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2014.10.21
暴力団題材漫画の撤去要請訴訟
LEX/DB25504708/最高裁判所第三小法廷 平成26年7月22日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1082号等
上告人が、福岡県警による福岡県コンビニエンスストア等防犯協議会を構成するコンビニエンスストア事業を営む9社の撤去要請によって控訴人の著書を原作とする本件コミックが各コンビニ店舗から撤去されたことは憲法21条、31条等に違反するものであり、これにより上告人は著しい精神的苦痛を被ったとして、被控訴人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めた事案の上告審において、コンビニ各社が採った本件コミックを含む暴力団関係書籍等を各コンビニ店舗から撤去するという措置、コンビニ各社が福岡県警から事実上強制されて行ったものとは認められず、本件要請がされたのを機に自主的に行ったものと認められるから、福岡県警が本件要請及び本件リストの作成、交付を行ったことに国家賠償法1条1項の違法があるということはできないとした控訴審の判断を支持して、本件の上告を棄却し、本件を上告審としては受理しないとした事例。
2014.10.21
損害賠償請求事件
LEX/DB25504686/福岡地方裁判所 平成26年9月4日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第3043号
被告(久留米市)が設置運営する久留米市立南筑高等学校に在学し、同校柔道部に所属していた原告が、同じく同校に在学し、同校柔道部に所属していた分離前相被告らから暴行を受けたものであるところ、被告及び同校の職員である柔道部の顧問(監督)は、上記暴行を事前に防止するための適切な措置を講じるべき安全配慮義務(事前措置義務)を怠ったなどと主張し、被告に対し債務不履行又は国家賠償法1条1項に基づき、1100万円(慰謝料1000万円、弁護士費用100万円)の支払を求めるとともに、被告及び同校の教師らは、上記暴行の発覚後も十分な調査、再発防止のための教育的指導、被害回復等を行うべき義務(事後措置義務)を怠ったなどと主張し、被告に対して債務不履行又は国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料300万円の支払を求めた事案において、被告は、原告に対し、債務不履行責任又は国家賠償法1条1項に基づく責任を負わないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2014.10.21
療養補償給付不支給処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504684/東京高等裁判所 平成26年8月29日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第192号
財団法人静岡県生活科学検査センターにおいて業務に従事していた控訴人(原告)が、業務に起因して、心肺停止、蘇生後低酸素脳症になったと主張して、処分行政庁(労働基準監督署長)に対し療養補償給付の支給を請求したところ、処分行政庁は不支給決定をしたため、被控訴人(被告・国)に対して、当該処分の取消しを求めた事案の控訴審において、本件疾病は、労働者災害補償保険法7条1項1号にいう業務上の疾病に当たるというべきであるとして、原判決を取り消した上、控訴人の請求を認容した事例。
2014.10.21
青少年愛護条例(兵庫県昭和38年条例第17号)違反被告事件
LEX/DB25504703/大阪高等裁判所 平成26年8月28日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第456号
柔道クラブのコーチをしていた被告人が、柔道の教え子であり、自宅に下宿させていた当時14歳のAに対し、わいせつな行為をしたという兵庫県青少年愛護条例違反被告事件の事案の控訴審において、Aが被告人をコーチとして信頼していることや、ある程度の性的な知識はあるものの、これについての善悪の判断が十分でないことに乗じて犯行に及んでいること、Aが本件被害を認知した後に感じた精神的苦痛は大きく、Aの健全な成長に対する悪影響が懸念されること、Aに対する慰謝の措置が何ら講じられていない上、犯行を否認しており、反省の態度が見られないことに照らすと、被告人の刑責を軽視することはできないとして、原判決を破棄し、被告人を懲役1年に処し、執行猶予3年を言い渡した事例。
2014.10.21
損害賠償、求償金請求控訴事件(加害元少年に賠償命令 両親の責任は認めず)
LEX/DB25504705/大阪高等裁判所 平成26年8月28日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第814号
