ニュースリリース
地方公共団体向け「TKCクラウドサービス」を提供開始 クラウド拠点・TKCインターネット・サービスセンターも増強―より一層、安全で、信頼性の高い行政情報システムの提供へ―
平成22年7月15日
株式会社TKC(代表取締役:髙田順三/本社:栃木県宇都宮市/資本金:57億円)は、クラウドコンピューティング時代における地方公共団体向けソリューションとして「TKCクラウドサービス」を発表、今秋以降、順次サービスの提供を開始します。
また、これと合わせて今年9月中をめどに、当社のクラウドサービスの拠点である「TKCインターネット・サービスセンター」の増強を図ります。
これにより、柔軟性や拡張性、安全性といったクラウドコンピューティングの特徴を活かした次世代のサービスを構築し、財政規模の小さい地方公共団体でも、最適なコストで、最適な業務プロセスを実現できるよう、ご支援してまいります。
先頃、総務省はクラウドコンピューティングの地方公共団体への導入を促進するために次期通常国会へ関連法案を提出する方針を打ち出し、また、地方税が過去最大の減収となったことなどを背景に、今秋以降「自治体クラウド」は急速に広まることが予想されます。
TKCは、創業以来一貫して会計事務所と地方公共団体の2つの分野に専門特化した情報サービスを展開してきました。なかで地方公共団体向けには、(1)バックオフィスサービスを支援する「TASK.NETシリーズ」、(2)フロントオフィスサービス(住民向けサービス)を支援する「TKC行政ASPシリーズ」、(3)納税通知書などの大量一括処理を支援する「アウトソーシング・サービス」――の3つを提供してきました。
今回、新たに構築する「TKCクラウドサービス」は、最新技術の活用によって、これら3つのサービスを統合するものです。
第一弾として、今秋にシンクライアント版によるTASK.NETシリーズの提供を開始するのを皮切りに、国が推進する「自治体クラウド事業」など各種施策の動向なども見ながら、平成24(2012)年春に向けて随時サービスを拡充する計画です。
TKCのこれまでの取り組み
TKCでは他社に先駆け、平成15年11月より地方公共団体向けにLGWANを基盤とする「TKC行政ASPシリーズ」を提供してきました(IP-VPNを基盤とするサービスは平成14年4月提供開始)。現在、「電子申請・届出」「かんたん申請・申込」「公共施設案内・予約」「講座・イベント申込」「地方税電子申告支援サービス」など住民向けサービスを中心に9種を提供しており、契約件数は平成21年9月末現在で1,070件に達しています。
TKCクラウドサービスの特徴
- システムの最適化とトータルコストの抑制を実現します。
- 市町村の情報システムの整備状況や業務形態に合わせて、庁内設置型、ASP型、フルアウトソーシング型など、さまざまな形態のサービスを柔軟に採り入れることが可能です。
- 例年発生する軽微な制度改正に伴うシステム改修はソフトレンタル料の範囲内で対応します。また、サーバや高速プリンターなど余分なハード資産が不要となり、自庁処理方式と比べ大幅なコスト削減が可能です。
- 業務プロセスの簡素化・効率化を支援します。
- 全国で利用されるパッケージシステム「TASKシリーズ」と「大量一括アウトソーシング・サービス」の組み合わせにより、業務プロセスの簡素化・効率化を支援します。
- 繁忙期など負荷が高い処理が必要な場合でも、容易に設備やサービスを拡張できます。
- 最高度の情報セキュリティを確保します。
- 「TKCインターネット・サービスセンター」は、LGWAN-ASP接続資格審査合格に加え、ISMSの認証基準ISO/IEC27001を取得するなど、最高度の情報セキュリティ体制を確保しています。
- シンクライアント方式を活用することで、行政情報はサーバのみに格納され、情報漏えいのリスクを大幅に軽減します。
- 住民サービスの向上を支援します。
- LGWAN-ASPサービスの活用により、住民サービスの強化・拡充が図れます。
- 証明書のコンビニ交付サービスやクレジット収納対応など、24時間365日のノンストップサービスも容易に実現できます。
TKCインターネット・データセンターの増強について
TKCインターネット・サービスセンター(略称:TISC)は、平成15年10月、TKCのお客様(地方公共団体、税理士・公認会計士とその関与先企業、上場企業を中心とした中堅・大企業)に対して、各種アプリケーションやデータストレージなど、ブロードバンドネットワーク社会に対応したサービスを提供する拠点として、栃木県内に開設したものです。
このため、TISCは24時間365日の有人監視や生体認証装置によるサーバルームの入退室管理など万全なセキュリティ対策に加え、震度7にも耐える「免震構造」や「雷害対策」、コンピュータ等に悪影響を与える亜鉛ウイスカの排除、省電力およびライフサイクルCO2の削減といった環境配慮などにおいて、最新鋭の設備環境を整えました。
昨今、地方公共団体および中堅・大企業に向けに当社が提供するASPサービスの利用件数が急速に伸びていることから、新たに従来のサーバルームよりも一段と強固な情報セキュリティ対策を施した第2サーバルームを開設することにしました。これにより、データ重要度の高いものについては、新設されるサーバルームへ移行します。
なお、第2サーバルームの工事は平成22年7月着工、9月20日竣工の予定で、これに伴う設備投資額は約3億円を見込んでいます。
当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp
ご参考
〈自治体クラウドについて〉
- 現時点では、クラウドコンピューティングには明確な定義はありませんが、総務省資料によれば以下のように説明しています。
クラウドコンピューティングとは、「ASP/SaaS技術」「グリッドコンピューティング技術」(*1)「仮想化技術」(*2)などを用いて構築された情報システムを、利用者が対価を払った上でインターネットを通じてサービスとして利用するという利用形態
(*1)グリッドコンピューティング技術:複数のコンピュータを接続することで情報処理量の増減に柔軟に対応する技術
(*2)仮想化技術:1台のコンピュータ上に理論的に複数の業務アプリケーションを稼動させる技術 - 総務省の取り組み
総務省では、平成21年度から「自治体クラウド」開発実証事業へ取り組んでいます。
これは、近年さまざまな形で活用が進んでいるASP/SaaS、クラウドコンピューティングといった技術を電子自治体の基盤構築にも活用するもので、上記事業は、地方公共団体の情報システムをデータセンターに集約し、市町村がこれを共同利用することにより、情報システムの効率的な構築と運用を実現するための実証実験です。
なお、ここでいう「自治体クラウド」とは、閉域網として構築されているLGWAN上でシステムの共同利用を行う、いわゆる「プライベート・クラウド」と捉えられています。
また、「自治体クラウド」へ期待されているのは、主に以下の4点です。
- システムの最適化とトータルコストの削減
- 業務プロセスの簡素化・効率化
- 情報セキュリティの向上
- 行政サービスの質の向上