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2014.10.07
株主総会無効取消等請求事件(日本工営(株)株主総会無効取消等請求事件)
LEX/DB25504636/東京地方裁判所 平成26年6月12日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第34023号
被告の株主である原告が、被告の本件株主総会において、議長が原告の質問に関する審議を打ち切って、原告の質問権を不当に侵害したなどと主張して、被告に対し、本件総会における取締役選任(再任)決議の取消し、無効確認を求めるとともに、不法行為による損害賠償請求権に基づき慰謝料の支払を求めた事案において、本件決議の取消原因となるべき説明義務違反があるということはできず、また、原告は、被告の有価証券報告書に虚偽の記載がある疑いがあることを理由に、本件決議の取消しを求めるが、そもそも有価証券報告書の虚偽記載が本件決議の取消事由となるということもできないと示し、その他、本件決議に無効事由があるとする原告の主張も斥けて、原告の請求を棄却した事例。
2014.10.07
所得税法違反、消費税法違反、地方税法違反被告事件(フィリピンパブ経営者脱税事件)
LEX/DB25504640/名古屋地方裁判所 平成26年5月8日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第319号
いわゆるフィリピンパブ等の店舗を個人で多数経営していた被告人が、11店舗の200名前後の従業員の給与について源泉徴収税の徴収、納付をせず、合計約2億1606万円を脱税し、9店舗について、従業員等の他人名義を用いるなどして経営実態や課税標準等を秘匿した上で、消費税及び地方消費税の申告をせず、合計3040万円を不正な行為によって脱税したという所得税法違反、消費税法違反、地方税法違反被告事件の事案において、被告人の犯行動機は身勝手で酌量の余地がなく、消費税及び地方消費税の脱税については、自己の課税を免れるために従業員らの他人名義を利用するなど、計画的犯行で悪質といえ、被告人の刑事責任は重い等として、被告人を懲役3年及び罰金6000万円に処し、執行猶予5年とした事例。
2014.09.30
損害賠償請求事件(福島原発避難者自殺訴訟)
LEX/DB25504617/福島地方裁判所 平成26年8月26日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第102号
甲の相続人である原告らが、福島県伊達郡山木屋地区に居住していた甲が、平成23年3月11日に被告(東京電力)が設置、運転する福島第一原発において発生した放射性物質の放出事故により避難を余儀なくされたこと等が原因となって同年7月1日に自死するに至ったと主張し、被告に対し、原子力損害の賠償に関する法律3条1項本文に基づき、損害賠償として、原告らが相続した甲の逸失利益及び慰謝料、原告らに直接生じた葬儀費用、慰謝料等の支払いを求めた事案において、甲の自死と本件放出事故との相当因果関係を認め、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.09.30
損害賠償請求事件(証拠ビデオテープ紛失国賠事件)
LEX/DB25504658/東京地方裁判所 平成26年9月9日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第10959号
裁判所が原告に対する刑事被告事件において押収したビデオテープ2巻を警視庁公安部公安総務課長に保管委託していたところ、当該ビデオテープの紛失という被告(国・東京都)らの違法行為により、原告が精神的損害が発生したと主張し、被告らに対し、国家賠償請求をした事案において、裁判所職員に対しては適時に当該ビデオテープの保管状況を確認することを怠り、公安総務課長に対しては当該ビデオテープを紛失したことにより、その職務上の注意義務に違反した過失を認め、原告の請求を一部認容した事例。
2014.09.30
損害賠償請求事件(HIV感染で就労制限)
LEX/DB25504586/福岡地方裁判所久留米支部 平成26年8月8日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第7号
被告の経営する病院の看護師であり、HIV陽性と診断された原告が、かかる診断結果を入手した被告病院の医師及び職員らにおいて原告の同意なく被告病院の他の職員らに伝達して情報を共有したことは、個人情報保護法に反し、原告のプライバシーを侵害する不法行為であり、その後、HIV感染を理由に原告の就労を制限したことが原告の働く権利を侵害する不法行為であるとして、被告に対し、民法715条に基づき、損害賠償を求めた事案において、上記の情報共有は、個人情報保護法23条1項には違反しないが、情報伝達行為は、個人情報保護法16条1項が禁ずる目的外利用に当たるところ、原告の上記情報を本人の同意を得ないまま同法に違反して取り扱った場合には、特段の事情のない限り、プライバシー侵害の不法行為が成立し、本件において、特段の事情は認められないなどとして、請求の一部を認容した事例。
