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2014.09.16
強盗致傷被告事件
LEX/DB25504428/津地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第26号
さい銭箱から現金を盗もうとした原告が、見回り中の被害者α(当時66歳)から声をかけられて逃走する際、逮捕を免れるため、αに暴行を加えて全治約3か月間を要する傷害を負わせた事案において、金品窃取に至らずに逮捕を免れるために傷害を負わせた事案全体の中で悪質な部類に属するとし、被害者の処罰感情が激しいのも当然であるなどとして、被告人を懲役5年の実刑に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.16
政務調査費返還履行請求事件
LEX/DB25504426/札幌地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第42号
原告(市民オンブズマン)が、北海道議会の会派である被告補助参加人らにおいて、政務調査費の一部を、平成21年改正前の北海道議会の会派及び議員の政務調査費に関する条例並びに北海道議会の会派及び議員の政務調査費に関する規程により定められた本件使途基準所定に反して支出したとして、被告に対し、地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき、参加人らに対してその返還を請求するよう求めた事案において、本件使途基準が調査研究費の内容として定める「会派が行う道の事務及び地方行財政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費」とは、会派の議会活動の基礎となる調査研究及び調査の委託に要する経費をいうものであり、会派としての議会活動を離れた活動に関する経費又は当該行為の客観的な目的や性質に照らして会派の議会活動となる調査研究活動との間に合理的な関連性が認められない行為に関する経費は、これに該当しないものというべきであるところ、この見地からすれば、政党の地方機関である参加人らが道内にある政党の支部の連合体である支部との間で締結した政務調査業務委託契約に基づいて支出した費用の2分の1等は、本件使途基準に反するものと認められるなどととして、請求の一部を認容した事例。
2014.09.16
損害賠償請求行為等請求控訴事件
LEX/DB25504489/大阪高等裁判所 平成26年7月15日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第201号
京都市の住民である一審原告らが、京都市が、京都市市医70名に対する謝礼(市医謝礼)として、京都市市医会に対し、平成23年4月、5月、10月及び11月に市医1名当たり月額1万4200円の合計397万6000円(源泉徴収前のもの)を支払ったことについて、市医謝礼には、対価性がない、給与条例主義に反するなどの違法があり、これによって京都市が損害又は損失を被ったと主張して、一審被告(京都市長)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、専決権者である者に対しては地方自治法243条の2第3項に基づく損害賠償命令をすることを、専決権限なき専決者である者及び本来的権限者である京都市長であるAに対しては民法709条に基づく損害賠償を請求することを、市医会から会費残金の保管及び必要な残務処理に係る権利義務を承継した市医会残務処理委員会に対しては不当利得の返還請求をすることを、それぞれ請求した事案の控訴審において、本件市医謝礼の支出が違法であるとは認められず、一審原告らの本件各請求は、理由がないからいずれもこれを棄却すべきであるとし、これと異なる原判決は失当であるから、一審被告の控訴に基づき原判決中一審被告敗訴部分を取消して同取消部分に係る一審原告らの各請求をいずれも棄却し、一審原告ら補助参加人の本件控訴を棄却するとした事例。
2014.09.16
 
LEX/DB25504534/最高裁判所第一小法廷 平成26年6月26日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第303号等
被上告人兼相手方(原告・被控訴人)X1が、上告人兼申立人(被告・控訴人)との間で締結した建物の賃貸借契約について、上告人兼申立人の賃料、共益費、水道代の不払を理由に解除したと主張して、賃貸借契約終了による目的物返還請求権に基づき、上記建物の明渡しを求め、被上告人兼相手方(原告・被控訴人)X2が、上告人兼申立人との間で締結した保証委託契約に基づき、被上告人兼相手方X1に対し、上告人兼申立人の賃料等39万円(月額7万8000円の5ヶ月分)を代位弁済したと主張して、保証委託契約による求償債務の履行請求権及び保証事務費用請求権に基づき、上記39万円及び保証事務手数料5000円の支払を求めた事案の上告審において、上告棄却(被上告人X1に対する上告について)、上告却下(被上告人X2に対する上告について)及び上告不受理の決定をした事例。
2014.09.16
所得税更正処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504423/東京高等裁判所 平成26年5月19日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第391号
JASDAQ市場に上場されているA社本件株式を保有する原告(控訴人)が、本件株式を、B社に対し、本件取引単価(1株当たり550円)で市場外における相対取引により売却し、かかる本件譲渡価額全額を譲渡所得として所得税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、上記譲渡に係る収入金額と上記譲渡がされた日の本件株式の終値を基に算出した評価額との差額がB社からの贈与に当たるとして、本件更正処分等を受けたことから、それらの各取消を求めた事案の控訴審において、本件株式の市場価格、本件譲渡の動機・目的、本件譲渡における価格決定の経緯、当該価格の合理性などに照らせば、上記譲渡における本件株式の譲渡の対価たる性格を有するのは、上記取引単価のうち市場単価の部分に限られるから、市場単価と上記取引単価との差額部分は、本件株式の譲渡の対価たる性格を有するとはいえず、B社から贈与された金員としての性格を有するものと解されるなどとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.09
傷害被告事件
LEX/DB25504506/大津地方裁判所 平成26年7月24日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第449号
英会話学校講師の被告人が、英会話学校内及び同校西側路上において、被害者(当時52歳)に対し、その頭部、顔面、頚部等を所携のカッターナイフ(刃体の長さ約2センチメートル)で多数回切り付ける暴行を加えて、被害者に20日間を要する後頭部、顔面、頚部等多発切創の傷害を負わせた事案において、被告人の行為は、被害者が教室に入っていきなり被告人の顔面を多数回殴り始めた点や、授業中に被害者の侵害を待ち受けていたわけではなかったこと、それ以前に、被害者からの攻撃がある可能性について警察に助けを何度も求めていたことを照らせば、護身用も兼ねてカッターナイフをポケット内に入れていたということを考慮しても、被害者を校内でカッターを切りつけた際には、被害者による急迫不正の侵害があったと認めることができ、被告人の被害者に対する反撃行為については正当防衛が成立し、また、校外に逃げた違法行為をした被害者を、被告人が現行犯人として逮捕して警察に引き渡そうとしたためと評価することができ、正当行為として違法性が阻却されるとし、被告人は傷害罪(ないし暴行罪)の責任を負わないとするのが相当であるとして、無罪を言い渡した事例。
2014.09.09
損害賠償請求控訴事件(原判決変更)
LEX/DB25504460/大阪高等裁判所 平成26年7月18日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第3095号
被控訴人(医療法人。被告)が開設する病院において看護師として勤務していた控訴人(原告)が、育児休業をしたところ、控訴人が、3か月以上の育児休業をした者は翌年度の職能給を昇給させない旨の就業規則の定めがあるとして、職能給を昇給させず、また、昇格試験の受験資格を認めず、受験の機会を与えなかったことについて、育児介護休業法10条によって禁止される不利益取扱いに該当し、公序良俗に反する違法行為であると主張して、被控訴人に対し、不法行為に基づき、昇給、昇格していれば得られたはずの給与、賞与及び退職金の額と実際の支給額との差額並びに慰謝料の支払いを求め、原審は、慰謝料の一部を認容した事案において、昇給分の給与及び賞与との差額並びに慰謝料の一部の請求を認め、その余の請求は棄却した事例。
2014.09.09
処分取消請求事件(小坂城址の土地購入疑惑事件)
LEX/DB25504415/水戸地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第21号
