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2015.03.10
営業停止処分取消請求事件(最高裁初判断 加重処分は取り消し請求可)
LEX/DB25447098/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月 3日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第225号
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項7号のぱちんこ屋の営業に該当する風俗営業を営む上告人が、北海道函館方面公安委員会から風営法26条1項に基づく営業停止処分を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、同処分は違法であると主張して、その取消しを求めたところ、原審では、上告人が、処分の効果が期間の経過によりなくなった後においてもなお処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者(行政事件訴訟法9条1項)には当たらないとし、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るときは、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても、当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものと解するのが相当であるとし、上告人は、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準である本件規程の定めにより将来の営業停止命令における停止期間の量定が加重されるべき本件処分後3年の期間内は、なお本件処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものというべきであり、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、本件処分の違法事由の有無につき審理させるため、本件を第一審に差し戻すべきであるとした事例。
2015.03.10
懲戒処分無効確認等請求事件(セクハラ発言、降格の処分は妥当)
LEX/DB25447084/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月26日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1310号
被告(被控訴人・上告人)の男性従業員である原告(控訴人・被上告人)らが、それぞれ複数の女性従業員に対して性的な発言等のセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)等をしたことを懲戒事由として上告人から出勤停止の懲戒処分を受けるとともに、これらを受けたことを理由に下位の等級に降格されたことから、被告に対し、前記各出勤停止処分は懲戒事由の事実を欠き又は懲戒権を濫用したものとして無効であり、前記各降格もまた無効であるなどと主張して、前記各出勤停止処分の無効確認や前記各降格前の等級を有する地位にあることの確認等を求めていた事案において、第一審判決では、原告らの請求を棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、第一審判決を変更し、原告らの請求をそれぞれ一部認容したため、被告が上告した事案において、被告が原告らに対してした前記各出勤停止処分を理由とする各降格は、被告において人事権を濫用したものとはいえず、有効なものというべきであるとして、これと異なる控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中被告敗訴部分は破棄し、原告らの各請求は理由がなく、これらをいずれも棄却した第一審判決は正当であるとし、上記の部分につき、原告らの控訴を棄却した事例。
2015.03.10
保険金請求控訴事件
LEX/DB25505804/東京高等裁判所 平成27年 2月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5431号
亡甲の相続人である原告(控訴人)らが、被告(被控訴人。独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構)に対し、亡甲と被告との間の終身保険契約に基づく生命保険金及び遅延損害金の支払いを求めたところ、原告らの請求をいずれも棄却したため、これを不服とする原告らが控訴を提起し、原告らの保険金及び遅延損害金支払請求を認容するよう求めるとともに、選択的併合にかかる請求として、説明義務違反に基づく損害賠償請求及び遅延損害金請求を追加した事案において、原告らの請求を棄却した原判決は正当であるとして、本件控訴をいずれも棄却し、原告らの控訴審における追加請求も棄却した事例。
2015.03.10
訴訟終了宣言の決定に対する不服申立て事件
LEX/DB25447085/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月24日 決定 /平成27年(す)第109号
申立人の上告取下げに伴い当裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立てであるところ、終審である最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対しては不服申立てをすることが許されないから、本件申立ては不適法であるとして、棄却した事例。
