2015.10.20
納税告知処分等取消請求事件
LEX/DB25447491/最高裁判所第一小法廷 平成27年10月 8日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第167号
原告組合(被控訴人・被上告人)が、その理事長であったAに対し、同人の原告組合に対する借入金債務の免除をしたところ、所轄税務署長から、上記債務免除に係る経済的な利益がAに対する賞与に該当するとして、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分を受けたため、被告(控訴人・上告人)国を相手に上記各処分(ただし、上記納税告知処分については審査請求に対する裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求めたところ、第一審は原告組合の請求を認容したため、被告が控訴し、控訴審は、原判決は相当であるとして控訴を棄却したため、被告が上告した事案において、本件債務免除益は、所得税法28条1項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に該当するものというべきであるとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、本件債務免除当時にAが資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であったなど本件債務免除益を同人の給与所得における収入金額に算入しないものとすべき事情が認められるなど、本件各処分が取り消されるべきものであるか否かにつき更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻しを命じた事例。