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2015.03.24
再審請求事件(大阪 強姦事件 再審決定)
LEX/DB25505846/大阪地方裁判所 平成27年2月27日 決定 (再審請求審)/平成26年(た)第22号
強制わいせつ、強姦で起訴され、有罪判決(懲役12年)の確定判決を言い渡された請求人が再審請求をした事案において、これまでの供述が全て虚偽であり、強姦及び強制わいせつを受けた事実はなかったことを弁護人に告白した被害者の新供述、並びに、犯罪事実を目撃したとする供述は全て虚偽であるとする目撃者の新供述についての各信用性を検討したところ、本件再審請求審において検察官が提出した当時の病院診療録の写しによると、「処女膜は破れていない」と診断された旨の記載があることが認められ、請求人から強姦被害を受けていないとする被害者の新供述を強く裏付けるものといえ、両名の新供述は、いずれも信用することができるとし、被害者及び目撃者の新供述は、確定判決が認定の根拠とした被害者及び目撃者の各尋問調書及び各検察官調書の内容を全面的に否定する内容であり、その信用性を突き崩すものであるとし、本件判決確定後、請求人に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠があらたに発見されたものであるから、本件について再審を開始し、請求人に対する刑の執行を停止することを決定した事例。
2015.03.24
(富士ハウス訴訟)
LEX/DB25505819/最高裁判所第三小法廷 平成27年1月20日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1473号等
F社との間で建物建築請負契約を締結した被上告人兼相手方(被控訴人・原告)らが、F社の役員らはF社が多額の債務超過に陥っており工事を完成させることが不可能な状態であったにもかかわらず、これを粉飾経理により隠蔽して被上告人兼相手方らから請負代金の前払金を受領した後に破産するに至った結果、被上告人兼相手方らに既払金から出来高等を控除した金額の損害を被らせたと主張して、F社の代表取締役であった上告人兼申立人(控訴人・被告)Y1については会社法429条1項及び民法709条、民法719条に基づき、過去にF社の取締役であった一審被告Y2及び一審被告Y3については会社法429条1項の類推適用及び民法709条、719条に基づき、損害賠償金等の支払を求めたところ、第一審は、被上告人兼相手方らの請求のうち、上告人兼申立人に対する請求を全部認容したが、一審被告Y2及び一審被告Y3に対する請求を棄却したため、上告人兼申立人が、第一審判決を不服として控訴し、顧客に不必要な損害が拡大が生じないようにするため、速やかに、前払いの働きかけを中止させるべき義務があったにもかかわらず、これを怠った上告人兼申立人には、顧客に生じた損害賠償責任があるとしたうえで、第一審は原告127人全員に計約4億8千万円を支払を命じたが、上告人兼申立人が倒産を予測できた時期を第一審より遅くとらえ、賠償の対象を33人に減らすものとし、第一審判決を一部変更したため、上告人兼申立人から上告及び上告受理の申立てをした事案において、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2015.03.24
損害賠償等請求事件(駒沢大学 VS BNPパリバ証券(株))
LEX/DB25505787/東京地方裁判所 平成27年1月30日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第10951号
原告(学校法人)が、資金運用のために、被告甲社(香港法に基づいて設立された有価証券の売買等を目的とする会社)との間で締結した通貨スワップ取引は、公序良俗に反するとともにその勧誘が適合性原則及び説明義務に違反し、被告乙社(有価証券の売買等を目的とする株式会社)は被告甲社から事業譲渡を受けて被告甲社の原告に対する損害賠償債務を重畳的に債務引受したと主張して、被告らに対し、不当利得返還請求権又は債務不履行若しくは不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告らに対し、解約清算金等の支払いを求めた事案において、適合性原則及び説明義務に違反するとは認めず、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2015.03.24
損害賠償等請求事件(モデル事務所引き抜き訴訟)
LEX/DB25447064/東京地方裁判所 平成27年2月6日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第10797号
原告が、原告の従業員であった被告Y1らが、原告を退職し新たにモデル事務所を運営する被告会社を設立して、原告モデル事業部に所属するモデルらを違法な方法で引き抜いたなどと主張して、損害賠償を求めた事案において、被告Y1らが、原告に在職中、原告の役員らに対して秘密裏に、原告モデル事業部に所属する大半のモデルに本件契約を解除させて、被告モデル事務所を開設し、上記モデルらを新たに開設した被告モデル事務所に移籍させ、その結果、原告モデル事業部は事業の継続が不可能な事態に陥ったことが認められるから、被告Y1らの上記行為は、社会通念上、自由競争の範囲を逸脱した違法なモデルの引き抜き行為であるというべきであり、原告に対する不法行為を構成すると認めるのが相当であるとし、原告の請求を一部認容した事例。
