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2015.06.23
責任追及(株主代表訴訟)の訴え事件(第1事件)、責任追及の訴え事件(第2事件)、責任追及の訴え事件(第3事件) (JR東日本 不正取水問題)
LEX/DB25525575/東京地方裁判所 平成27年 4月23日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第38999号等
補助参加人の株主である原告ら及び原告共同訴訟参加人らが、主位的には、補助参加人が運営する水力発電所である信濃川発電所で、発電に供する水を信濃川から取水するために受けていた河川法に基づく許可に付された条件に違反する取水を行い、当該許可を取り消されたことについて、当時の取締役又は監査役である被告らに任務懈怠があり、その結果、補助参加人は、当該許可を再取得するために信濃川発電所が所在する各自治体に合計57億円の寄附をすることとなって損害を被ったと主張して、予備的には、当該許可の取消処分に対して抗告訴訟を提起しなかったことにより当該処分を確定させたことについて、被告らのうち当時補助参加人の取締役又は監査役であった者に忠実義務違反があり、その結果、補助参加人は、上記57億円の寄附をすることとなって損害を被ったと主張して、補助参加人のため、被告らに対し、旧商法266条1項5号、旧商法277条又は会社法423条1項及び会社法847条3項に基づき、連帯して、補助参加人に57億円及びこれに対する遅延損害金の支払うことを求めた株主代表訴訟の事案において、原告らの請求はいずれも理由がないので全部棄却した事例。
2015.06.23
(日本ERI株式会社 VS 株式会社日本リート)
LEX/DB25506313/最高裁判所第一小法廷 平成27年 4月16日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1114号等
建築主のX社が、分譲マンションの耐震強度不足を見逃し建築確認済証を交付したとして、指定確認検査機関Y社に損害賠償を求めたところ、第一審では設計事務所側の賠償(約4億7700万円。確定)を認めた一方で、Y社の責任を否定したため、X社が控訴し、控訴審では専門家としての通常の注意をもっていれば、設計事務所が行った構造計算プログラムのデータの誤入力は発見できたとし、Y社に賠償(約1億4700万円)を命じたため、Y社が不服として上告した事案において、上告については、民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとして棄却し、上告受理申立てについては、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないと決定した事例。
2015.06.23
窃盗被告事件(てんかん「NCSE」の症状 万引き 無罪)
LEX/DB25506285/東京地方裁判所立川支部 平成27年 4月14日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第49号
被告人は、家電量販店において、ヘッドホン等(販売価格合計4万5530円)を窃取したとして、窃盗により起訴された事案において、行為当時、被告人は、少なくとも行動制御能力はないに等しい状態であったとの合理的な疑いが払拭できないとして、心神喪失を理由に、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2015.06.23
債権差押命令に対する執行抗告事件
「新・判例解説Watch」 解説記事が掲載されました
LEX/DB25505977/名古屋高等裁判所金沢支部 平成26年10月31日 決定 (抗告審(執行抗告))/平成26年(ラ)第88号
集合動産譲渡担保権を共有する相手方らが、譲渡担保権に基づく物上代位権の行使として、担保の目的物である動産の売却により抗告人(原審債務者)が取得した売買代金債権の差押えの申立てをし、原裁判所が債権差押命令を発令したため、抗告人が執行抗告をした事案において、本件集合動産譲渡担保契約では、抗告人が通常の営業の範囲内において売却等の処分をした商品について、当然に譲渡担保権の効力が及ばないこととされているものではなく、抗告人があくまで通常の営業を継続している場合において、転売した商品の売買代金債権に対しては契約の効力が及ばず、物上代位権を行使することができないとされているものと解されるから、本件においては、相手方らが差押えを申し立てた時点までに、通常の営業を継続していなかったと認められるから、相手方らは本件差押債権に対し物上代位権を行使することができるというべきであるとして、抗告を棄却した事例。
2015.06.16
地位確認等請求反訴事件
「新・判例解説Watch」H27.8中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447298/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月 8日 判決 (上告審)/平成25年(受)第2430号
業務上の疾病により休業し労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付を受けている被上告人が、上告人(学校法人)から打切補償として平均賃金の1200日分相当額の支払を受けた上でされた解雇につき、被上告人は労働基準法81条にいう労働基準法75条の規定によって補償を受ける労働者に該当せず、上記解雇は労働基準法19条1項ただし書所定の場合に該当するものではなく同項に違反し無効であるなどと主張して、上告人を相手に、労働契約上の地位の確認等を求めた事案の上告審において、本件解雇が労働基準法19条1項に違反し無効であるとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして原判決を破棄し、本件解雇の有効性に関する労働契約法16条該当性の有無等について更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻した事例。