2015.03.10
裁判の執行に関する異議申立て事件
LEX/DB25447083/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月23日 決定 (異議審)/平成26年(す)第765号
申立人に対する窃盗被告事件について、名古屋高等裁判所金沢支部がした第1審及び控訴審の各訴訟費用負担の裁判並びに当裁判所がした上告審の訴訟費用負担の裁判の執行に関する刑事訴訟法502条による異議申立ての事案において、検察官は、訴訟費用負担の裁判について、刑事訴訟法472条の執行指揮をし、これに基づき、徴収担当事務官が、申立人に対し納付告知書及び督促状を送付しており、これらは、検察官の執行指揮の内容を告知し納付を催促するため、徴収事務を制度化した徴収事務規程(平成25年3月19日法務省刑総訓第4号)に基づき、検察官の命により送付されたものであり、刑事訴訟法502条の「執行に関し検察官のした処分」であると解すべきであって、刑事訴訟法490条1項による徴収命令の出される前であっても、訴訟費用負担の裁判の執行に対する異議の申立てをすることができるが、所論は、単に支払能力がないため訴訟費用の免除を求めるというものにすぎず、訴訟費用負担の裁判の執行に関し検察官のした処分の不当をいうものではないから理由がないとし、本件申立てを棄却した事例。
2015.03.10
損害賠償請求、共同訴訟参加申立控訴事件
LEX/DB25505769/高松高等裁判所 平成27年 2月 6日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第351号
被告(被控訴人)補助参加人の株主である原告及び参加原告(控訴人)らが、補助参加人の取締役である被告(被控訴人)に対し、関連会社α社においては簿外借入によって債務超過を隠蔽する粉飾決算が行われていたにもかかわらず、この簿外借入による粉飾決算の事実を看過した被告の善管注意義務違反により、関連会社α社の決算が粉飾ではなく、正当な決算であることを前提とする評価額での本件株式取得がされてしまい、その結果、補助参加人には、少なくとも4億8300万円の損害が生じたとして、会社法423条1項及び会社法847条に基づき、同損害金及び遅延損害金を補助参加人に支払うよう求めた責任追及等の訴え(株主代表訴訟)をしたところ、原審は、控訴人らの請求はいずれも理由がないと判断し、請求をいずれも棄却するとの判決を言い渡したところ、控訴人らがこれを不服として控訴した事案において、原告及び参加原告らの請求は、いずれも理由がないと判断した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.10
日航航空地位確認訴訟(パイロット解雇)
LEX/DB25505802/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1702号等
被告(被控訴人・被上告人兼相手方。航空会社)がその従業員である原告(控訴人・上告人兼申立人。運航乗務員)らを整理解雇したところ、原告らが、整理解雇は無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び解雇後の賃金等の支払いを求めたとこと、第一審判決では、地位確認請求をいずれも棄却し、金銭請求については、一部の原告らの請求を一部認めたため、当事者双方が控訴し、控訴審判決では、当該解雇は、整理解雇の要件を充足していて、管財人が有する権限を濫用したものとも、また不当労働行為とも認めることができず、これを無効と言うことはできないから、第一審判決は相当であるとして、控訴及び附帯控訴をいずれも棄却したため、原告らが上告した事案において、本件上告の理由は、民事訴訟法312条1項又は2項の各規定する事由に該当しないとして上告を棄却し、また、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告審として不受理決定した事例。
2015.03.10
日航航空地位確認訴訟(客室乗務員解雇)
LEX/DB25505801/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月 4日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1523号等
被告(被控訴人・被上告人兼相手方。航空会社)の前身である訴外会社は、会社更生手続が終結しているところ、原告(控訴人・上告人兼申立人)らは、客室乗務員として訴外会社に勤務し、労働組合の組合員であったが、訴外会社の更生手続開始前に解雇されたが、被告に対し、解雇は無効である旨主張して、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、各賃金相当額の支払いを求めたところ、第一審判決は、請求をいずれも棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、解雇に係る人員削減実行の必要性を認め、その実施目的、実施規模、実施時期のいずれについても、管財人に委ねられた合理的な経営判断の下でされたものと認められるなどとして、控訴をいずれも棄却したため、原告らが上告した事案において、本件上告の理由は、民事訴訟法312条1項又は2項の各規定する事由に該当しないとして上告を棄却し、また、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告審として不受理決定した事例。
