スマート行政DX推進を支援する

情報誌 「新風」(かぜ)

2025年7月号Vol.139

【TKC サポートインフォメーション1】システム標準化安全・安心・便利なサービスへ支援体制を強化・拡充

 ガバメントクラウドにおける情報システムの運用は、オンプレミスやプライベートクラウドとは異なる特性を持つため、慎重な管理と運用体制が求められます。
 特に、システムの安定性や信頼性の確保は、住民サービスの継続に直結するため極めて重要です。さらに、ガバメントクラウドは従量課金であるという特性を踏まえ、クラウド利用コストの適切な管理も重要な要素となります。

1. 業務継続性の確保

 システムの安定性や信頼性を実現するためには、クラウド内で複数の可用性ゾーン(物理的に分離されたデータセンター)を活用した冗長構成が有効です。しかし、回線を含めた完全な二重化構成を組むとコスト高となるという課題があります。
 そこで、コストと可用性のバランスを考慮し、クラウド側の構成に加えて、庁舎内に設置したサーバを活用した業務継続の仕組み(照会発行サーバと縮退運用システム)を提供しています。その特長は、もしもを想定した〝二重の備え〟としていることです。
 照会発行サーバは、クラウド上のデータと定期的に同期を行い、万が一、クラウド側で広範な障害が発生した場合でも、重要な業務を庁舎内で継続できるように設計されています。
 これに加えて庁内ネットワークで障害が発生した場合でも、縮退運用システムにより〝住民にとって最小限必要な窓口業務〟だけは継続することができます。

2. 専門部隊による運用支援

 標準準拠システムの安定運用を実現するため専門の運用部門を設立し、監視・保守・障害対応等を一元的に実施しています。これによりインシデントの早期発見と迅速な対応が可能となり、継続的なサービス提供を確保しています。
 また、マネージドサービスを活用した監視機能を強化するほか、手順書の整備や定期的な訓練などにより、障害発生時にも柔軟かつ確実に対応できる運用体制を構築しています。

3. コストの最適化

 ガバメントクラウドでは、地方公共団体が予算責任を負う一方で、実際のシステム設計・運用は運用管理補助業務を受託するベンダーが担い、コストの最適化に取り組む必要があります。
 TKCでは、「マルチテナント(アプリケーション分離)方式」の採用により全国の利用団体間でのインフラ共有を進め、コストの大幅な削減を図っています。また、最新技術を活用したシステムのモダン化を推進することで、運用負荷やリソース使用量の最適化にも取り組んでいます。

◇   ◇   ◇

 今後も標準化や制度改正等の動向に柔軟に対応し、信頼性・安全性・経済性を兼ね備えたシステム運用を実現してまいります。

導入システム