ニュースリリース
県内市町村初、新潟市が「地方税の電子申告」サービス開始 12月15日より法人市民税、個人住民税(特別徴収関連手続き)など可能に
平成20年9月24日
新潟県新潟市殿(市長:篠田 昭/人口80万4,477人:8月末現在)は、地方税の電子申告サービスを開始することを公表しました。
県内市町村としては初の実施団体で、サービス提供開始日は12月15日の予定です。
このほどサービスを開始するのは、「法人市民税」「固定資産税(償却資産)」「事業所税」「個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)」の電子申告です。
なお、本サービス開始にあたり、新潟市殿より株式会社TKC(代表取締役:飯塚真玄/本社:栃木県宇都宮市)が開発・提供する「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」をご採用いただきました。新潟市殿は、政令指定都市として全国で初めてLGWAN-ASP方式(*)を採用した団体となります。
今回のサービス開始により、新潟市殿へ申告を行う納税者と申告代理人(税理士等)はインターネットを介して各種申告や申請・手続が行えるようになり、申告書を紙に印刷し郵送するといった手間から解放されます。なかでも「給与支払報告書」は、約50万件の個人明細書が持参・郵送で提出されており、電子申告によって納税者の利便性向上とともに税務行政の効率化につながると期待されています。
地方税の電子申告・納税は、法人や個人事業主にとってIT社会の便利さを最も実感できるサービスのひとつで、全国の地方公共団体での早期実現が期待されています。
これまで、地方税の電子申告サービスの実施団体は47都道府県18市1町に限られていましたが、今回の新潟市をはじめ、今年12月からは新たに200を超える市区町村でサービスが開始される予定です。
TKCは、納税者と収税者(市町村)の双方から電子申告を支援する唯一のベンダーとして、各種システムを開発・提供しています。さらに、TKCのユーザー(税理士・公認会計士)で組織されるTKC全国会では〈国税と地方税の電子申告を率先して実践することが「税理士としての社会的使命」を果たす〉との認識から、税務の専門家としてその普及促進に努めています。その結果、平成19年度の実践件数は、国税が170万2,633件、地方税では29万7,795件(電子申告件数全体の約7割)となりました。
電子申告サービスの概要
- サービス開始日
平成20年12月15日(利用届出 平成20年12月15日) - 対象業務
法人市民税、固定資産税(償却資産)、事業所税、個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)、電子申請・届出
新潟市の電子自治体推進状況
新潟市殿では、これまでも各種住民サービスの向上に取り組んできました。「地方税の電子申告」もそうした取り組みの一環で、インターネットの発展や社会・生活環境の変化を背景に、簡素で効率的な行政を実現し、住民や企業等にとって利便性の高い行政サービスの提供および行政コスト軽減を目指すとしています。
地方税の電子申告について
地方税の電子申告は、社団法人地方税電子化協議会が開発・運営する「エルタックス(eLTAX)」を介して提供されているものです。
なお、地方税電子化協議会によれば、今年12月より、新潟市をはじめ新たに200を超える市区町村において電子申告サービスが開始される予定(8月15日時点の地方税電子化協議会への仮申込み状況)です。
[サービス実施団体]
47都道府県、15政令指定都市、3市(相模原市、田辺市、秋田市)、三芳町
オブザーバー会員 1,719団体(平成20年8月22日現在=全団体の9割以上)
[電子申告の利用実績]
平成19年度 42万4,384件(平成18年度実績4万6,859件)
平成20年度(9月1日現在) 34万7,127件
(前年同期比2.5倍増/前年同期実績13万6,338件)
納税者から見た電子申告の流れ
納税者と申告代理人(税理士等)は、地方税電子化協議会が無料配布する「PCdesk」、あるいはeLTAX対応の税務・会計ソフトを使用して、自宅やオフィスなどから複数の地方公共団体へ一度に申告手続きを行うことができます。
送信された申告データは、eLTAXポータルセンタで受付処理が行われ、提出先(地方公共団体)へ送信されます。
地方税の電子申告のメリット
- 納税者側のメリット
- いつでも・どこでも、インターネットで申告納税、申請・届出などができる
- 複数の提出先(地方公共団体)へ、1回のデータ送信操作で申告できる
- eLTAXへ対応した税務・会計ソフトであれば、作成したデータをそのまま申告に利用でき、業務が大幅に省力化される
- 市区町村のメリット
- 項目の自動入力や税額の自動計算により、申告書チェック業務が効率化される
- 基幹システムとの連携により、データを入力する手間が省け、入力ミスなどを防ぐことができる。あるいは、申告データのパンチ入力コストが軽減される
- 業務プロセスの見直し、納税環境の拡大による徴収率向上への期待
「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」の特長
「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」は、納税者が電子申告したデータを地方公共団体の基幹税務システムへシームレスに連携させるサービスです。LGWAN-ASP方式のため、市区町村では電子申告サービス開始にあたってサーバなど機器調達の必要がなく、運用・保守にかかる労力およびコストの負担を軽減します。
本システムは、平成19年11月13日、電子申告を支援するシステムとして全国で初めて「LGWAN-ASPサービス接続資格審査(アプリケーション及びコンテンツサービス)」に合格・登録を完了。現在、新潟市をはじめ、秋田市、田辺市、三芳町、川口市ほかで採用されています。
(*)LGWAN:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略
(*)LGWAN-ASP方式:審査システムを民間企業が構築・運用し、市町村はサービスのみを有料で受ける仕組みのため、従来の方式(単独方式・協議会方式)に比べて「機器調達や運用にかかるコストが安く、利用料金の負担が安定している」「運用・保守にかかる作業が少ない」などのメリットがあります。
(*)LGWAN-ASP接続資格審査:LGWANを介して地方公共団体へ各種サービスを提供する事業者は、財団法人地方自治情報センター・総合行政ネットワーク全国センターが進めるLGWAN-ASPとしての資格審査を受ける必要があります。その審査内容はサービスの品質に加え、個人情報の保護や法令遵守といった情報セキュリティの確保など多岐にわたります。
TKCにおける電子申告普及推進の取り組み
TKCは、納税者と収税者(市町村)の双方から電子申告を支援する唯一のベンダーとして、社会の要請に応え、より高次な社会インフラの整備へ貢献すべく、国税・地方税の電子申告普及推進の一助となるべく取り組んでいます。
現在、地方公共団体向け「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」のほか、会計事務所向け「TKC電子申告システム(e-TAXシリーズ)」、および中堅大企業向け「法人電子申告システムASP1000R」を開発・提供しています。
また、地方公共団体の情報化を支える主要システム・ベンダー各社とコラボレーションを組み、競合の枠を超えて、全国の市区町村がより円滑・早期に電子申告サービスを実現できるようご支援しています。
当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp