2024年10月号Vol.136

【TKC サポートインフォメーション1】内部事務のデジタル化本格的な普及へ、デジタルインボイスへの対応

 民間企業を中心に普及が進む電子請求書サービス。自治体にとっても利用メリットが期待され、導入の機運が高まっています。
 しかしながら、電子請求書サービスを活用した本格的なデジタル化を進めるには、①システムにそのまま読み込み可能なデータである、②送り手、受け手双方が同一事業者のサービスを利用する必要がある、などの制約があります。そこで今、注目が高まっているのが「デジタルインボイス」です。
 これは、国際的な標準仕様「ペポル」をベースとしたXML形式の電子インボイスのことで、デジタル庁が日本版の標準仕様(JP–PINT)を公開しています。その送受信はインターネット上に構築されたペポルネットワークで行われます。ペポルネットワークには、ペポルサービスプロバイダーが提供するアクセスポイントを介して接続する形となります。

DX推進へ、浸透はじめた日本版ペポル

 デジタルインボイスの利用メリットは、①請求書発行にかかるコストと手間を削減できる、②請求書の送り手、受け手それぞれが異なるサービス/システムを利用していても、ペポルネットワークに参加する全てのユーザーとやり取りできる、③XML形式のため、債権者名や品名、取引金額等のデータをそのまま財務会計システムに取り込める──などです。
 TKCでは、当社が発行する請求書についてデジタルインボイスへの切り替えを進め、請求書発行にかかる手間を大幅に削減しています。また、ペポルサービスプロバイダーとして、アクセスポイントやデジタルインボイスに対応したシステムを民間企業向けに先行して提供。アクセスポイントのユーザー数は今年8月末時点で5000件を超えるなど、デジタルインボイス利用の裾野は確実に広まっています。

デジタルインボイス の場合 送信者と受信者 それぞれのアクセスポイントを経由

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 デジタルインボイスは、「令和6年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」(2024年1月22日/総務省事務連絡)において積極的な導入が要請されるなど、自治体でも対応が求められています。
 TKCは、自治体向けにもアクセスポイントの提供や、財務会計システム「TASKクラウド公会計システム」のデジタルインボイス対応を進めており、今年度中に実証を行う計画です。今後にご注目ください。

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