2025年4月号Vol.138
【巻末情報】 ペポルインボイス実証実験
TKCはこのほど、兵庫県多可町の協力を得て、市区町村における「ペポルインボイス」*の活用による業務の有効性・効率性向上に関する実証実験を行いました。
これはペポルインボイスの受領はもとより、受け取った請求書データを財務会計システムに取り込み、伝票への自動転記・起票、電子決裁から支払いにいたる事務処理の〝デジタル完結〟の効果や課題を検証したものです。
今回の結果を踏まえ、TKCでは来春のサービス実用化を目指して自治体向け財務会計システムの機能を強化するとともに、さまざまな機会を通じて市区町村に対してペポルインボイス導入に向けた理解促進に努めます。
自治体での活用には課題も
「ペポル」とは、請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための国際的な標準仕様で、日本ではデジタル庁が日本版の標準仕様(JP PINT)を管理しています。
ペポルインボイスを活用することで、請求書の送り手はこれまでのように紙の請求書を発行・郵送する必要がなくなります。一方、受け手側では紙やPDF等の請求書と異なり、財務会計システム等にデータを容易に連携でき、保管・管理の手間も省けるなど業務の効率化が期待できます。
ペポルインボイスを送受信するには、専用のアクセスポイントを経由する必要があります。TKCはペポルサービスプロバイダーとしてアクセスポイントを提供しており、すでに7,000社を超える事業者がこれを利用してペポルネットワークに参加しています。
今後、市区町村でも急速に利用が拡大すると想定されますが、実務面ではさまざまな課題もあります。そこで今回の検証結果を踏まえ、TKCではお客さまや関係省庁・機関などと協力して課題解決策を検討する方針です。
また、「TASKクラウド公会計システム」などでペポルインボイス対応を進め、来春をめどにサービスを実用化する計画です。こうした取り組みを通じて、市区町村における内部事務のデジタル化を支援してまいります。

掲載:『新風』2025年4月号