ニュースリリース

町村で全国初、「地方税の電子申告」埼玉県三芳町が9月22日よりサービス開始-法人市町村民税、個人住民税(特別徴収)、償却資産などの申告が可能に-

平成20年6月16日

 埼玉県三芳町殿(町長:鈴木英美/人口3万7526人)は、町村では全国で初めて地方税の電子申告サービスを開始します。サービス提供開始日は、9月22日となります。

 このほどサービスを開始するのは、「法人市町村民税」「固定資産税(償却資産)」「個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続)」の電子申告です。
 地方税の電子申告は、47都道府県と15政令指定都市、3市においてサービスが実施されていますが、三芳町殿は秋田県秋田市殿と和歌山県田辺市殿に次いでLGWAN-ASP方式(*)を採用した団体となります。

 なお、本サービス開始にあたり、三芳町殿より株式会社TKC(代表取締役:飯塚真玄/本社:栃木県宇都宮市)が開発・提供する「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」をご採用いただきました。

(*)LGWAN:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略
これまで地方公共団体が地方税の電子申告を開始するには、審査システム等を、(1)単独で構築・運用、(2)県域など複数団体が共同で構築・運用(協議会方式)――に限られていたことから多額の費用がかかり、中小規模団体によるサービス実施の障壁となっていました。これを解消するために第3の方式として登場したのが「LGWAN-ASP方式」です。LGWAN-ASP方式は、審査システムを民間企業が構築・運用し、市町村はサービスのみを有料で受ける仕組みのため、ほかの方式に比べて「機器調達や運用にかかるコストが安く、利用料金の負担が安定している」「運用・保守にかかる作業が少ない」などのメリットがあります。このため、市町村は整備済みのLGWANを有効活用し、低コスト・短期間で電子申告のサービスを開始することが可能で、電子申告普及に向けた有効な手法になると注目されています。

 三芳町殿では、現在、『第3次行政改革大綱』に示した基本理念を引き継ぐ『三芳町行政改革推進プラン~集中改革プラン~』をもとに具体的な取り組み目標を設定し、行政改革を推進しています。
 「地方税の電子申告」もその取り組みの一環で、インターネットの発展や社会・生活環境の変化を背景に、簡素で効率的な行政を実現し、住民や企業等にとって利便性の高い行政サービスの提供および行政コスト軽減を目指します。このためサービス開始にあたっては、情報セキュリティと費用対効果の観点からLGWAN-ASPを採用しました。

 今回のサービス開始により、三芳町殿へ申告を行う納税者と申告代理人(税理士等)はインターネットを介して各種申告や申請・手続が行えるようになり、申告書を紙に印刷し郵送するといった手間から解放されます。なかでも「給与支払報告書」は、毎年約4900事業所分・約1万件の個人明細書が持参・郵送で提出されており、電子申告によって納税者の利便性向上とともに税務行政の効率化につながると期待されています。
 「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」は、納税者が電子申告したデータを地方公共団体の基幹税務システムへシームレスに連携させるASPサービスです。LGWAN-ASP方式のため、電子申告サービス開始にあたってサーバなど機器調達の必要がなく、運用・保守にかかる労力およびコストの負担を軽減します。
 本システムは、平成19年11月13日、電子申告を支援するシステムとして全国で初めて「LGWAN-ASPサービス接続資格審査(アプリケーション及びコンテンツサービス)」に合格・登録を完了。平成20年1月より、秋田市と田辺市において稼動を開始しています。

*LGWAN-ASP接続資格審査:LGWANを介して地方公共団体へ各種サービスを提供する事業者は、財団法人地方自治情報センター・総合行政ネットワーク全国センターが進めるLGWAN-ASPとしての資格審査を受ける必要があります。その審査内容はサービスの品質に加え、個人情報の保護や法令遵守といった情報セキュリティの確保など多岐にわたります。

 TKCは、納税者から収税者としての市町村まで、電子申告の流れを一気通貫で支援するシステムを開発・提供する唯一のベンダーとして、納税者と収税者(市町村)の双方からスムーズな電子申告環境をサポートし、社会の要請に応え、より高次な社会インフラの整備へ貢献すべく、国税・地方税の電子申告普及推進の一助となるべく取り組んでいます。

 現在、地方公共団体向け「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」のほか、会計事務所向け「TKC電子申告システム(e-TAXシリーズ)」、および中堅大企業向け「法人電子申告システムASP1000R」を開発・提供しています。
 さらに、TKCのユーザー(税理士・公認会計士)で組織されるTKC全国会では「国税・地方税の電子申告」の普及促進活動を展開し、平成19年度において地方税の電子申告全体の約7割にあたる29万7795件を実践しました。

 なお、三芳町殿の場合、町内の約1100事業所のうち半数はTKC会員税理士が関与する企業であり、サービス初年度から多くの利用が期待されます。

三芳町の電子申告のサービスの概要

  1. サービス開始日
    利用届出 平成20年9月22日
    電子申告 平成20年9月22日
  2. 対象業務
    法人市町村民税
    固定資産税(償却資産)
    個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)、電子申請・届出

TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」の特長

  1. LGWAN-ASP方式により、最小のコストで地方税の電子申告サービスを実現します。
  2. 既存の基幹税務システムと容易にデータ連携することができます。
    *基幹税務システムにより、一部システム改修が必要となる場合があります。
  3. 電子申告されたデータは、TKCインターネット・サービスセンターで10年間保管します。