2015.03.24
損害賠償等請求事件(元法相記事 文春に賠償命令)
LEX/DB25505786/東京地方裁判所 平成27年1月29日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第27548号
弁護士である参議院議員であり、当時法務大臣の職にあった原告が、被告(雑誌、書籍の発行、販売等をする会社)が発行する週刊誌において、原告が破産会社と共謀して同社の破産手続で配当金をだまし取るなどのために虚偽の弁護士報酬債権を届け出る違法請求をしたとの事実を摘示する記事を掲載し、また、主要日刊紙に同事実を記載する広告を掲載し、原告の名誉を毀損したと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、慰謝料及び遅延損害金の支払い並びに民法723条に基づく謝罪広告を求めた事案において、原告に対する名誉棄損を認め、慰謝料請求を一部認容し、その余の請求は棄却した事例。
2015.03.17
国籍確認請求事件
「新・判例解説Watch」H27.5月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447122/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月10日 判決 (上告審)/平成25年(行ツ)第230号
日本国籍を有する父とフィリピン共和国籍を有する母との間に嫡出子として同国で出生し同国籍を取得した原告(控訴人・上告人)らが、出生後3か月以内に父母等により日本国籍を留保する意思表示がされず、国籍法12条の規定によりその出生の時から日本国籍を有しないこととなったため、出生により日本国籍との重国籍となるべき子で国外で出生したものにつき上記の国籍留保の要件等を定める同条の規定が上記子のうち日本で出生した者等との区別において憲法14条1項等に違反し無効であると主張して、被告(被控訴人・被上告人。国)に対し、日本国籍を有することの確認を求めた事案の上告審において、国籍法12条は憲法14条1項に違反するものではないとした同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2015.03.17
所得税法違反被告事件
LEX/DB25447123/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月10日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第948号
馬券を自動的に購入できるソフトを使用してインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を上げていた被告人が、その所得につき正当な理由なく確定申告書を期限までに提出しなかったという所得税法違反の事案の上告審において、被告人が馬券を自動的に購入するソフトを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえるなどの本件事実関係の下では、払戻金は営利を目的とする継続的行為から生じた所得として所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たるとし、また、外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金という費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するなどの本件事実関係の下では、外れ馬券の購入代金について当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができるとした原判断は正当であるとして、上告を棄却した事例(意見がある)。
2015.03.17
営利誘拐幇助,逮捕監禁幇助,強盗殺人幇助,殺人被告事件
LEX/DB25447124/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月10日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第755号
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律71条以下が定める区分審理制度は、区分事件審判及び併合事件審判の全体として公平な裁判所による法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されているとして、憲法37条1項に違反しないとし、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2015.03.17
損害賠償請求事件
LEX/DB25447108/最高裁判所第一小法廷 平成27年 3月 5日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1436号
