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2014.12.09
 
LEX/DB25504990/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1765号等
いわゆる光市母子殺害事件の被告人である原告(被控訴人、控訴人、上告人兼申立人)が、原告の実名掲載を伴う書籍の著者及び出版者である被告ら(控訴人、被控訴人、被上告人兼相手方)に対し、本件書籍の出版差し止め等を求め、本件書籍をめぐる原告らの発言等によって、名誉権を侵害され、精神的損害を被ったとして、本件書籍の著者である被告P1が、原告らに対し、損害賠償を求めたところ、原判決が、原告の請求を一部認容した第一審判決を取り消し、同請求を棄却したため、原告が上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504988/最高裁判所第三小法廷 平成26年9月24日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第963号
被告人が、Eを殺害する目的で、E方離れに無施錠の玄関から侵入し、Eに対し、殺意をもって、あらかじめ用意していたナイフで左胸部を数回突き刺すなどし、よって、Eを左肺刺創による失血により死亡させて殺害し、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記ナイフを携帯した事実につき、原判決が、懲役16年を言い渡した第一審判決を維持し、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、弁護人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504987/最高裁判所第二小法廷 平成26年9月17日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第401号
被告人が、A社代表取締役Bが看守する会社事務所に侵入し、同人管理の現金を窃取し、現金を窃取する目的でC方居宅に侵入し、台所にあった包丁を目にするや、本件包丁を用いて、同居宅にいる人を脅して現金を強取しようと決意し、Cに対し脅迫を加え現金を強取しようとした際、同人から抵抗を受けるなどしたため、殺意をもって、同人の頸部等を包丁で突き刺すなどし、同人を失血により死亡させて殺害するなどした事実につき、原審が、無期懲役を言い渡した第一審判決を維持し、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、弁護人の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
覚書無効確認請求控訴事件(西いぶり広域連合 VS 三井造船(株)(株)日本製鋼所)
LEX/DB25504983/札幌高等裁判所 平成26年9月16日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第169号
地方公共団体の広域連合である原告(控訴人)が、その設置に係るごみ処理施設について、多額の保守管理費が発生しているのは、本件施設の建設を請け負った被告ら(被控訴人)において、その建設請負契約上保証した性能を満たしていないことによるものであって、いまだその保証期間は満了しておらず、同契約に基づく被告らの性能保証責任は存続しているなどと主張して、被告らが上記性能保証責任を負っていることの確認を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、被告らの性能保証責任が存続していること自体を確認したとしても、保守管理費の増加分が性能保証事項の違反による追加費用に当たるか否かという本質的な問題が解決されず、本件紛争の直接的かつ抜本的な解決とはならないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504986/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月11日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第804号等
アメリカ軍用機B29等による空襲依頼、日本各地の住宅密集地に対して行われた空襲によって被災した者あるいはその親族である原告ら(控訴人、上告人)が、被告(被控訴人、被上告人)に対し、被告が原告ら空襲被害者を何ら救済せず放置したことは立法義務に違反するものであり、国家賠償法上の違法な公権力の行使(立法不作為)に当たると主張して、損害賠償等を求めたところ、原判決が、請求を棄却した第一審判決を維持したため、原告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するもの又はその前提を欠くものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504979/最高裁判所第二小法廷 平成26年9月5日 決定 (上告審)/平成25年(行ツ)第388号等
町議会議員であった原告(控訴人、被上告人兼相手方)が、除名処分を受けたところ、同処分は違法であるとしてその取消しを求めるとともに、同処分により名誉を毀損されたとして、被告(被控訴人、上告人兼申立人)に対し、損害賠償等を求めたところ、原判決が、請求を棄却した第一審判決を変更し、請求を一部認容したため、被告が上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
建造物侵入、現住建造物等放火、殺人未遂、公務執行妨害被告事件(宝塚市役所放火事件)
LEX/DB25504985/大阪高等裁判所 平成26年7月1日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第313号
被告人が、固定資産税等を滞納したことにより、預金債権の差押えを受けたことに不満を持ち、職員に対し危害を加える旨告知して脅迫し、同人らの職務の執行を妨害し、市役所庁舎でポリタンクの中に入ったガソリンをまき散らすなどして火を放ち、室内の床等を焼損するとともに、ガソリンの入ったワインボトルが当たったGらに傷害を負わせたが、殺害するに至らなかった事実につき、懲役18年が言い渡されたため、被告人が控訴した事案において、被告人は、当時、本件庁舎内で火を放てば、Gらを含む多数の職員らが死ぬかもしれないことを認識しながら、それでも構わないと考えて、あえて、火を放ったものであって、Gらに対する包括的な未必の殺意を認めることができるから、死亡する具体的な危険の生じたGらに対する各殺人未遂罪を認めた原判決の判断は正当であるとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.09
