2026年10月号Vol.144
【『新風』創刊30周年に寄せて】自治体へ、これからも新たな風を届け続ける
株式会社TKC 代表取締役専務執行役員 地方公共団体事業部長 飛鷹 聡
おかげさまで、『新風』は本号をもって創刊30周年となりました。
この節目を迎えられましたのも、取材や寄稿にご協力いただいた関係省庁、地方公共団体、研究機関、民間企業の皆さま、そして日頃から本誌をご愛読いただいている皆さまのお力添えの賜物と、心より御礼申し上げます。
本紙は1996年10月の創刊以来、地方公共団体を取り巻くICT、法律や社会制度など環境の変化を見つめながら、行政事務のデジタル化や住民サービス向上に資する情報を発信してきました。その歩みを振り返ると、電子自治体の黎明期から自治体クラウド、マイナンバー制度、地方公会計改革、そして近年のデジタル・ガバメント、自治体システム標準化、自治体DXに至るまで、まさに地方行政の変革の歴史そのものと重なっています。
この30年間で『新風』が積み重ねてきた情報量や成果は、数字からも見てとることができます。創刊号から本号までの総ページ数は2388ページに達し、編集に関わった社員は延べ3064名に上ります。毎号の企画会議では、政府の重要施策やICTトレンド、全国の自治体の成功事例などを収集し、「何が地方公共団体にとって有益で、いま何が求められているのか」を議論してテーマを選定してきました。
また、取材・寄稿にご協力いただいた方は延べ648名・組織、全国33都道府県の延べ373の市区町村等を取材し、それぞれの地域が抱える課題や先進的な取り組みを紹介してきました。特に、自治体職員の皆さまには、業務で多忙を極める中でも快く取材に応じ、現場の生の声を聞かせていただいたことに深く感謝申し上げます。
本誌の名称には「行政情報化へ新しい風を吹き込みたい」という願いが込められています。その思いは30年を経た今も変わりません。
人口減少や少子高齢化の進行、激甚化する自然災害への対応、地域経済の活性化、そしてAIやデータ活用を前提とした行政運営への転換など、地方公共団体が向き合う課題はますます高度化・複雑化しています。こうした時代だからこそ、本紙が果たすべき役割は一層重要になると考えています。
制度や好事例の紹介にとどまらず、その背景にある考え方や成功の要因、さらには課題や失敗から得られた教訓までを丁寧にお伝えし、「行政効率の向上による住民福祉の増進」に貢献する情報を発信し続け、自治体経営の維持・発展に資する〝新しい風〟を全国へ届けてまいります。
今後ともご協力、ご期待くださいますようよろしくお願い申し上げます。