産業廃棄物の最終処分場の周辺地域に居住する被上告人らは、同最終処分場を管理する会社の実質的経営者、産業廃棄物の処分を委託した業者その他関係者を被申請人として、公害紛争処理法26条1項に基づく公害調停の申請をし、被上告人らが、同申請を受けて設けられた徳島県公害紛争調停委員会がその裁量権の範囲を逸脱して違法に、被申請人の呼出手続を行った上、調停を打ち切るなどの措置をしたと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めたところ、原審は、被上告人らの請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、本件委員会が、被申請人らに対し本件記載のある期日通知書を送付し、第1回調停期日において本件調停を打ち切った措置は、その裁量権の範囲を逸脱したものとはいえず、国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできないとし、被上告人らの請求を一部認容した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決のうち上告人敗訴部分は破棄し、被上告人らの請求は理由がなく、これを棄却した第一審判決は正当であるとし、上記部分につき、被上告人らの控訴を棄却した事例。
2015.03.17
損害賠償請求控訴事件(HIV休職訴訟 控訴審 慰謝料減額)
LEX/DB25505686/福岡高等裁判所 平成27年 1月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第692号
被告(控訴人。医療法人)が経営するA病院の看護師であり、B病院で受けた血液検査の結果によりHIV陽性と診断された原告(被控訴人)が、B病院から前記情報を取得したA病院の医師及び職員が原告の同意なくA病院の職員らと情報を共有したことが、個人情報の保護に関する法律23条1項及び16条1項に反し、プライバシーを侵害する不法行為であり、また、A病院が行った原告との面談において、HIV感染を理由に就労を制限したことが原告の働く権利を侵害する不法行為であるとして、民法715条に基づいて、損害賠償の支払を求めたところ、原判決は、請求を一部認容したため、被告が控訴した事案において、原判決は一部相当でないとして、原判決で認容した請求を減額して一部認容した事例。
2015.03.10
営業停止処分取消請求事件(最高裁初判断 加重処分は取り消し請求可)
LEX/DB25447098/最高裁判所第三小法廷 平成27年 3月 3日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第225号
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項7号のぱちんこ屋の営業に該当する風俗営業を営む上告人が、北海道函館方面公安委員会から風営法26条1項に基づく営業停止処分を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、同処分は違法であると主張して、その取消しを求めたところ、原審では、上告人が、処分の効果が期間の経過によりなくなった後においてもなお処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者(行政事件訴訟法9条1項)には当たらないとし、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るときは、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても、当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものと解するのが相当であるとし、上告人は、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準である本件規程の定めにより将来の営業停止命令における停止期間の量定が加重されるべき本件処分後3年の期間内は、なお本件処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものというべきであり、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、本件処分の違法事由の有無につき審理させるため、本件を第一審に差し戻すべきであるとした事例。
2015.03.10
懲戒処分無効確認等請求事件(セクハラ発言、降格の処分は妥当)
LEX/DB25447084/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月26日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1310号
