2016.12.20
詐欺未遂被告事件(だまされたふり作戦 二審も「受け子」無罪)
LEX/DB25544184/名古屋高等裁判所 平成28年 9月21日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第161号
被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、氏名不詳者がB方に電話をかけ、同人に対し、電話の相手が被害者の息子であり、同人が現金を至急必要としている旨のうそを言い、その旨誤信させて、被害者から現金の交付を受けようとしたが、同人が警察に相談したためその目的を遂げなかった事実につき、無罪が言い渡され、検察官が控訴した事案において、被告人が、警察官から令状を呈示され捜索等を受けている正にその最中に、Eからの電話に対し、荷物が届いているので取りに来るよう告げるなど、詐欺の被害品を受領したことを認識していたのであれば通常考え難い会話をしていることなどにも照らせば、被告人が、郵便物の中身が詐欺の被害金等であるかもしれないと認識していたと認めるには疑問がある等説示した原判決の判断に、誤りはないとし、控訴を棄却した事例。