亡Aが被控訴人Eに殺害された事件について、亡Aの両親である控訴人B及び控訴人CとAの兄である控訴人が、本件事件の加害者である被控訴人Eに対し、不法行為に基づく損害賠償を求め、被控訴人Eの親権者である被控訴人両親に対し、被控訴人Eを監督すべき義務があったのに、これを怠ったために本件事件が発生したなどと主張して、不法行為に基づく損害賠償を求めた等の事案の控訴審において、被控訴人両親は、被控訴人Eが広汎性発達障害であることを認識していなかったのであるから、同被控訴人に対する監督義務の内容として、同被控訴人の傷害に配慮した対応をとるべき注意義務があったということはできない等として、本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2014.10.21
島根県条例第36号無効確認等請求控訴事件(『竹島の日を定める条例』無効確認訴訟)
LEX/DB25504701/広島高等裁判所松江支部 平成26年7月7日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第5号
島根県議会が「竹島の日を定める条例」を制定したことについて、控訴人が本件条例を公布した被控訴人に対し、本件条例は、韓国領である独島を日本国の領土として竹島と命名し、島根県に編入したことを根拠とするもので違法無効であると主張し、主位的に本件条例が無効であることの確認を求め、予備的に本件条例の取消しを求めた事案の控訴審において、抗告訴訟の対象となる行政処分とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいうものであるところ、本件条例の制定行為は、限られた特定の者に対してのみ適用されるものでも、その者の権利義務、法的地位に直接影響を及ぼす内容でもないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないことは明らかであるとして、本件各訴えをいずれも却下した原審の判断を支持して、本件控訴を棄却した事例。
2014.10.14
法人税更正処分等取消請求事件(本田技研工業(株)VS国)
LEX/DB25504716/東京地方裁判所 平成26年8月28日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第164号
原告(自動二輪車、四輪車の製造及び販売を主たる事業とする内国法人)が、その間接子会社であり、ブラジル連邦共和国アマゾナス州に設置されたマナウス自由貿易地域で自動二輪車の製造及び販売事業を行っている外国法人H社及びその子会社との間で、自動二輪車の部品等の販売及び技術支援の役務提供取引を行い、それにより支払を受けた対価の額を収益の額に算入して、平成10年3月期、平成11年3月期、平成13年3月期、平成14年3月期及び平成15年3月期の法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、前記の支払を受けた対価の額が租税特別措置法66条の4第2項1号ニ及び2号ロ、租税特別措置法施行令39条の12第8項に定める利益分割法により算定した独立企業間価格に満たないことを理由に、租税特別措置法66条の4第1項の国外関連者との取引に係る課税の特例の規定により、本件国外関連取引が本件独立企業間価格で行われたものとみなし、本件各事業年度の所得金額に本件独立企業間価格と本件国外関連取引の対価の額との差額を加算すべきであるとして、本件各更正等を受けたため、被告国に対し、本件各更正等の一部又は全部の取消しを求めた事案において、ブラジル側比較対象企業は、マナウス税恩典利益を享受していない点でH社等との比較可能性を有するのではないから、処分行政庁が、上記の差異につき何らの調整も行わずにブラジル側基本的利益を算定した上、本件独立企業間価格を算定したことには誤りがあるというべきであり、上記の差異は、市場の特殊性という営業利益に大きく関わる基本的な差異であるため、そもそも、適切な差異調整を行うことができるか否かは不明であり、本件の証拠関係の下では、原告が本件国外関連取引により支払を受けた対価の額が独立企業間価格に満たないものであることにつき立証があったとは認められないから、本件国外関連取引に租税特別措置法66条の4第1項を適用して移転価格税制の課税を行うことはできないとして、原告の請求を認容した事例。
2014.10.14
建物賃料増額確認請求事件
「新・判例解説Watch」H26.12月頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446634/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1649号
上告人X1及び平成23年4月28日に同上告人から本件賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した上告人X2が、承継前被上告人に対し、本件賃料増額請求により増額された本件賃料の額の確認等を求め、本件賃料増額請求が前件口頭弁論終結時以前にされていることから、本件訴訟において本件賃料増額請求による本件賃料の増額を主張することが、前訴判決の既判力に抵触し許されないか否かが争われ、(なお、被上告人は、原審の口頭弁論終結後である平成25年3月21日、承継前被上告人を吸収合併し、本件訴訟の訴訟手続を承継した。)原審は、賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の訴訟物は、当事者が請求の趣旨において特に期間を限定しない限り、形成権である賃料増減請求権の行使により賃料の増額又は減額がされた日から事実審の口頭弁論終結時までの期間の賃料額であると解されるところ、前件訴訟において、承継前被上告人は、基準時1(平成16年3月29日、当時の賃貸人Bに対し、本件賃料を同年4月1日から月額240万円に意思表示した時点)から前件口頭弁論終結時までの賃料額の確認を求め、上告人X1は、基準時2(平成17年7月27日、承継前被上告人に対し、本件賃料を同年8月1日から月額320万2200円に増額する旨の意思表示した時点)から前件口頭弁論終結時まで(ただし、終期については基準時3と解する余地がある。)の賃料額の確認を求めたものと解されるから、本件訴訟において、上告人らが,本件賃料増額請求により本件賃料が前件口頭弁論終結時以前の基準時3(前件訴訟が第1審の係属中の平成19年6月30日、承継前被上告人に対し、本件賃料を同年7月1日から月額360万円に増額する旨の意思表示をした時点)において増額された旨主張することは、前訴判決の既判力に抵触し許されないとし、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、前件本訴及び前件反訴とも、請求の趣旨において賃料額の確認を求める期間の特定はなく、前訴判決の前件本訴の請求認容部分においても同様であり、前件訴訟の訴訟経過をも考慮すれば、前件訴訟につき承継前被上告人及び上告人X1が特定の期間の賃料額について確認を求めていたとみるべき特段の事情はないといえ、前訴判決の既判力は、基準時1及び基準時2の各賃料額に係る判断について生じているにすぎないから、本件訴訟において本件賃料増額請求により基準時3において本件賃料が増額された旨を主張することは、前訴判決の既判力に抵触するものではないとして、原審に差し戻した事例(補足意見あり)。
2014.10.14
移送決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」H26.12月頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446638/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 決定 (許可抗告審)/平成26年(行フ)第2号
厚生労働大臣が徳島県内に居住する抗告人に対して国民年金法による障害基礎年金の裁定請求を却下する旨の処分をしたため、抗告人が相手方を相手にその取消しを求めて徳島地方裁判所に提起した本案訴訟(徳島地方裁判所平成26年(行ウ)第2号障害基礎年金不支給決定取消請求事件)につき、相手方が、管轄違いを理由に、行政事件訴訟法12条4項により、抗告人の普通裁判籍の所在地を管轄する高松高等裁判所の所在地を管轄する高松地方裁判所に移送することを申し立てたところ、原審は、日本年金機構の下部組織である事務センターは行政機関に当たらないから行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当せず、本案訴訟は徳島地方裁判所の管轄に属しない旨を判示して、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法16条1項により、本案訴訟を高松地方裁判所に移送すべきものとしたため、抗告人が抗告した事案において、原審の判断には、審理不尽の結果、法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定は破棄を免れないとし、本件事務センターによる本件裁定請求の審査の方法及び内容や厚生労働大臣に対する審査結果の報告の内容等について審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2014.10.14
威力業務妨害被告事件(人気漫画家 脅迫事件)
LEX/DB25504697/東京地方裁判所 平成26年8月21日 判決 (第一審)/平成25年(刑わ)第3005号等
被告人が、人気漫画の作者に対し強いねたみの感情を抱き、大学構内に硫化水素を発生させた容器を置いたり、漫画に関連するイベント等の中止等を要求する文書を送付したりするなどの威力を用いて、大学や各イベント等を主催する企業等の業務を妨害するなどした、大規模かつ連続的な威力業務妨害8件の事案において、本件各犯行は、いずれも極めて悪質な態様によるものであって、それにより各被害者らの業務が妨げられた程度は著しく、個別に見ても相当に重大悪質な威力業務妨害事犯であるが、被告人は、そのような犯行を理不尽極まりない動機から多数繰り返し行ったものであるから、本件一連の犯行は、この種事犯として他に類例を見ないほど重大で悪質なものといわざるを得ないのであり、被告人の刑事責任は極めて重いとし、懲役4年6月を言い渡した事例。
2014.10.14
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504660/東京高等裁判所 平成26年9月10日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第7257号
東京拘置所に収容されている死刑確定者である控訴人(原告)A及びその訴訟代理人である控訴人(原告)弁護士らが、再審請求及び本件訴訟の準備のための各面会について、拘置所職員の立会いを付し、かつ面会時間を30分間に制限した東京拘置所長の措置が憲法及び刑事訴訟法に違反しているとして、国家賠償を求めた事案の控訴審において、再審請求の準備のための面会について、Aの心情の判定を把握する必要性が高いか否かを検討するまでもなく、直ちに秘密面会を許すべきであったにもかかわらず、職員を立ち会わせた措置は、控訴人A及び控訴人弁護士らの利益を侵害するものとして違法となるとして、原判決を変更し、控訴人らの請求をいずれも一部認容した事例。
2014.10.14
公職選挙法違反被告事件(徳洲会グループを巡る訴訟)
LEX/DB25504696/東京地方裁判所 平成26年8月12日 判決 (第一審)/平成25年(特わ)第1703号等
衆議院議員総選挙に際し、Aの組織的選挙運動管理者である被告人が、Bらと共謀の上、Aに当選を得させる目的をもって、いまだ立候補の届出及び衆議院名簿登載者としての届出前に、Cらに対し、Aへの投票を依頼するなどの選挙運動をすることの報酬として、現金を供与するなどした事案において、Bの地位・存在が圧倒的に強大なものであったことにかんがみれば、Bが明示的に被告人を選挙運動の責任者として指名したことは、被告人の地域主宰者性を認定する最も重要な事実ということができ、被告人は、選挙運動を推進するにつき、中心的存在としてこれを掌握指揮した者であり、選挙運動の地域主宰者であったというべきであるとし、懲役3年、執行猶予5年を言い渡した事例。
2014.10.14
重過失致死、狂犬病予防法違反、道路運送車両法違反、自動車損害賠償保障法違反被告事件
(土佐犬が襲撃 散歩中の女性が死亡)
LEX/DB25504650/札幌地方裁判所苫小牧支部 平成26年7月31日 判決 (第一審)
/平成26年(わ)第38号等
被告人が、飼育していた闘犬用大型犬を散歩、運動させるにあたり、重大な過失によりあえてその綱を手放して犬を逸走させ、付近を散歩中であった被害者に犬を噛みつかせて転倒させ溺死させた重過失致死の事案と、所有し飼育していた2頭の犬について市町村長への登録申請もせず狂犬病の予防接種も受けさせなかった狂犬病予防法違反の事案、そして、無車検、無保険の自動車を運行した道路運送車両法違反及び自動車損害賠償保障法違反の事案において、各犯行についての被告人の刑事責任は重く、被告人は厳しい処罰を免れないとして、被告人に対し、懲役2年6月及び罰金20万円を言い渡した事例。
2014.10.14
地位確認等請求控訴事件
LEX/DB25504687/大阪高等裁判所 平成26年9月11日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1083号
学校法人である被告(被控訴人)が設置する大学院の教授であった原告(控訴人)が、就業規則に定められた定年延長の規定が適用されず定年退職の扱いとなったことについて、解雇権の濫用法理の類推適用によって無効であるとして、被告に対し、労働契約上の地位にあることの確認等を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、定年延長の手続等については教授会の申合せがされ、実際に定年延長に関する議案が教授会に提案されて、実質的な審議が行われているのであるから、教員本人が希望する場合には原則として定年の延長がされることが前提となっていたということはできないとし、控訴を棄却した事例。
2014.10.14
固定資産税等賦課取消請求事件
LEX/DB25446635/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 判決 (上告審)/平成25年(行ヒ)第35号
被上告人(原告・控訴人)が、坂戸市長から自己の所有する家屋に係る平成22年度の固定資産税及び都市計画税の賦課決定処分を受けたことについて、被上告人は同年度の賦課期日である平成22年1月1日の時点において登記簿又は家屋補充課税台帳に上記家屋の所有者として登記又は登録されていなかったから、上記家屋に係る同年度の固定資産税等の納税義務者ではなく、上記賦課決定処分は違法であると主張して、上告人(被告・被控訴人)を相手に、その取消しを求めたところ、原審は、本件処分は違法であるとして、その取消しを求める被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案で、被上告人を納税義務者として本件家屋に係る平成22年度の固定資産税等を賦課した本件処分は適法であるとして、原判決を破棄し、これを棄却した第一審判決は正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2014.10.07
各退去強制令書発付処分等取消請求控訴事件
(比の長女の強制退去処分取消 両親の残留は認められず)
「新・判例解説Watch」H26.12月頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25504715/東京高等裁判所 平成26年9月19日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第49号