被告(被控訴人・上告人)の男性従業員である原告(控訴人・被上告人)らが、それぞれ複数の女性従業員に対して性的な発言等のセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)等をしたことを懲戒事由として上告人から出勤停止の懲戒処分を受けるとともに、これらを受けたことを理由に下位の等級に降格されたことから、被告に対し、前記各出勤停止処分は懲戒事由の事実を欠き又は懲戒権を濫用したものとして無効であり、前記各降格もまた無効であるなどと主張して、前記各出勤停止処分の無効確認や前記各降格前の等級を有する地位にあることの確認等を求めていた事案において、第一審判決では、原告らの請求を棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、第一審判決を変更し、原告らの請求をそれぞれ一部認容したため、被告が上告した事案において、被告が原告らに対してした前記各出勤停止処分を理由とする各降格は、被告において人事権を濫用したものとはいえず、有効なものというべきであるとして、これと異なる控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中被告敗訴部分は破棄し、原告らの各請求は理由がなく、これらをいずれも棄却した第一審判決は正当であるとし、上記の部分につき、原告らの控訴を棄却した事例。
2015.03.10
保険金請求控訴事件
LEX/DB25505804/東京高等裁判所 平成27年 2月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5431号
亡甲の相続人である原告(控訴人)らが、被告(被控訴人。独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構)に対し、亡甲と被告との間の終身保険契約に基づく生命保険金及び遅延損害金の支払いを求めたところ、原告らの請求をいずれも棄却したため、これを不服とする原告らが控訴を提起し、原告らの保険金及び遅延損害金支払請求を認容するよう求めるとともに、選択的併合にかかる請求として、説明義務違反に基づく損害賠償請求及び遅延損害金請求を追加した事案において、原告らの請求を棄却した原判決は正当であるとして、本件控訴をいずれも棄却し、原告らの控訴審における追加請求も棄却した事例。
2015.03.10
訴訟終了宣言の決定に対する不服申立て事件
LEX/DB25447085/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月24日 決定 /平成27年(す)第109号
申立人の上告取下げに伴い当裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立てであるところ、終審である最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対しては不服申立てをすることが許されないから、本件申立ては不適法であるとして、棄却した事例。
2015.03.10
裁判の執行に関する異議申立て事件
LEX/DB25447083/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月23日 決定 (異議審)/平成26年(す)第765号
申立人に対する窃盗被告事件について、名古屋高等裁判所金沢支部がした第1審及び控訴審の各訴訟費用負担の裁判並びに当裁判所がした上告審の訴訟費用負担の裁判の執行に関する刑事訴訟法502条による異議申立ての事案において、検察官は、訴訟費用負担の裁判について、刑事訴訟法472条の執行指揮をし、これに基づき、徴収担当事務官が、申立人に対し納付告知書及び督促状を送付しており、これらは、検察官の執行指揮の内容を告知し納付を催促するため、徴収事務を制度化した徴収事務規程(平成25年3月19日法務省刑総訓第4号)に基づき、検察官の命により送付されたものであり、刑事訴訟法502条の「執行に関し検察官のした処分」であると解すべきであって、刑事訴訟法490条1項による徴収命令の出される前であっても、訴訟費用負担の裁判の執行に対する異議の申立てをすることができるが、所論は、単に支払能力がないため訴訟費用の免除を求めるというものにすぎず、訴訟費用負担の裁判の執行に関し検察官のした処分の不当をいうものではないから理由がないとし、本件申立てを棄却した事例。
2015.03.10
損害賠償請求、共同訴訟参加申立控訴事件
LEX/DB25505769/高松高等裁判所 平成27年 2月 6日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第351号
被告(被控訴人)補助参加人の株主である原告及び参加原告(控訴人)らが、補助参加人の取締役である被告(被控訴人)に対し、関連会社α社においては簿外借入によって債務超過を隠蔽する粉飾決算が行われていたにもかかわらず、この簿外借入による粉飾決算の事実を看過した被告の善管注意義務違反により、関連会社α社の決算が粉飾ではなく、正当な決算であることを前提とする評価額での本件株式取得がされてしまい、その結果、補助参加人には、少なくとも4億8300万円の損害が生じたとして、会社法423条1項及び会社法847条に基づき、同損害金及び遅延損害金を補助参加人に支払うよう求めた責任追及等の訴え(株主代表訴訟)をしたところ、原審は、控訴人らの請求はいずれも理由がないと判断し、請求をいずれも棄却するとの判決を言い渡したところ、控訴人らがこれを不服として控訴した事案において、原告及び参加原告らの請求は、いずれも理由がないと判断した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2015.03.10
日航航空地位確認訴訟(パイロット解雇)
LEX/DB25505802/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1702号等