茨城県牛久市の住民である原告が、訴外国際自動車が平成18年法律第46号による改正(平成18年8月30日施行)前の公有地の拡大の推進に関する法律4条1項に基づき、牛久市長を経由して茨城県知事に提出した、訴外国際自動車が所有する11筆の土地の所在や訴外サンヨーホームへの譲渡予定価格等を記載した届出書について、茨城県情報公開条例5条に基づき開示請求を行ったところ、茨城県知事が、上記届出書のうち法人の代表者の印影の部分及び譲渡予定価格が記載された部分を除くその余の部分を開示する旨の行政文書部分開示決定処分をしたため、原告が、当該情報は茨城県情報公開条例7条3号アに該当せず、仮に該当するとしても同条例7条3号ただし書に該当するため、当該情報を不開示とする上記処分は違法であるとして、被告に対し、上記処分の取消しを求めた事案において、本件情報が条例7条3号アに該当することを理由とする本件処分は適法であり、原告の請求は理由がないからこれを棄却するとした事例。
2014.09.09
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25504482/大阪地方裁判所堺支部 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第798号
被告人が、A社で働いていたところ、仕事のミスなどを指摘されるなどし、A社専務である被害者との間で激しい口論となり、A社を解雇されるに至ったため、被害者に対する恨みを強めていき、A社事務所において、銃弾4発の入った回転弾倉式拳銃の銃口を被害者の右側頭部に接着させた状態で弾丸1発を発射し、頭蓋内損傷により死亡させて殺害した事案において、本件はけん銃を使用した中でもとりわけ凶悪かつ冷酷な犯行である上、被害者に落ち度がないことなどから、量刑分布の中でも重い部類に属するとし、検察官の求刑には十分な根拠があると認め、懲役30年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504459/大阪高等裁判所 平成26年7月17日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第1133号
農林漁業金融公庫の職員であった亡甲が、公庫において担当していた業務が過重であったために精神疾患を発症し、これによる希死念慮によって自殺したと主張して、亡甲の相続人である一審原告らが、公庫に対し(一審係属中に公庫は解散し、一審被告が訴訟を承継した)、損害賠償金を請求し、一審は、請求を一部認容、一部棄却をし、双方が控訴をした事案において、亡甲の発症した疾病と亡甲が公庫で担当した業務との間に相当因果関係があるとはいえないとして、一審被告の控訴を認容して、原判決を取り消し、一審被告の敗訴部分を取り消し、一審原告らの各請求を棄却した事例。
2014.09.09
窃盗、強盗殺人、器物損壊被告事件
LEX/DB25504433/京都地方裁判所 平成26年7月14日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1569号等
強盗殺人罪の成否について、被告人(少年)には、遅くとも被害者殺害に着手する前、被害者宅に財布及び持出携帯等があることを認識した時点では、これらを持ち出す意思、すなわち財物奪取の意思があったと認められるとした上で、被告人は、被害者に対する強い殺害意思を抱いて被害者宅に赴いたと考えられるが、その段階で財布等を持ち出す意思を有していたとまでは認められないし、借用携帯の返還を免れるためだけに長年世話になった被害者を殺害することを決意したというのも疑問といわざるを得ないから、主な殺害動機として何らかの怨恨等が別にあった可能性が高いが、怨恨による殺意と財物奪取等の意思とは併存し得るものであり、仮に殺害の主たる動機が怨恨であったとしても、殺害時までに財物奪取等の意思が生じたのであれば、強盗殺人罪の成立は妨げられないとして、被告人を無期懲役に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
行政処分取消等請求事件(電動車いす、購入費支給認められず)
LEX/DB25504436/和歌山地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第9号
原告は、補装具費として、リクライニング機能付き簡易型電動車いすの購入費の支給を、被告(橋本市)に対して申請し、処分行政庁である橋本市長が、同購入費の支給決定をしたが、同支給決定を取り消し、原告の上記申請を却下する決定をしたことから、被告に対し、当該取消決定と当該却下決定の取消しを求めた事案において、本件支給決定のように授益的な行政処分がされ、後にこれが違法であったとして取り消す場合には、取消しにより処分の相手方に不測の不利益を与える可能性があるから、処分の相手方が受ける不利益と処分に基づいて生じた効果を維持することの公益上の不利益とを比較考量し、公益上の不利益が上回るときには、処分行政庁が当該処分を職権で取り消すことが許されると解するのが相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.09.09
覚せい剤取締法違反(変更後の訴因 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反、覚せい剤取締法違反)被告事件
