2025.01.28
覚醒剤取締法違反、関税法違反、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25621560/千葉地方裁判所 令和 6年11月27日 判決(第一審)/令和4年(わ)第1722号
被告人が、覚醒剤取締法違反、関税法違反、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反の罪で、懲役7年及び罰金200万円を求刑された事案で、本件においては、本件貨物の中身が覚醒剤を含む違法薬物かもしれないとの認識が認められれば、各罪について故意が認められ、また、そのような認識が共犯者との共謀を認定する前提となるところ、麻薬特例法違反の罪については、故意が認められ、本件の経緯によれば、被告人と共犯者との共謀も明らかに認められるから、被告人には、同罪が成立するが、他方で、起訴状記載の公訴事実第1に係る覚醒剤取締法違反(営利目的輸入の罪)については、既遂時、すなわち覚醒剤が隠し入れられた本件貨物がF空港において航空機外に搬出された時点までに、前記認識が生じていたとは認められないから、被告人に故意及び共謀が認められず、同罪は成立しないとしたうえで、本件は、組織的な違法薬物の密輸事案であるところ、本件当時社会経験に乏しく未熟であった被告人が、組織に末端の立場として利用された側面があること、被告人が本件犯行時少年であり現在も若年であること、被告人が反省の態度を示しており更生の意欲も高いことのほか、更生に家族の支援も期待できることに照らせば、被告人を主文の刑に処したうえ、その刑の執行を猶予し、家族の指導監督の下、社会内で更生する機会を与えることが相当であるとして、被告人を懲役1年に処するとともに、3年間その刑の執行を猶予し、一方、本件公訴事実中、覚醒剤取締法違反及び関税法違反の点については、被告人に無罪を言い渡した事例。




