2015.06.16
特許権侵害差止請求事件(同成分の薬を製造・販売 別製法でも特許侵害 最高裁初判断)
LEX/DB25447294/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月 5日 判決 (上告審)/平成24年(受)第2658号
特許が物の発明についてされている場合において、特許請求の範囲にその物の製造方法の記載があるいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームに係る特許権を有する上告人(原告・控訴人)が、被上告人(被告・被控訴人)の輸入販売に係る医薬品は上告人の特許権を侵害しているとして、被上告人に対し、当該医薬品の輸入販売の差止め及びその廃棄を求めた事案の上告審において、物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において、特許請求の範囲の記載を一般的に許容しつつ、その発明の要旨は、原則として、特許請求の範囲に記載された製造方法により製造された物に限定して認定されるべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして原判決を破棄し、審理を尽くさせるため、原審に差し戻した事例(補足意見及び意見がある)。
2015.06.16
特許権侵害差止請求事件(同成分の薬を製造・販売 別製法でも特許侵害 最高裁初判断)
LEX/DB25447295/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月 5日 判決 (上告審)/平成24年(受)第1204号
特許が物の発明についてされている場合において、特許請求の範囲にその物の製造方法の記載があるいわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレームに係る特許権を有する上告人(原告・控訴人)が、被上告人(被告・被控訴人)の製造販売に係る医薬品は上告人の特許権を侵害しているとして、被上告人に対し、当該医薬品の製造販売の差止め及びその廃棄を求めた事案の上告審において、物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において,特許請求の範囲の記載を一般的に許容しつつ、その特許発明の技術的範囲は、原則として、特許請求の範囲に記載された製造方法により製造された物に限定して確定されるべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして原判決を破棄し、審理を尽くさせるため,原審に差し戻した事例(補足意見及び意見がある)。
2015.06.16
災害弔慰金不支給処分取消等請求事件(東日本大震災 弔慰金訴訟 遺族の請求規棄却)
LEX/DB25506273/盛岡地方裁判所 平成27年 4月24日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第6号
東北地方太平洋沖地震により生じた震災の後に亡Aが胆のう血腫により死亡したことについて、亡Aの妻である原告が、亡Aの死は、前記震災に伴う著しいストレスにより認知症又はせん妄を発症したために、胆のう血腫の自覚症状を周囲に訴えることができなかったことに起因するなどと主張し、災害弔慰金に関する法律及び釜石市災害弔慰金の支給等に関する条例に規定されている災害弔慰金の支給を申し出たが、釜石市長が不支給決定をしたことから、同決定を行政処分であることを前提に当該処分の取消しを求めるとともに、同決定が行政処分でない場合には、公法上の当事者訴訟として、原告が災害弔慰金の支給を受けられる地位を有することの確認を求めた事案において、同決定が行政処分であると判断したが、前記震災と亡Aの死亡との間に因果関係を認めることはできないとして、確認を求める訴えを却下した上、その余の請求を棄却した事例。
2015.06.16
危険運転致死被告事件(危険運転致死 懲役7年)
LEX/DB25506269/水戸地方裁判所 平成27年 4月24日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第542号
被告人が、運転開始前に飲んだ酒の影響により前方注視及び運転操作が困難な状態で、普通乗用自動車を走行させ、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で走行させたことにより、進路前方を走行中の被害者(当時60歳)運転の原動機付自転車後部に衝突させて転倒させ、被害者に脳挫傷の傷害を負わせて死亡させた事案において、懲役7年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2015.06.16
殺人被告事件(母親と共謀して父親を殺害 懲役4年)
LEX/DB25506270/水戸地方裁判所 平成27年 4月24日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第466号
被告人及び被告人の母は、被告人の父から長年にわたり暴力を受けていたところ、母から父の殺害を提案されたため、一度は断ったものの、被告人の妹に手伝わせるなどと母から言われたことから、母と共謀の上、父である被害者(当時46歳)に対し、母が包丁で数回突き刺した後、予め準備していた手製の刃物で被害者の左大腿部を数回斬りつけ、さらに頭頂部を1回斬りつけるなどして、殺害した事案において、懲役4年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2015.06.16