LEX/DB25504485/佐賀地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第253号等
被告人が、営利目的で約3.558グラムを所持していた上、覚せい剤等約0.8グラムを合計5人に譲渡し、1万5000円の利益を得て、自らにおいても覚せい剤を使用していた事案において、量刑判断の中核となる刑の重い麻薬特例法違反の罪において、被告人は、経済的な利益を得るため、危険な覚せい剤を社会に拡散し、また、拡散の危険性を生じさせたとし、被告人の責任を軽視することはできないが、被告人が積極的に販路を拡大したものではないこと等を踏まえ、また、被告人が覚せい剤の自己使用の罪に及んだことを併せて考慮し、懲役5年6月を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.09
証拠隠滅被告事件
LEX/DB25504486/大阪地方裁判所 平成26年7月9日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第6033号
堺警察署の留置管理課留置管理第二係長として勤務していた被告人が、同課勤務の警察官が、留置中の者を保護室に収容しようとして同人から殴られるなどの公務執行妨害、傷害事件が発生した際、同事件の捜査を担当した警察官が別の警察官を取り調べるにあたり、被告人は取調官らと共謀の上、取調官が供述調書を作成していたパソコンを被告人自ら操作して作成中の供述調書の内容を改ざんして内容虚偽の供述調書2通を作成し、事件の証拠として検察庁に送致させて証拠隠滅した事案において、供述調書の内容を改ざんすることは、その虚偽内容如何にかかわらず、供述の信用性判断を誤らせ、刑事司法作用を阻害するおそれが高く、強く非難されるべき犯行で、被告人の責任は軽いものではないが、既に退職して一定の社会的制裁を受けていることなども考慮し、懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した事例。
2014.09.09
損害賠償請求事件
LEX/DB25504412/鹿児島地方裁判所 平成26年7月9日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第1298号
懲役受刑者として宮崎刑務所に収容されていた原告が、宮崎刑務所職員により、保護室への収容が要件を満たさないにもかかわらず保護室に収容された上、夏季であるにもかかわらず、同保護室に設置されていたフロアヒータ(床暖房)を作動させられたことにより火傷を負わされ、かつ、宮崎刑務所の幹部職員ら及び法務省福岡矯正管区が上記床暖房の作動による原告の火傷を隠蔽したことなどにより、肉体的・精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料の支払を求めた事案において、宮崎刑務所の幹部職員らが原告を本件保護室に収容するに当たっては、その手続上の瑕疵が存在し、本件保護室収容が、違法な公権力の行使に当たること、本件陵虐行為は、原告に制裁を与えるという違法な目的の下に行われたものであって、矯正施設において法を守るように教育するはずの宮崎刑務所の職員しかも幹部職員らが、共同して、原告を高温の本件保護室内に25時間にわたり閉じ込めて行ったものであって、いわば集団的組織的な私的制裁行為であって、違法な公権力に当たること、原告は、本件陵虐行為により、〈1〉度熱傷と分類される火傷及び熱中症を発症し、その違法の程度が重大であること、本件陵虐行為が床面と接触する部位の熱さ、発汗による湿度上昇からくる不快感、息苦しさなどに照らして本件床暖房による原告の肉体的精神的苦痛が、想像を絶するものであって、原告が火傷ないし熱中症により死に至るおそれも存在したというべきであること、その上、宮崎刑務所の幹部職員らが、本件各改ざん行為を行い、改ざんされた資料を福岡矯正管区に提出し、本件陵虐行為に対する適切かつ迅速な調査を遅らせたことは、違法な公権力の行使に当たることに照らして、原告の請求を一部認容、一部棄却するとした事例。
2014.09.02
執行停止申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446575/最高裁判所第二小法廷 平成26年8月19日 決定 (特別抗告審)/平成26年(行ト)第55号
