「LEX/DBインターネット」の「新着判例」コーナー
から、実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
ピックアップしてご紹介します。

その他の最新収録判例は、「LEX/DBインターネット」
ログイン後のデータベース選択画面にあります
「新着判例」コーナーでご確認いただけます。

「LEX/DBインターネット」の詳細は、こちらからご確認いただけます。

2014.12.16
公金支出差止等(住民訴訟)請求控訴事件(八ッ場ダム控訴事件)
LEX/DB25505060/東京高等裁判所 平成26年10月7日 判決 (控訴審)/平成22年(行コ)第300号
埼玉県の住民である控訴人らが、国の国土交通省を事業主体として利根川水系吾妻川に設置予定の多目的ダムである八ッ場ダムの建設事業について、同ダムは、治水上及び利水上の必要性がない違法な事業であり、同事業に関する負担金等の支出が違法であるなどとして、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、被控訴人埼玉公営企業管理者に対し、八ッ場ダムに関する特定多目的ダム法7条に基づく建設費負担金並びに水源地域対策特別措置法12条1項1号及び2号に基づく水源地域整備事業の経費負担金の各支出の差止めを求めた等の事案の控訴審において、特ダム法負担金納付通知を根拠とする被控訴人埼玉県公営企業管理者の特ダム法負担金の支出に関する行為は、その職務上負担する財務会計法規上の義務に違反する違法なものということはできない等として、控訴人らの本件控訴をいずれも棄却する等した事例。
2014.12.16
内海ダム再開発事業認定処分取消請求事件(第1事件)、内海ダム再開発工事収用裁決等取消請求事件(第2事件)
LEX/DB25505091/高松地方裁判所 平成26年10月6日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第9号等
参加人らが起業者となっている「二級河川別当川水系別当川内海ダム再開発工事並びにこれに伴う県道及び町道付替工事」の土地収用対象地内の土地所有者等及び立木所有者である原告らが、前記事業に係る事業認定が 土地収用法20条3号に違反するとして、被告国に対し、前記事業認定の取消しを求め(第1事件)るとともに、前記事業認定に係る権利取得裁決及び明渡裁決の対象とされた土地の所有者及び同土地内の立木や看板の所有者である原告らが、本件収用裁決に関し、前記事業認定に係る違法を承継するとして、被告である香川県に対し、本件収用裁決の取消しを求め(第2事件)た事案において、第1事件の一部の原告らの訴えを却下し、その余の各事件原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.12.16
江戸川区スーパー堤防事業取消請求控訴事件
LEX/DB25505059/東京高等裁判所 平成26年10月2日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第5号
本件地区内に土地又は建物を所有する者である控訴人らが、「東京都市計画事業北小岩一丁目東部土地区画整理事業(江戸川区スーパー堤防事業)に関する事業決定の取消しを求めた事案の控訴審において、本件都市計画決定に違法事由が認められないことは、原判決も認定判断するところであり、盛土整備の必要性があるとした被控訴人の判断が合理性を欠くものではなく、また、本件事業計画決定において、その基礎とされた重要な事実に誤認があるとか、事業に対する評価が明らかに合理性を欠いたり、判断の過程において考慮すべき事情を考慮しなかったことを認めるに足りる証拠はなく、その内容も、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くものであるとはいえないから、本件事業計画決定は被控訴人の裁量権の範囲を逸脱濫用するものではない等と示して、本件控訴をいずれも棄却した事例。
2014.12.16
恐喝被告事件(無罪言い渡し)
LEX/DB25505068/京都地方裁判所 平成26年10月1日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第352号
被告人が、自己が指定暴力団六代目山口組二代目弘道会D一家の若頭の地位にあることを利用し、かねてから同D一家を脱退することを希望していたAから、脱退を承認する見返りとして、会費の名目で現金を脅し取ろうと企てた等とされた恐喝被告事件の事案において、関係証拠を総合すると、AがD一家を脱退する見返りに被告人から本件要求を受けて現金を脅し取られていたというよりも、むしろ、D一家の企業舎弟として株式会社Eの経営等を行う対価として任意に会費を支払っていたと仮定するほうが、関係証拠により認められる事実関係を合理的に説明することができる等とし、被告人が本件要求行為を行ったと認めるにはなお合理的疑いが残るというべきであるとして、本件公訴事実については犯罪の証明がないことに帰するとして、刑事訴訟法336条により被告人に無罪を言い渡した事例。
2014.12.16
固定資産税賦課決定処分取消請求控訴事件
LEX/DB25505092/広島高等裁判所松江支部 平成26年9月29日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第9号
