ニュースリリース

魚沼市が、1月24日に「法定調書」の電子申告を実施 行政事務の効率化とともに、住民・企業への「電子申請」利用促進はかる―自治体として「TKC電子申告システム(e-TAX 法定調書)」を初採用―

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平成19年1月23日

 新潟県魚沼市(市長:星野芳昭/人口:4万3573人)と株式会社TKC(代表取締役:飯塚真玄/本社:栃木県宇都宮市/資本金:57億円)は、平成19年1月24日、「法定調書」の電子申告を実施いたします。

 今回、電子申告を行うのは、市職員(臨時職員等含む)および市議会議員約1760名の「給与所得の源泉徴収票」と弁護士や税理士、社会保険労務士等(約700名)への「報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書」など4種類の法定調書で、TKCが開発・提供する「TKC電子申告システム(e-TAX 法定調書)」を用いて実施します。

 これにより、魚沼市では行政事務の効率化を目指すとともに、行政が率先して「電子申告」へ取り組むことで住民や地域企業に対して国が推進する電子申請・届出等手続きの利用促進を図ります。
 またTKCでは従来、中堅・大企業へ提供してきた「TKC電子申告システム(e-TAX法定調書)」を地方公共団体向けにも提供することで、電子申告の利用者メリットを実感していただき、ひいては納税義務者(事業者)から早期実現が求められている「地方税の電子申告」の全国市町村への普及拡大へつなげる考えです。

 法定調書とは、「所得税法」「相続税法」「租税特別措置法」などの規定により、給与や報酬など一定の支払いがあった場合に、支払者(事業所等)がその1年間分の支払いについて受給者(支払先)の住所・氏名・金額などを記載して税務署へ提出することを義務づけられている書類の総称です。
 50種類が規定される法定調書のうち、地方公共団体が提出しなければならないのは主に「給与所得の源泉徴収票と給与支払報告書」「報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書」など7種類です。

 これらの法定調書は、一般に紙あるいはFDなどの磁気媒体によって提出されていますが、限られた期間内に大量の調書を作成して提出しなければならないため、担当者の業務は煩雑かつ膨大な作業量となり、また、個人情報が含まれる法定調書の輸送中の紛失事故の発生も懸念されています。

 魚沼市としては、法定調書の電子申告は初の試みであることから、国税および地方税の電子申告で実績を持つTKCが協力して、「地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)の職責証明書」による電子署名テストなど事前準備を進め、このほど「TKC電子申告システム(e-TAX法定調書)」を使った電子申告の実現に漕ぎ着けたものです。

 「TKC電子申告システム(e-TAX 法定調書)」は、すでに魚沼市において利用されている「TASK.NET給与システム」や「TASK.NET源泉徴収管理システム」と連携して、法定調書の作成から「国税受付システム」への電子申告まで“一気通貫”での処理を可能とするため、担当者の作業量を軽減し事務の効率化を実現します。

 市町村への提出が義務づけられている「給与支払報告書」は、平成20年1月以降に電子申告サービスが開始される予定で、これが可能になると、特に受給者(支払先)が多い地方公共団体や中堅・大企業にとっては、業務効率・コスト面で大きな効果が期待されます。また、そのためには受け側である市町村が「地方税の電子申告」サービスを開始することが必要なため、全国の市町村でのサービスの早期実現が望まれています。

 なお、今回の魚沼市の取り組みは、行政の内部事務の効率化を図るとともに、自らが利用者としての立場を経験することで住民や地域企業のモデルとなり、また今後の電子自治体としての行政サービス向上へつながるものと期待されています。

