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2015.12.08
選挙無効請求事件
LEX/DB25447603/最高裁判所大法廷 平成27年11月25日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第253号
平成26年12月14日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第2区、同第5区、同第6区、同第8区、同第9区及び同第18区並びに神奈川県第12区及び同第15区の選挙人である上告人らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、上記区割規定が選挙当時、憲法に違反するに至っていたということはできず、重複立候補制に関する公職選挙法の規定に所論の違憲はないとした原審の判断は、是認することができるとし、上告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見がある)。
2015.12.08
選挙無効請求事件
LEX/DB25447604/最高裁判所大法廷 平成27年11月25日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第267号等
平成26年12月14日施行の衆議院議員総選挙について、福岡県第1区から同第11区まで、佐賀県第1区及び同第2区、長崎県第1区から同第4区まで、熊本県第1区から同第5区まで並びに大分県第1区から同第3区までの選挙人である原審原告らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、原判決は、上記区割規定が選挙当時、憲法に違反するものであったとしつつ、行政事件訴訟法31条1項に示された一般的な法の基本原則に従い、原審原告らの請求をいずれも棄却した上で、当該選挙区における本件選挙が違法であることを主文において宣言したものであるが、原判決は、前記判示と抵触する限度において変更を免れないというべきであって、原審被告らの論旨は上記の趣旨をいうものとして理由がある。他方、上記区割規定が選挙当時、憲法に違反するものであったとした上で本件選挙を無効とすべき旨をいう原審原告らの論旨は、採用することができないとし、原審被告らの上告に基づき、原判決を変更して、原審原告らの請求をいずれも棄却するとともに、原審原告らの上告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見がある)。
2015.12.01
遺言無効確認請求事件
LEX/DB25447598/最高裁判所第二小法廷 平成27年11月20日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1458号
原告(控訴人・上告人)と被告(被控訴人・被上告人)の父である亡Aが作成した自筆証書による遺言について、原告が、Aが故意に遺言書を破棄したことにより遺言を撤回したものとみなされると主張して、被告に対し、その遺言が無効であることの確認を求め、第1審及び原審は、民法1024条前段には該当しないとし、原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、遺言書に故意に斜線を引く行為は、民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり、これによりAは遺言を撤回したものとみなされることになり、その遺言は効力を有しないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があり、原判決は破棄し、第1審判決を取消した上、原告の請求を認容した事例。
2015.12.01
選挙無効請求事件
LEX/DB25447587/最高裁判所第一小法廷 平成27年11月19日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第254号
原告(上告人)が、被告(被上告人)に対し、平成26年12月14日に施行された衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区及び南関東選挙区における比例代表選出議員の選挙で、比例代表選出議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めた公職選挙法13条2項及び別表第2の各規定(定数配分規定)は人口比例の原則に反しており、憲法14条1項等に違反しているから、これに基づいてされた上記各比例代表選出議員の選挙は無効を求め、原審は、原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、原審の判断は、正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2015.12.01
求償金等請求事件
「新・判例解説Watch」H28.1下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447588/最高裁判所第一小法廷 平成27年11月19日 判決 (上告審)/平成25年(受)第2001号