行政処分庁である益田市長が、土地の登記簿上の所有者である原告(控訴人)に対し、固定資産税賦課決定処分をしたところ、原告が、前記土地につき、固定資産税賦課手続において、対象土地が存在しない場合と同様に評価すべき事情があること、前記土地につき、地方税法343条4項の適用又は類推適用により、前記土地の使用者に対して固定資産税を課すべきであること、被告益田市(被控訴人)は、前記土地の登記簿上の所有者と真の所有者とが異なることを認識していること、を理由として、前記課税処分は違法であるとして、同処分の取消しを求めたところ、原審は請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、原判決を取り消し、請求を全部認容した事例。
2014.12.16
損害賠償請求、独立当事者参加控訴事件
LEX/DB25505089/高松高等裁判所 平成26年9月18日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第371号
亡A運転の車両と被告運転の車両が衝突した交通事故により、亡Aが死亡したことから、亡Aの唯一の相続人である原告(甲事件被控訴人・乙事件被参加人)B及び亡Aの母親である原告(甲事件被控訴人・乙事件被参加人)Cが、被告(甲事件控訴人・乙事件被参加人)に対し、民法709条及び自動車損害賠償責任保障法3条に基づき、原告Bは亡Aに生じた損害に関し、原告Cは固有の損害に関する損害賠償金の支払を求め(甲事件)るとともに、原告Cと自動車保険契約を締結していた参加人(乙事件被控訴人)が、原告らとの間において、原告らの被告に対する前記交通事故を原因とする損害賠償請求権の一部が参加人に属することを確認することを求め、被告との間において、原告らの被告に対する損害賠償請求権を代位取得したとして、前記損害賠償請求権の一部の支払を求めた(乙事件)ところ、甲事件の原告らの請求を一部認容し、乙事件の参加人の請求をいずれも棄却したため、被告がこれを不服として控訴した事案において、原判決を取り消し、原告らの請求を棄却した事例。
2014.12.16
株主総会決議取消等請求控訴事件(オリンパス株主総会決議取消等請求控訴事件)
LEX/DB25505084/東京高等裁判所 平成26年8月6日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1251号
控訴人(被控訴人の株式200株を有する株主)が被控訴人(オリンパス)に対し、平成23年定時株主総会決議について、不正な計算書類や連結決算書類等の報告を前提として行われたものであって、不存在である旨を主張して、会社法830条1項に基づき、その不存在確認を求めるとともに、平成24年臨時株主総会各決議について、(1)議長が控訴人による会計監査人出席の動議を取り上げなかった、(2)招集に当たって株主に提供された連結計算書類が不正な会計処理を含むものであった、(3)被控訴人の役員の説明に説明義務違反があった、(4)議長が質問を求める株主を無視した、(5)議長が株主の不当な発言を制止しなかったなど決議の方法が著しく不公正なときに当たる旨を主張して、会社法831条1項1号に基づき、その取消しを求めた事案の控訴審において、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから棄却するとした事例。
2014.12.09
殺人,死体遺棄被告事件(宮崎家族3人殺害事件)
LEX/DB25446772/最高裁判所第一小法廷 平成26年10月16日 判決 (上告審)/平成24年(あ)第736号
被告人が、自宅において、同居していた長男、妻及び義母の3名を殺害した上、勤務先の建築会社の資材置場の土中に長男の死体を遺棄した事案の上告審において、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、その刑事責任は誠に重大であり、被告人を死刑に処した第一審判決を維持した原判断は、当裁判所もこれを是認せざるを得ないとした事例。
2014.12.09
詐欺被告事件(宝石店元専務 架空投資詐欺事件)
LEX/DB25504981/名古屋高等裁判所 平成26年10月15日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第179号
被告人が、その経営するA社が信用金庫から融資を受けるに当たり、県保証協会と市保証協会の各担当者を欺いて、各3500万円の信用保証をさせ、B社への投資名目で、前後3回にわたりCから現金をだまし取った事実につき、懲役3年が言い渡されたため、被告人が控訴した事案において、本件保証詐欺の事案は、両保証協会の担当者らに対し、A社の財務状況について著しい虚偽を告げて、高額の信用保証をさせるに至ったというものであり、多額の損害が現実化しており、本件各信用保証を受けることについては、A社の運転資金等を確保するため、あえて不正な手段で信用保証を得たという経緯、動機に、特に酌むほどのものがあるともいい難く、原判決の量刑が重過ぎて不当であるとは認められないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.09
