2018.01.23
(平成29年 6月28日東京高等裁判所(平成28年(ネ)第5763号)の上告審)
LEX/DB25548338/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月12日 決定 (上告審)/平成29年(受)第1808号
一審原告(申立人)は、本件土地並びにその一部の土地上にある3階建共同住宅(本件不動産)を購入して代金を支払い、自己に対する所有権移転登記を経たが、その際、弁護士である一審被告が、不動産登記規則72条に基づく本人確認情報を提供し、登記義務者代理人として所有権移転登記申請をし、売主として売買契約に立ち会った者が売主に成りすました他人であり、売主の住民基本台帳カード等の書類が偽造されたものであったため、後に、真実の所有者から所有権移転登記抹消登記手続を求められ、当該不動産の所有権を取得することができず損害を被ったとして、一審原告が、一審被告に対し、一審被告が過失により、売主の本人確認の際に提示を受けた住民基本台帳カード等の書類が偽造されたことに気付かないまま誤った本人確認情報を提供したとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払等を求めた事案において、第一審判決は、一審被告には、売主である女性(自称g)の本人確認で、成りすましによるものであることを疑うべき事情があり、これによって一審原告が損害を被ることについての結果予見可能性及び結果回避可能性があるところ、一審被告において注意義務を尽くしたとはいえないから不法行為責任を負うべきであるとして、一部認容、一部棄却したため、これに不服の双方(なお、一審被告が死亡したため一審被告の相続について限定承認をした一審被告訴訟承継人が地位を承継した)が控訴し、控訴審判決は、一審原告の請求は理由がないから全部棄却すべきであり,これを一部認容した原判決は失当であり、一審被告訴訟承継人の控訴は理由があるとし、原判決中一審被告訴訟承継人敗訴部分を取消した上、前記取消しに係る一審原告の請求を棄却することとし、一審原告の控訴を棄却したため、一審原告が上告受理の申立てをした事案において、本件を上告審として受理しないと決定した事例。




