共同保証人の1人で、主たる債務者の借入金債務を代位弁済した上告人が、他の共同保証人である被上告人に対し、民法465条1項、民法442条に基づき、求償金残元金と遅延損害金の支払を求め、原審は、保証人が主たる債務者に対して取得した求償権と共同保証人間の求償権との間に主従の関係があるとはいえないから、Aに対する求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても、被上告人に対する求償権について消滅時効の中断の効力が生ずることはないなどとして、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても、共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じないものと解するのが相当であり、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2015.12.01
提出命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447600/最高裁判所第三小法廷 平成27年11月19日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第556号
強姦未遂,強姦,強制わいせつ被告事件の被告人によって選任された弁護人らに対し、検察官が、被告人の委託を受けて保管中の犯行状況とされるものを撮影録画したデジタルビデオカセットにつき、公判期日で、没収相当との求刑をし、裁判所の職権により差押えをするよう申し立てたが、弁護人らは、被告人が上記デジタルビデオカセットの所有権放棄、映像データの消去に応じる意向を示していないことを理由に、弁護人らが保管する上記デジタルビデオカセットの任意提出を拒否し、また、差押えの申立てに関して、主任弁護人は、捜査機関によって作成された複製DVDでは判明し得なかった会話が記録されている可能性があるから「秘密」に当たり、押収拒絶権を行使できるなどとして、反対する旨の意見を述べたところ、原々審では上記デジタルビデオカセットを裁判所に提出するよう命じ、弁護人らはこれに対し、抗告を申し立てたが棄却されたため、特別抗告した事案において、デジタルビデオカセットは、主任弁護人により警察官への任意提出や検察官への証拠開示、その一部についての証拠請求がされ、更にその全部の複製DVDが公判期日で被告人及び弁護人らの異議なく取り調べられているから、被告人の意思に基づく訴訟活動の結果、デジタルビデオカセットに記録された情報の全ては、もはや「秘密」でなくなったことが明らかであり、デジタルビデオカセットは、刑事訴訟法105条の「他人の秘密に関するもの」に当たらないとし、弁護人らに、デジタルビデオカセットにつき押収拒絶権がないとした原決定は正当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.12.01
放送受信料支払等請求事件(本訴)、放送送信行為差止等請求事件(反訴)
LEX/DB25541338/東京地方裁判所 平成27年10月29日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第21479号等
日本放送協会として放送事業を行う原告が、全国でホテルの経営を行い、客室等に受信設備を設置している被告に対し、(1)原告と被告との間で既に放送受信契約を締結している各ホテルの受信機について、放送受信契約に基づき、平成24年4月から同年7月分の受信料合計1330万8770円の支払を求めるとともに、(2)いまだ放送受信契約を締結していない各ホテルの受信機について、放送法64条1項に基づく放送受信契約締結の申込みを行ったと主張して、〔1〕主位的に、被告との間に放送受信契約が成立したことを前提として、受信機を設置したことが明らかな平成24年4月から同年7月分に係る受信料合計6200万1440円の支払を求め、〔2〕予備的に、放送法64条1項に基づく原告の申込みに対する承諾を求めるとともに、同承諾によって成立する被告との間の放送受信契約に基づき、平成24年4月から同年7月分に係る受信料合計6200万1440円の支払を求めた事案(本訴)、被告が、原告に対し、営業権、自己決定権等に基づく妨害排除請求として、(1)各ホテルの受信機に、原告の放送の受信を不能化する措置を施すことと、(2)本訴以外に、上記各受信機に対する上記不能化措置違反の放送の送信を行った期間についての放送受信料の支払請求の差止めを求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償請求として、(3)原告が上記(1)及び(2)項に違反した場合に、将来、被告が被る損害(相当な弁護士費用を含む。)のうち500万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案(反訴)において、本訴請求(1)及び、本訴請求(2)の主位的請求をいすれも棄却し、本訴請求(2)の予備的請求の受信料の額6178万1600円を認容し、被告の反訴請求を棄却した事例。
2015.12.01
各未成年者喫煙禁止法違反被告事件(未成年者喫煙禁止法 コンビニ店員無罪)
LEX/DB25541254/高松高等裁判所 平成27年 9月15日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第266号
被告人A及び被告会社Bに対する各未成年者喫煙禁止法違反被告事件の控訴審(一審の簡易裁判所が言い渡した判決に対し、被告人Aに関する有罪部分につき同被告人から、被告会社Bに関する無罪部分につき検察官から、それぞれ控訴の申立てがあった)において、原判決の事実認定には、2回の容貌確認を認めて被告人Aが未成年者であることを認識したと推認できるとした点、同認識の存在に疑問を抱かせる事情を考慮しなかった点、自白の信用性を肯定した点において誤りがあり、上記認識を肯定した原判決の認定は論理則、経験則等に照らし、不合理であって、事実を誤認したものであるとして、原判決中、被告人Aに関する部分を破棄して、被告人Aに対し無罪の言渡しをし、被告会社Bに関する検察官の控訴を棄却した事例。