※本資料は、「総務省記者クラブ」「情報通信記者会」および日頃おつきあいいただいている報道機関ご関係者に配布しています。


法定調書の電子申告概要

  1. 実施日時 平成19年1月24日(水) 14:00~ 於,魚沼市役所小出庁舎301 会議室
  2. 実施者 星野芳昭・魚沼市長
  3. 電子申告を行う法定調書およびデータ件数
    1. 給与所得の源泉徴収票(545件)
    2. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書149件)
    3. 不動産の使用料等の支払調書(82件)
    4. 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  4. 電子申告の実施手順
    1. 電子申告を行うまでの事前準備は以下のとおり
      1. TKC電子申告システム(e-TAX 法定調書)」の導入、カードリーダー等の手配・調整
      2. 「国税受付システム」を介し、小千谷税務署へ電子申告の開始届出書を提出
      3. 「利用者識別番号」および地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)の「電子証明書(首長の職責証明書)」などの取得
        注)電子申告データが、利用者本人の作成したものであることやデータの改ざんの有無を確認するため、電子署名を付与する必要があり、地方公共団体が電子申告を行う場合は「地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)の職責証明書」を電子署名で使用する電子証明書として使用します。
      4. 「国税受付システム」への事前登録
      5. 「電子証明書(首長の職責証明書)」による電子署名のテスト
    2. 電子申告当日の手順は以下のとおり
      1. 「TASK.NET 給与システム」「TASK.NET 源泉徴収管理システム」で、年末調整実施後のデータを出力する(ここで「給与所得の源泉徴収票」「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出対象者が自動的に抽出される)
      2. TKC電子申告システム(e-TAX 法定調書)」で上記データを、国税XML形式に変換
      3. 電子申告データの送信、および受信通知の確認

TKC電子申告システム(e-TAX法定調書)」の主な特長

  1. 中堅・大企業および地方公共団体のための法定調書の電子申告システムです。
  2. 給与計算システムで作成された年末調整結果(源泉徴収票)と、経理部門などが作成した他の法定調書をCSV 形式のデータファイルで読み込むことができます。
  3. 給与所得の源泉徴収票・報酬等の支払調書の電子申告が可能で、市町村における事務処理を大幅に軽減するとともに、市町村自身にも電子申告のメリットを実感していただけます。
  4. 電子申告できる法定調書データは以下の通りです。
    1. 給与所得の源泉徴収票
    2. 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
    3. 不動産の使用料等の支払調書
    4. 不動産等の譲受けの対価の支払調書
    5. 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
    6. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
    7. 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
      ※なお、データは合計で99万9999件まで読み込み可能です。

18年度版「TKC電子申告システム(e-TAX法定調書)」提供開始および提供価格など

提供開始 平成18年12月26日
提供価格 1セット 10,500 円(税込価格)
※別途、機器調整などサポート料が必要(料金は団体規模などによって異なる)
販売目標 TKCの給与システムを利用する120団体

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp


参考資料
魚沼市概要および電子自治体実現への取り組み状況

  • 魚沼市概要
    人口 4万3573 人
    面積 946.93平方キロメートル(新潟県全体の7.5%)。
    URL http://www.city.uonuma.niigata.jp/

     平成16年11月1日に、北魚沼郡堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村が合併して「魚沼市」が誕生。魚沼市誕生直前に、新潟県中越地震が発生し甚大な被害を受けた。
     新潟県の南東部に位置し、福島県と群馬県の県境に接している。西を魚沼丘陵、東を三国山脈に挟まれた魚沼盆地の北方に位置し、夏は高温多湿、冬は3メートルもの積雪がある豪雪地帯。
     市内を関越自動車道が横断し、小出IC・堀之内IC が設置され、上越新幹線・浦佐駅が近く、また、東京~新潟を結ぶ国道17号線(三国街道)や福島県へ連絡する国道252号線(六十里越)、352号線(銀山街道、枝折峠)などが通るなど、県内屈指の交通拠点である。

  • 電子自治体の取り組み
    1. 行政サービスの向上と効率的な行政運営を行なうため、職員の能力開発を図るとともに、民間の専門的な知識や技術を活用しながら電子自治体の構築を推進
    2. 各種情報の機密保護やシステムの保安対策に十分に留意しながら、先端情報技術を活用した業務改革に取り組む
      参考:『魚沼市行政改革大綱~パートナーシップで創る参画と自立のまちづくり~』
      (平成18年3月/http://www.city.uonuma.niigata.jp/Contents/menu.asp?pno=79)