わいせつ図画販売幇助、わいせつ図画販売・頒布幇助、わいせつ図画販売各被告事件
(日本ビデオ倫理協会裁判)
LEX/DB25446771/最高裁判所第三小法廷 平成26年10月7日 判決 (上告審)/平成24年(あ)第1080号
アダルトビデオの自主審査機関(日本ビデオ倫理協会)の元審査員であった被告人らが、アダルトDVDの適切な審査を怠ったとして、わいせつ図画販売幇助罪等で起訴された事案の上告審において、本件各上告趣意のうち、わいせつ図画の販売を禁じた刑法175条の規定が、憲法21条に違反するとの被告人側の主張を斥け、本件各上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504990/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1765号等
いわゆる光市母子殺害事件の被告人である原告(被控訴人、控訴人、上告人兼申立人)が、原告の実名掲載を伴う書籍の著者及び出版者である被告ら(控訴人、被控訴人、被上告人兼相手方)に対し、本件書籍の出版差し止め等を求め、本件書籍をめぐる原告らの発言等によって、名誉権を侵害され、精神的損害を被ったとして、本件書籍の著者である被告P1が、原告らに対し、損害賠償を求めたところ、原判決が、原告の請求を一部認容した第一審判決を取り消し、同請求を棄却したため、原告が上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504988/最高裁判所第三小法廷 平成26年9月24日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第963号
被告人が、Eを殺害する目的で、E方離れに無施錠の玄関から侵入し、Eに対し、殺意をもって、あらかじめ用意していたナイフで左胸部を数回突き刺すなどし、よって、Eを左肺刺創による失血により死亡させて殺害し、業務その他正当な理由による場合でないのに、前記ナイフを携帯した事実につき、原判決が、懲役16年を言い渡した第一審判決を維持し、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、弁護人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504987/最高裁判所第二小法廷 平成26年9月17日 決定 (上告審)/平成26年(あ)第401号
被告人が、A社代表取締役Bが看守する会社事務所に侵入し、同人管理の現金を窃取し、現金を窃取する目的でC方居宅に侵入し、台所にあった包丁を目にするや、本件包丁を用いて、同居宅にいる人を脅して現金を強取しようと決意し、Cに対し脅迫を加え現金を強取しようとした際、同人から抵抗を受けるなどしたため、殺意をもって、同人の頸部等を包丁で突き刺すなどし、同人を失血により死亡させて殺害するなどした事実につき、原審が、無期懲役を言い渡した第一審判決を維持し、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、弁護人の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
覚書無効確認請求控訴事件(西いぶり広域連合 VS 三井造船(株)(株)日本製鋼所)
LEX/DB25504983/札幌高等裁判所 平成26年9月16日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第169号
地方公共団体の広域連合である原告(控訴人)が、その設置に係るごみ処理施設について、多額の保守管理費が発生しているのは、本件施設の建設を請け負った被告ら(被控訴人)において、その建設請負契約上保証した性能を満たしていないことによるものであって、いまだその保証期間は満了しておらず、同契約に基づく被告らの性能保証責任は存続しているなどと主張して、被告らが上記性能保証責任を負っていることの確認を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、被告らの性能保証責任が存続していること自体を確認したとしても、保守管理費の増加分が性能保証事項の違反による追加費用に当たるか否かという本質的な問題が解決されず、本件紛争の直接的かつ抜本的な解決とはならないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504986/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月11日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第804号等
アメリカ軍用機B29等による空襲依頼、日本各地の住宅密集地に対して行われた空襲によって被災した者あるいはその親族である原告ら(控訴人、上告人)が、被告(被控訴人、被上告人)に対し、被告が原告ら空襲被害者を何ら救済せず放置したことは立法義務に違反するものであり、国家賠償法上の違法な公権力の行使(立法不作為)に当たると主張して、損害賠償等を求めたところ、原判決が、請求を棄却した第一審判決を維持したため、原告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するもの又はその前提を欠くものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
 