2015.03.10
初度費請求控訴事件(富士重工業(株)VS国)
LEX/DB25505767/東京高等裁判所 平成27年 1月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1806号
被控訴人(一審被告。国)と戦闘ヘリコプターの製造請負契約を締結したが控訴人(一審原告)が、被控訴人に対し、(1)主位的に、被控訴人との間の本件初年度負担合意に基づいて、未払初年度費等351億2394万1336円及び遅延損害金の支払を、(2)予備的に、不法行為に基づく損害賠償請求として、386億3633万5470円のうち、351億2394万1336円及び遅延損害金の支払をそれぞれ求めたところ、原判決が控訴人の請求をいずれも棄却したので、控訴人がこれを不服として控訴した事案において、本件戦闘ヘリコプターの調達中止に関して、控訴人に著しく不誠実な行為や重大な過誤があったとは認められず、仮に過失があったとしても、被控訴人が本件前提を実行しないことに正当な理由があったとはいえないから、被控訴人が本件初年度残額の手当をすることなく本件戦闘ヘリコプターの調達中止を決めたことは控訴人の期待や信頼を侵害し、信義則上の義務に反する不法行為に当たるというべきであるとし、控訴人の主位的請求は理由はないが、予備的請求は一定の限度で理由があるとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2015.03.03
損害賠償請求事件 (アートネイチャー株主代表訴訟 株主側逆転敗訴)
LEX/DB25447074/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1080号
上告補助参加人(一審被告補助参加人)の株主である被上告人(一審原告)が、上告補助参加人の取締役であった上告人(一審被告)らに対し、平成16年3月の本件新株発行における発行価額は商法280条ノ2第2項(平成17年法律第87号による改正前のもの)の「特ニ有利ナル発行価額」に当たるのに、被告らは同項後段の理由の開示を怠ったから、商法266条1項5号の責任を負うなどと主張して、商法267条に基づき、連帯して22億5171万5618円及びこれに対する遅延損害金を被告補助参加人に支払うことを求めた株主代表訴訟で、第一審では、被上告人の請求を一部認容、一部棄却したため、双方が控訴し、原審では、第一審判決は相当であるとして、本件双方の各控訴を棄却し、被上告人が当審で拡張した請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件新株発行における発行価額は「特ニ有利ナル発行価額」には当たらないというべきであるとして、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人ら敗訴部分は破棄し、上記部分に関する被上告人の請求はいずれも理由がないから、同部分につき第一審判決を取消し、同部分に関する請求をいずれも棄却した事例。
2015.03.03
株主総会決議取消請求事件
LEX/DB25447075/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第650号
被告(被控訴人・上告人)の株主である原告(控訴人・被上告人)らが、被告の臨時株主総会で行われた決議について、準共有株式について権利行使者の定めがなく、準共有者間においても権利行使を認めたこと等の決議方法について法令違反の瑕疵があるなどと主張して、その取消しを求めたところ、請求が棄却されたため、原告らが控訴し、控訴審では、会社法106条ただし書きを、会社側の同意さえあれば、準共有状態にある株式について、準共有者中の1名による議決権の行使が有効になると解することは、準共有者間において議決権の行使について意見が一致していない場合において、会社が、決議事項に関して自らにとって好都合の意見を有する準共有者に議決権の行使を認めることを可能とする結果となり、会社側に事実上権利行使者の指定の権限を認めるに等しく、相当とはいえないとして、第一審判決を取り消し、原告らの請求を認容したため、被告が上告した事案において、本件議決権行使は、各共有者の持分の価格に従いその過半数で決せられているものとはいえず、民法の共有に関する規定に従ったものではないから、被告がこれに同意しても、適法となるものではないとし、本件各決議は、決議の方法が法令に違反するものとして、取り消されるべきものであるとして、これと結論を同じくする原審の判断は、是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2015.03.03
 
LEX/DB25505631/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1342号等
急性心筋梗塞及び急性心不全により死亡したαの長男である原告(控訴人・上告人兼申立人)が、被告(被控訴人・被上告人兼相手方。厚生農業協同組合連合会)に対し、診療契約上の債務不履行として、被告の経営する被告病院に勤務していた医師が、αについて急性心筋梗塞の発症を疑い、被告病院において心電図及び血液検査の経時的観察をし、又は、急性心筋梗塞の診断及び治療が可能な病院へ転送すべき義務があったのにこれを怠ったため、急性心筋梗塞の発見が遅れ、これによりαが死亡したと主張して、αが死亡により被った損害の賠償を求めたところ、第一審判決及び控訴審判決は原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却し、また、上告受理申し立てにつき、上告審として受理しないと決定した事例。
