イベント開催報告
「TKCタックスフォーラム2015」が盛大に開催されました
TKC税務研究所が主催する「TKCタックスフォーラム2015」が、約500名の会員等の参加のもとリーガロイヤルホテル東京で開催された。今年のタックスフォーラムは、租税訴訟における要件事実の考え方や課税庁・納税者との紛争事例を通じ、税理士に求められる法律的思考力──リーガルマインド── について、さらにマイナンバー制度への対応や顧問先の海外進出支援など、会計事務所に求められる今日的なテーマについて、参加者が学ぶ場となった。
主催:TKC税務研究所 共催:公益財団法人租税資料館 後援:TKC全国会
とき:平成27年6月19日(金) ところ:リーガロイヤルホテル東京
(※敬称略)
開会の挨拶
TKC税務研究所所長 伊藤 誠
TKC税務研究所所長 伊藤 誠
12回目となる本日のタックスフォーラムは4部構成としております。第1部は、TKC千葉会による「税理士の専門家責任」についての研究発表です。
第2部は、「租税訴訟における要件事実の考え方」について、要件事実論の権威である創価大学名誉教授の伊藤滋夫先生にご講演いただいたあと、専修大学法学部教授の増田英敏先生と対談をしていただくことで、より理解を深めていただきたいと考えております。
第3部は、「マイナンバー制度の概要と税務について」と題し、国税庁長官官房企画官兼情報技術室長の猪野茂氏にご講演いただきます。
第4部のパネルディスカッションでは、「中小企業の海外進出時における留意すべき実務上の論点」をテーマに、パネリストとして関与先の海外進出を支援している3名のTKC会員の税理士先生を、またコーディネーターとして早稲田大学大学院の青山慶二教授をお招きし、実務上ご苦労されている点や留意すべき事項などについてディスカッションをしていただきます。
主催する税務研究所として、本日のフォーラムが今後の皆さまの実務において少しでも役立てば幸いです。
研究発表
税理士の専門家責任
─リーガルマインドと紛争予防の視点から─
TKC千葉会(リーダー/横田和正会員・他8名)
講演と対談
租税訴訟における要件事実の考え方
─裁判官による法的判断の構造─
専修大学法学部教授・弁護士
増田英敏
創価大学名誉教授・弁護士
伊藤滋夫
講演
マイナンバー制度の概要と税務について
国税庁長官官房企画官兼情報技術室長
猪野茂
パネルディスカッション
中小企業の海外進出時における留意すべき実務上の論点
◎パネリスト
税理士 茂木和夫
税理士 角掛博人
税理士 菅川 洋
◎コーディネーター
早稲田大学大学院教授 青山慶二
PDFにて「パネルディスカッション」の詳細をご覧いただけます。
閉会の挨拶
公益財団法人租税資料館代表理事
河﨑照行
公益財団法人租税資料館代表理事 河﨑照行
本日発表いただいた講師、パネリスト、コーディネーターの皆さま、誠にありがとうございました。
閉会にあたり、2点お話をします。1点目は、フォーラムを共催する租税資料館の紹介です。租税資料館は、①租税に関する資料や文献の収集・管理、②租税・会計理論等の調査研究の促進、③租税・会計研究に関する人材の育成──の三つの事業を柱とする、わが国最大の租税に関する専門図書館です。
例えば人材育成に関して、現在アジア諸国から来日した留学生の皆さんへの教育資金援助を行っています。こうした留学生の皆さんが自国に戻った時、海外進出をする中小企業を現地で支援してもらうことが目的の一つです。
2点目は、「中小会計要領」普及のお願いです。「中小会計要領」は、中小企業の財務経営力を高めるために政・官・学が一体となって作り上げた、世界最先端の会計基準です。中小企業や金融機関がお互いに信頼して取引できる
経済社会を実現するために、「中小会計要領」の定着に一層のご尽力をお願いいたします。
(TKC出版 村井剛大)
(会報『TKC』平成27年8月号および9月特別号より転載)