ご参考
電子自治体の推進状況について

 平成13年1月に「e-Japan戦略」が策定されて以来、地方公共団体においてはこの国家戦略に従って電子政府・電子自治体の構築に向けた取り組みが進められてきました。
 平成18年1月に発表された「IT新改革戦略」では、その目標の一つに〈国・地方公共団体に対する申請・届出等手続におけるオンライン利用率を2010年度までに50%以上とする〉を掲げました。『地方公共団体における行政情報化の推進状況調査』(総務省)によれば、平成19年4月1日現在で電子申請システムを導入しているのは都道府県が97.9%、市町村が42.7%となっています。

 このように電子自治体の整備は着実に進む一方、経済界などからは「利用者にとってオンライン申請の使い勝手が悪く、行政効率性も不十分」との指摘もあり、地方公共団体では業務プロセスの見直しとともに〈住民視点と費用対効果の視点〉に立った大胆な計画の見直しとスピードアップが求められています。
 こうしたことを背景に今年4月、政府・IT戦略本部は電子行政推進に向けた基本指針『IT政策ロードマップ中間報告』を公表しました。本指針では電子申告を含む行政手続のオンライン化を強化分野の一つに挙げて、その利用促進へ取り組むとしています。

地方税の電子申告の動向

 地方税の電子申告は、社団法人地方税電子化協議会が開発・運営する「エルタックス(eLTAX)」を介して提供されているものです。

 全国47都道府県と15政令指定都市、相模原市に加え、1月から新たに田辺市と秋田市が参画しました(オブザーバー会員/4月17日現在:290団体)。なお、田辺市と秋田市はLGWAN-ASP方式(*)によるシステムを活用して地方税の電子申告のサービスを行う初の団体となります。

(*)これまで地方公共団体が地方税の電子申告のサービスを開始するには、審査システム等を(1)単独で構築・運用、(2)県域など複数団体が共同で構築・運用(協議会方式)――に限られていたことから多額の費用がかかり、中小規模団体によるサービス実施の障壁となっていました。これを解消するために第3の方式として登場したのが「LGWAN-ASP方式」です。LGWAN-ASP方式は、審査システムを民間企業が構築・運用し、市町村はサービスのみを有料で受ける仕組みのため、ほかの方式に比べて「機器調達や運用にかかるコストが安く、利用料金の負担が安定している」「運用・保守にかかる作業が少ない」「合併等にも柔軟に対応できる」などのメリットがあります。このため、市町村は整備済みのLGWANを有効活用し、低コスト・短期間で電子申告のサービスを開始することが可能で、電子申告普及に向けた有効な手法になると注目されています。
LGWAN:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略

 現在、電子申告が可能な税目は、法人都道府県民税、法人事業税、法人市町村民税、固定資産税(償却資産)、個人都道府県民税・市区町村民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続)、事業所税です。また、3月24日からは、電子納税と申請・届出が追加されました。
 19年度の電子申告の利用実績は、国税が328万2413件(平成18年度実績126万8406件)に対して、地方税は42万4384件(同4万6859件)となっています。

地方税の電子申告のメリット

 地方税の電子申告・納税は、法人や個人事業主にとってIT社会の便利さを最も実感できるサービスのひとつで、全国の地方公共団体での早期実現が期待されています。
 特に、償却資産や給与支払報告書などは申告すべき件数が多く、ほとんどの企業や会計事務所がコンピュータで処理していることから、申告書等の電子データをオンライン送信できれば、わざわざ紙にプリントアウトして持参・郵送する手間が省け、そのためにかかっているコストも削減することができます。一方、市町村にとっても電子データで受け取ることで改めてシステムへ手入力するといった手間が省け、入力ミスなどを防ぐことができ、これまでパンチ入力等にかかっていた無駄なコストを削減することも可能です。

電子申告の普及促進策

 現在、サービスの実施団体が一部に限られていることから、地方税の電子申告は国税に比べて遙かに少ない利用件数にとどまっています。この状況を踏まえて、国や関係機関では以下のような電子申告の普及促進策を打ち出しています。

  1. 公的年金からの個人住民税の特別徴収のスタート
    今後の高齢課社会の進展に伴い、高齢者である公的年金受給者の納税(住民税の普通徴収対象者)の納税の便宜を図るとともに、市区町村の徴収の効率化の観点から実施されるもので、長年の市区町村からの要望が実現しました。
    特別徴収を行うためは、社会保険庁などと全国1800の市区町村との間で情報のやりとりが発生します。そこで社団法人地方税電子化協議会を経由機関として、eLTAXの仕組みを使って市区町村との情報のやりとりを行う予定です。これによりすべての市区町村は制度的に協議会とつながる必要性が生じます。住民税の特別徴収は平成21年10月分からとなりますが、そのための事務処理として、平成21年1月には「年金支払報告書の電子化」がスタートします。そのためすべての市区町村において、可能な限り来年1月から、遅くとも2年内のeLTAX参加が求められています。
    なお、年金支払報告書の電子化によって、市区町村では従来、社会保険庁から紙で渡されていた膨大なデータをパンチ入力する手間が省け、課税事務・コストともに軽減します。
  2. 国税の電子申告(e-Tax)との連携
    現在、国税の電子申告データは税務署から市区町村へ紙で渡され、市区町村はそれをパンチ入力しています。この状況を改善すべく、関係機関での協議が始まりました。これにより所得税の電子化が実現し、市区町村の課税事務はさらに効率化されます。
  3. 先行導入団体へのインセンティブ
    これまで市区町村にとって電子申告導入のネックとなっていた費用対効果の問題を解消すべく、社団法人地方税電子化協議会では20年度に電子申告を開始する団体に対して運用関係費負担金を2年間免除するなどインセンティブを打ち出しました。
  4. 納税者側の動向
    日本税理士連合会などを中心に、市区町村に対して電子申告の早期実現を働きかける動きが活発に展開されています。TKC全国会においても、関与先企業の申告時に要請文書の提出活動などを実施しています。

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
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Eメール:pr@tkc.co.jp