フィリピン共和国国籍を有する外国人の家族である原告(控訴人)父、原告(控訴人)母及び原告(控訴人)子が、出入国管理及び難民認定法所定の退去強制手続で、東京入国管理局から出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の各裁決を受け、東京入国管理局主任審査官から各退去強制令書発付処分を受けたことにつき、原告らは、日本で長年生活していて日本に定着していること、原告(控訴人)子は出生時から日本で生活していて帰国して新たな環境に適応することは困難であること、原告父母は原告子を日本で養育する必要があることなどからすれば、原告らに対して在留特別許可をすべきものであったから、本件各裁決は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであり、本件各裁決を前提とする本件各退令発付処分も違法なものであるなどと主張して、本件各裁決及び本件各退令発付処分の取消しを求めたところ、原審は、原告らの請求をいずれも棄却したため、原告らが控訴した事案において、原告子については、特別に在留を許可すべき事情があると認めるときに該当し、原告子に対する本件裁決は違法で取り消されるべきものであるとし、原告子に対する本件退令発付処分も違法で取り消されるべきものであるとして、原判決を取り消し原告子の請求をいずれも認容し、原告父及び原告母の請求は理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2014.10.07
不当利得返還請求控訴事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25504619/名古屋高等裁判所 平成24年10月25日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第405号
貸金業者である控訴人(一審被告)との間で継続的に借入れと返済を繰り返してきた被控訴人(一審原告)が、支払った弁済金のうち、利息制限法所定の制限利率を超える部分を元本に充当すると、借入金債務が完済されている上に過払金が発生しており、また控訴人は悪意の受益者であると主張して、控訴人に対し、不当利得返還請求権に基づき、過払元金と利息の支払いを求め、原審が原告の請求を一部認容した事案において、被控訴人と控訴人との間で、無担保連続取引により発生した過払金を不動産担保取引に基づく借入金債務に充当する旨の合意が存在すると認めることはできず、同過払金は不動産担保取引に基づく借入金債務には充当されないとし、同過払金の一部が時効消滅したことを認め、控訴を一部認容し、原判決を変更した事例。
2014.10.07
国家賠償請求事件(死刑囚接見制限で違法判決)
LEX/DB25504634/名古屋地方裁判所 平成26年8月28日 判決 (第一審)/平成24年(行ウ)第11号等
弁護士である甲事件原告X1及び同X2が、名古屋拘置所に死刑確定者として収容されていた乙事件原告X3が国家公務員法違反被疑事件の被疑者であることを前提に、それぞれ数回にわたり、同拘置所において原告Eと刑事訴訟法39条1項に基づく接見を申し込んだところ、名古屋拘置所長が、面会を認めなかったり、面会に職員を立ち合わせることにより、同項に基づく接見をさせなかったことにつき、原告らが、接見交通権ないし秘密交通権を違法に侵害されたとして、被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた事案において、原告X3は、本件接見申込当時、刑事訴訟法39条1項にいう「被疑者」になっていたと認定し、したがって、名古屋拘置所長は、本件各接見申込に対し、同項に基づき、被疑者であった原告X3と原告X1ないし原告X2とを立会人なく接見させなければならない職務上の法的義務を負っていた等として、各原告の請求をそれぞれ一部認容した事例。
2014.10.07
武富士放火殺人事件(再審請求の即時抗告を棄却)
LEX/DB25504618/仙台高等裁判所 平成26年7月10日 決定 (抗告審)/平成26年(く)第41号
請求人に対する2件の強盗殺人、1件の同未遂、現住建造物等放火被告事件について、平成15年2月12日青森地方裁判所が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求事件について、同裁判所がした再審請求棄却決定に対し、請求人及び弁護人が即時抗告をした事案において、刑事訴訟法435条6号所定の明白性もないとの理由も付言したうえ、原決定は結論において是認できるとして、即時抗告を却下した事例。
2014.10.07
富士通社長解任訴訟(元社長敗訴確定)
LEX/DB25504623/最高裁判所第二小法廷 平成26年7月9日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第464号等
被上告人兼相手方会社(被告会社、被控訴人会社)の役員であった被上告人兼相手方(被告、被控訴人)らが、英国のファンドの日本法人の代表取締役との間でかねてより親交を有していた上告人兼申立人(原告、控訴人)に対し、同代表取締役らが反社会的勢力に関与しているとの情報を入手した等虚偽の事実を述べるなどして、被上告人兼相手方会社の代表取締役及び取締役からの辞任を強要し、また、その後、病院やホテルの一室に上告人兼申立人を幽閉した等と主張して、上告人兼申立人が、被上告人兼相手方らに対しては共同不法行為に基づき、被上告人兼相手方会社に対しては会社法350条に基づき、連帯して、損害金の支払いを求めるとともに、民法723条の類推適用に基づき、全国版朝刊社会面に謝罪広告の掲載を求め、第一審及び第二審が請求を棄却した事案において、上告を棄却し、上告審として受理しないとの決定をした事例。