2016.04.05
覚せい剤取締法違反、 関税法違反被告事件(覚醒剤密輸 スペイン人 逆転無罪)
LEX/DB25541937/東京高等裁判所 平成27年12月22日 判決 (控訴審)/平成27年(う)第1565号
被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、覚せい剤の本邦への輸入を行うとともに、覚せい剤を携帯しているにもかかわらず、その事実を申告しないまま検査場を通過して輸入しようとしたが、税関職員に発見されたため、これを遂げることができなかった事案の控訴審につき、原判決が、ウガンダの防衛省上級理事の依頼を真正なものと信じていた合理的な疑いがあるとはいえないとした上、遅くともコーヒー豆袋を受領した時点では、その中に違法薬物が入っている可能性を認識していたものと推認でき、犯行に対する故意を認めることができると認定したことについては、その証拠の評価、推認過程に種々の論理則、経験則等に適わない不合理な点があり、是認することができないとし、懲役8年、罰金300万円を言い渡した原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例。