2014.09.30
残土受入事業差止等請求事件
LEX/DB25504566/札幌地方裁判所 平成26年7月31日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第1786号
原告らが、被告会社に対し、被告会社の本件事業による残土埋立てにより、原告守る会につき、守る会土地の所有権が侵害されるおそれがあるとして、本件事業の差止めを求め、原告守る会が、被告会社の本件事業により、本件土地に残土が埋め立てられ、残土除去費用の損害を被ったとして、被告会社及び代表取締役である被告Aに対し、損害賠償を求めるなどした事案において、被告会社は、本件請求区域内外において、残土受入事業を拡大させているのであり、今後も広く本件請求区域内の土地に残土を埋め立てることが見込まれるから、将来、埋立未了守る会土地上に残土を埋め立てるおそれがあるものと認められるとし、請求を一部認容した事例。
2014.09.30
 
LEX/DB25504593/最高裁判所第三小法廷 平成26年7月29日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第311号等
上告人兼申立人(被告、控訴人。ホテル等を経営する株式会社)に雇用されていた被上告人兼相手方(原告、被控訴人)らが、上告人兼申立人のなした懲戒解雇は無効であるとして、雇用契約上の地位確認及び解雇後の賃金の支払いを求め、第一審は地位確認請求及び賃金の一部を認容し、第二審が控訴を棄却したため、上告した事案において、上告を棄却し、また、上告審として受理しないとの決定をした事例。
2014.09.30
木曽川水系連絡導水路事業公金支出差止請求事件
LEX/DB25504570/名古屋地方裁判所 平成26年7月24日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第49号
木曽川水系フルプラン等に基づく木曽川水系連絡導水路事業に関して、愛知県は、流水の正常な機能の維持と増進をその目的に含む水資源の開発又は利用のための施設の新築等に要する費用の一部等を負担するものとされているところ、原告らが、被告愛知県知事が、本件負担金の支出命令をすること等が違法である旨主張して、本件負担金の支出命令の差止め等を求めた事案において、本件事業実施計画やその前提となる本件フルプランが裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したことにより著しく合理性を欠き、そのため予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存するということはできないし、客観的にみて県が本件事業実施計画又は本件フルプランの瑕疵を是正又は解消することができる蓋然性が大きいという事情があるということもできないとし、請求を棄却した事例。
2014.09.30
間接強制決定に対する執行抗告事件
LEX/DB25504550/福岡高等裁判所 平成26年7月18日 決定 (抗告審(執行抗告))/平成26年(ラ)第232号
債権者(相手方)らと債務者(抗告人)との間の諫早湾干拓地潮受堤防北部及び南部各排水門開放差止仮処分事件の決定に基づいて、債権者らが、(1)債務者は、間接強制の決定送達の日から、各容認債権者らとの関係で、開門をしてはならない、(2)間接強制の決定送達の日以降、債務者が(1)の義務に違反したときは、債務者は、各容認債権者らに対し、金2500億円を支払えとの間接強制の申立てたところ、原決定は申立ての一部を容認したため、債務者が執行抗告をした事案において、債務者が本件開放禁止義務に違反して本件各排水門を開放するおそれが認められるなどとし、抗告を棄却した事例。
2014.09.30
詐欺(変更後の訴因 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25504569/福島地方裁判所 平成26年7月28日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第122号等
被告人が、共犯者と共謀の上、Aらに対し、株式上場の予定がなく、株価上昇の見通しのもないのに、これらがあるように装い、その旨信じさせ、B社名義の郵便貯金口座に振込送金させるなどの方法により、株式の売買代金として現金を交付させ、もって団体の活動として、詐欺の罪に当たる行為を実行するための組織により、人を欺いて財物を交付させた事案において、本件は、周到に準備された組織性の高い職業的な犯行であり、その手口も投資家心理を巧みに突いた非常に巧妙で習熟されたものであり、それら一連の犯行による被害は多額に上っており、被害者らの被害感情が厳しいのも当然というべきであり、本件の結果は誠に重大であるとし、懲役10年を言い渡した事例。