2015.12.01
金融商品取引法違反被告事件(元日興執行役員インサイダー取引教唆)
「新・判例解説Watch」H28.1上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25541270/東京高等裁判所 平成27年 9月25日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第1830号
証券会社の元執行役員が、物流会社など3社の株式公開買い付け(TOB)の未公開情報を会社役員に漏らし、その会社役員に株券を買付けさせたして、金融商品取引法違反の罪に問われた事案の控訴審(原判決は、株券の公開買付けの実施に関する事実を会社役員に伝えるなどした被告人の行為には金融商品取引法167条3項違反の罪の教唆犯が成立すると判断した)において、原判決の認定した罪となるべき事実について事実誤認があるとは認められないとした上で、金融商品取引法は、公開買付者等関係者自身が公開買付け等に関する事実を知って自ら取引を行うことを規制しており、それに加えて第一次情報受領者による取引をも規制してインサイダー取引の規制の徹底をはかっているのであって、そのような金融商品取引法のインサイダー取引の規制のあり方に照らせば、同法167条3項違反の罪の教唆行為は十分に可罰的であると解すべきであって、その教唆行為に対して刑法総則の教唆犯の規定を適用することは、同条の立法趣旨に何ら反していないと解されるとして、被告人の控訴を棄却した事例。
2015.11.24
審決取消請求事件
LEX/DB25447583/最高裁判所第三小法廷 平成27年11月17日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第356号
発明の名称を「血管内皮細胞増殖因子アンタゴニスト」とする特許権者である原告(被上告人)が、被告(上告人。特許庁長官)に対し、その特許権の存続期間の延長登録出願に係る拒絶査定不服審判の請求を不成立とした特許庁の審決の取消しを求め、原審は、原告の当該出願が特許法67条の3第1項1号に該当するとして特許権の存続期間の延長登録を受けることができないとした審決の判断には誤りがあるなどとして、本件審決を取り消したため、被告が上告した事案において、特許権についての延長登録出願に係る特許発明の実施に当該処分を受けることが必要であったとは認められないとする本件審決を違法であるとした原審の判断は、正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2015.11.24
 
LEX/DB25541336/最高裁判所第二小法廷 平成27年10月30日 決定 (上告審)/平成27年(オ)第1111号等
被告(被控訴人・申立人)国立大学の教授であった原告(控訴人・相手方)Xが、減給の懲戒処分を受けたところ、その過程で、原告の研究室に所属する学生であった被告(被控訴人)Y1が、原告からハラスメントを受けた旨の虚偽の内容を記載した研究室変更願を提出するなどし、学科長であった被告(被控訴人)Y2が、人事審査委員会に原告の処分を要請するなどし、人事審査委員会委員長であった被告(被控訴人)Y3が、原告にハラスメントを行い、杜撰な調査、審議により、人事調査委員会として、原告の懲戒処分の可能性があると報告するなどし、被告国立大学の学長である被告(被控訴人)Y4が、人事委員会の委員長代理を指名せず放置し、懲戒処分に至らせたことが、不法行為を構成するとして、各被告に対し、慰謝料等の支払いを求めたところ、第一審では原告の請求を棄却し、控訴審では原告の訴えの交換的変更による被告国立大学に対する懲戒処分無効確認請求及び未払賃金請求を一部認容したため、被告国立大学が上告申立てをした事案において、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとし、不受理決定した事例。
2015.11.24
損害賠償請求事件(爆発事故・遺影の無断放送で遺族の訴え棄却)
LEX/DB25541333/津地方裁判所四日市支部 平成27年10月28日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第178号
原告が、被告(テレビ放送会社)が原告の子であるcの遺影を撮影し、テレビ報道に使用したのは、情報プライバシー権としての原告の遺影を公表されない自由や、幸福追求権としての静穏に故人を悼む利益、敬愛追慕の情を侵害するもので違法であると主張し、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、被告が、遺族の同意を得ず、隣地敷地から塀越しに撮影したこと等を考慮しても、撮影及び報道により、社会生活上受忍すべき限度を超えて原告の静穏に故人を悼む利益や、敬愛追慕の情を侵害したということはできないとして、請求を棄却した事例。
2015.11.24
仮処分命令申立事件(著作権判例百選 出版差止仮処分)
LEX/DB25541332/東京地方裁判所 平成27年10月26日 決定 (第一審)/平成27年(ヨ)第22071号
債権者が、自らが編集著作物たる判例解説雑誌[第4版]の共同著作者の一人であることを前提に、債務者(出版社)が発行しようとしている判例解説雑誌雑誌[第5版]は、[第4版]を翻案したものであるなどと主張して、[第4版]の〔1〕翻案権並びに二次的著作物の利用に関する原著作物の著作者の権利(著作権法28条)を介して有する複製権、譲渡権及び貸与権又は〔2〕著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)に基づく差止請求権を被保全権利として、債務者による雑誌[第5版]の複製、頒布、頒布する目的をもってする所持又は頒布する旨の申出を差止める旨の仮処分命令を求めた事案において、債権者の申立ては理由があるとし、債務者は、[第5版]の複製、頒布、頒布する目的をもってする所持又は頒布する旨の申出をしてはならないとした事例。
2015.11.17
第二次納税義務告知処分取消等請求事件
LEX/DB25447565/最高裁判所第二小法廷 平成27年11月 6日 判決 (上告審)/平成26年(行ヒ)第71号
A社が、東京都知事からB社を滞納者とする都税に係る徴収金について地方税法11条の8の規定に基づく第二次納税義務の納付告知を受けたため、A社を吸収合併した被上告人が、上告人を相手に、その納付告知の取消しを求めたところ、原審は、その納付告知の取消請求を認容したため、上告人が上告した事案において、その納付告知の時点で、B社の財産で交付要求等を含む滞納処分により徴収することのできるものの価額がその徴収金の総額に満たないと客観的に認められるとはいえず、その納付告知は、地方税法11条の8にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」においてされたものとはいえないというべきであり、原判決にはその説示において必ずしも適切でないところがあるが、その納付告知が違法であり、取り消すべきものとした原審の判断は是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2015.11.17
開門等請求控訴事件
「新・判例解説Watch」H27.12下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25541157/福岡高等裁判所 平成27年 9月 7日 判決 (控訴審)/平成23年(ネ)第771号
〔1〕国営諫早湾土地改良事業の施行、特に、同事業において諫早湾干拓地潮受堤防が建設され、同湾の湾奥部の海洋部分が締め切られたことによって漁業被害を受け、漁業行使権(漁業法8条1項にいう「漁業を営む権利」)を侵害されたとする開門請求1審原告らが、その漁業被害を最低限度回復させるために必要があるとして、1審被告(国)に対し、上記権利から派生するとされる物権的請求権に基づき、上記潮受堤防の北部及び南部に設置されている各排水門について、同堤防で締め切られた調整池内に諫早湾の海水を流入させ、海水交換が行われるような開門操作をするよう求めたほか、〔2〕開門請求1審原告ら及び大浦1審原告らが、1審被告において上記事業を実施したこと及び上記開門操作を行わないことは、1審原告らに漁業被害を及ぼしその漁業行使権を侵害するものとして国家賠償法上違法であり、また、1審被告が上記開門操作を行わないことは、上記事業の実施に先立って漁業補償契約が締結された際に1審原告らと1審被告との間で成立した、同事業の実施後も1審原告らが漁業を営めるようにするという合意に反する行為であって、これにより1審原告らの漁業行使権が侵害されている旨主張し、1審被告に対し、国家賠償法1条1項又は債務不履行による損害賠償として1人につき605万円、及び上記開門操作がされるに至るまで年50万円の割合による金員、並びに上記605万円に対する遅延損害金の支払を求め、原判決は、1審原告らの請求中、一部却下、一部認容、一部棄却したため、開門請求1審原告らと控訴人大浦1審原告ら及び1審原告Z1並びに1審被告が、上記各敗訴部分を不服として双方が控訴した事案において、原判決中、被控訴人大浦1審原告ら及び1審原告Aの請求を認容した部分(1審被告敗訴部分)は不当であるから、1審被告の控訴に基づいてこれを取消した上、この部分に係る被控訴人ら及び1審原告Aの請求をいずれも棄却するとともに、控訴人ら並びに1審原告Aの控訴をいずれも棄却するとした事例。
2015.11.17
不正競争防止法違反被告事件(ヤマザキマザック元社員 控訴審も有罪)
LEX/DB25541038/名古屋高等裁判所 平成27年 7月29日 判決 (控訴審)/平成26年(う)第327号
金属工作機械の製造、販売等を業とするb株式会社の従業員であり、同社からその保有する営業秘密を示されていた被告人が、不正の利益を図る目的で、同営業秘密の管理に係る任務に背き、パソコンから同社のサーバーにアクセスし、同社の製品である工作機械を製造するのに必要な部品の設計、製法の情報に当たるファイルをサーバーから自己所有のハードディスクに転送させて複製を作成し、記録の複製を作成する方法により同社の営業秘密を領得したとされた不正競争防止法違反事件で、原判決には事実の誤認があるとして被告人が控訴した事案において、当該ファイルは、その工作機械の製造に利用される図画情報であり、その工作機械を製造、販売する同社の事業活動に有用な技術上の情報であって、有用性が認められる旨説示した原審の判断に誤りはない等と示して、控訴を棄却した事例。
2015.11.17
内海ダム再開発事業公金支出差止等請求住民訴訟事件(第1事件、第2事件)(内海ダム訴訟)
LEX/DB25541113/高松地方裁判所 平成27年 6月22日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第7号等
