2017.08.08
窃盗被告事件
LEX/DB25546108/奈良地方裁判所葛城支部 平成29年 6月19日 判決 (第一審)/平成27年(わ)第4号
被告人が2度にわたりトラクターを窃取した事案において、捜査機関がGPS端末等を利用した捜査を実施しており、この捜査には令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、上記捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠は違法収集証拠として証拠排除されるべきであるから、その結果として被告人を犯人とする証拠がないことに帰するとし、被告人は無罪とする弁護人の主張に対し、各証拠がGPS捜査により直接得られた証拠と同視することはできず、この捜査と密接に関連するものとはいえず、その証拠能力を認めるのが相当であるとしたうえで、転売して換金する目的でトラクターという特殊な物品を狙った職業的犯行であり,あらかじめ運搬用のトラックを借り受け、人目につかない深夜の農村地帯で厳重な保管がなされていない被害品を窃取するという犯行態様は、計画的で手慣れていて悪質であるなどとして、懲役3年を言い渡した事例。