2014.09.30
身の代金拐取、拐取者身の代金要求、窃盗、監禁被告事件(田園調布女子中学生身代金誘拐事件)
LEX/DB25504538/東京地方裁判所 平成26年7月17日 判決 (第一審)/平成25年(合わ)第236号等
被告人が、共犯者2名と共謀の上、被害者の安否を憂慮する近親者からその憂慮に乗じて現金を交付させる目的で被害者を略取した上、被告人単独で被害者の母に対し身代金を要求し、前記共犯者2名と共謀のうえ、被害者を不法に監禁したとして起訴された事案において、犯行を詳細に計画し、共犯者2名を手足として用い、自らは車両の運転や身の代金要求を行って犯行を実現している点で、被告人は本件の主謀者的立場にあったと評価でき、その刑事責任は重いとし、被告人に懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
永住外国人生活保護訴訟(受給権否定)
LEX/DB25504546/最高裁判所第二小法廷 平成26年7月18日 判決 (上告審)/平成24年(行ヒ)第45号
永住者の在留資格を有する外国人である被上告人(原告・控訴人)が、生活保護法に基づく生活保護の申請をしたところ、却下処分を受けたとして、上告人(大分市。被告・被控訴人)に対し、その取消を求めた事案の上告審において、生活保護法の適用の対象につき定めた生活保護法1条及び生活保護法2条にいう「国民」とは、日本国民を意味するものであって、外国人はこれに含まれないと解されることなどからすると、外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきであるとし、当該却下処分は、生活保護法に基づく受給権を有しない者による申請を却下するのものであり適法であるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、上告人敗訴部分につき、被上告人の控訴を棄却した事例。
2014.09.22
住居侵入、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(ストーカー殺人事件)
LEX/DB25504614/東京地方裁判所立川支部 平成26年8月 1日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1196号
被告人は、元交際相手である被害者(当時18歳)を殺害する目的で、平成25年10月8日午前8時55分頃から同日午前10時40分頃までの間に、東京都三鷹市の被害者の父方に無施錠の2階南東側掃き出し窓から侵入し、同日午後4時54分頃、ブロック塀等で囲繞された同人方敷地内及び同人方前路上において、被害者に対し、殺意をもって、その右頸部及び腹部等を持っていたペティナイフ(刃体の長さ約12.7センチメートル)で多数回突き刺すなどし、よって、同人を右側頸部刺突に基づく右総頸動脈損傷による失血により死亡させ、また、業務その他正当な理由による場合でないのに、同日午後4時54分頃、前記被害者の父方敷地内及び同人方前路上において、前記ペティナイフ1丁を携帯したものであるとして、被告人を懲役22年に処した事例(裁判員裁判)。
2014.09.22
損害賠償(株主代表訴訟)請求控訴事件(金融庁による課徴金納付命令等をめぐる株主代表訴訟)
LEX/DB25504493/東京高等裁判所 平成26年4月24日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第734号
本件会社(被控訴人補助参加人)の株主である控訴人(原告)らが、株主代表訴訟として、本件会社が所有する不動産の流動化の実行に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人(被告)らに対し、改正前の商法266条1項5号による損害賠償請求権に基づき、また、不動産の流動化の終了に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人らに対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償の支払いを求め、原審が請求を却下ないし棄却した事案において、原判決は相当であるとして、各控訴をいずれも棄却した事例。
2014.09.22
違法公金支出返還請求事件(静岡県補助金支給違法判決)
LEX/DB25504501/静岡地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第1号
静岡県の住民である原告らが、静岡県知事が特定の団体に補助金を交付したことは違法であるなどと主張し、被告(静岡県知事)に対し、補助金を支出した静岡県知事である甲に対して、損害賠償請求をすること、及び、当該団体に関与した静岡県職員である乙に対して、損害賠償請求をすることを求めた事案において、乙に対する請求は、住民訴訟の類型に該当しないとして却下し、甲に対する請求を認容した事例。