2015.03.03
大崎事件(再審請求棄却)
LEX/DB25505606/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 2日 決定 (特別抗告審)/平成26年(し)第408号
殺人、死体遺棄事件(いわゆる大崎事件)で懲役10年に処せられ確定判決を受けた請求人が、第2次再審請求をしたところ、地裁がした再審請求棄却決定に対し、十分な審理を行わず、新証拠の明白性判断の手法を誤り、新証拠の証拠評価を誤ったものであるので、原決定が取り消されたため、再審を開始する決定を求めた即時抗告審では、本件において提出された新証拠は、これを確定審及び第1次再審までに提出された全証拠を併せて総合評価しても、確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせるには足りないのであって、無罪と認めるべき明らかな証拠とはいえず、刑事訴訟法435条6号所定の再審事由があるとはいえないとし、なお、原審の審理不尽をいう点については、当審において、検察官に対し証拠開示の勧告をし、また、3名の証人尋問をしているから、その判断をするまでもなく、抗告の理由がないとして、即時抗告を棄却したため、申立人が特別抗告の申立てをした事案において、本件抗告の趣意は、刑事訴訟法433条の抗告理由に当たらないとし、本件抗告を棄却した事例。
2015.03.03
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反被告事件(クラブ「NOON(ヌーン)」事件)
「新・判例解説Watch」H27.5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25505605/大阪高等裁判所 平成27年 1月21日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第705号
被告人は、設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるクラブを経営するものであるが、共犯者と共謀の上、大阪府公安委員会から風俗営業の許可を受けないで、不特定の来店客にダンスをさせ、かつ、酒類等を提供して飲食させ、もって許可を受けないで風俗営業を営んだとして、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反として起訴された第一審判決で、風営法2条1項3号に定める「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」の意義について、形式的にその文言に該当するだけでなく、「その具体的な営業態様から、歓楽的、享楽的な雰囲気を過度に醸成し、わいせつな行為の発生を招くなどの性風俗秩序の乱れにつながるおそれが、単に抽象的なものにととまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められる営業を指す」との限定的な解釈を行った上で、被告人の本件営業はこれに該当しないとして、無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、原判決は、3号営業に対する規制目的を性風俗秩序の維持と少年の健全育成に限定し、他の規制目的を考慮していないと解される点で相当でなく、また、3号営業の解釈自体においても、3号営業に対する事前許可性と両立し難い不適当な基準を定めた点で、法令の解釈適用を誤ったものではあるが、ダンスをさせる営業をその態様を問わず一律に規制対象とすることは合理性を欠くと解釈したことは相当であり、本件公訴事実について3号営業を営んだことに当たらないため犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した原判決の結論は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.03
仮の差止め申立てについてした決定に対する抗告事件(タクシー運賃訴訟 エムケイほかVS国)
LEX/DB25505587/大阪高等裁判所 平成27年 1月 7日 決定 (抗告審)/平成26年(行ス)第29号
タクシー事業を営む相手方(申立人)らが、近畿運輸局長に届け出た運賃について、公定幅運賃の範囲内に無いことを理由として、特措法16条の4第3項に基づく運賃変更命令、同変更命令違反を理由とする輸送施設の使用停止又は事業許可の取消処分を受けるおそれがあるとして、同処分等の仮の差止めを求め、原審は、仮の差止めを認め、抗告人(相手方。国)が抗告をした事案において、原決定を維持し、抗告を棄却した事例。
2015.03.03
業務上過失致死被告事件(インプラント手術 患者死亡)
LEX/DB25505527/東京高等裁判所 平成26年12月26日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第688号
歯科医師である被告人が、歯科インプラント手術を実施した際、下顎の舌側口腔底にはオトガイ下動脈等の血管が走行しており、その損傷の危険性を認識した上、これらの血管を損傷しないように、ドリルを挿入する角度と深度を適切に調整してインプラントの埋入窩を形成しなければならない業務上の義務があったのにこれを守らなかったために、出血により口腔底等に発生した血腫によって気道閉塞を生じさせて患者(当時70歳)を窒息させ、窒息に起因する低酸素脳症と多臓器不全により死亡させたとされた業務上過失致死被告事件の控訴審において、被告人が、オトガイ下動脈をドリルで挫滅させるなどし、出血により口腔底等に発生した血腫により気道閉塞を生じさせて患者を死亡させたこと、被告人にはインプラント手術における業務上の過失があり、その過失と患者の死亡との間には因果関係があることを認め、被告人を有罪とした原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.03