被告(被控訴人・被上告人兼相手方。航空会社)がその従業員である原告(控訴人・上告人兼申立人。運航乗務員)らを整理解雇したところ、原告らが、整理解雇は無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び解雇後の賃金等の支払いを求めたとこと、第一審判決では、地位確認請求をいずれも棄却し、金銭請求については、一部の原告らの請求を一部認めたため、当事者双方が控訴し、控訴審判決では、当該解雇は、整理解雇の要件を充足していて、管財人が有する権限を濫用したものとも、また不当労働行為とも認めることができず、これを無効と言うことはできないから、第一審判決は相当であるとして、控訴及び附帯控訴をいずれも棄却したため、原告らが上告した事案において、本件上告の理由は、民事訴訟法312条1項又は2項の各規定する事由に該当しないとして上告を棄却し、また、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告審として不受理決定した事例。
2015.03.10
日航航空地位確認訴訟(客室乗務員解雇)
LEX/DB25505801/最高裁判所第二小法廷 平成27年 2月 4日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1523号等
被告(被控訴人・被上告人兼相手方。航空会社)の前身である訴外会社は、会社更生手続が終結しているところ、原告(控訴人・上告人兼申立人)らは、客室乗務員として訴外会社に勤務し、労働組合の組合員であったが、訴外会社の更生手続開始前に解雇されたが、被告に対し、解雇は無効である旨主張して、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、各賃金相当額の支払いを求めたところ、第一審判決は、請求をいずれも棄却したため、原告らが控訴し、控訴審判決では、解雇に係る人員削減実行の必要性を認め、その実施目的、実施規模、実施時期のいずれについても、管財人に委ねられた合理的な経営判断の下でされたものと認められるなどとして、控訴をいずれも棄却したため、原告らが上告した事案において、本件上告の理由は、民事訴訟法312条1項又は2項の各規定する事由に該当しないとして上告を棄却し、また、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとして、上告審として不受理決定した事例。
2015.03.10
初度費請求控訴事件(富士重工業(株)VS国)
LEX/DB25505767/東京高等裁判所 平成27年 1月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1806号
被控訴人(一審被告。国)と戦闘ヘリコプターの製造請負契約を締結したが控訴人(一審原告)が、被控訴人に対し、(1)主位的に、被控訴人との間の本件初年度負担合意に基づいて、未払初年度費等351億2394万1336円及び遅延損害金の支払を、(2)予備的に、不法行為に基づく損害賠償請求として、386億3633万5470円のうち、351億2394万1336円及び遅延損害金の支払をそれぞれ求めたところ、原判決が控訴人の請求をいずれも棄却したので、控訴人がこれを不服として控訴した事案において、本件戦闘ヘリコプターの調達中止に関して、控訴人に著しく不誠実な行為や重大な過誤があったとは認められず、仮に過失があったとしても、被控訴人が本件前提を実行しないことに正当な理由があったとはいえないから、被控訴人が本件初年度残額の手当をすることなく本件戦闘ヘリコプターの調達中止を決めたことは控訴人の期待や信頼を侵害し、信義則上の義務に反する不法行為に当たるというべきであるとし、控訴人の主位的請求は理由はないが、予備的請求は一定の限度で理由があるとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2015.03.03
損害賠償請求事件 (アートネイチャー株主代表訴訟 株主側逆転敗訴)
LEX/DB25447074/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1080号
上告補助参加人(一審被告補助参加人)の株主である被上告人(一審原告)が、上告補助参加人の取締役であった上告人(一審被告)らに対し、平成16年3月の本件新株発行における発行価額は商法280条ノ2第2項(平成17年法律第87号による改正前のもの)の「特ニ有利ナル発行価額」に当たるのに、被告らは同項後段の理由の開示を怠ったから、商法266条1項5号の責任を負うなどと主張して、商法267条に基づき、連帯して22億5171万5618円及びこれに対する遅延損害金を被告補助参加人に支払うことを求めた株主代表訴訟で、第一審では、被上告人の請求を一部認容、一部棄却したため、双方が控訴し、原審では、第一審判決は相当であるとして、本件双方の各控訴を棄却し、被上告人が当審で拡張した請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件新株発行における発行価額は「特ニ有利ナル発行価額」には当たらないというべきであるとして、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人ら敗訴部分は破棄し、上記部分に関する被上告人の請求はいずれも理由がないから、同部分につき第一審判決を取消し、同部分に関する請求をいずれも棄却した事例。