未遂被告事件
LEX/DB25504378/福島地方裁判所 平成26年6月27日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第25号
被告人が、脳梗塞の後遺症で左半身が不自由となった長男である被害者(当時47歳)を介護し続けていくことなどのへの不安が高じ、自殺の道連れに被害者を殺害しようと考え、睡眠薬により仮睡状態に負わせた被害者を乗せた自動車を海中に向かって発進させて、海中に転落させたが、通行人らが被害者を救出したため、被害者に加療1週間を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げなかった事案において、本件の犯情は、決して芳しいものではないが、被告人を直ちに実刑に処するまでのものではないとして、懲役3年、執行猶予4年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.08.26
損害賠償等請求事件
LEX/DB25504344/千葉地方裁判所松戸支部 平成26年6月27日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第84号
原告が、特定非営利活動法人である被告に対し、原告が被告に委託した2つの事業のうち、1つについては、支払った委託料の中に委託事業ではない事業に係る部分が含まれているとして、不当利得返還請求をするとともに(第1請求)、もう1つの事業については、被告が委託に係る仕様に従い業務を行わなかったため、事業に対する補助金を県に返還することを余儀なくされて損害を被ったとして、債務不履行に基づく損害賠償を求めた(第2請求)事案において、第1請求に係る事業については、委託事業ではない事業に係る人件費が含まれており、第2請求に係る事業については、被告が実施した業務の実態が委託事業の目的から大きく逸脱したものになっていたというべきであり、被告には債務不履行があるというべきであるが、原告にも、県緊急雇用創出事業補助金交付要綱の解釈を誤った過失が認められるなどとして、3割の過失相殺をし、請求の一部を認容した事例。