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2015.03.03
株主総会決議取消請求事件
LEX/DB25447075/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第650号
被告(被控訴人・上告人)の株主である原告(控訴人・被上告人)らが、被告の臨時株主総会で行われた決議について、準共有株式について権利行使者の定めがなく、準共有者間においても権利行使を認めたこと等の決議方法について法令違反の瑕疵があるなどと主張して、その取消しを求めたところ、請求が棄却されたため、原告らが控訴し、控訴審では、会社法106条ただし書きを、会社側の同意さえあれば、準共有状態にある株式について、準共有者中の1名による議決権の行使が有効になると解することは、準共有者間において議決権の行使について意見が一致していない場合において、会社が、決議事項に関して自らにとって好都合の意見を有する準共有者に議決権の行使を認めることを可能とする結果となり、会社側に事実上権利行使者の指定の権限を認めるに等しく、相当とはいえないとして、第一審判決を取り消し、原告らの請求を認容したため、被告が上告した事案において、本件議決権行使は、各共有者の持分の価格に従いその過半数で決せられているものとはいえず、民法の共有に関する規定に従ったものではないから、被告がこれに同意しても、適法となるものではないとし、本件各決議は、決議の方法が法令に違反するものとして、取り消されるべきものであるとして、これと結論を同じくする原審の判断は、是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2015.03.03
 
LEX/DB25505631/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1342号等
急性心筋梗塞及び急性心不全により死亡したαの長男である原告(控訴人・上告人兼申立人)が、被告(被控訴人・被上告人兼相手方。厚生農業協同組合連合会)に対し、診療契約上の債務不履行として、被告の経営する被告病院に勤務していた医師が、αについて急性心筋梗塞の発症を疑い、被告病院において心電図及び血液検査の経時的観察をし、又は、急性心筋梗塞の診断及び治療が可能な病院へ転送すべき義務があったのにこれを怠ったため、急性心筋梗塞の発見が遅れ、これによりαが死亡したと主張して、αが死亡により被った損害の賠償を求めたところ、第一審判決及び控訴審判決は原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却し、また、上告受理申し立てにつき、上告審として受理しないと決定した事例。
2015.03.03
大崎事件(再審請求棄却)
LEX/DB25505606/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 2日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第408号
殺人、死体遺棄事件(いわゆる大崎事件)で懲役10年に処せられ確定判決を受けた請求人が、第2次再審請求をしたところ、地裁がした再審請求棄却決定に対し、十分な審理を行わず、新証拠の明白性判断の手法を誤り、新証拠の証拠評価を誤ったものであるので、原決定が取り消されたため、再審を開始する決定を求めた即時抗告審では、本件において提出された新証拠は、これを確定審及び第1次再審までに提出された全証拠を併せて総合評価しても、確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせるには足りないのであって、無罪と認めるべき明らかな証拠とはいえず、刑事訴訟法435条6号所定の再審事由があるとはいえないとし、なお、原審の審理不尽をいう点については、当審において、検察官に対し証拠開示の勧告をし、また、3名の証人尋問をしているから、その判断をするまでもなく、抗告の理由がないとして、即時抗告を棄却したため、申立人が特別抗告の申立てをした事案において、本件抗告の趣意は、刑事訴訟法433条の抗告理由に当たらないとし、本件抗告を棄却した事例。
2015.03.03
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反被告事件(クラブ「NOON(ヌーン)」事件)
「新・判例解説Watch」H27.5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25505605/大阪高等裁判所 平成27年 1月21日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第705号