国や他の地方公共団体の動き

  1. 平成18年1月、IT 戦略本部は「e-Japan戦略」の後継戦略となる「IT新改革戦略」を発表。“世界一便利で効率的な電子行政”を目指して“オンライン申請の利用率50%以上”の達成や“小さくて効率的な政府”の実現などを目標に掲げた。これに沿って国税・地方税の電子申告も積極的な推進策がとられている。
  2. 平成16年から国税電子申告・納税システム(e-Tax)で、すべての法定調書の提出ができるようになっている。
    なお、市町村への提出が義務づけられている「給与支払報告書」は、平成20年1月以降に電子申告サービスを開始する予定。これが可能になると、特に支払先が多い事業者にとっては、業務効率・コスト面で大きな効果が期待される。そのためには、受け側である市町村が「地方税の電子申告」サービスを開始することが必要なため、納税義務者(事業者)から全国市町村でのサービスの早期実現が望まれている。
  3. 国税庁は、平成18年12月21日付で、「e-Tax で申告等データを送信する際の電子署名等の一部省略について」を公表。これにより19年1月4日から税理士等が納税者の申告等データを作成・送信する場合は、納税者の電子署名と電子証明書が不要となった。地方税でも国税と同様の検討を開始した。

TKCの電子申告への取り組み状況

  1. TKCでは、国税の電子申告が開始した平成16年2月より、TKC全国会(9500名)に所属する税理士・公認会計士が利用する「TKC電子申告システム(e-TAXシリーズ)」を開発・提供している。
  2. 地方公共団体向けには、平成20年1月よりLGWAN-ASPサービスとして「地方税電子申告支援システム」と「電子納税支援システム」を提供する予定。
    ※特に地方税の電子申告では、納税者側向けシステムと、受け側である地方公共団体向けシステムの両方を開発・提供しているのは当社のみ。
  3. TKC全国会では、国税および地方税の電子申告の推進を税理士の社会的使命として位置づけ、「電子申告推進プロジェクト」を組織して、全国規模での推進活動を展開。
    その実践数は、例えば法人税申告では、全体の電子申告件数の80%超がTKCの電子申告システムを使って実施されている。

法定調書とは

 法定調書とは、給料・報酬などの支払者が、それらの1年間分の支払いについて、受給者(給与・報酬などの支払先)の住所・氏名・支払金額などを記載した書類の総称のこと。身近な例としては、「給与所得の源泉徴収票」などがある。
 これは税務署が適正な課税を確保することを目的に、支払いの事実をつかむため提出を義務付けているもの。1月31日までに、「給与支払報告書」と「特別徴収票」は受給者が居住する市町村に、それ以外の法定調書は支払者の所在地を所轄する税務署へ提出する。
 平成16年から国税電子申告・納税システム(e-Tax)で、すべての法定調書の提出ができるようになった。なお、「給与支払報告書」は、平成20年1月以降に電子申告サービスを開始する予定。

 法定調書は、全部で50種類規定されており、このうち地方公共団体が提出しなければならないのは7種類で、うち今回、魚沼市が提出するのは、以下の4種類です。

  1. 給与所得の源泉徴収票
    給与を支払った場合、「給与所得の源泉徴収票」と「給与支払報告書」をすべての受給者について作成する。これは内容的には同じもの。法定調書は税務署が公平かつ適切な課税を行なうという目的以外に、受給者の源泉徴収税額や収入金額などの証明、さらには市区町村への報告といった役割も兼ねている。これは住民税の課税資料とするためで、金額の多少にかかわらず、すべての人について「給与支払報告書」を居住地の市区町村へ提出する必要がある。
  2. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
    弁護士や税理士、社会保険労務士へ報酬を支払う場合、あるいは原稿料や講演料を支払った場合は所得税を源泉徴収する。これについて1年間に報酬をいくら支払い、いくら源泉徴収したかを記入提出するもの。
  3. 不動産の使用料等の支払調書
    不動産などの借受けの対価(事務所家賃や駐車場地代、権利金や更新料、名義書換料、催会場の一時的な賃借料など)を支払った場合に提出するもの。
  4. 「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
    税務署へ提出する際に、源泉所得税の金額などをまとめて記載するもの。
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