2016.02.09
遺言無効確認請求控訴事件(差戻)事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25541756/広島高等裁判所 平成26年 4月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1号
原告(控訴人)と被告(被控訴人)の亡父であるCが作成した自筆証書遺言について、原告が、Cが当該自筆証書を故意に破棄したとして、被告との間で、本件遺言が無効であることの確認を求めたところ、1審判決は、原告の請求を棄却したため、これを不服として原告が控訴した事案において、遺言の撤回については遺言の方式に従って行うことが要求される(民法968条2項は,自筆証書による遺言の場合の加除変更の方式を定めている。)から、遺言者に遺言の撤回の意思があっても遺言の方式によっていない限り遺言の撤回の効力は生じないこと、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときに遺言を撤回したとみなされること(民法1024条後文)に照らせば、遺言の撤回とみなされる遺言書の破棄とは、焼却や破り捨てといった物理的破棄かこれに準ずる文字等の記載内容の抹消を意味すると解すべきであり、原文が判読できる状況で棒線を引いているだけでは、格別の事情がない限り、遺言書の破棄には当たらないと解され、原判決は正当であるとし、控訴を棄却した事例。