LEX/DB25504979/最高裁判所第二小法廷 平成26年9月5日 決定 (上告審)/平成25年(行ツ)第388号等
町議会議員であった原告(控訴人、被上告人兼相手方)が、除名処分を受けたところ、同処分は違法であるとしてその取消しを求めるとともに、同処分により名誉を毀損されたとして、被告(被控訴人、上告人兼申立人)に対し、損害賠償等を求めたところ、原判決が、請求を棄却した第一審判決を変更し、請求を一部認容したため、被告が上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2014.12.09
建造物侵入、現住建造物等放火、殺人未遂、公務執行妨害被告事件(宝塚市役所放火事件)
LEX/DB25504985/大阪高等裁判所 平成26年7月1日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第313号
被告人が、固定資産税等を滞納したことにより、預金債権の差押えを受けたことに不満を持ち、職員に対し危害を加える旨告知して脅迫し、同人らの職務の執行を妨害し、市役所庁舎でポリタンクの中に入ったガソリンをまき散らすなどして火を放ち、室内の床等を焼損するとともに、ガソリンの入ったワインボトルが当たったGらに傷害を負わせたが、殺害するに至らなかった事実につき、懲役18年が言い渡されたため、被告人が控訴した事案において、被告人は、当時、本件庁舎内で火を放てば、Gらを含む多数の職員らが死ぬかもしれないことを認識しながら、それでも構わないと考えて、あえて、火を放ったものであって、Gらに対する包括的な未必の殺意を認めることができるから、死亡する具体的な危険の生じたGらに対する各殺人未遂罪を認めた原判決の判断は正当であるとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.09
保護責任者遺棄致死被告事件(1歳男児放置死事件)
LEX/DB25504984/大阪高等裁判所 平成26年6月3日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第1483号
被告人が、子(当時1歳7か月)が高熱を出し、その後も容体が回復しないのを認めていたが、同児に適切な医療措置を受けさせず、気管支肺炎により死亡させた事実につき、懲役5年が言い渡されたため、控訴した事案において、被告人の刑事責任は、幼児等を疎んじて、長期間にわたって食事等を与えなかった結果、幼児等を死亡させるように至ったような事案よりは軽いものの、平素は普通に養育していた者が、一時的に保護責任を尽くさなかったような事案よりは重いのであって、法定刑の下限よりは、ある程度重い刑を科すのが相当であるとした原判決の認定及び評価が誤っているとはいえず、その結果としての量刑判断もやむを得ないものであって、これが重すぎて不当であるとはいえないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.02
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」H27.2月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446783/最高裁判所大法廷 平成26年11月26日 判決 (上告審)/平成26年(行ツ)第78号等
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人である被上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、本件定数配分規定の下で、選挙区間における投票価値の不均衡は、平成24年改正法による改正後も前回の平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが、本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとして、原審各判決を破棄し、被上告人らの請求を棄却した事例(補足意見及び反対意見がある)。
2014.12.02
選挙無効請求事件
LEX/DB25446784/最高裁判所大法廷 平成26年11月26日 判決 (上告審)/平成26年(行ツ)第155号等
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である原審原告らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、本件定数配分規定の下で、選挙区間における投票価値の不均衡は、平成24年改正法による改正後も前回の平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが、本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとして、原審被告らの上告に基づき、原判決を変更して、原審原告らの請求を棄却し、原審原告らの上告を棄却した事例(補足意見及び反対意見がある)。