損害賠償請求事件(球団代表解任事件 巨人側勝訴)
LEX/DB25505533/東京地方裁判所 平成26年12月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第39107号等
原告巨人軍が、被告Y1において、第2事件被告Y2のしたコンプライアンス違反の行動を是正するためと称して記者会見を行い、その場で原告巨人軍の名誉及び信用を毀損する発言をし、また、原告巨人軍の秘密事項を公表したことが、取締役としての善管注意義務及び忠実義務に違反すると主張して、被告Y1に対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき損害賠償を求めた等の第1事件と被告Y1が原告巨人軍が被告Y1を取締役から解任したことに正当な理由があるとはいえないと主張して、原告巨人軍に対し、会社法339条2項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を求めた等の第2事件からなる事案において、被告Y1が第1記者会見を実施したこと、江川招聘案という原告巨人軍の秘密事項を同原告に無断で公表したことはいずれも原告巨人軍に対する善管注意義務違反を構成する等として、第1事件に係る原告らの請求を一部認容し、被告Y1の請求を棄却した事例。
2015.03.03
損害賠償等請求事件((株)読売巨人軍VS(株)日本ジャーナル出版)
LEX/DB25505538/東京地方裁判所 平成26年12月17日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第16727号
原告読売巨人軍が、被告の発行する週刊誌Jに掲載された記事によって名誉を毀損されたとして、被告に対し、不法行為による損害賠償を求めるとともに、原告の名誉回復のための適当な処分として謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件第1記事の本件記述の一部については、いずれも原告の社会的評価を低下させるものであるから、被告はこれについて不法行為による損害賠償責任を負うとして、上記各記述の内容や本件各記事作成のために行われた取材の程度等本件に顕れた一切の事情を考慮すれば、被告の名誉毀損行為により原告の被った無形の損害に対する損害賠償としては200万円をもってするのが相当であるとしつつ、本件において金銭賠償に加え、謝罪広告を命じるまでの特段の必要性があるとまではいえないとして、原告の請求を一部認容した事例。
2015.03.03
京都消費者契約ネットワークほか VS NTTドコモほか
LEX/DB25505628/最高裁判所第一小法廷 平成26年12月11日 決定 (上告審)/平成25年(受)第548号
消費者契約法13条に基づき基づき内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体の原告(控訴人・申立人)が、被告(電気通信事業等を目的とする会社。被控訴人・相手方)が不特定多数の消費者との間で携帯電話利用サービス契約を締結する際に現に使用しており今後も使用するおそれのある解約金に関する条項は消費者契約法9条1号又は消費者契約法10条に該当して無効であると主張して、消費者契約法12条3項に基づき、当該条項の内容を含む契約締結の意思表示の差止めを求めた(甲事件)、及び被告との間で上記条項を内容に含む携帯電話利用サービス契約を締結し、同条項に基づく違約金を被告に対して支払った乙事件原告(個人。控訴人・申立人)らが、上記条項が無効であると主張して、不当利得に基づき、それぞれ利得金9975円又は1万9950円の返還及び遅延損害金の支払を求めた(乙事件)ところ、甲乙事件とも原告らの請求を棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、本件更新後解約金条項について、消費者契約法9条1号及び消費者契約法10条に反するとはいえないとし、第一審判決は相当であるとして、控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件を上告審として受理しないとした事例。
2015.03.03
(株)ファーストリテイリングほかVS(株)文藝春秋
LEX/DB25505465/最高裁判所第三小法廷 平成26年12月 9日 決定 (上告審)/平成26年(受)第1212号
カジュアル衣料品の製造型小売業を運営する原告ら(控訴人・申立人)が、被告(被控訴人・相手方)の発行した週刊誌及び書籍において、原告らの店舗の店長らが苛烈な労働環境にあり、原告らが取り扱っている製品の製造を委託している海外生産工場において劣悪で過重な労働が行われているにもかかわらず、原告らがこれを黙認しているという事実が摘示され、これにより原告らの名誉及び信用が毀損されたと主張して、被告に対し、書籍の発行頒布の禁止等を求めたところ、原判決が、一部を却下、一部を棄却した第一審判決を維持し、控訴を棄却したため、原告らが上告受理の申立てをした事案において、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとした事例。