2015.12.08
建物明渡請求事件
★「新・判例解説Watch」H28.2上旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
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LEX/DB25447612/最高裁判所第一小法廷 平成27年11月30日 判決 (上告審)/平成26年(受)第2146号
被上告人は、上告人に対し、当該貸室の所有権に基づく明渡し及び賃料相当損害金の支払を求め提起したところ、上告人と被上告人との間には、平成25年5月8日、訴訟上の和解が成立したが、上告人は、同月22日、その和解の無効を主張して既に終了した訴訟手続の続行を求めて期日指定の申立てをした事案の上告審において、和解による訴訟終了判決である第1審判決に対しては、第1審被告である上告人のみが控訴しているのであるから、第1審判決を取消して第1審原告である被上告人の請求の一部を認容することは、不利益変更禁止の原則に違反して許されず、原審としては、仮に本件和解が無効であり、かつ、上告人の請求の一部に理由があると認めたとしても、第1審に差し戻すことなく自判する限りは、上告人の控訴の全部を棄却するほかなかったというべきであり、それにもかかわらず、原判決は、第1審判決を取り消し、上告人に対し、40万円の支払を受けるのと引換えに本件貸室を明け渡すべきこと及び賃料相当損害金を支払うべきことを命じた上で、被上告人のその余の請求をいずれも棄却した処理には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、上告人の控訴を棄却をした事例。