2014.12.16
勾留取消し請求却下の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25446798/最高裁判所第二小法廷 平成26年11月28日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第538号
刑事訴訟法367条が準用する刑事訴訟法366条1項は、刑事施設にいる被告人が上訴取下書等の書面を裁判所に提出する場合には、刑事施設の内部手続に時間を要し、被告人が意図した効果の発生時期が予想外のものになって法的安定性が害されることを防ぐため、書面による訴訟行為の効力発生時期について到達主義の例外を定めたものであるとし、刑事施設にいる被告人が、被収容者からの書面の受領を担当する刑事施設職員に対し、上訴取下書を交付し、同職員がこれを受領したときは、同項にいう「刑事施設の長又はその代理者に差し出したとき」に当たると解するのが相当であるとし、本件においては、神戸拘置所収容中の被告人は、平成26年10月14日午前8時55分、被収容者からの書面の受領を担当する刑事施設職員である看守部長に本件取下書を交付し、同看守部長がこれを受領しているから、この時点で本件取下書を刑事施設の長又はその代理者に差し出したものと認められ、原決定謄本が被告人に送達されるに先立ち、本件準抗告取下げの効力が生じたといえ、本件準抗告申立て事件の手続は、平成26年10月14日取下げによって終了し、これにより本件勾留取消し請求却下の裁判が確定したから、本件抗告の申立ては、その実益がなく、不適法であるとし、本件抗告を棄却した事例(補足意見あり)。