逃亡犯罪人引渡法35条1項の規定が、逃亡犯罪人引渡法14条1項に基づく逃亡犯罪人の引渡命令につき、逃亡犯罪人引渡法に基づく他の処分と同様に行政手続法第3章の規定の適用を除外して、前記引渡命令の発令手続において当該逃亡犯罪人に弁明の機会を与えていないことが、憲法31条に違反するなどとして、抗告人が即時抗告した事案において、当該処分により制限を受ける逃亡犯罪人の権利利益の内容、性質、制限の程度、当該処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量すれば、手続全体からみて逃亡犯罪人の手続保障に欠けるものとはいえず、憲法31条の法意に反するものということはできないとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.09.02
ロイヤルリムジン(株)タクシー増車訴訟上告審
LEX/DB25504411/最高裁判所第一小法廷 平成26年7月3日 決定 (上告審)/平成26年(行ヒ)第162号
タクシー事業を営む申立人(一審原告)が、特定地域に指定されている地域を営業区域として、営業所ごとに配置するタクシーを30台増車するため、処分行政庁に対し、道路運送法15条1項に基づき、事業計画変更認可申請をしたところ、処分行政庁から、申請を却下する旨の処分を受けたため、処分行政庁の所属する相手方(一審被告)国に対し、同処分は違法であるとして、行政事件訴訟法3条2項並びに同条6項2号及び行政事件訴訟法37条の3に基づき、本件処分の取消し及び本件申請に対し認可処分をすることの義務付け等を求め、第一審が取消請求を認容し、双方が控訴をしたところ、第二審が一審被告の控訴に基づき原判決を変更したので、申立人が上告受理を申し立てた事案において、上告審として受理しないとの決定をした事例。
2014.09.02
損害賠償等請求事件
LEX/DB25504388/宮崎地方裁判所 平成26年7月2日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第957号
原告X1は、被告Y1の経営する病院において、全身麻酔下の腰椎椎弓切除術を受けたが、主治医兼麻酔医である被告Y2及び執刀医である被告Y3らには術後管理を誤った過失があり、これにより原告X1は低酸素性脳症を発症して植物人間状態に陥ったと主張して、被告Y1に対しては民法415条又は民法715条1項に基づき、被告Y2及び被告Y3(被告医師ら)に対しては、民法719条1項、民法709条、民法710条に基づき、連帯して損害賠償の支払を求め、原告X2及び原告X3は、いずれも原告X1の子であるところ、被告医師らの過失により、原告X1が植物人間状態に陥り、精神的苦痛を被るとともに、弁護士費用の損害を被ったと主張して、上記の根拠と民法711条に基づき、被告らに対し、連帯して損害賠償の支払をそれぞれ求めた事案において、被告医師らに適切な術後管理を怠った過失があること、これらの間に客観的な関連共同性があること、被告医師らの上記過失と原告X1の後遺障害との間に相当因果関係があることが認められるとして、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.09.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25504389/宮崎地方裁判所 平成26年7月2日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第41号
原告は、被告が開設・経営する病院で入院加療を受けた亡Aの父親であるところ、被告の勤務医は、亡Aが水分を過剰摂取しないよう強制的な水分制限措置をすべき義務を怠った過失により、亡Aを水中毒に起因する急性低ナトリウム血症に陥らせて死亡させたとして、被告に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償の支払を求めた事案において、B医師には、上記義務を怠った過失があると認めるのが相当であり、B医師につき不法行為の成立が認められるから、原告は、B医師の使用者である被告に対し、民法715条1項に基づき、損害賠償の支払を請求することができるとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.09.02
奈良県談合工事損害賠償等請求事件
LEX/DB25504409/奈良地方裁判所 平成26年6月24日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第15号
奈良県の住民である原告らが、奈良県宇陀土木事務所管内における奈良県発注の土木工事の入札に際し、落札者を含む入札参加業者らが共同して受注機会の調整及び高値落札等の利益を図る目的で談合を行ったことによって、奈良県が損害ないし損失を被ったと主張して、被告(奈良県知事)に対し、地方自治法242条の2第1項3号及び4号に基づき、主位的には、落札者に対する損害賠償の請求を怠ることの違法確認及び落札者に対する損害賠償の請求を、予備的には、落札者に対する不当利得返還の請求を怠ることの違法確認及び落札者に対する不当利得返還の請求を求めた住民訴訟の事案において、落札者一社に対する主位的請求を認容した事例。