2019年10月号Vol.116

【レポート】窓口業務改革、待ったなし

窓口業務改革への関心が急速に高まっている。TASKクラウドフェア2019でも、関連製品の展示コーナーは終日多くの人でにぎわった。その様子をレポートする。

窓口業務改革

会場では多目的情報端末を使って住民の操作体験も行った

 昨今、窓口業務改革への関心が急速に高まっています。背景には人口減少・少子高齢化に伴う労働力不足があります。
 「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会」は、今年5月に報告書を公表し、①人口減少が深刻化しても、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供できる②職員を事務作業から解放し、職員でなければできないより価値のある業務に注力する──など「スマート自治体」の実現を提言。そのためには、現行の仕事の仕方を抜本的に見直すことが必要とし、その方策として〈行政手続を紙から電子へ〉など三つの原則を掲げました。
 まさに、窓口業務改革は〝待ったなし〟の状態です。その様子は今年の「TASKクラウドフェア」でも強く感じられました。
 窓口業務改革に関連する製品の出店コーナーには絶えず人だかりができ、数多くの質問がよせられるなど、各会場ともに活気づいていました。

住民との接点を改革する

住民との接点を改革する

システムデモでは来場者から多くの質問が寄せられた

 「TASKクラウドフェア」は、TKCとパートナー各社が地方公共団体のお客さま向けに毎年開催しているものです。今年は、7月から9月にかけて全国17都市で開催し、400団体近くの方にご来場いただきました。
 TKCでは、「窓口業務改革は行政サービス・デジタル化への第一歩」と考えています。そのため、次世代住民サービス支援システムとして、〈オンライン化する手続き〉と〈オンライン化しない手続き=窓口申請〉の両面からICTの有効活用を模索し、各種製品をご提案しています。
 今回のフェアでは、窓口業務改革関連として「TASKクラウドかんたん窓口システム」のほか、来春に提供を予定する「TASKクラウドマイナンバーカード交付事務支援システム」、「オンライン申請システム」などのプロトタイプ製品をご紹介しました。これらを紹介するコーナーでは順番待ちも出るほど、各会場ともに多くの人でにぎわいました。
 既存の窓口業務の改革という点で注目されたのが、マイナンバーカードやタブレット端末等を活用して〈住民に書かせない〉〈住民を待たせない、迷わせない〉を実現する「かんたん窓口システム」です。
 特に、職員の知識や経験によらず〈住民に必要な手続きを漏れなく案内する〉ことは、多くの団体に共通する課題です。来場者の話を伺うと、そのために「紙でチェックリストを作成」しているという団体もありました。
 この解決策の一つが、ベテラン職員の知識や経験を〝システム化〟すること。
 かんたん窓口システムは、住民が質問に答えると世帯構成やライフイベントに応じて該当する手続きを自動判定し、そのまま申請書を作成します。その情報は関係各課へ連携されるため、〈待ち時間短縮〉〈手続き案内の漏れ防止〉に加え、職員の事務負担を軽減し、スマート自治体が求める〈職員を 〝人〟にしかできない業務に注力させる〉ことが可能です。
 システムを体感した来場者からは、「窓口サービスの標準化を図れ、ミスの防止につながる」という声に加え、住民の利便性の観点からも「同じような書類を何枚も手書きせずにすむ」「待ち時間の緩和につながりそう」という意見が聞かれました。

行政も住民も、もっと便利に

行政も住民も、もっと便利に

スマートフォンが行政サービスを変えるのも間近のことだ

 これから新たに発生する(あるいは増加が見込まれる)窓口業務の効率化という点で、熱い視線を浴びたのが「マイナンバーカード交付事務支援システム」です。中には「これを見るために来た」という方もいらっしゃいました。
 9月3日に開催されたデジタル・ガバメント閣僚会議では、マイナンバーカードの普及策が議論され、市区町村に「マイナンバーカード交付円滑化計画」を策定するとともに、カードの交付体制整備や一層の普及促進を要請しました。今後、新規取得の増加に加え、電子証明書の更新という新たな業務も発生することから、システム利用による効率化が不可欠です。
 デモをご覧になった方々からは、「業務改善・時間短縮につながる」「ヒューマンエラーがなくなる」「職員1人でも対応できそう」といった意見が寄せられ、現在、お問い合わせが殺到するなど想像以上の反響をいただいています。
 また、次世代の〝スマート窓口〟として注目されたのが、スマートフォンを活用して各種手続きの事前申請が行える「オンライン申請サービス」です。会場ではプロトタイプ版のシステムをご覧いただき、製品化に向けて実務家としての意見・要望を伺いました。その声からは、業務効率化と住民の利便性向上の両面から期待感の高さが感じられました。
 『令和元年版情報通信白書』によれば、世帯の情報通信機器の保有状況でスマートフォンの保有割合は79・2%と、パソコン(74%)を上回りました。また、民間調査を見ると携帯電話を所有する60~79歳のスマートフォン利用割合は6割を超えるなど、懸案の世代間格差も年々縮小化しています。
 こうした環境変化を受け、行政分野でもスマートフォンを意識したサービスが続々と登場しています。TKCでも、引き続き住民サービス支援システムを強化拡充する考えです。
 なお、奈良県奈良市ではスマートフォンの有効性に着目し、最適な窓口業務改革手法を検討すべく今秋に事前申請の実証実験を計画しています。その具体的な取り組みを「地方自治情報化推進フェア2019」でご紹介いただく予定で、こちらもぜひご注目ください。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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