香川県の住民である第1事件原告らが、香川県及び小豆島町が起業者である「二級河川別当川水系別当川内海ダム再開発工事並びにこれに伴う県道及び町道付替工事」は治水、利水目的に鑑みても不要であり、安全性にも問題がある上、周辺の景観・環境を損なうことにより失われる利益は重大であるから、同事業に係る公金の支出は違法であるとして、香川県の執行機関である第1事件被告に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、同事業に係る公金の支出の差止めを求めるとともに、同項4号本文に基づき、同事業に係る公金の支出を行った香川県の前知事及び現知事に対する不法行為に基づく損害賠償請求を求め(第1事件)、小豆島町の住民である第2事件原告らが、上記と同様の理由で同事業に係る公金の支出は違法であるとして、小豆島町の執行機関である第2事件被告に対し、同項1号に基づき、同事業に係る公金の支出の差止めを求めるとともに、同項4号本文に基づき、同事業に係る公金の支出を行った小豆島町の前町長及び現町長に対する不法行為に基づく損害賠償請求を求めた(第2事件)住民訴訟において、原告らは、本件事業が治水及び利水目的に鑑みても不必要である上、安全性にも問題があり、周辺の景観・環境を損なうことにより失われる利益は重大であるとして、このような合理性を欠く本件事業に係る本件各公金の支出は地方財政法4条1項、地方自治法2条14項に違反し違法であると主張しているが、本件全証拠によっても原告らの主張を認めるには足りないとし、また、本件整備計画についても上記と同様の理由で違法であり、その違法性が本件各公金の支出に承継されるとの第1事件原告らの主張や、本件事業に係る請負契約(支出負担行為)には上記と同様の理由で違法があり、当該契約を解消できる特殊な事情があったにもかかわらず、香川県知事及び小豆島町長が行った各支出命令は財務会計法規上の義務に違反し、違法であるとの原告らの主張についても、上記と同様に本件整備計画あるいは本件事業に係る請負契約(支出負担行為)が違法であることを認めるに足りる証拠がないとして、第1事件原告ら及び第2事件原告らの各請求をいずれも棄却した事例。
2015.11.17
損害賠償請求事件(普天間騒音訴訟)
LEX/DB25541171/那覇地方裁判所沖縄支部 平成27年 6月11日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第290号等
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき、被告(国)がアメリカ合衆国に対して同国軍隊の使用する施設及び区域として提供している沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の周辺に居住し若しくは居住していた者又はその相続人である原告らが、普天間飛行場において離着陸する米軍機が同飛行場周辺において発する騒音により各種の被害を受けている旨主張して、被告に対し、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法2条に基づき、第1事件原告については平成21年7月31日、第2事件原告については同年10月1日、第3事件原告については平成22年3月18日、第4事件原告については同年11月20日(各事件の訴え提起日の3年前の応当日)から、それぞれ平成26年12月11日(口頭弁論終結の日)までの損害の賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案において、原告らの賠償対象期間の最始期である平成21年7月31日から現在に至るまでの普天間飛行場の供用は、当該期間内にコンター内に居住し、又は居住していた原告らに対する関係において、違法な権利侵害ないし法益侵害と評価されるものであるから、その限りにおいて、普天間飛行場に民事特別法2条の設置又は管理の瑕疵があるものということができるとし、また、危険への接近の法理による免責又は減額に関する被告の主張は、いずれも採用することができないとして、原告らの本訴請求については、主文1記載の金員の支払を求める限度で理由があるから、これを認容し、その余の請求はいずれも理由がないから、これを棄却するとした事例。
2015.11.10
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出不許可処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447540/最高裁判所第二小法廷 平成27年10月27日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第428号
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出不許可処分に対する準抗告が棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、刑事確定訴訟記録法4条1項ただし書、刑事訴訟法53条1項ただし書にいう「検察庁の事務に支障のあるとき」には、保管記録を請求者に閲覧させることによって、その保管記録に係る事件と関連する他の事件の捜査や公判に不当な影響を及ぼすおそれがある場合が含まれるとする原決定の解釈は、正当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.11.10
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25447532/最高裁判所第二小法廷 平成27年 9月28日 決定 (特別抗告審)/平成27年(し)第532号
保釈取消し決定及び保釈保証金の全部を没取する決定に対し抗告棄却決定されたため、抗告人が特別抗告した事案において、被告人に弁明や説明の機会を与えないまま保釈を取消し、保釈保証金の全部を没取した原々決定及びこれを是認した原決定は、憲法31条に違反するとの抗告人の所論には理由がないとして、抗告を棄却した事例。