2024.03.19
廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件
★「新・判例解説Watch」環境法分野 令和6年5月上旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25597541/横浜地方裁判所 令和 5年 7月11日 判決 (第一審)/令和2年(わ)第1424号 等
被告人P3(被告会社の実質的経営者で業務全般の統括管理者)及び被告人P2(被告会社の代表取締役で中間処理施設の業務の統括管理者)は、被告会社の業務に関し、被告会社の従業員であるP4、P5及びP6と共謀の上、中間処理施設において、同施設から公共下水道内に産業廃棄物である汚泥及び一般廃棄物である汚水合計約3万6849.58トンを放流させ、廃棄物を捨てた(判示第1)、被告人P3及び被告人P2は、被告会社の業務に関し、P4と共謀の上、中間処理施設において、被告会社が他社から中間処理の処分を受託した産業廃棄物である汚泥の運搬をP10有限会社ほか2社に委託し、同産業廃棄物を引き渡すに当たり、その都度、産業廃棄物管理票合計406通に虚偽の内容を記載し、同管理票を前記P10ほか2社に交付した(判示第2)、被告人P3及び被告人P2は、被告会社の業務に関し、P4と共謀の上、被告会社が社会福祉法人P13ほか1社から中間処理の処分を受託した産業廃棄物である汚泥につき、有限会社P14ほか1社から同汚泥の運搬を受けるとともに産業廃棄物管理票の回付を受けていたところ、同産業廃棄物である汚泥の中間処理の処分が終了していないのに、同産業廃棄物の中間処理の処分が終了した旨の内容が記載された産業廃棄物管理票写し合計81通を、前記P14ほか1社を介し、排出事業者であるP13ほか1社に送付した(判示第3)として、被告会社に対し罰金1億円、被告人P3に対し懲役4年及び罰金1000万円、被告人P2に対し懲役3年を求刑された事案で、不法投棄行為を3年半余りもの長期にわたって継続的に実行し、廃棄した廃棄物の量は合計で約3万6800トン余りと大量であるばかりか、適正に処理していないことを隠ぺいするために、産業廃棄物管理の柱となるマニフェストについて虚偽の内容を記載して関係業者に交付又は送付を継続したり(判示第2及び第3の犯行)、行政当局への発覚を免れるための種々の工作をしたりしていたのであって、巧妙かつ組織的な犯行で、廃棄物の適正な処理を図るという廃棄物処理法の趣旨を蔑ろにすること甚だしいというほかなく、犯情は相当悪質であるなどとして、被告会社を罰金5000万円に処し、被告人P3及び被告人P2をそれぞれ懲役3年に処し、被告人P3に対し5年間、被告人P2に対し4年間の刑の執行を猶予するとした事例。