保護責任者遺棄致死被告事件(1歳男児放置死事件)
LEX/DB25504984/大阪高等裁判所 平成26年6月3日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第1483号
被告人が、子(当時1歳7か月)が高熱を出し、その後も容体が回復しないのを認めていたが、同児に適切な医療措置を受けさせず、気管支肺炎により死亡させた事実につき、懲役5年が言い渡されたため、控訴した事案において、被告人の刑事責任は、幼児等を疎んじて、長期間にわたって食事等を与えなかった結果、幼児等を死亡させるように至ったような事案よりは軽いものの、平素は普通に養育していた者が、一時的に保護責任を尽くさなかったような事案よりは重いのであって、法定刑の下限よりは、ある程度重い刑を科すのが相当であるとした原判決の認定及び評価が誤っているとはいえず、その結果としての量刑判断もやむを得ないものであって、これが重すぎて不当であるとはいえないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.02
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」H27.2月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446783/最高裁判所大法廷 平成26年11月26日 判決 (上告審)/平成26年(行ツ)第78号等
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人である被上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、本件定数配分規定の下で、選挙区間における投票価値の不均衡は、平成24年改正法による改正後も前回の平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが、本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとして、原審各判決を破棄し、被上告人らの請求を棄却した事例(補足意見及び反対意見がある)。
2014.12.02
選挙無効請求事件
LEX/DB25446784/最高裁判所大法廷 平成26年11月26日 判決 (上告審)/平成26年(行ツ)第155号等
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である原審原告らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、本件定数配分規定の下で、選挙区間における投票価値の不均衡は、平成24年改正法による改正後も前回の平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが、本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとして、原審被告らの上告に基づき、原判決を変更して、原審原告らの請求を棄却し、原審原告らの上告を棄却した事例(補足意見及び反対意見がある)。
2014.12.02
保釈許可決定に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446776/最高裁判所第一小法廷 平成26年11月18日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第560号
詐欺被告事件の被告人の保釈を許可した原々決定を、裁量の範囲を超えたものとして取消し、保釈請求を却下した原決定には、刑事訴訟法90条、刑事訴訟法426条の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定を取消し、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2014.12.02
勾留請求却下の裁判に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446777/最高裁判所第一小法廷 平成26年11月17日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第578号
迷惑行為防止条例被疑事件において、勾留の必要性を否定した原々審の裁判を取消して、勾留を認めた原決定には、刑事訴訟法60条1項、刑事訴訟法426条の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定を取消し、本件準抗告を棄却した事例。
2014.12.02
麻薬及び向精神薬取締法違反被告事件
LEX/DB25504896/広島高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第66号
被告人は、麻薬を施用したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反によって起訴され、原審は、被告人に対し無罪を言い渡したので、検察官が控訴をした事案において、公訴事実記載の内容の被告人の麻薬施用の事実を認定できることが明らかであり、原判決は、明らかに証拠の評価を誤り、不合理な判断をしたとして、原判決を破棄し、被告人を懲役2年に処した事例。
2014.12.02
各保護責任者遺棄致死被告事件
LEX/DB25504894/広島高等裁判所 平成26年9月18日 判決 (差戻控訴審)/平成26年(う)第69号
被告人甲及び乙両名は、自宅において、被告人乙の妹であり、医師により統合失調症の診断を受けていた被害者(当時21歳)を引き取り同居し、日常的に同人に虐待を加えていたが、被害者が極度に衰弱しているのを知りながら、共謀の上、生存に必要な保護を加えず、同人を死亡させたとの各保護責任者遺棄致死により起訴され、原審は、両名に懲役6年を言い渡したところ、両名が控訴をした事案において、各控訴を棄却した事例。
2014.12.02
強制執行停止申立事件