損害賠償請求控訴事件(兵庫勤務医パワハラ自殺 約1億賠償命令)
LEX/DB25540128/広島高等裁判所松江支部 平成27年 3月18日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第47号
1審原告らが、1審被告らに対し、1審被告組合の運営する病院に医師として勤務していた1審原告らの子甲が、同病院における過重労働や上司らのパワハラにより、うつ病を発症し、自殺に至ったとして、債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償金の支払いを請求し、1審判決は、被告らに対する請求を一部認容、一部棄却し、双方が控訴をした控訴審の事案において、1審被告組合に対する請求について認容額を増額したが、1審被告組合には国家賠償法1条に基づく責任が認められることから、他の1審被告は個人としての不法行為責任を負わないとして、他の1審被告らに対する請求は棄却した事例。
2015.06.09
不当利得返還請求事件
LEX/DB25447284/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月 1日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1817号
上告人が、当該取引には旧貸金業法43条1項の適用がなく、上告人は当該事由をもって被上告人に対抗することができるとした上、当該取引及び被上告人との間で継続的な金銭消費貸借取引における各弁済金のうち制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生しているとして、被上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還等を求めた事案の上告審において、債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当であるとし、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分は破棄し、原審に差し戻しを命じた事例。
2015.06.09
不当利得返還請求事件
LEX/DB25447285/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月 1日 判決 (上告審)/平成26年(受)第2344号
債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当であるとし、原審の判断を是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2015.06.09
市県民税変更決定処分取消請求事件
LEX/DB25447269/最高裁判所第三小法廷 平成27年 5月26日 判決 (上告審)/平成24年(行ヒ)第368号
福岡県飯塚市内に住所を有する上告人が、平成16年度分から同18年度分までの各市民税及び各県民税につき、飯塚市長から平成22年8月23日付けで所得割を増加させる賦課決定を受けたため、本件各処分が法定の期間制限に違反してされたものであるとして、被上告人を相手に、その取消しを求めた事案の上告審において、個人の道府県民税及び市町村民税の所得割に係る賦課決定の期間制限につき、住民税に係る賦課決定の期間制限の特例を定める地方税法17条の6第3項3号にいう所得税に係る不服申立て又は訴えについての決定、裁決又は判決があった場合とは、当該不服申立て又は訴えについて、その対象となる所得税の課税標準に異動を生じさせ、その異動した結果に従って個人の道府県民税及び市町村民税の所得割を増減させる賦課決定をすべき必要を生じさせる決定、裁決又は判決があった場合をいうものと解するのが相当であるとし、上告人の請求をいずれも棄却すべきものとした原審の判断は、法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取り消し、上告人の請求を認容した事例。
2015.06.09
詐欺被告事件
LEX/DB25447271/最高裁判所第二小法廷 平成27年 5月25日 決定 (上告審)/平成25年(あ)第1465号
本件被告人質問等は、被告人が公判前整理手続において明示していた「本件公訴事実記載の日時において、大阪市西成区内の自宅ないしその付近にいた。」旨のアリバイの主張に関し、具体的な供述を求め、これに対する被告人の供述がされようとしたものにすぎないところ、当該質問等が刑事訴訟法295条1項所定の「事件に関係のない事項にわたる」ものでないことは明らかであり、公判前整理手続の経過及び結果、並びに、被告人が公判期日で供述しようとした内容に照らすと、前記主張明示義務に違反したものとも、当該質問等を許すことが公判前整理手続を行った意味を失わせるものとも認められず、当該質問等を刑事訴訟法295条1項により制限することはできないとした事例。
2015.06.09
監禁、強盗殺人、死体遺棄被告事件(呉の少女殺害 控訴棄却)
LEX/DB25506231/広島高等裁判所 平成27年 3月30日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第176号
当時16歳の少年であった被告人が、共犯者らと共謀の上、被害者を普通乗用自動車内に監禁し、顔面等を多数回殴打するなどの暴行を加え、現金等を強取し、被告人及びBが、殺意をもって、被害者の頸部を両手で絞め付け、窒息により死亡させ、死体を遺棄した事案の控訴審において、少年法20条2項により原則的に検察官送致が義務付けられる強盗殺人を含む重大事件であり、このような事件につき例外的に保護処分を相当とする特段の事情が認められるか否かの判断に当たって、その事件の重大な事情を成す、動機や態様を重視することは何ら不当ではなく、原判決によるこれらの点についての考慮の仕方にも、特段不当とすべきものはないとし、懲役13年を言い渡した原判決を維持し、控訴を棄却した事例。