被告人は、設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるクラブを経営するものであるが、共犯者と共謀の上、大阪府公安委員会から風俗営業の許可を受けないで、不特定の来店客にダンスをさせ、かつ、酒類等を提供して飲食させ、もって許可を受けないで風俗営業を営んだとして、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反として起訴された第一審判決で、風営法2条1項3号に定める「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」の意義について、形式的にその文言に該当するだけでなく、「その具体的な営業態様から、歓楽的、享楽的な雰囲気を過度に醸成し、わいせつな行為の発生を招くなどの性風俗秩序の乱れにつながるおそれが、単に抽象的なものにととまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められる営業を指す」との限定的な解釈を行った上で、被告人の本件営業はこれに該当しないとして、無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、原判決は、3号営業に対する規制目的を性風俗秩序の維持と少年の健全育成に限定し、他の規制目的を考慮していないと解される点で相当でなく、また、3号営業の解釈自体においても、3号営業に対する事前許可性と両立し難い不適当な基準を定めた点で、法令の解釈適用を誤ったものではあるが、ダンスをさせる営業をその態様を問わず一律に規制対象とすることは合理性を欠くと解釈したことは相当であり、本件公訴事実について3号営業を営んだことに当たらないため犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した原判決の結論は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.03
仮の差止め申立てについてした決定に対する抗告事件(タクシー運賃訴訟 エムケイほかVS国)
LEX/DB25505587/大阪高等裁判所 平成27年 1月 7日 決定 (抗告審)/平成26年(行ス)第29号
タクシー事業を営む相手方(申立人)らが、近畿運輸局長に届け出た運賃について、公定幅運賃の範囲内に無いことを理由として、特措法16条の4第3項に基づく運賃変更命令、同変更命令違反を理由とする輸送施設の使用停止又は事業許可の取消処分を受けるおそれがあるとして、同処分等の仮の差止めを求め、原審は、仮の差止めを認め、抗告人(相手方。国)が抗告をした事案において、原決定を維持し、抗告を棄却した事例。
2015.03.03
業務上過失致死被告事件(インプラント手術 患者死亡)
LEX/DB25505527/東京高等裁判所 平成26年12月26日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第688号
歯科医師である被告人が、歯科インプラント手術を実施した際、下顎の舌側口腔底にはオトガイ下動脈等の血管が走行しており、その損傷の危険性を認識した上、これらの血管を損傷しないように、ドリルを挿入する角度と深度を適切に調整してインプラントの埋入窩を形成しなければならない業務上の義務があったのにこれを守らなかったために、出血により口腔底等に発生した血腫によって気道閉塞を生じさせて患者(当時70歳)を窒息させ、窒息に起因する低酸素脳症と多臓器不全により死亡させたとされた業務上過失致死被告事件の控訴審において、被告人が、オトガイ下動脈をドリルで挫滅させるなどし、出血により口腔底等に発生した血腫により気道閉塞を生じさせて患者を死亡させたこと、被告人にはインプラント手術における業務上の過失があり、その過失と患者の死亡との間には因果関係があることを認め、被告人を有罪とした原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.03
損害賠償請求事件(球団代表解任事件 巨人側勝訴)
LEX/DB25505533/東京地方裁判所 平成26年12月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第39107号等
原告巨人軍が、被告Y1において、第2事件被告Y2のしたコンプライアンス違反の行動を是正するためと称して記者会見を行い、その場で原告巨人軍の名誉及び信用を毀損する発言をし、また、原告巨人軍の秘密事項を公表したことが、取締役としての善管注意義務及び忠実義務に違反すると主張して、被告Y1に対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき損害賠償を求めた等の第1事件と被告Y1が原告巨人軍が被告Y1を取締役から解任したことに正当な理由があるとはいえないと主張して、原告巨人軍に対し、会社法339条2項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を求めた等の第2事件からなる事案において、被告Y1が第1記者会見を実施したこと、江川招聘案という原告巨人軍の秘密事項を同原告に無断で公表したことはいずれも原告巨人軍に対する善管注意義務違反を構成する等として、第1事件に係る原告らの請求を一部認容し、被告Y1の請求を棄却した事例。
2015.03.03
損害賠償等請求事件((株)読売巨人軍VS(株)日本ジャーナル出版)
LEX/DB25505538/東京地方裁判所 平成26年12月17日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第16727号
