5月に予定される改元にともない、さまざまな対応を迫られそうですが、企業活動への影響について教えてください。(無店舗小売業)

 5月1日の新天皇即位に伴い、「平成」から新たな元号に改まります。新元号は4月1日に発表される予定であり、システム対応など、その影響は広範におよぶことが見込まれます。

 市販されているソフトは、メーカーが提供する修正ソフトの適用などで対応できます。ただし、バージョンが古くサポート期間が終了していたり、メーカーが倒産してしまった場合には、修正ソフトが適用できません。その場合はメーカーや販売代理店に対応方法を確認する必要があります。

 一方、独自に開発したソフトでは、帳表や画面表示、入力項目を修正する必要があります。和暦が書き込まれたプログラムでは作業量は膨大になりますが、元号や期間などの情報がプログラムと分離されていれば管理情報の修正で対応できます。元号は原則漢字2文字なので、画面や印刷様式の変更はほとんど発生しないでしょう。ただし、合字(「㍻」等)は文字コードへの割り当てに時間がかかるとの指摘もあります。新元号の発表前から修正作業を行えるため、IT部門や委託会社に状況を確認し、早期に対応を進めるべきです。

 ウェブサイトやSNS等で発信する情報も修正対象となります。年間スケジュール等、和暦を含み、改元後も参照頻度が高い情報は修正する必要があるでしょう。しかし、過去のプレスリリースやSNSの発信内容などをさかのぼって修正することは困難です。改元以降の新製品発売や新サービス開始などのイベント、改元時期をまたがって行われるアンケートなど、修正対象を絞り込んだ上で、新元号を表記して発信するといった対応が考えられます。

 西暦の使用が一般化しつつある一方、契約文書や行政機関への申請書類などは、和暦の使用が継続すると予想されます。企業ではソフトの外部委託契約など、契約満了日が改元以降になる場合は、契約文書を更新せずに新元号に読み替えて対応することになるでしょう。

〝10連休〟対策を万全に

 さらに、新天皇即位に伴う10連休にも備える必要があります。企業では、連休中に月末および月初の処理と新元号の反映確認を行う必要があります。行政機関の窓口も閉鎖されるため、申請等がある場合は注意が必要です。

 暦にも注意してください。今年に限っては天皇即位の日(5月1日)を含む10連休のほか、「即位礼正殿の儀」が行われる日(10月22日)は祝日になります。また、これまでの天皇誕生日(12月23日)は2019年から平日となる一方で、20年以降は2月23日が天皇誕生日として祝日となります。

 もっとも、元号が変わる5月1日時点で全ての対応を終えることは必須ではありません。改元以降も当面は平成から読み替えて対応できます。文書は元号部分を修正すれば問題ありません。このように影響は多岐にわたるため、少々遅れてもしっかりと対応することが肝要です。

【TKCシステムの改元対応】
 原則として、2019年4月版のプログラムに更新することで新元号に対応します。

掲載:『戦略経営者』2019年3月号