2015.06.09
損害賠償等請求控訴事件(幸福の科学VS文藝春秋)
LEX/DB25506233/東京高等裁判所 平成27年 3月26日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5215号
一審原告らが、本件記事を本件週刊誌に掲載するなどした一審被告らの行為は、一審原告らの名誉を毀損するものであるとし、本件週刊誌を発行する被告会社及び本件週刊誌の編集長である一審被告Yらに対し、損害賠償等を求めたところ、請求が一部認容され、双方が控訴した事案において、本件各記事は、原審被告Aが、Bとの離婚を決意してBと別居するに至った経緯、原因等を明らかにしようとするものであって、その正に当事者であるA自身に対して直接取材をして記載されたものであり、一審被告らは、少なくともAが述べる事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があったと認められるとし、一審被告らの控訴に基づき、原判決中、一審被告ら敗訴部分を取り消し、一審被告らに対する請求を棄却し、一審原告らの控訴を棄却した事例。
2015.06.09
建物明渡等請求控訴事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25506261/大阪高等裁判所 平成25年 6月28日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第896号
被控訴人西宮市がその所有する市営住宅に入居している控訴人X1及びその両親である控訴人X2及び控訴人X3に対し、控訴人X1が暴力団員であることが判明したため、西宮市営住宅条例第46条に基づき、賃貸借契約を解除したことを理由として、控訴人X1及び同居承認の形で当該住宅に居住している控訴人X2及び控訴人X3に対し、当該住宅の明渡しと未払賃料及び明渡しまでの近傍同種の住宅の賃料相当損害金の支払を、当該住宅に関連する施設である駐車場を使用している控訴人X2に当該駐車場の明渡しと明渡しまでの賃料相当損害金の支払を求めた事案(原審は、被控訴人の請求を全部認容する旨の判決をしたところ、控訴人らは、これを不服として控訴した)の控訴審において、控訴人らは、本件賃貸借契約の解除当時に控訴人X1が暴力団員であったとの認定を争うとともに、本件条項は憲法14条あるいは憲法22条に違反する無効なものである上、本件について本件条項を適用することは憲法14条あるいは憲法22条に違反する旨主張するが、控訴人らの上記主張はいずれも採用することができないとして、控訴をいずれも棄却した事例。
2015.06.02
殺人,殺人未遂,現住建造物等放火被告事件(兵庫県 加古川 7人殺害 死刑確定)
LEX/DB25447264/最高裁判所第二小法廷 平成27年5月25日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第729号
被告人が、自宅の東西に隣接する2軒の家屋内等において、親族を含む隣人ら8名を、順次、骨すき包丁で突き刺すなどして、7名を殺害し、1名に重傷を負わせた後、母親が現住する自宅にガソリン等をまいて放火し、全焼させた事案の上告審において、被告人の事理弁識能力及び行動制御能力が著しく低下していたとまでは認められないとする原判決は、経験則等に照らして合理的なものといえ、事実誤認があるとは認められないとし、また、量刑についても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、是認せざるを得ないとし、上告を棄却した事例。
2015.06.02
手数料還付申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25447263/最高裁判所第三小法廷 平成27年5月19日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第36号
使用者を相手に雇用契約上の地位の確認等を求める訴訟(本案訴訟)を提起した抗告人が、本案訴訟において労働基準法26条の休業手当の請求及びこれに係る労働基準法114条の付加金の請求を追加する訴えの変更をした際に、当該付加金請求に係る請求の変更の手数料として4万8000円を納付した後、付加金の請求の価額は民事訴訟法9条2項により訴訟の目的の価額に算入しないものとすべきであり、上記手数料は過大に納められたものであるとして、民事訴訟費用等に関する法律9条1項に基づき、その還付の申立てをした事案の許可抗告審において、労働基準法114条の付加金の請求については、同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは、民事訴訟法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして、その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されないものと解するのが相当であるとし、抗告人は、本案訴訟の第1審において、労働基準法26条の休業手当の請求とともにこれに係る労働基準法114条の付加金の請求をしたのであるから、当該付加金請求の価額は当該訴訟の目的の価額に算入されないものというべきであり、当該付加金請求に係る請求の変更の手数料として納付された4万8000円は過大に納められたものであるといえるから、これを抗告人に還付すべきこととなるとして、原決定を破棄し、原々決定を取り消した事例。