原告読売巨人軍が、被告の発行する週刊誌Jに掲載された記事によって名誉を毀損されたとして、被告に対し、不法行為による損害賠償を求めるとともに、原告の名誉回復のための適当な処分として謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件第1記事の本件記述の一部については、いずれも原告の社会的評価を低下させるものであるから、被告はこれについて不法行為による損害賠償責任を負うとして、上記各記述の内容や本件各記事作成のために行われた取材の程度等本件に顕れた一切の事情を考慮すれば、被告の名誉毀損行為により原告の被った無形の損害に対する損害賠償としては200万円をもってするのが相当であるとしつつ、本件において金銭賠償に加え、謝罪広告を命じるまでの特段の必要性があるとまではいえないとして、原告の請求を一部認容した事例。
2015.03.03
京都消費者契約ネットワークほか VS NTTドコモほか
LEX/DB25505628/最高裁判所第一小法廷 平成26年12月11日 決定 (上告審)/平成25年(受)第548号
消費者契約法13条に基づき基づき内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体の原告(控訴人・申立人)が、被告(電気通信事業等を目的とする会社。被控訴人・相手方)が不特定多数の消費者との間で携帯電話利用サービス契約を締結する際に現に使用しており今後も使用するおそれのある解約金に関する条項は消費者契約法9条1号又は消費者契約法10条に該当して無効であると主張して、消費者契約法12条3項に基づき、当該条項の内容を含む契約締結の意思表示の差止めを求めた(甲事件)、及び被告との間で上記条項を内容に含む携帯電話利用サービス契約を締結し、同条項に基づく違約金を被告に対して支払った乙事件原告(個人。控訴人・申立人)らが、上記条項が無効であると主張して、不当利得に基づき、それぞれ利得金9975円又は1万9950円の返還及び遅延損害金の支払を求めた(乙事件)ところ、甲乙事件とも原告らの請求を棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、本件更新後解約金条項について、消費者契約法9条1号及び消費者契約法10条に反するとはいえないとし、第一審判決は相当であるとして、控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件を上告審として受理しないとした事例。
2015.03.03
(株)ファーストリテイリングほかVS(株)文藝春秋
LEX/DB25505465/最高裁判所第三小法廷 平成26年12月 9日 決定 (上告審)/平成26年(受)第1212号
カジュアル衣料品の製造型小売業を運営する原告ら(控訴人・申立人)が、被告(被控訴人・相手方)の発行した週刊誌及び書籍において、原告らの店舗の店長らが苛烈な労働環境にあり、原告らが取り扱っている製品の製造を委託している海外生産工場において劣悪で過重な労働が行われているにもかかわらず、原告らがこれを黙認しているという事実が摘示され、これにより原告らの名誉及び信用が毀損されたと主張して、被告に対し、書籍の発行頒布の禁止等を求めたところ、原判決が、一部を却下、一部を棄却した第一審判決を維持し、控訴を棄却したため、原告らが上告受理の申立てをした事案において、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとした事例。
2015.03.03
市町村長処分不服申立事件(裁判所ウェブサイト掲載事件の原審)
LEX/DB25505583/津家庭裁判所松坂支部 平成26年 3月24日 審判 (第一審)/平成25年(家)第911号
申立人らが、申立人夫婦の間に出生した申立人娘の出生届を松阪市に提出したところ、娘の名に「巫」の字があるが、戸籍法50条、戸籍法施行規則60条に定める文字ではないので、子の名に使用することはできないといわれたため、名を未定として出生届を提出し、その後、出生届の追完届を提出したが、同じ理由で不受理処分を受けたことから、相手方松阪市長に対し、出生届の追完届を受理するよう求めた市町村長処分不服申立ての事案において、「巫」の字をこの名前に使用したとしても、戸籍法50条が防止しようとする弊害を生じる事態を想定することは困難であり、同字は、社会通念上明らかに常用平易な文字に該当するとして、申立てを認め、市長に追完届の受理を命じた事例。
2015.02.24
求償金等請求事件
「新・判例解説Watch」H27.4月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447066/最高裁判所第三小法廷 平成27年2月17日 判決 (上告審)/平成24年(受)第1831号
一審被告(控訴人兼被控訴人・上告人)Y1の銀行からの借入債務につき信用保証委託を受け代位弁済した一審原告(被控訴人兼控訴人・被上告人)が、一審被告Y1に対しては、同額の事後求償権又は事前求償権に基づき、一審被告Y2に対しては、その連帯保証契約に基づき、連帯して求償金の支払を求めたところ、第一審では、事後求償請求を認容し、事前求償請求を棄却したため、一審原告及び一審被告らが双方控訴し、控訴審では、事前求償権を被保全債権とする仮差押えは、民法459条1項後段の規定に基づき主たる債務者に対して取得する事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有するなどとして、一審原告の請求を認容すべきものとしたため、一審被告らが上告した事案において、原審の判断は正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2015.02.24