LEX/DB25504882/佐賀地方裁判所 平成26年9月5日 決定 (第一審)/平成26年(モ)第2号
申立人(国)が、被申立人ら(諫早湾内等で漁業に従事する者ら)に対して、被申立人らを含む者らを原告、申立人を被告とする、諫早湾土地改良事業としての土地干拓事業において設置された堤防の各排水門の解放を命じた佐賀地裁判決に係る諫早湾開門請求権について、請求異議の事由があるとして、佐賀地方裁判所に提起した請求異議の訴えの判決において強制執行停止決定に対する裁判があるまで佐賀地裁判決に基づく強制執行の停止を求めた事案において、申立てを認め、強制執行の停止を言い渡した事例。
2014.12.02
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504905/福岡高等裁判所 平成26年9月4日 判決 (控訴審)/平成22年(ネ)第1172号
腸重積により死亡したα(12歳)の父母である控訴人(原告)らが、αは、PJS(ポイツ・イエーガー症候群)に伴う腸重積を発症して死亡したものであるところ、αを診察した、被控訴人(被告)βないしγの開設している各医療機関の担当医らは、PJSに伴う腸重積の発症を疑い、高次医療機関に搬送すべきであったのにこれを怠ったなどとして、被控訴人らに対し、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審において、Aが最初に受診した被控訴人Bの担当医ら及びその半日後に受診したCの担当医には、αに対する血液検査を行い、その所見に基づき高次医療機関へ転送すべき義務があったのにこれを怠った過失があるというべきであるから、被控訴人βは不法行為責任を、被控訴人γはαがその死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性を侵害されたことによって被った損害を賠償すべき不法行為責任を負うとして、原判決を取り消し、控訴人らの請求の一部を認容した事例。
2014.11.25
 
LEX/DB25504856/最高裁判所第三小法廷 平成26年10月7日 決定 (上告審)/平成26年(行ツ)第294号等
大阪市長から懲戒免職処分を受けた同市技能職員の被上告人兼相手方(原告・被控訴人)らが、上告人兼申立人(大阪市・被告・控訴人)に対し、上記各処分はその理由としている事実の誤認に加え、裁量権の逸脱又は濫用の違法があるから無効であるとして、同各処分の取消しを求めた事案の上告審において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、また、本件申立ての理由によれば、本件は、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2014.11.25
損害賠償等請求事件(性同一性障害で入会拒否)
LEX/DB25504840/静岡地方裁判所浜松支部 平成26年9月8日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第627号
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた原告甲及び同人が代表取締役を務める原告会社が、株主会員制のゴルフ場を経営する被告会社及び同ゴルフ場の運営団体である被告クラブに対し、原告甲の性別変更を理由とする被告らの一連の行為は、憲法14条1項の趣旨等を包含する公序良俗に反し違法であると主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償金の支払いを求めた事案において、被告らによる入会拒否及び株式譲渡承認拒否は、憲法14条1項及び国際人権B規約26条の趣旨に照らし、社会的に許容し得る限界をこえるものとして違法であるとして、原告甲の請求を一部認容し、その余の請求及び原告会社の請求を棄却した事例。
2014.11.25
無免許危険運転致傷被告事件(危険運転罪で実刑判決 全国初適用)
LEX/DB25504881/札幌地方裁判所 平成26年9月2日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第532号
被告人は、公安委員会の運転免許を受けないで、平成26年6月7日午前4時頃、札幌市A区内の道路において、普通乗用自動車を運転し、もって無免許運転をするとともに、その頃、同所において、てんかんの影響により、その走行中に発作の影響によって意識障害に陥るおそれのある状態で、同車を運転し、もって自動車の運転に支障を及ぼすおそれのある病気の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、同日午前4時7分頃、同市B区内の道路において、てんかんの発作により意識喪失の状態に陥り、その頃、同所において、自車を対向車線に進出させ、折から対向進行してきた被害者(当時79歳)運転の普通乗用自動車右側面部に自車右前部を衝突させて、同人に加療約2か月間を要する見込みの第2、3腰椎圧迫骨折等の傷害を負わせたとして、被告人を懲役1年10月に処した事例。
2014.11.25
損害賠償請求控訴事件
(栃木県警警察官の発砲で死亡 中国人元研修生 損害賠償請求控訴事件)
LEX/DB25504814/東京高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (差戻控訴審)/平成26年(ネ)第428号
警察官が、中華人民共和国国籍で在留期間を経過して本邦に残留していた者に対して、挙動不審者としてした職務質問をしたところ、同人が途中で逃走したため、公務執行妨害の現行犯人として逮捕しようとした際に、けん銃を1回発射して同人を死亡させたため、同人の相続人である原告(控訴人)らが、前記警察官のけん銃の使用が警察官職務執行法7条所定の要件を満たさない違法なものであると主張して、被告(被控訴人)である栃木県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償の支払を求めたが、原判決は、前記警察官が自らの生命を守るためにやむを得ずに発砲したと認定するなどした上で、国家賠償法1条1項所定の違法はないとして、請求を棄却したため、原告らが控訴したところ、差戻し前控訴審は、原判決を変更して原告らの請求を一部認容したため、これを不服として被告が上告したところ、上告審は、差戻し前控訴審判決中の被告敗訴部分を破棄し、控訴審に差し戻した事案において、原告らの控訴をいずれも棄却した事例。