2014.09.22
国家賠償請求事件(受刑者の面会制限違法判決)
LEX/DB25504494/東京地方裁判所 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第36742号
原告らが、無期懲役刑で服役中の受刑者と当該受刑者の妻である原告甲との面会及び当該受刑者とその余の原告らとの各面会を徳島刑務所長が不許可としたこと、原告甲が当該受刑者に充てた9通の信書の各一部を徳島刑務所長が抹消したことについて、各処分は違法なものであるなどと主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案において、原告甲の請求を一部認容し、その余の請求を棄却し、その余の原告らの請求を棄却した事例。
2014.09.22
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25504573/福岡地方裁判所小倉支部 平成26年7月18日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第838号
被告人が、法定の除外事由がないのに、覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン又はその塩類若干量を自己の身体に摂取し、覚せい剤を使用した事案において、被告人はその意思に基づかずに覚せい剤を注射されたのではないかと具体的にうかがわせる事情があることなどから、被告人が自らの意思に基づき覚せい剤を使用したという点に合理的疑いが残るというべきであるとして、無罪を言い渡した事例。
2014.09.22
親子関係不存在確認請求控訴事件(嫡出否認の訴えの出訴期間の違憲性(原審))
LEX/DB25504548/高松高等裁判所 平成25年11月21日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第270号
控訴人(一審原告)が、妻Aとの婚姻中に出生した被控訴人(一審被告)両名に対し、控訴人と被控訴人両名との間には生物学上の父子関係が存在しないから、嫡出否認の訴えによることなく親子関係不存在確認の訴えにより戸籍上の父子関係を否定できるとして、親子関係不存在確認を求めた事案の控訴審において、被控訴人らは、控訴人の嫡出子であるとの推定が及ばない子であるとは認められず、本件訴えは嫡出否認の訴えの出訴期間経過後に提起された不適法な訴えであるとして、控訴を棄却した事例。
2014.09.22
不当利得返還請求事件
LEX/DB25446573/横浜地方裁判所 平成26年7月11日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第839号
中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的とする信用保証協会法に基づいて設立された法人である原告が、訴外A社の被告に対する貸金債務についての保証契約は錯誤により無効であり、また、被告のA社への貸付けについて被告の保証契約違反によって免責されると主張して、不当利得返還請求権に基づき、代位弁済金の支払を求めた事案において、A社が中小企業者であること及び資金使途が事業資金であることが、本件各保証契約の内容になっていたということはできず、本件錯誤が要素の錯誤に該当すると認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2014.09.16
オウム真理教 教団元幹部裁判
LEX/DB25504571/東京地方裁判所 平成26年6月30日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第163号
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして、教団元幹部の被告人が、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の幇助罪に問われた事案において、遅くとも3回目の薬品の運搬をした平成7年4月23日以降、被告人が、(1)BらがAの逮捕を阻止し、教団を守るため、運搬に係る薬品を用いて何らかの化合物を合成し、(2)それを用いて事件を起こすものであり、(3)その際には人の殺傷を伴うことがあり得ることをいずれも認識したと認めることができるが、被告人が、Bらが運搬に係る薬品を用いて爆発物を製造し、事件を起こす際にこれを使用する意図であることを認識したと認めるには疑いが残るとし、被告人については、爆発物製造及び爆発物使用の罪については幇助の意思が認められないから、その幇助罪は成立せず、殺人未遂罪については、幇助の意思が認められ、同罪の幇助罪が成立するとして、被告人を懲役5年に処した事例。