(住民勝訴確定 前白井市長専決は違法)
LEX/DB25505496/最高裁判所第一小法廷 平成27年1月15日 決定 (上告審)/平成26年(行ツ)第13号等
千葉県白井市の住民である被上告人兼相手方(原告・被控訴人)らが、元同市市長であったAにおいて、その在任中、地方自治法179条1項の要件がないにもかかわらず、違法な専決処分により、北総鉄道に補助金を支出する旨の債務負担行為を行った旨主張して、同市市長である上告人兼申立人(被告・控訴人)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、〔1〕A元市長に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、上記支出に係る2363万2000円及びその振込手数料並びにこれらに対する遅延損害金の支払、〔2〕北総鉄道に対し、不当利得返還請求権に基づき、上記補助金として利得した2363万2000円及びこれに対する利息の支払をそれぞれ請求することを求めた事案の上告において、本件上告の理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとし、また、本件申立ての理由によれば、本件は、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2015.02.24
憲法違反及び無効確認等請求事件(集団的自衛権巡る訴え)
LEX/DB25505492/東京地方裁判所 平成26年12月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第17722号
原告が、内閣総理大臣及びその他の国務大臣である被告らが行った平成26年7月1日付け「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定(本件閣議決定)のうち「3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置」の部分が憲法9条に違反し無効であることの確認を求める(本件無効確認の訴え)とともに、被告らが本件閣議決定をしたことにより原告の憲法上の権利が侵害されたと主張して、被告らに対し、連帯して、不法行為(民法709条、民法710条)に基づき、慰謝料10万円の支払を求めた(本件損害賠償請求)事案において、本件閣議決定のうち、「3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置」の部分によって、原告の権利義務に直接の影響が生ずるものとは認められないから、本件無効確認の訴えは、原告と被告らとの間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争とはいえず、法律上の争訟に当たらないとし、また、公権力の行使として職務を行った公務員である被告らが、個人として民法709条に基づく損害賠償責任を負うことはないとして、原告の本件無効確認の訴えは、いずれも不適法であるからこれを却下し、本件損害賠償請求は、いずれも理由がないからこれを棄却するとした事例。
2015.02.24
請求異議事件(諫早湾干拓事業訴訟 国の請求退ける)
LEX/DB25505419/佐賀地方裁判所 平成26年12月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第7号
原告が、佐賀地裁判決及び福岡高裁判決の本件確定判決によって排水門の解放を求める請求権を認容された者及びその相続人らである被告らに対し、潮受堤防の公共性ないし公益上の必要性は現時点においても失われていない、あるいは「防災上やむを得ない場合」に当たることから、開門請求権の行使を認めるべき違法性は現時点においても認められず、前記各排水門を解放するための強制執行は許されないこと、別件仮処分決定により原告が前記各排水門の解放禁止義務を負っていることからすれば、別件仮処分決定がされたことが独立の異議事由にあたること、これらの事情に鑑みれば強制執行は権利の濫用又は信義則違反に当たること、漁業協同組合を脱退したことにより漁業行使権に基づく開門請求権を失ったことが異議事由に当たる等と主張して、前記確定判決に基づく強制執行の不許を求めた事案において、前記相続人らに対する訴えについては被告適格を欠くとして一部却下し、漁業行使権を失った被告らに対する請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却した事例。
2015.02.24
更正処分等取消請求控訴事件((有)三貴工業ほかVS国)
LEX/DB25505497/名古屋高等裁判所 平成26年12月11日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第49号
原告(被控訴人)らが総勘定元帳に計上した外注費を法人税の所得金額の計算上、損金の額に計上し、消費税及び地方消費税の計算上、課税仕入れに係る支払対価の額に含めてそれぞれ確定申告したところ、処分行政庁(大垣税務署長)が上記外注費が架空の原価であり、損金の額に算入できず、課税仕入れに係る支払対価の額に含まれるものではないとして、更正処分等をしたことから、原告らが、被告(控訴人。国)に対し、これら処分の取消しを求めたところ、原告の請求を認容したため、被告が控訴した事案において、法人税法の損金算入や消費税法上の仕入税額控除の可否に関する立証責任の所在に関し、控訴人が主張する理解を前提にしても、本件については、更正処分時に存在した資料等に基づいて本件外注費を損金に算入し、仕入税額控除の対象とすることができないことが事実上推認できる場合とはいえない等として、本件外注費が架空のものであることを前提とする本件各処分を取り消すべきものとした原判決を支持して、本件控訴を棄却した事例。
2015.02.24
準強姦被告事件 (無罪)
LEX/DB25505426/福岡高等裁判所宮崎支部 平成26年12月11日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第20号
被告人が、自ら主催するゴルフ教室の生徒である被害者(当時18歳)を、ゴルフ指導の一環との口実でホテルの一室に連れ込み、恩師として信頼していた被告人の言動に強い衝撃を受けて極度に畏怖・困惑し、思考が混乱して抗拒不能の状態に陥っている被害者を、その旨を認識しながら姦淫したとする準強姦被告事件において、原審は、被害者が被告人との性交を拒否しなかった原因としては、信頼していた被告人から突然性交を持ちかけられたことによる精神的混乱により抗拒不能に陥っていた可能性がある一方で、そのような精神的混乱はあったものの、その程度は抗拒不能に陥るほどではなく、自分から主体的な行動を起こさなかった可能性も排斥できず、被害者が抗拒不能状態であったことの合理的な疑いを超える証明はできていないとして無罪を言い渡したため、検察官の職務を行う指定弁護士が控訴した事案において、被告人を無罪とした原判決は結論において正当であるとし、控訴を棄却した事例。
2015.02.24
損害賠償請求控訴事件(地盤沈下 広島市に損害賠償請求 控訴棄却)
LEX/DB25505422/広島高等裁判所 平成26年12月10日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第123号
被告(被控訴人。広島市)が行った下水道工事が原因で原告(控訴人)の所有地が地盤沈下し、同土地上の原告所有建物に損傷が生じたとの理由で、原告が被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、前記建物の立替費用相当額の損害賠償金の支払を求めたところ、原審は、原告の請求を棄却したため、原告がこれを不服として控訴した事案において、原判決は相当であるとし、控訴を棄却した事例。
2015.02.24
損害賠償等請求控訴事件(浜千鳥リサイクルVS三重県紀北町)
LEX/DB25505500/名古屋高等裁判所 平成26年11月26日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第706号
一審原告が旧紀伊長島町内において産業廃棄物中間処理施設を設置しようとしていたところ、旧紀伊長島町長から本件条例に基づき本件施設を含む事業場について、旧紀伊長島町の水道水源に影響を及ぼすおそれがあるとして本件条例2条5号所定の規制対象事業場と認定する本件処分を受けたが、その後、本件処分を取り消す旨の判決が確定したため、一審原告が、一審被告に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審において、原判決と異なり、一審原告の本訴請求のうち主位的損害は理由がなく、予備的損害について、町長が違法に本件処分をしたことにより一審原告が、本件施設について本件事業計画を実現可能な規模や内容のものに変更して設置し稼働することができなくなり、無用となったもので損害と認めることができるとして、F社に支払った費用等の一部で理由があるとして、一審被告の控訴に基づき、原判決を変更した事例。
2015.02.24
自動車運転過失傷害、道路交通法違反被告事件(無罪)
LEX/DB25505501/札幌地方裁判所 平成26年10月17日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第695号
被告人運転車両が本件横断歩道上を進行していたところに、同横断歩道を駆け足で渡っていたAが同車両右側面の運転席ドア付近に衝突しその場に転倒した本件事故につき、Aが被告人運転車両との衝突ないし接触により傷害を負ったかどうかが争われた自動車運転過失傷害、道路交通法違反被告事件の事案において、Aに本件診断書に記載されたとおりの傷害結果が生じたことについては,合理的な疑いが残るといわざるを得ず、すなわち、本件事故により、Aが公訴事実第1記載の傷害を負ったと認めることはできないとして、本件公訴事実第1については、本件事故による傷害の事実が認められず、本件公訴事実第2についても、被告人は、救護義務及び報告義務の前提となる交通事故を起こしたとは認められず、本件公訴事実のいずれについても犯罪の証明がないことになるから、刑事訴訟法336条により、被告人に無罪を言い渡した事例。